ランジとスクワットは何れも下半身を鍛えるエクササイズであり、組み合わせて実施することが非常に大きな効果を発揮します。今回は、ランジとスクワットを組み合わせて実施する場合の効果的なやり方についてご紹介します。
ランジとは、「lunge」、つまり、「突く」「突進する」を意味します。ランジにはいくつかの種類がありますが、その中でも一般的にランジと呼ばれている「フロントランジ」では、脚を前に出すことで身体全体の上げ下げを行うエクササイズであり、これが「lunge」の状態を端的に表していると言えます。
ランジは、動作自体はスクワットとほぼ同じですが、脚が前後して実施することからスクワットよりも身体が不安定の状態になって実施することになります。その分、スクワットと比較しても負荷の高いエクササイズといえ、自重(自分の体重だけで行う)で実施するだけでも、十分に効果のあるエクササイズであると言えます。運動効率がよく、難度もそこまで高くないため、初心者や女性の方にもおすすめのエクササイズです。
スクワットは、基本的に脚を鍛える種目ですが、副次的な作用が非常に魅力的で、メリハリのある脚、ヒップラインの改善を見込むことができ、また代謝の向上も期待できます。それにも関わらず、フィットネス器具が必ずしも必要でなく、老若男女問わず初級者から上級者まで自宅で実施できる自重トレーニングです。そのため、スクワットは「キング・オブ・エクササイズ(運動の王様)」と呼ばれています。
トレーニング業界には「Shut up and squat!(つべこべ言わず、スクワットをしろ!)」という有名な言葉があります。「とりあえずスクワットをすれば、筋肉の悩み解決する」ということを表しており、スクワットがいかに広い効果のもつ運動かわかります。
一方、簡単にそうに見えて、正しいフォームで実施するのがなかなか難しい側面もあります。
ランジとスクワットは、何れの種目でも実施することで下半身の大部分を鍛えることが期待できるため、「下半身のサイズアップ」に非常に効果的です。
ここで、「下半身のサイズアップ」とは、筋肉を大きくすることを指します。つまり、ボディメイキングの競技を行っている方は、基本的にランジとスクワットを組み合わせて実施することは非常に効率的であることが言えます。
下半身の筋肉は身体の中での筋肉の大きさを比較したときに、かなりの大部分を占める筋肉であることから鍛えることで代謝の改善を効率的に促すことを期待できます。
以上では、下半身のサイズアップについて指摘しましたが、それとは逆に、「脚痩せ」という側面からはランジとスクワットを組み合わせて実施することはあまり良くありません。
これは、前述した通り、組み合わせて実施すると「脚痩せ」というよりは筋肉が肥大することでむしろ脚が太くなってしまうためです。
ただし、一般的に、自重でトレーニングする場合には、必ずしも「脚痩せに有効ではない」と言い切ることができません。そもそも、脚を太くするのにはかなりの負荷をかけてトレーニングをする必要があり、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどを用いて荷重した状態でランジとスクワットを組み合わせて実施しない限りは、脚が劇的に太くなるということはほとんど考えられません。
また、特に女性の場合には、筋肥大に関係する「テストステロン(=男性ホルモン)」が男性よりも少ないことから、そこまで顕著に脚が太くなることはないということは留意しましょう。
ランジとスクワットを組み合わせて実施した場合、何れの種目でも下半身に大きな負荷がかかるため、怪我をするリスクもあるということには注意する必要があります。
ランジとスクワットを組み合わせて実施した場合、特に怪我をしやすいと言われているのが腰、及び膝です。自重で常識の範囲内で実施する限りではほとんど問題ありませんが、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどを用いて負荷をかけたり、数十、数百回の回数設定で実施した場合には、これらの関節を怪我をするリスクがかなり増大することには注意しましょう。
ノーマルランジとノーマルスクワットを組み合わせて実施する場合、ターゲットとなる部位は主に大腿四頭筋と大臀筋です。
ノーマルランジとノーマルスクワットは何れもほぼ同様の部位を鍛えることができる種目です。その中でも、以上の2つの種目は大腿四頭筋と大臀筋に対する負荷が高いエクササイズであるため、主にターゲットとなる部位はこれら2つの筋肉です。
ノーマルランジとノーマルスクワットを組み合わせて実施する場合、10〜12回を3セット、インターバルは30秒程度で実施します。
ノーマルランジとノーマルスクワットは、単独で実施する場合には12〜15回を3セット実施することが推奨されますが、組み合わせて実施する場合には、それよりもやや少ない10〜12回を3セット実施すれば十分です。
自重で実施していることから、極端に負荷が高いわけではないため、インターバルは30秒程度で実施しましょう(エクササイズ後半に実施する場合には、もっと長い時間をインターバルとして設定して問題ありません)。
ノーマルランジとノーマルスクワットを組み合わせて実施する場合には、ノーマルスクワットを先に実施して、その後にノーマルランジを実施しましょう。
これは、この2つのエクササイズを比較したとき、ノーマルスクワットの方が負荷が小さいためであり、腰、膝へのウォーミングアップ種目としての位置付けでもあるためです。このように実施することで、腰や膝を痛めるリスクを軽減することを期待できます。
バックランジとブルガリアンスクワットを組み合わせて実施する場合、ターゲットとなる部位は主に大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスです。
バックランジとブルガリアンスクワットは何れもほぼ同様の部位を鍛えることができる種目です。その中でも、以上の2つの種目は大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスに対する負荷が高いエクササイズであるため、主にターゲットとなる部位はこれら3つの筋肉です。
