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ウォッカとジンの違い。原料・製法・味・度数・飲み方を比較

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ウォッカとジンの違い。原料・製法・味・度数・飲み方を比較

強いお酒として有名で、カクテルベースに使われることの多いウォッカとジン。この記事ではウォッカとジンの原料や製法、飲み方などの違いを紹介します。

ウォッカとジンはどちらもスピリッツの一種

ウォッカとジンは、どちらも穀物などの原料を加工して造られる蒸留酒(スピリッツ)の一種です。蒸留酒はアルコール度数が高く、火をつければ燃えることから、「火酒(かしゅ)」と呼ばれることもあります。
 
ウォッカ・ジン以外にもブランデー、ウイスキー、焼酎、ラム、テキーラも蒸留酒ですが、日本において「スピリッツ」と言えばウォッカ、ジン、ラム、テキーラを指すことが多く、この4種類のお酒は「世界4大スピリッツ」とも呼ばれています。

ウォッカとジンの違い①原料

ウォッカの原料

ウォッカ

ウォッカは、大麦、小麦、ライ麦、トウモロコシ、ジャガイモといった穀物などの原料を加工して造られる、ロシア発祥のお酒です。氷点下でも凍らないため、超低温地域で重宝されてきた歴史があります。
 
なお、EU(欧州連合)では、サトウキビやブドウなどを原料とする蒸留酒をウォッカと認めるか意見が分かれていたようですが、最終的には原材料を明記することによって、ウォッカと認めることになりました。現在ではミルクやフルーツなど様々な原料から造られるウォッカが流通しています。

ジンの原料

ジン

ジンの基本的な原料は大麦、ライ麦、トウモロコシ、ジャガイモといった穀物ですが、ジンの場合、香り付け用に様々な原料が使用されており、ジンの香りの決め手となる「ジュニパーベリー」という果実を乾燥させたスパイスをはじめ、様々なハーブやスパイス、フルーツが用いられています。
 
ジュニパーベリーは、日本語では「セイヨウネズ(西洋杜松)」と呼ばれる針葉樹に成る果実で、「ベリー」という名前がついているものの、他のベリー系の果実とは少し異なる、スパイシーで爽やかな風味を持ち、これがジンのクリアでドライなテイストの決め手となります。
 
香りづけに用いるジュニパーベリー以外の原料は、コリアンダー、アニス、キャラウェイ、フェンネル、カルダモンなどの種子、アンジェリカ、オリス、リコリスなどの根、レモンやオレンジなどの果皮、シナモンの樹皮など様々です。

ウォッカとジンの違い②製法

ウォッカの製法

ウォッカは、穀物などの原料を発酵・蒸留し、水を加えたものを濾過することで造られています。ウォッカの場合、濾過の過程が一番の肝で、白樺などの木炭を使って濾過することでウォッカならではのすっきりとした味わいになります。
 
ただし、現在ではメーカーによって濾過のフィルターは様々で、木材でもアカシアを使っているメーカーもあれば、ダイヤモンドやステンレスなどの金属をフィルターに使用しているメーカーもあります。

ジンの製法

ジンは、穀物などの原料を発酵・蒸留させたものを「ベーススピリッツ」と呼び、ベーススピリッツにジュニパーベリーを始めとしたスパイスやハーブ、フルーツなどの「ボタニカル」で香り付けすることで完成します。
 
香りづけの方法は、ベーススピリッツにボタニカルを漬け込んで再度蒸留を行う方法と、ベーススピリッツのみ蒸留して蒸気の通り道にボタニカルを置く方法の2通りに分かれています。現在、多くのメーカーは前者の漬け込む方法を用いています。

ウォッカとジンの違い③味・香り・度数

ウォッカの味

ウォッカは製造における濾過の工程で雑味が取り除かれるため、無味無臭ですっきりとした味わい、まろやかな爽快感が特徴的で、世界4大スピリッツの中では最も癖のない風味と言われています。
 
なお、クリアさが特徴的なウォッカですが、スパイスやハーブ、香りや味を加えた「フレーバードウォッカ」もあり、世界中で様々な味のウォッカが流通しています。
 
アルコール度数は40度前後の製品が多く、飲む人の好みに合わせて37度前後のウォッカや、50度以上のウォッカも販売されています。世界最高のアルコール度数96度を誇る、「スピリタス」というポーランド産のウォッカもあります。

ジンの味

ジンは、ジュニパーベリーを始めとしたスパイスやハーブ、フルーツなどのスパイシーで爽やかな独特の香りを持つ、切れ味のあるクリアな味わいが特徴的です。製造しているメーカーで香り付けに使用している原料が異なるので、製品ごとに違った味わいが楽しめます。
 
定番の「ドライ・ジン」以外には、まろやかな甘みを特徴としたオランダ産の「ジュネヴァ」、バランスの良い風味のドイツ産の「シュタインヘーガー」、甘めのドライ・ジンともいえるイギリス産の「オールド・トム・ジン」があります。また、生産されている地方によって風味の異なる「クラフト・ジン」が近年人気を博しています。
 
製品は40~50度のアルコール度数で売られている製品が多くなっていますが、飲む人の好みに合わせて37度前後、50度以上のジンも販売されています。ちなみに、EU(欧州連合)ではジンのアルコール度数は「37.5度以上」と定義づけられています。

ウォッカとジンの違い④飲み方

ウォッカの飲み方

ウォッカで作るスクリュードライバー

ウォッカは発祥の地ロシアではストレート以外の飲み方は邪道とされていますが、ウォッカの無味無臭とも言えるクリアな味わいがどのような割材にもよく合うので、ストレート以外にもロック、水やソーダ割り、ジュースを使ったカクテルなど、様々な嗜み方がされています。

ジンの飲み方

ジンで作るジントニック

ジンは、その切れ味ある飲み口から、炭酸水やトニックウォーター、ライムとの相性が良く、カクテルの「ジン・トニック」はとても有名ですね。また、「マティーニ」、「ネグローニ」、「ギムレット」はジンをベースとした人気のカクテルです。
 
ジュースで割るなら柑橘系のジュースや、炭酸系のコーラやジンジャーエールと相性が良いですよ。オランダやドイツで生産されている甘めのジンはストレートやロックでも飲まれています。