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里芋のアク抜き方法。そもそも必要?不要?しないとどうなる?

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里芋のアク抜き方法。そもそも必要?不要?しないとどうなる?

里芋は調理をする際にアク抜きをする必要があります。なぜ里芋はアク抜きをすべき野菜なのかご存知でしょうか。本記事では里芋のアク抜きについて詳しく解説します。

里芋にアク抜きが必要な理由

そもそも「アク」とは

アクとは、一般的に苦味やえぐみ、渋みなど味を損ねる成分の総称です。

アクには害のあるものと、そうでないものがあります。害のある代表的なアクには、たけのこのシュウ酸などがあります。体に害のあるアクは必ず下茹でや水にさらす工程を実施する必要があります。

一方、害のないアクの場合は、料理によってアク抜きを実施したり、しなかったりします。料理の味を良くするために行うこともありますが、食感が悪くなるのでやらない場合もあります。

また、アクの中には野菜を変色させるものもあります。しかし、変色させる成分が全てアクというわけではありません。変色を防ぐための下ごしらえは「色止め」であり、アク抜きではありません。

里芋にはシュウ酸が含まれている

里芋にアク抜きが必要な理由は、里芋にはシュウ酸が含まれているためです。前述した通り、シュウ酸は人体にとって害のある成分です。シュウ酸は結石を作る原因となったりカルシウムの吸収を阻害すると言われています。

苦味やえぐみを感じさせて料理の味を落としてしまうだけではなく、人体にとってよい成分ではないのでアク抜きをしてある程度シュウ酸を取り除いておくことが大切です。

ぬめりとアクは別物

まずはじめに、確認ですが、里芋特有のぬめりとアクは別ものということをご存知でしょうか。里芋のぬめりの中にアクが含まれていますが、ぬめり=アク、というわけではありません。

里芋のぬめりは、ガラクタン(ガラクトースの重合体)などによるものです。ガラクタンには免疫力向上作用があるとされています。ぬめりの成分自体は体に害のあるものではありません。

しかし、作業としてはアク抜きとぬめり取りはほとんど同じです。

ぬめり取りのメリットは、下記の通りです。

  • 味が染み込みやすくなる。

  • 火の通りがよくなる。

  • 吹きこぼれを防ぐ。

  • 煮汁が濁るのを防ぐ

  • ホクホクとした食感を際立たせる。

アク抜きを実施することで、これらのメリットも享受することができます。

さらに、アク抜きを行うことで、変色を抑えることもできます。

里芋のアク抜きの方法

皮を厚めに切る

里芋の皮を厚めにむく

里芋の表面の汚れを落とし水気をとったら、皮を剥きます。苦味やえぐみを感じさせるシュウ酸は里芋の皮下、5ミリあたりに多く含まれていると言われているので皮を厚めに剥くだけでもアク抜きになります。

包丁を使って皮を剥く場合は、里芋の頭とお尻を切り落とします。頭とお尻を切り落としておくことで、皮が剥きやすくなります。

里芋の頭とお尻を切り落としたら、里芋を横向きに持ちます。包丁を寝かせた状態で里芋に刃を入れて、包丁を押すようにして皮を剥いていきます。里芋を横向きに持って頭からお尻に向かって包丁を動かしていくことで、繊維に沿って剥くことができるので、力を入れなくても皮を剥くことができます。

ピーラーを使って剥いても良いです。ピーラーを使う場合は頭とお尻を切り落としたら、里芋を縦に持ち、縦方向にピーラーを動かして皮を剥いていきます。

水にさらす

里芋を水にさらす

里芋の水にさらしておくことで、アクとなる成分であるシュウ酸やホモゲンチジン酸など水溶性の成分を落とすことができます。また、水に濡れることでぬめりが出てくるのでぬめりを落とすこともできます。

水にさらす場合は、泥汚れを落とし皮を剥いた里芋をボウルに入れて里芋がかぶるぐらいの水を入れます。しばらく置いておくとぬめりが出て水が濁ってくるので、濁ってきたら水を取り替えて再びさらして置きます。2〜3回水を取り替えたら完了です。最後に流水でぬめりを洗い流します。

ぬめりの成分である糖タンパク質はお酢によって沈殿する性質があるため、水にお酢を加えるとよりぬめりやアクを落とすことができます。

ただし、ほうれん草などの場合、シュウ酸は水に溶けるカリウム塩やナトリウム塩の形で液胞という袋の中に閉じ込められていますが、植物によってはシュウ酸カルシウムの結晶となって液胞の中に含まれていることもあります。里芋はシュウ酸カルシウムが針状結晶となって含まれており、シュウ酸自体は水溶性なのですがシュウ酸カルシウムは水に溶けにくい性質があるため、水にさらすだけでは完全にアクを取り除くことは難しいです。

塩もみする

里芋を塩もみする

里芋のアク抜きには塩もみをするという方法もあります。里芋のぬめりは糖とタンパク質の結合したものです。食塩で糖タンパクはある程度凝固し、ぬめりがとりやすくなるのと同時にアクを一緒に落とすことができます。

塩もみをするときは、まず里芋を洗い泥汚れを落とし、皮を剥きます。皮を剥いたらボウルに入れて塩を加えて揉み込みます。塩の量は里芋の5つに対して塩大さじ1〜2程度です。塩を揉み込んだらぬめりが出てくるので、水で洗い流します。

下茹でする

里芋を茹でる

上述したようにアクとなるシュウ酸やホモゲンチジン酸は水溶性です。またシュウ酸カルシウムは熱に弱いという性質があるため、下茹でをすることでアクをある程度落とすことができます。

下茹でをする場合は、鍋に皮を剥いた里芋を入れてかぶるぐらいの水を入れたら里芋に竹串などがスッと通るようになるまで茹でます。大きさや個数にもよりますが、沸騰してからだいたい15分程です。様子を見ながら調節してください。

1%の食塩水で下茹ですれば、さらにしっかりぬめりが取れアクも一緒に落とすことができます。しかし、食塩を入れすぎると味付けしにくくなるので注意しましょう。

酢水で茹でる方法もあります。上述したようにお酢を入れることによって、里芋のぬめり成分である糖たんぱく質が沈殿します。分量は2Lのお湯に対してお酢大さじ2程です。酢水を使う場合はだいたい4〜5分里芋を湯がいたあと、水にさらします。

ちなみに、糖タンパクは起泡性があるので、煮るときに泡が立ちます。吹きこぼれてしまいそうであればお玉などで出てきた泡を取るようにしましょう。

レンジではアク抜きはできない

里芋を耐熱皿に並べる

残念ながらレンジで加熱するだけでは、アク抜きをすることはできません。レンジで加熱をしてもアクが出たりぬめりが出るので、里芋を調理する際は水にさらすか、塩もみ、下茹でをして下処理をしましょう。

ちなみに、里芋にはぬめりがあって皮を剥くのに一苦労しますが、電子レンジを使えば簡単に皮剥きができます。

レンジを使って皮を剥くときは、里芋の皮に浅めの切り込みを一周入れ、耐熱皿に並べます。水を一回しかけ、ふんわりとラップをします。里芋5個で電子レンジ(600W)4〜5分を目安に加熱します。火が通ったらキッチンペーパーなどに持ち、手で皮を剥きます。手がかゆくなることもなく、薄く皮が剥けるので無駄もありません。