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椅子クランチのやり方。効果を高めるコツは?

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椅子クランチのやり方。効果を高めるコツは?

椅子クランチとは、椅子を使って実施するクランチを指し、いくつかやり方があります。今回は、椅子クランチのやり方及びコツをご紹介します。

椅子クランチとは

椅子クランチとは、その名の通り、椅子を使って実施するクランチを指します。逆に言うと、椅子を使って実施するクランチは全て「椅子クランチ」と呼称することから、椅子クランチと呼ばれる種目はいくつかあります。

基本的に、椅子クランチでは、椅子に座って実施するか、椅子に脚を乗せて実施するかのどちらかであるため、通常のクランチと比較してエクササイズ強度は低くなります。そのため、椅子クランチは、基本的に筋トレ初心者向けのエクササイズであり、クランチを実施するには不安がある方におすすめの種目です。

椅子クランチで鍛えられる部位

腹直筋上部

腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、所謂、我々が「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称であると想定されます)。

筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。腹直筋上部は、その中でも最も上部に位置する筋肉であり、脂肪の層が薄く、鍛えたときの効果を実感しやすい部位です。

前述した通り、椅子クランチは通常のクランチと比較して負荷は小さいです。そのため、以下の効果も通常のクランチと比較すると小さいと言えます。

腸腰筋

腸腰筋は、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋肉を総称した筋肉であり、筋肉の分類としてはインナーマッスルに分類され、上半身と下半身をつなぐ役割をしています。

腸腰筋は、それ単独で鍛えることが難しく、腸腰筋以外の部位を鍛えることで副次的に鍛えることが可能です。

腸腰筋は椅子クランチのサブターゲット部位です。

椅子クランチの効果

お腹まわりをすっきりさせる

椅子クランチで最も期待できるのは、お腹周りの脂肪を落とすことです。

が、腹直筋だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹直筋を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。シックスパックを作りたい場合も同様で、シックスパックをしっかり出したい場合には計画的な有酸素運動、食事制限が必要です。

ちなみに、腹直筋をつけすぎると、ウエストが太くなる場合があるので注意しましょう。

基礎代謝の向上

腹直筋は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋が分類される腹筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、大腿四頭筋や大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。

それでも、腹直筋は、腹筋の中では最も大きい筋肉であり、椅子クランチで鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。

代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、ダイエット効果を期待できます。

姿勢の改善

姿勢が悪い状態には猫背と反り腰があります。

反り腰は猫背の人が無意識に身体のバランスを取ろうとしてなると考えれるため、猫背を矯正するのがまず必要です。

猫背の大元の原因は、骨盤の歪みです。

腹直筋には骨盤の角度を調整する働きがあります。腹直筋に十分な刺激を与えないと凝り固まり、骨盤の角度調整機能が十分な役割を果たさず、骨盤が後傾してしまいます。

そのため、椅子クランチで腹直筋を鍛えることで骨盤を正しい位置に戻し、猫背・反り腰の改善に繋がることが期待できます。

姿勢を改善することは、腰痛の予防や改善に繋がる場合もあります。

その他の効果

椅子クランチでは、腸腰筋を鍛えることを期待できるため、以下の効果も期待できます。

  • 腰痛の改善。

  • 内臓を正しい位置に保つ。

  • ヒップアップ効果。

  • 運動能力向上・歩行能力の改善。

椅子クランチのやり方

フォーム

椅子に座って実施する椅子クランチ

  1. 椅子に座る。
  2. 腹直筋上部を支点にして上半身を曲げる。
  3. ゆっくりと元の姿勢に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

椅子に脚をかけて実施する椅子クランチ

  1. 仰向けになって椅子に脚をかける。
  2. 腹直筋上部を支点にして上半身を曲げる。
  3. ゆっくりと元の姿勢に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

初心者

筋トレ初心者の場合、椅子クランチは15〜18回を3セット実施しましょう。

椅子クランチは、腹直筋上部を鍛えるエクサイズであり、いずれのやり方でもエクササイズ強度は限定的です。そのため、一般的なトレーニングで標準的な回数とされているものよりも多い15〜18回を3セット実施しましょう。

少し慣れたら

椅子クランチに少し慣れた方の場合、椅子クランチは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。

クランチに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、18〜20回を実施します。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対してより丁寧に動きを意識して18回きっちりと実施しましょう。

上級者

筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。

アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。

スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばクランチと一緒に実施するならばクランチ、レッグレイズ、シットアップなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も12〜15回実施できるようにしましょう。

