ダンベルフライは、低重量でも十分に効果を期待できるエクササイズであるため、女性にもおすすめです。今回は、女性向けのダンベルフライのやり方及びコツをご紹介します。
ダンベルフライでは、大胸筋を鍛えることが期待できます。
大胸筋は筋肉であるのに対して、胸を構成するのは基本的には脂肪であるため、大胸筋を鍛えると胸が小さくなると考える人が多いですが、必ずしもそうではありません(ボディビルダーや運動を生業としている方の場合がこの例外に当てはまり、以上のような職業柄で高頻度かつ高強度のトレーニングを行うとバストが減少する可能性があります)。
大胸筋はバストの下にあり、バストの土台となるため、バストアップ効果を期待できます。また、大胸筋を刺激することでバストの形を整えることもできます。
猫背や反り腰の改善にも期待ができます。
猫背は、前屈みの姿勢を長時間取ることで骨盤が後傾することで発生します。特に、現代人は、長時間デスクワークをすることが多いことから、長時間前屈みの姿勢をとることで猫背になってしまっている可能性が挙げられます。
反り腰は、腹筋及び背筋のバランスが崩れ、前側にかかった重みを背中が側で支えるようにすることで骨盤が前傾することで発生します。特に、筋肉量が少ない女性に発生しやすいと言われています。
猫背の方は大胸筋が凝り固まっていることが多く、胸を張る動作が難しくなっています。そのため、ダンベルフライで大胸筋周りの血流を改善することで、猫背の改善効果を期待できます。
代謝の改善をする働きがある筋肉というと、大腿四頭筋や大臀筋のように極端に大きい筋肉の印象がありますが、実はダンベルフライでも代謝を上げることができます。大胸筋は比較的、大きい筋肉に分類されます。
しかし、前述した通り、大腿四頭筋や大臀筋ほど大きくないため、代謝の改善というよりは「大胸筋の形を作る」ということを主目的とした方がよいでしょう。
女性の筋トレ初心者のダンベルフライの目安の重量は片手で1〜3kg程度です (自身の体重にもよります)。
ダンベルフライは、比較的難易度の高い種目であり、高重量を扱うと怪我をしやすい種目です。そのため、目安は1〜3kgですが、実際には自身の筋肉量に合わせて12〜15回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。
女性でダンベルフライに少し慣れた方の目安の重量は片手で3〜5kg程度です(自身の体重にもよります)。
少し慣れてくると、ダンベルフライでも重量を扱うことができるようになってきますが、ダンベルフライで重量を扱い出すと単純にプレスの動作になり、パラレルグリップ(手首が内側を向く様なグリップ)のダンベルチェストプレスのようなフォームになりがちです。
そのため、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてフロントレイズを15〜18回実施できる重量を選択するようにしましょう。
女性で筋トレ上級者のダンベルフライの目安の重量は片手で15kg以上です(自身の体重にもよります)。
筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、女性でダンベルフライを片手で15 kg以上を扱うことができれば比較的筋トレ上級者であると言えます。
ただし、これはあくまでも正確に実施した場合の重量であり、前述したようにパラレルグリップのダンベルチェストプレスのようなフォームになっていると高重量を扱えてしまうため注意が必要です。
女性の筋トレ初心者は、ダンベルフライを12〜15回を3セット実施します。
ダンベルフライは、大胸筋を伸展させて鍛えるエクササイズであることから、正しいフォームで行えば重量を扱っていなくても大胸筋に十分な刺激を与えることが期待できます。
そのため、重量を扱うよりも回数をしっかりと意識して実施する必要があり、12〜15回を3セットを実施するようにしましょう。
女性でダンベルフライに少し慣れた方は、重量を変えながらダンベルフライを12〜15回(本番セット)を5セット実施します。
少し慣れたら、ウォーミングアップとして軽めの重量でダンベルフライを15〜18回実施し、本番セットとしてウォーミングアップの重量よりもやや重めの重量で12〜15回3セット実施し、最後に重量を少し落として12〜15回行います。重量の設定方法は様々ですが、基本的には、ウォーミングアップで3 kg程度、本番で5〜8 kg程度、仕上げで5 kg程度がおすすめです。
女性の上級者の場合、ダンベルフライを、パームプレス、ハイプランク、膝付きワイドプッシュアップなどのその他のエクササイズと組み合わせて実施します。
これらのエクササイズを組み合わせる場合、ウォーミングアップ種目としてハイプランクを1分〜1分30秒3セット実施し、本番セットとしてダンベルフライを3セット実施します。ダンベルフライについて、各セット終了後に、パームプレスを10〜15秒を実施します。最後に、仕上げとして膝付きワイドプッシュアップを15〜18回を3セット実施するようにしましょう。
IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。
ダンベルの種類としては固定式です。
イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。
また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。
FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。
ダンベルの種類は可変式です。
本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。
1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。
PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。
ダンベルの種類は固定式です。
本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。
ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。
そもそも、ダンベルフライは基本的には高重量を扱う種目ではありません。ダンベルフライは、基本的には大胸筋のみを狙う単関節種目です。
単関節種目は「アイソレーション種目」と呼ばれており、1つの関節を稼働して実施するエクササイズです。そのため、重量が扱い辛いというデメリットがある一方、ターゲットとなる部位にのみ刺激が入るということがメリットがあります。
一方で、多関節種目は「複合関節種目」または「コンパウンド種目」と呼ばれており、多数の関節を稼働して実施するエクササイズです。このため、ターゲットとなる部位以外にも刺激が入ってしまうことがデメリットとして挙げられますが、高重量を扱い易いということがメリットとして挙げられます。
