ごぼうを調理するときに土臭さが気になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではごぼうが土臭い原因や土臭さを取る下処理の方法などを詳しく解説します。
私達が食べているのはごぼうの根の部分です。土の中に埋まっている状態で育ち、土から掘り出して収穫しています。近年は綺麗に洗いカットされた状態で販売されていることもありますが、鮮度を保つため泥が付いた状態で販売されていることも多くあります。そのためごぼうは土臭さや泥臭さを感じることがほとんどです。
泥や土がついているごぼう=新鮮で良いごぼうというわけではありませんが、土や泥がついているごぼうは乾燥からごぼうを守ることができるため鮮度を保ちやすいです。
きんぴらごぼうなど、ごぼうを使った料理が土臭かった経験がある方も多いのではないでしょうか。ごぼうを使った料理に土臭さを感じる原因としては、きちんと泥汚れが落ちていない状態で調理をしていなかったり、下処理が不十分であることが考えられます。
ごぼうの土臭さはきちんと泥汚れを落とし下処理を行うことである程度軽減することができます。
ごぼうを調理するときは、まずごぼうの表面をしっかりと洗い泥汚れを落とすことが大切です。泥を落とすことは、泥に含まれる農薬を取り除くことにも繋がります。
ごぼうを洗うときは、たわしを使うと良いです。ごぼうの表面には凹凸があり、凹凸部分に泥汚れが入り込んでいるため流水や手でこするだけではなかなか綺麗に落とせませんが、たわしを使うと綺麗に落とすことができます。たわしがない場合は、クシュクシュにしたアルミホイルでも◎
上述したようにごぼうは皮のすぐ下にうまみや香りがあるので、あまり強くこすって傷つけてしまわないように注意しましょう。
ちなみに泥汚れを落としてから販売されている洗いごぼうも、汚れが全くついていないというわけではないので、軽く流水で汚れを落としてから使うと良いです。
土臭さの原因となる泥汚れは表面についているので、皮を剥いて調理すれば良いのではと思う方も多いと思いますが、皮には抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれているので、剥くのではなく包丁の背でごぼうの表面を薄くこそぎ落として下処理をしておくのがおすすめです。
ごぼうには上述したようにポリフェノールが含まれており、ポリフェノールは苦味やエグみを感じさせるアク(灰汁)となる成分の一つです。苦味やエグみが気になる場合は水や酢水につけてアク抜きをしておくと良いでしょう。
水や酢水につけておくことでポリフェノールが酸化して変色してしまうのを防ぐこともできます。ただし、水や酢水につけることで水溶性の食物繊維やカリウムといった栄養素も流出してしまうデメリットもあります。たけのこやほうれん草はアク抜きをしないと食べることができませんが、ごぼうは必ずアク抜きをしなければいけないわけではありませんので、栄養価を下げたくない場合はアク抜きをせずに調理をするのが良いです。
たけのこやほうれん草がアク抜き必須なのは、シュウ酸とよばれる成分が多く含まれているためです。シュウ酸は苦味やエグみの原因となるだけではなく、体の中のカルシウムと結合して結石の原因になるなど人体にとって害があるためアク抜きをして食べることが推奨されています。
ごぼうがカビ臭い場合は、カビが生えている可能性が高いです。
ごぼうには白カビや黒カビが生えることがあります。表面に白いふわふわとしたホコリのようなものがつくのが白カビ、黒く変色するのが黒カビです。白カビや黒カビなどのカビの胞子は目にみえないほど小さいので、カビが生えていないように見えてもカビの胞子が入り込んでいてカビの匂いがすることがあります。
カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。
カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が現れる可能性があるため、心配な方や高齢者、小さなお子様が食べる場合は破棄するのが無難です。
ごぼうからツンとするような酸っぱい臭いを感じる場合は、腐敗している可能性が高いです。ごぼうに限らず腐敗した食べ物には微生物がいる可能性が高く、種類によっては下痢や嘔吐などの症状が出ることもあるため破棄しましょう。
食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がしたりします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。腐敗が進むと生ゴミのような臭いがすることもあります。あきらかに普段は感じない異臭を感じる場合は破棄するのが無難です。
臭い以外で注意すべきごぼうの特徴を紹介します。
