シットアップは、特に筋トレ初心者の方だとできないという場合が多々あります。今回は、シットアップができない原因とその対策についてご紹介します。
シットアップは英語で「sit-up」で、「座った状態で起き上がる」エクササイズを指します。これはいわゆる「腹筋」と呼ばれるエクササイズです。
シットアップは非常にメジャーなエクササイズである一方で、実は難度はかなり高いです。非常に広く実施されていますが、正しく実施できている人はかなり少ないのが現状です。
通常シットアップは数十回をノルマに設定させることが多いですが、正しいフォームでシットアップを実施すると、そのような高回数を実施するのはほぼ不可能です。上級者でも10回程度を実施するのもかなり難しく、言い換えるならば、それくらいの意識をもってシットアップを実施するのが重要です。
腹直筋が十分でない場合、仰向けになった状態から起き上がることができず、結果としてシットアップを実施することが困難となります。
これは、特にシットアップ初心者の方によくあるケースです。初心者でなくても、シットアップを正しいフォームで実施しようとすると、ボトムポジション(上体が床に付いた状態)から上体がうんともすんとも動かないという場合があります。
この場合、まずは「正確なシットアップ」を実施するのではなく、手を胸前で組むシットアップや、やや手の反動を使うシットアップなどを実施しましょう。
また、後述する腹直筋を鍛えるための比較的負荷の小さいエクササイズを実施することも有効です。
シットアップは腹直筋を丸めるようにして実施するため、お腹に脂肪がつきすぎている場合、この動作の実施が難しくなります。
お腹まわりに脂肪がつきすぎていると、実施するのが困難になるエクササイズは少なくありません。
お腹に脂肪がつきすぎている方は、シットアップを実施することでお腹の引き締めを狙いがちですが、それよりも、まず食事制限や有酸素運動を実施した方が効果的です。
脂肪が多すぎる方は、シットアップを実施する前に、まずは最低限体重を減らすようにしましょう。
腰を痛めている場合、シットアップがほぼ腰を支点にして実施するエクササイズであることから、実施困難になります。
さまざまな原因で腰痛は発症しますが、間違ったフォームで多くシットアップを実施したために腰を痛めている人も少なくありません。運動部活動を行っていた若い方に多いです。実はシットアップは非常に腰を痛めやすい種目です。日本バスケットボール協会が「シットアップは腰痛の原因となる」という理由で、非推奨種目としていることからも、シットアップの危険性が推察されます。
シットアップで一度、腰を痛めてしまった場合は完治するまで、安静にするようにしましょう。腰痛が治るまではプランクなどの腰に負担がかかりにくい種目で腹直筋を鍛えるのがおすすめです。
反り腰になっている場合、上体を丸める動作を実施することが困難となります。
反り腰とは、文字通り「腰が反ってしまっている状態」を指します。高齢の方や、背中の筋肉が低下してしまった方、骨盤が歪んでいる方などが患っているケースが多いです。
この場合、まずは反り腰を治すことが重要で、そのためには背中を鍛えるためのトレーニングや、骨盤の歪みを正すエクササイズを実施することがおすすめです。具体的には、背中の筋肉を鍛えるには後述するプランクなどが、骨盤の歪みを正すには後述するレッグレイズなどがおすすめです。
背中の柔軟性が足りない場合、反り腰と同様に、上体を丸める動作を実施することが困難となります。
現代人の多くは、長時間デスクワークを行っており、長時間同一の姿勢をとっていることで背中が凝り固まり、柔軟性が低下している場合があります。
この場合、お風呂上がりなどに背中のストレッチを実施することはもちろんですが、背中のトレーニングを行うことで可動域を増やし、背中の柔軟性を改善するようにしましょう。
腸腰筋の柔軟性が足りない場合、「上体を上げる」という動作を実施することが困難となり、シットアップができなくなります。
腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐ筋肉です。シットアップでは直接、この筋肉を使って上体を上げるわけではありませんが、腹直筋が稼働する際に副次的に腸腰筋が働くことで上体が起き上がります。
このとき、腸腰筋の柔軟性が足りないと上体を曲げる動作をうまく実施することができず、腹直筋ばかりに力が入ってしまう状態になります。この場合、腸腰筋のストレッチを実施することはもちろんですが、後述するレッグレイズなどで腸腰筋に刺激を与えることで腸腰筋の柔軟性を改善するのがおすすめです。
筋トレ初心者の場合、シットアップは12〜15回を3セット実施します。
シットアップは、きちんと実施するとエクササイズ強度は比較的高いエクササイズです。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
シットアップに少し慣れた方の場合、シットアップは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。
シットアップに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、12〜15回を実施できる重量設定にします。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対して少しだけ重量を減らして15回きっちりとできる重量設定をするようにしましょう。
筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。
アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。
スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばシットアップと一緒に実施するならばクランチ、レッグレイズ、オブリーククランチなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も12〜15回実施できるようにしましょう。
バランスボールシットアップは、バランスボールの反動を使うことができるためです。
バランスボールシットアップは、通常のシットアップとは異なり、ボトムポジションでバランスボールの反動を使うことができるため、より簡単なシットアップとなります。ただし、正しく実施する際には、もちろんバランスボールの反動を使わないことが重要であり、できるようになってきたら丁寧に実施するようにしましょう。
バランスボールシットアップは12〜15回を3セット実施します。
バランスボールシットアップは、通常のシットアップと比較して腹直筋を伸展させることができるため、ややエクササイズ強度は高くなりますが、バランスボールがあるため、急激な負荷の増大は抑えることができます。実施する際には、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セットを実施しましょう。
ボトムポジションでしっかりと腹直筋を伸展させる。
惰性で実施しない。
動きは丁寧に。
トップポジションで顎を出す。
上体を上げすぎない。
呼吸を意識。
手を胸前に組んだシットアップは、手を頭の後ろに組むシットアップよりも上体にかかる負荷を低減可能であるためです。
非常に単純ではありますが、実は手の設定する位置でシットアップの負荷は大きく変化します。頭の後ろに設定するのが最も負荷が高いやり方である一方で、胸前に手を設定すると手の重さを上半身で支えることができるため、エクササイズ強度を低減可能です。
シットアップは12〜15回を3セット実施します。
シットアップは、きちんと実施するとエクササイズ強度は比較的高いエクササイズです。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
腹直筋に負荷が入る範囲で実施。
トップポジションで顎を出す。
腕の位置。
回数。
2人1組でのシットアップは、脚を固定されている分、腹直筋の力を発揮しやすいためです。
実際にやってみると分かりますが、脚を固定されていない状態でシットアップを実施すると、身体のバランスをとる必要があるため中々、シットアップに集中できません。ここで、2人1組で脚を固定して実施すると、シットアップを実施することだけに集中できるため、より簡単にシットアップの実施を期待できます。
シットアップは12〜15回を3セット実施します。
シットアップは、きちんと実施するとエクササイズ強度は比較的高いエクササイズです。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
腹直筋に負荷が入る範囲で実施。
トップポジションで顎を出す。
腕の位置。
回数。
プランクは腰への負担を小さくして腹直筋を刺激できるためです。
腹直筋を鍛える多くのエクササイズは、腰に負担がかかる種目が多いですが、プランクは身体をまっすぐにすることで鍛えるエクササイズで有ることから、腰にかかる負担は少ないです。このため、特に腰を痛めている方でシットアップができない方におすすめです。
プランクは、45〜60秒間3セット実施します。
プランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズですが、トレーニング初心者や女性の方にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始め、最終的には60秒を3セット実施することを目指しましょう。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。
上半身は三角筋を使って支えることを意識する。
クランチは、シットアップと比較して可動域が狭いためです。
クランチは、かなり可動域が狭いエクササイズであり、ポイントをしっかりと押さえれば、小さい可動域の中でも十分に腹直筋上部を鍛えることがで期待できます。
クランチは、12〜15回3セット実施します。
クランチは、腹直筋上部を鍛えるエクサイズであり、可動域は小さいですが、しっかりやるのが中々難しい種目です。このため、回数を多くこなそうとするのではなく、回数は抑えめで、しっかりとフォームを維持できる回数で実施するのが重要であり、そのために、一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施しましょう。
肘の動きを意識。
腹直筋上部の動きを意識。
レッグレイズは、動作が比較的単純で、腸腰筋にも刺激を与えることができるためです。
レッグレイズは、比較的動作が単純であり、シットアップができない方でも実施できる可能性が高いエクササイズです。また、シットアップができない原因となる「柔軟性」、「骨盤の歪み」に起因する腸腰筋を鍛えることがで期待でき、レッグレイズをしっかり実施することで、シットアップもできるようになることが期待できます。
レッグレイズは、15〜18回3セット実施します。
レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるための標準的な腹筋のエクササイズです。基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。
とにかく足の動きをコントロールする。
腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。
足を床ぎりぎりまで下げる。
膝を真っ直ぐにしすぎない。
呼吸を意識する。
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