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ほうれん草の代用野菜9選。合う料理別に紹介。小松菜・チンゲン菜が一番近い?

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ほうれん草の代用野菜9選。合う料理別に紹介。小松菜・チンゲン菜が一番近い?

ほうれん草は様々な調理に使うことができる野菜ですが、値段が高騰していたり家になかったりして他の野菜で代用できないかと考えたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではほうれん草の代用になる野菜を紹介します。

ほうれん草ってどんな野菜?

一般的にスーパーなどで販売されているほうれん草の味は、葉物野菜特有の青臭さと苦味があるのが特徴です。

ほうれん草の苦味は、たけのこなどにも含まれている「シュウ酸」と呼ばれる成分によるものです。シュウ酸は栄養素というよりも老廃物で、苦味やえぐみを感じさせるアクの原因物質の一つです。また、結石を作る原因となったりカルシウムの吸収を阻害すると言われています。

そのためほうれん草を食べるときは下茹でをするなど下処理をする必要があります。下処理をしてアクを取り除くことで美味しく食べることができます。

食感

ほうれん草の葉の部分は葉物野菜らしい柔らかさがあり、茎の部分のシャキっとした食感を楽しむことができます。葉が薄く柔らかいという特徴を活かして、お浸しや胡麻和えなどにして食べられることが多いです。また、ソテーなど炒め物にすることもあります。

栄養

ほうれん草には、カロテンやビタミンC、ビタミンB1、B2などのビタミン類や貧血予防などに効果があるといわれている葉酸(ビタミンB10)などの栄養素が含まれています。

上述したようにほうれん草には体に良いと言われているビタミン類などの栄養素だけではなく、アクの原因物質であるシュウ酸なども含まれています。シュウ酸は水溶性であるため茹でることで落とすことができますが、ビタミンCなどの水溶性の栄養素も流出してしまうというデメリットもあります。

ほうれん草の代用野菜

小松菜

ほうれん草の代用品として最も使われるのは小松菜です。ほうれん草を使う料理全般、小松菜を使って代用することができます。

小松菜は見た目も味も比較的ほうれん草とよく似ていますが、小松菜のほうが比較的安価で手に入りやすいです。小松菜の葉はほうれん草よりも大きく丸みを帯びていて肉厚です。茎の部分も太くシャキシャキとした食感を楽しむことができます。味もほうれん草とよく似ていますが、シュウ酸の含有量は小松菜の方が少ないので苦味が少ないという特徴があります。ほうれん草の独特の苦味が好みの方は物足りなさを感じるかもしれませんが、下茹でをしてアク抜きをしなくても食べやすいです。

栄養素の面でもほうれん草と同じようにカロテンやビタミンC、葉酸が含まれています。

青梗菜

青梗菜

青梗菜(ちんげんさい)も小松菜と同じようにほうれん草と似ている葉物野菜の一つです。主に炒めものやスープを作るときの代用品として適しています。

青梗菜はほうれん草や小松菜よりも芯が太くしっかりしているのが特徴で、加熱してもシャキシャキとした食感が損なわれないという特徴があります。小松菜と同じくほうれん草よりも葉は肉厚で、八宝菜などの炒めものに使われることが多いです。青梗菜もほうれん草と比較してシュウ酸の含有量が少ないためアク抜きをしなくても食べやすいです。

青梗菜にはカロテンやカリウム、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれています。

空芯菜

空芯菜(くうしんさい)は、さつまいもの葉茎に似た中国野菜です。茎が空洞になっているという特徴から「空芯菜」と呼ばれるようになったと言われています。葉はほうれん草のように薄く、茎はほうれん草よりもシャキシャキとしています。

味にクセがなく苦味も少ないためほうれん草の代用品として使いやすく、お浸しを作るときの代用品としてや炒めものを作るときの代用など幅広く使いやすいです。

空芯菜もカロテンやビタミンB、C 、E、葉酸の他、鉄分やカリウム、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。

水菜

水菜

水菜はシャキシャキとした食感が特徴でサラダなどにして食べることが多い野菜ですが、煮浸しにするときやスープ、炒めものにするときのほうれん草の代用品になります。

水菜は小松菜や青梗菜よりもはるかにクセがなく食べやすいという特徴があります。ほうれん草の代用になる野菜を探しているけれど小松菜や青梗菜は苦手という方におすすめです。

水菜に含まれている栄養素もカロテンやビタミンC、葉酸、カルシウム、鉄とほうれん草とほぼ同じです。

春菊

春菊

ほうれん草を別のもので代用したいけれど、苦味が少ないものでは物足りなさを感じるという方には春菊がおすすめです。春菊は独特の苦味と風味があるのが特徴で、胡麻和えや煮浸しを作るときのほうれん草の代用にぴったりです。