バックランジとブルガリアンスクワットを組み合わせて実施する場合、10〜12回を3セット、インターバルは30秒程度で実施します。
バックランジとブルガリアンスクワットは、単独で実施する場合には12〜15回を3セット実施することが推奨されますが、組み合わせて実施する場合には、それよりもやや少ない10〜12回を3セット実施すれば十分です。
自重で実施していることから、極端に負荷が高いわけではないため、インターバルは30秒程度で実施しましょう(エクササイズ後半に実施する場合には、もっと長い時間をインターバルとして設定して問題ありません)。
バックランジとブルガリアンスクワットを組み合わせて実施する場合には、ブルガリアンスクワットを先に実施して、その後にバックランジを実施しましょう。
これは、この2つのエクササイズを比較したとき、ブルガリアンスクワットはかなり負荷が高い種目であり、バックランジの後に実施すると高確率で実施することが困難になる可能性が高いためです。ブルガリアンスクワットを実施してからバックランジを実施することで、効率的に大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスを鍛えることを期待できます。
ウォーキングランジとバックスクワットを組み合わせて実施する場合、ターゲットとなる部位は主に大腿四頭筋と大臀筋です。
ウォーキングランジとバックスクワットは何れもほぼ同様の部位を鍛えることができる種目です。その中でも、以上の2つの種目は大腿四頭筋と大臀筋に対する負荷が高いエクササイズであるため、主にターゲットとなる部位はこれら2つの筋肉です。
ウォーキングランジとバックスクワットを組み合わせて実施する場合、8〜10回を3セット、インターバルは30秒程度で実施します。
ウォーキングランジとバックスクワットは、単独で実施する場合には10〜12回を3セット実施することが推奨されますが、組み合わせて実施する場合には、それよりもやや少ない8〜10回を3セット実施すれば十分です。
基本的にダンベル、バーベル、スミスマシンなどで荷重して実施していることから、極端に負荷が高く、インターバルは1分から2分程度で実施しましょう(エクササイズ後半に実施する場合には、もっと長い時間をインターバルとして設定して問題ありません)。
ウォーキングランジとバックスクワットを組み合わせて実施する場合には、バックスクワットを先に実施して、その後にウォーキングランジを実施しましょう。
これは、この2つのエクササイズを比較したとき、バックスクワットはかなり負荷が高い種目であり、ウォーキングランジの後に実施すると高確率で実施することが困難になる可能性が高いためです。バックスクワットを実施してからウォーキングランジを実施することで、効率的に大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスを鍛えることを期待できます。
ランジとスクワットを組み合わせて実施する上で、何れの種目もほとんど同じ部位を鍛えることができます。そのため、後半の種目のために余力を残しておきたいところですが、逆効果です。
トレーニングでは常に筋肉を全力まで使い果たすことが重要であり、そのようにすることで初めて筋肉が発達します。余力を使い果たした状態で後半の種目を実施すると、所定の回数を実施できなかったり、フォームが崩れてしまったり、重量を扱えないという問題がありますが、その中でなんとかやり切ることで筋肉は初めて成長します。
以上より、ランジとスクワットを実施する際には後半に実施する種目のために余力を残さないようにしましょう。
ランジとスクワットを組み合わせて実施すると、どうしても回数、セット数が多くなってきてしまいます。このため、前述したように、フォームが必然的に崩れ易くなります。
ここで重要なのが「常に自身のフォームを意識する」ことです。ランジとスクワットを組み合わせて実施した場合には、フォームが崩れてしまうことは必然的であるため、「意識する」ことでこのような悪いフォームが身体に染み込みにくくなります。
また、このように実施することで、自身のフォームが現在崩れているのか、崩れているのならば何が悪いのかを意識するようになり、ランジもしくはスクワットを単独で実施したときによりフォームが丁寧になります。
以上より、ランジとスクワットを組み合わせて実施した場合にはいつも以上にフォームに気を使いましょう。
ランジ、スクワットに限らず、エクササイズのほぼ全ては、負荷の抜けない範囲で可動域を大きく設定することで負荷を高めることが期待できます。
ランジでは、踏み込んだ脚に重心を乗せて、その状態で身体を下げるようにして実施し、このときにできるだけ身体を深く下げることで負荷を高めることが期待できます。
スクワットでは、太ももが床と平行かそれよりも深いところまで下げるようにして実施し、このときにできるだけ身体を深く下げることで負荷を高めることが期待できます。
いずれも回数、セット数が多くなってくると意識しにくくなってきますが、1回1回、しっかりと可動域を設定した状態で丁寧に実施するようにしましょう。
自重で実施するスクワットとランジを完全にマスターした場合において、ダンベル、バーベル、スミスマシンを用いてスクワットとランジの負荷を高めることは大変有効です。
ただし、これらの器具を使用してスクワットとランジを実施すると、劇的に負荷が高まるため、重量設定、回数設定が非常に重要になります。回数として、8〜10回3セットを正確なフォームで実施できる重量を設定する必要があります。
重量を増やし過ぎると、回数が少なくなったり、間違えたフォームで実施することでエクササイズ効率が低下したり、怪我をする恐れもあるため注意しましょう。
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