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ソウルフードとは?意味と由来は?日本と米国で意味が違う?

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ソウルフードとは?意味と由来は?日本と米国で意味が違う?

ソウルフードの本来の意味と、日本での使われ方について解説します。

ソウルフードの本来の意味・由来

アフリカ系アメリカ人の食べ物

ソウルフードの語源は英語「soul food」です。

英語で「soul food」と言った場合、アメリカ南部に住むアフリカ系アメリカ人の伝統的な食べ物・料理のことを指します。

具体的には、とうもろこしのパンや、なまずのフライ、焼き豚、コーンブレッド、カラードグリーンズ、マカロニ・アンド・チーズ、フライドチキン、スウィートポテトパイ、ジャンバラヤなどが代表的なメニューとして挙げられます。アフリカ系アメリカ人は鶏肉を入手するのは困難でしたが、農園主のコックとして働くようになるとフライドチキンもソウルフードの仲間入りを果たします。

ソウルフードには栄養が不足しボリュームは多いという不健康なイメージがつきまといます。

英語圏で「soul food」と言った場合、この意味しかありません。そのため、日常的にはあまり使わない表現といえます。

「soul food」は直訳すると「魂の食べ物」です。アフリカ系アメリカ人に関することには「魂」という言葉がよく使われます。奴隷制度や差別などによるアフリカ系アメリカ人の苦労や葛藤、悲しみを表しています。「ソウルミュージック」もその一つです。

韓国の首都ソウルは無関係

「ソウル」と聞くと、韓国の首都であるソウルを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、「ソウルフード」と韓国は全く関係ありません。

韓国の首都ソウルは英語で「Seoul」で、「soul food」の「soul」とはスペルが違います。

ちなみに「sole(ソウル)」だと「舌平目」という魚介類を指す料理用語になります。

ソウルフードの日本での使い方

日本における「ソウルフード」は、英語本来の意味とは違う使われ方がされています。

特定地域の郷土料理

日本では、英語本来の意味から転じて「その民族や地元の人々にとって、郷愁を感じさせる食べ物」という意味で使われます。これは和製英語ですが誤用ではなく、『広辞苑』にも記載があります。

例えば「沖縄のソウルフードは沖縄そばだ」「ジンギスカンは北海道民のソウルフードである」などと都道府県別で使われることが多いです。その地域出身の人がそれを食べると故郷を思い出し、どことなく懐かしく感じられる料理・味を指します。

海外と対比させて「日本のソウルフードはおにぎりだ」などと使う場合もあります。

自分の家庭の味

ソウルフードである地元料理は、外食もするでしょうが、家庭で食べることが多いかと思います。そのためソウルフードを地元の郷土料理という意味よりも、単に「自分にとって懐かしい家庭料理、母の味」という意味合いで使う人も多いです。例えば「私のソウルフードは父が作ってくれたカレーだ」などと地域に関係なく使ったりします。

また、ソウル=魂から、単に「自分が元気になる料理、好きな料理」という意味合いで使われる場合もあります。例えば、「私のソウルフードは生姜焼きです」などです。

しかし、これらの使い方は辞書には載っておらず誤用とされます。今後このような使い方が一般的になれば、辞書に掲載され、正しい日本語となる場合もあります。

ソウルフードの英語

hometown food

日本語の「ソウルフード」は英訳すると、最も近いのは「hometown food」です。「ソウルフード」にピッタリ合う英語は見当たりません。「hometown food」は単にに「故郷の食べ物」という意味です。

例文

「What fodd is your hometown famous for?」は直訳すると「あなたの地元は何の料理が有名ですか」となり、「あなたのソウルフードは何ですか」という意味合いになります。

「What do you miss most about your hometown food?」は直訳すると「地元の食べ物で最も恋しいのは何ですか?」となります。「恋しい」というニュアンスが「ソウルフード」に通じるものがあります。「あなたにとってのソウルフードは何ですか」と意訳してもいいかと思います。