春菊はキク科キク属の植物で若い葉と茎が食用になります。ギザギザとした葉が菊に似ていることから「春菊」と呼ばれるようになったと言われています。関西では「キクナ」とも言われます。

春菊にもほうれん草を同じようにカロテンやビタミンC、葉酸などの栄養素が豊富に含まれています。

クレソン

クレソンはほうれん草にはないピリっとした辛味がありますが、ほうれん草と同じような苦味があり、特に炒めものにするときのほうれん草の代用品としておすすめです。例えば肉料理などに添えるソテーを作るときのほうれん草の代用品にすると、口の中をさっぱりさせます。

クレソンはアブラナ科の多年草で、わさびなどと同じく水辺を好んで育つ水生植物です。ピリっとした辛味はわさびと同じくシニグリンと呼ばれる成分によるものです。

クレソンはほうれん草よりもカロテンやビタミンC、B、カリウム、カルシウムなどの栄養素を多く含んでいるといわれています。

豆苗

豆苗

豆苗はほうれん草とは見た目が異なるので、ほうれん草の代用品として思い浮かばない方も多いと思いますが、豆苗はお浸しを作るときなどのほうれん草の代用品になります。

豆苗の食感はほうれん草の茎に似ているため、お浸しを作るときやシャキシャキとした食感を活かしたい炒めものを作るときに適しています。

豆苗にはカロテンやビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれています。また、1年を通して基本的に安価で購入することができるため、ほうれん草が高騰しているときなどの代用品としてもおすすめです。

ちぢみほうれん草

ちぢみほうれん草もほうれん草なので、もちろんほうれん草の代用品になります。

ちぢみほうれん草は12月〜2月の寒い時期に栽培されるほうれん草です。「ちぢみほうれん草」という品種があるわけではなく、寒い季節に露地栽培されたほうれん草のことをいいます。露地栽培とは、ビニールハウスなどではなく屋外の畑で栽培することです。

ちぢみほうれん草は寒い季節に屋外の畑で栽培することにより、葉が縮まり厚みが増しているのが特徴です。また、冬の大根の糖度が増すのと同じように甘味も旨味もしている状態で、一般的なほうれん草よりもカロテンやビタミンCなどの栄養素の含有量も増していると言われています。

サラダ用ほうれん草

サラダ用ほうれん草もほうれん草なので、ほうれん草の代用品になります。一般的なスーパーでは必ずしも取り扱いがあるというわけではありませんが、サラダ用に購入し余っている場合などはほうれん草の代用品として調理をすると良いでしょう。

サラダ用ほうれん草は生食しやすいように苦味やエグみを感じさせるシュウ酸の含有量が少なくなるよう品種改良されたほうれん草です。生食向きという特徴がありますが、炒めものなど加熱調理をして食べることもできます。

サラダ用ほうれん草にもほうれん草と同じくカロテンやビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれています。

料理別におすすめの代用野菜

クリームパスタ

クリームパスタを作るときのほうれん草の代用には、小松菜や水菜などクセのない葉物野菜がおすすめです。春菊やクレソンなど独特のクセや苦味、辛味のある野菜で代用すると小さなお子様などは特に食べにくくなってしまいます。

ナムル・ビビンバ・キンパ

ビビンバやキンパに使うほうれん草の代用には小松菜や青梗菜や空芯菜がおすすめです。


小松菜は味も食感もほうれん草に似ていますし、青梗菜や空芯菜もごま油で味付けをするビビンバやキンパ、ナムルの味付けとよく合います。

ただし、小松菜も青梗菜もほうれん草よりも茎が太いので代用品にする場合は、小さくカットするとよりほうれん草に近くなります。

キッシュ

キッシュを作るときのほうれん草の代用にもやはり食感や味がよく似ている小松菜や青梗菜、空芯菜がおすすめです。

また、意外にも春菊を使ってキッシュを作ることもできます。春菊のほろ苦さがよいアクセントとなり、ひと味違ったキッシュを楽しむことができます。春菊を使ってキッシュを作るときは長ネギなどを使って和風のキッシュにすると良いです。

サラダ

サラダにするときのほうれん草の代用には、やはり生食に向いているサラダ用ほうれん草がおすすめです。その他には同じく生食に向いている水菜やクレソンが適しています。

水菜とクレソンは、どちらもアク抜き不要なので水洗いをしたらそのままサラダにすることができます。水洗いをしたら、水っぽくなってしまわないようにしっかりと水気を切るようにしましょう。

離乳食

離乳食のほうれん草の代用には小松菜や青梗菜がおすすめです。栄養満点なほうれん草ですが、苦味があるため小さなお子様には苦味の少ない小松菜や青梗菜で代用されることが多いです。

離乳食に使う場合は、茎は固いので葉の部分のみを加熱してすり潰して与えるようにしましょう。繊維を断ち切るようにカットするとすり潰しやすいです。