ダンベルフライで重量を扱う方法もありますが、これはかなり上級者向けのやり方であり、あまり慣れていない状態で高重量を扱うと高確率で怪我をします。このため、ダンベルフライは低重量でしっかりとフォームを意識しながら実施するようにしましょう。
大胸筋を鍛えるエクササイズでは、副次的に三角筋に刺激が入ることが多く、これが怪我の原因となります。
肩甲骨が寄っていないと、ダンベルがボトムポジションにきたときに大胸筋が伸展するのではなく、三角筋の前部が伸展する状態になってしまいます。
このテクニックは、一般的にベンチプレスで重要とされているものですが、大胸筋を鍛えるダンベル、バーベル、マシントレーニングにも応用可能であるため、しっかりと意識して実践できるようになりましょう。
ダンベルフライは負荷が非常に高いエクササイズです。大胸筋の伸展を狙った種目なので、ボトムポジションを深く設定すればするほど負荷が高くなりますが、そこまで深くせずとも十分に負荷を与えることが可能です。
むしろ、深く下げすぎると重量を扱い辛くなったり、怪我を誘発するという問題があります。
基本的にはダンベルフライではダンベルを下げすぎないことを意識するようにしましょう(初心者レベルを脱したらこの限りではありません。あえてボトムポジションを深く設定して過伸展を狙って鍛えるというやり方もありますが、重量設定が難しいので注意です)。
ダンベルフライは、ダンベルが円弧を描くような軌道を描きます。マシンで例えるとペックフライの軌道とよく似ています。
大胸筋の内側に刺激を入れるため、身体の正中線上までダンベルを上げ切る人もいますがこれは間違いです。ダンベルフライの有効可動域は非常に狭く、基本的にはダンベルが肩のラインよりも内側に入ると刺激が抜けてしまいます。
ダンベルフライはトップポジション(ダンベルが一番高い位置にある状態)での負荷が抜けやすいので注意しましょう。
ダンベルフライは、大胸筋を支点にしてダンベルを動かすことで大胸筋に負荷を与えるエクササイズです。このため、支点からの距離、すなわち腕をまっすぐにするほど負荷が高まるように思えますが、怪我の原因となるため腕をまっすぐにすることは避けるべきです。
腕を構成する上腕と前腕は肘関節で接続しているため、腕をまっすぐにするほど肘関節に対する負荷が高くなります。ダンベルフライでは、肘をまっすぐにせずに前腕と上腕が150度位になるようにやや肘を曲げた状態を作るようにしましょう。
ダンベルフライに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に大切です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、大胸筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大胸筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
特にダンベルフライの場合には、ダンベルを把持した状態で腕以下が弧を描くような軌道を描くことで、大胸筋が伸展、収縮することを意識するとより効果的です(この「弧を描く」というのが非常に重要で、これを意識しないとパラレルグリップダンベルチェストプレスのような動きになり、ダンベルフライではなくなるため注意しましょう)。
ダンベルフライに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ダンベルフライに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ダンベルフライでは、ダンベルを下ろすときに息を吸い、ダンベルを上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
パームプレスは、ダンベルフライと同様に大胸筋を鍛えることができるためです。
パームプレスは、大胸筋を鍛えることができる静的なエクササイズです。ダンベルフライと比較すると、ダンベルフライの方が負荷が高くなります。実際に実施する場合には、ダンベルフライを実施した後にパームプレスを実施することで効率的に大胸筋を鍛えることを期待できます。
パームプレスは、各ポジションで10〜15秒キープした状態を3〜5セット実施します。
パームプレスは、自身の手のひらをできるだけ力を入れてお互いに押すことで負荷を入れるエクササイズであり、自身の力のかけ方によりますが、だいたい10〜15秒程度を目安に3セット実施するのがオススメです。
とにかく力を入れて手を押す。
左右にツイストさせる。
プレートを正面に持って実施する。
バーベル、ダンベルトレーニングの後に実施する。
ハイプランクは、ダンベルフライと同様に大胸筋を鍛えることができるためです。
ハイプランクは、大胸筋を鍛えることができるエクササイズです。ダンベルフライと比較すると、ダンベルフライの方が負荷が高くなります。実際に実施する場合には、ハイプランクを実施した後にダンベルフライを実施することで効率的に大胸筋を鍛えることを期待できます。
ハイプランクは、まずは30秒を3セット実施します。
ハイプランクは、腕立て伏せの身体を上げた状態を維持するエクササイズであり、腕に筋肉がある方は比較的簡単に実施することができますが、それとは逆に、腕に筋肉がないと実施するのが中々難しくなります。そのため、エクササイズ強度は、人によりますが、プランクと同じくらいであり、プランクと同様に30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
大胸筋にも刺激を与える場合には、手幅をやや広めに設定する。
お尻をやや上げるイメージ。
目線は正面。
膝付きプッシュアップは、ダンベルフライと同様に大胸筋を鍛えることができるためです。
膝付きプッシュアップは、大胸筋を鍛えることができるエクササイズです。ダンベルフライと比較すると、ダンベルフライの方が負荷は高くなります。実際に実施する場合には、膝付きプッシュアップを実施した後にダンベルフライを実施することで効率的に大胸筋を鍛えることを期待できます。
膝付きワイドプッシュアップは、12〜15回を3セット実施します。
ワイドプッシュアップは、比較的負荷の高いエクササイズです。このため、理想的には、つま先立ちで実施することが望ましいですが、負荷が高すぎる場合には膝付きで実施しても問題ありません。少しずつ負荷を増やしながら、最終的に12〜15回を3セット実施できるようになることを目指しましょう。
実施中は常に肩甲骨を寄せたままにする。
トップポジションで肘を伸ばし切らない。
身体を下げるときはゆっくりにする。
上半身から下半身は常に一直線で実施する。
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