腐っているごぼうの見た目の特徴は、下記の通りです。
カビが生えている。
曲がっている。
シワシワになっている。
本来まっすぐとした棒状のごぼうが明らかにぐにゃりと曲がっている場合は、腐敗が進み柔らかくなってしまったことが原因で曲がっている可能性が高いです。完全に表面が乾燥してしまい、シワシワになってしまっているものも腐敗が進んでいるので食べないようにしましょう。
腐っているごぼうの感触の特徴は下記の通りです。
ぬめりがある
糸を引く
張りがない
柔らかい
ごぼうを触ったときにぬめりを感じたり、糸を引いた場合はバクテリアが活動し腐敗が進行しているサインです。新鮮なごぼうはぬめりが出たり糸を引くことはありませんので、残念ですが破棄しましょう。
購入したごぼうは正しく保存することでカビ臭くなってしまったり、腐敗して臭くなってしまうのを防ぐことができます。
土の中で育つごぼうは乾燥に弱いのが特徴です。保存時に乾燥させてしまうとスカスカになり食感が悪くなってしまうので気をつけましょう。一方で、湿気がこもってしまうとカビが生える可能性も。しっかり乾燥から守りながら、通気性は高めておく必要があります。
ごぼうは意外にも暑さにも弱いのも特徴。最適貯蔵温度は0℃といわれています(ごぼうを日常的に食すのは日本と台湾くらいなため、欧米ではあまり研究が進んでおらず、貯蔵最適湿度はわかっていません)。
そのため、長く保存するには、泥つきのままキッチンペーパーに包んだりと乾燥から守りながら、冷蔵庫に入れるのがベストですが、泥つきのごぼうは常温保存することも可能です。
冬場なら1ヶ月、夏場なら2週間程度保存することができます。
このように丸ごと新聞に包み、ダンボールなどに立てて冷暗所で保存します。新聞紙を包むことで乾燥から守り、かつ湿気を吸ってくれます。
土に入れて保存するとより長くもちます。ごぼうが入る大きさに土を掘り、横にして置き、土をかぶせます。縦に入れるのが理想ですが、あまり深く掘るのは大変なので横向きで保存するのが一般的です。適度に保湿しながら保存することができます。
土が乾燥しすぎていたり、水分を含みすぎていると、ごぼうの傷みが進むので注意してください。気温が上がる夏場はあまりおすすめしませんが、冬場なら2ヶ月ほど保存することが可能です。
ごぼうは冷蔵が最大2ヶ月と最も長く保存することができます。ただし、洗いごぼうは1週間ほどしか保存できないので注意しましょう。
泥つきは冷蔵庫に入る長さに切り、新聞紙に包みポリ袋に入れて、軽く口をしめて立てて保存します。ごぼうは乾燥に弱いので野菜室で保存しましょう。
洗いごぼうも冷蔵庫に入る長さに切って、ポリ袋に入れて立てて保存します。
洗いごぼうは水につけて保存する方法も。少し手間ですが、上記の方法よりも長く保存することができます。2日に1回は水を取り替えるようにしましょう。水に浸けておくと空気に触れないので、2週間程度は変色しません。特に切ってしまったごぼうは変色しやすいので水に浸けて保存するのがおすすめです。ポリ袋に入れるだけより長く保存できる一方、栄養が流れ出てしまうデメリットもあります。
泥つきでない場合は、ごぼうは冷凍することで長く保存することができます。冷凍したごぼうは泥臭さが消えて、柔らかくなり味が染み込みやすくなります。冷凍することで変色を防ぐこともできます。
長めに切って生のまま冷凍することもできます。泥をしっかり洗い、キッチンペーパーで水けを取り、冷凍用ポリ袋に入れて冷凍庫へ。水に1分ほど浸けると切りやすくなります。長く水に浸けすぎると水溶性の栄養が流れ出てしまうので注意しましょう。金属トレイの上に置いて冷凍すると急速冷凍ができ、食感が悪くなりにくいです。
ささがきなど調理しやすいようにカットしてから生で冷凍するのも◎。和え物やサラダに使うときは前日に冷蔵庫に移して自然解凍、または電子レンジ解凍します。加熱調理に使うときは凍ったまま使います。
硬めに茹でてから冷凍する方法も。少々手間ですが、下茹でしてから冷凍すると食感や風味が落ちにくいのでおすすめです。乱切りなどお好みで切ってから下茹でして、冷ましたら、キッチンペーパーで水けを取って、冷凍用ポリ袋に入れて冷凍庫へ。
きんぴらを冷ましてから、ラップで小分けにして冷凍するのもおすすめです。解凍方法は常温で1〜2時間置くか、前日に冷蔵庫へ移動、または電子レンジで加熱します。
その他の保存方法には、天日干しやレンジなどで水分を飛ばしてから保存する乾燥保存や、味噌やオイルに漬けて保存する漬け保存などがあります。ごぼうの保存方法についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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