椅子クランチの効果を高めるコツ

トップポジションで顎を出す

椅子クランチなどの腹直筋を鍛えるエクササイズは、腹直筋を収縮させることが重要となります。

具体的には、トップポジション(身体が最も高い位置にある状態)に移行する時に「顎を出す」ようにすることで腹直筋が収縮させることができます。

逆にボトムポジションでは顎を引く様にします。

以上の動作を繰り返すことで腹直筋の伸縮をより意識できるようになります。

肘の動き

椅子クランチでは、負荷が低いことから、基本的には少しでも負荷を高めるために手は頭の後ろに配置します。手を頭の後ろに配置することで、クランチの動作を行う際に腕の重さが加わるためエクササイズ強度が増大します。

また、手を頭の後ろに配置することで、動作時に肘の動きを意識できるようになります。具体的には、腹直筋が最も収縮する部分において肘を絞めるようにすることでより腹直筋の収縮を意識できるようになり、エクササイズ強度が増大することが期待できます。

腹直筋の動きを意識

椅子クランチに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。

これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

このため、最初は難しいですが、腹直筋上部の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での腹直筋上部の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作のスピード

椅子クランチに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

椅子クランチに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、椅子クランチでは、上体を下ろすときに息を吸い、上体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

椅子クランチと一緒にやるのがおすすめのエクササイズ

クランチ

クランチ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

クランチは、椅子クランチの上位種目であるためです。

クランチは、腹直筋上部を鍛えるためのエクササイズであり、椅子クランチよりも必然的に負荷が高くなります。実際に実施する場合には、椅子クランチを先に実施し、クランチをその後に実施することで腹直筋上部を集中的に鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 仰向けになった状態で両手を頭の後ろに設定する。
  2. へそを見る様に背中を丸めながら上体を起こす。
  3. ゆっくりと元の姿勢に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

クランチは、12〜15回3セット実施します。

クランチは、腹直筋上部を鍛えるエクササイズであり、可動域は小さいですが、しっかりやるのが中々難しい種目です。このため、回数を多くこなそうとするのではなく、回数は抑えめで、しっかりとフォームを維持できる回数で実施するのが重要であり、そのために、一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施しましょう。

効果を高めるポイント

  • 肘の動きを意識。

  • 腹直筋上部の動きを意識。

レッグレイズ

レッグレイズ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

レッグレイズは、椅子クランチでは集中的に鍛えることが難しい腹直筋下部を鍛えることができるためです。

レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるためのエクササイズであり、エクササイズ強度は椅子クランチよりも高いです。実際に実施する場合には、椅子クランチを先に実施し、レッグレイズをその後に実施することで腹直筋全体をバランス良く鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 仰向けになり、両手はお尻の下に配置し、膝はやや曲げた状態に設定する。
  2. ボトムポジションを踵が床にぎりぎり付かない位置に設定する。
  3. 脚を素早く挙げて、床と太ももの角度が75度程度になる部分をトップポジションに設定する。
  4. 脚をゆっくり下げて2に戻る。

回数

レッグレイズは、15〜18回3セット実施します。
レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるための標準的な腹筋のエクササイズです。基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。

効果を高めるポイント

  • とにかく足の動きをコントロールする。

  • 腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。

  • 足を床ぎりぎりまで下げる。

  • 膝を真っ直ぐにしすぎない。

  • 呼吸を意識する。

シットアップ

シットアップ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

シットアップは、腹直筋全体を鍛えることができるためです。

シットアップは、椅子クランチとは異なり腹直筋全体を刺激するエクササイズです。実際に実施する場合には、椅子クランチをウォーミングアップ種目として先に実施し、シットアップを本番種目として実施するようにしましょう。

やり方

  1. 膝を立てて仰向けになる。
  2. 手を頭の後ろに回す。
  3. 腹直筋に負荷が入る部分まで状態を僅かに上げ、これをボトムポジションとする。
  4. 顎を出しながら上体を上げる。
  5. 顎を引きながらゆっくりボトムポジションまで戻す。
  6. 4から5を繰り返す。

回数

シットアップは、12〜15回3セット実施します。

シットアップは、腹直筋全体を鍛えるエクササイズですが、腰をかなり痛めやすいエクササイズです。このため、レッグレイズと同様に回数を多くして実施しないことがポイントであり、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 腹直筋に負荷が入る範囲で実施する(=上体を上げすぎない、下げすぎない)。

  • トップポジションで顎を出す。

  • 上体を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。

  • 高回数で実施しない。