小松菜とチンゲン菜はどちらもブラナ科アブラナ属の植物で、見た目も似ています。本記事では小松菜とチンゲン菜の違いを解説します。
小松菜は、アブラナ科アブラナ属の植物です。
小松菜の葉と茎は緑色で、丸みがある肉厚の葉をもちます。茎はほうれん草と比較すると太いですが、チンゲン菜と比較すると細いです。
チンゲン菜も小松菜と同じくアブラナ科アブラナ属の植物です。
チンゲン菜の葉と茎は小松菜よりもやや明るい緑色で、丸みがあり肉厚です。葉の形や厚さは小松菜と似ていますが、小松菜と比較して茎の幅が広く厚みがあるのが大きな特徴です。
次に、味やどのような料理に使われるか解説します。
小松菜はほうれん草と比較してシュウ酸の含有量が少ないため、アク抜きをしなくても苦味やエグみを感じにくく調理がしやすいのが特徴ですが、チンゲン菜と比較すると若干の苦味があります。
小松菜はおひたしや漬物にすることが多い野菜で「ツケナ(漬菜)」とも言われます。ツケナとは、アブラナ科に属する植物のうち、漬物や煮物に用いられることが多い非結球性葉菜類の総称です。
おひたしや漬物だけではなく、古くからすまし汁やお味噌汁などにして食べられることも多いです。また、癖のない味わいから今日では和食だけではなく洋食、中華と幅広く使われ、炒め物にして食べられることもあります。
チンゲン菜にも苦味やエグみを感じさせるシュウ酸が含まれていますが、小松菜よりもさらに含有量が少なく苦味やエグみを感じにくいので苦味が苦手な方や小さなお子様でも食べやすいという特徴があります。
チンゲン菜は上述したように小松菜よりも茎が太いですが、柔らかく甘味がありシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
チンゲン菜も小松菜と同じく「ツケナ」と言われ、おひたしや漬物などに使われることがありますが、炒めものや煮物、鍋物、サラダ、スープと幅広く使われます。特に油との相性がよく、高温でサッと炒めることで色合いも鮮やかになるのに加え歯ごたえもよくなります。
次に、原産と来歴、利用の歴史の違いを解説します。
小松菜をはじめとするアブラナ科の植物の原産国は、地中海・中央アジア地域とされていますが、種分化については諸説あり、小松菜はカブの一種である「クチタチナ」を祖先とし、現在の東京都江戸川区小松川で誕生した地方品種であると言われています。
誕生した当初は「葛西菜」や「冬菜」と呼ばれていましたが、8代目将軍徳川吉宗が鷹狩りで小松川村を訪れ食事をした際に、すまし汁に添えられていた青菜を気に入ったことから地名にちなんで「小松菜」と名付けたと言われています。
チンゲン菜の原産国は中国で、本来の和名は「タイサイ(体菜)」と言います。中国語では「青梗菜」と表記し、軸と茎を指す「梗」が青いことに由来していると言われています。
チンゲン菜は、アブラナ科の植物が中国に伝播し、栽培種に分化した際に華中方面で「タイサイ型ツケナ」として栽培されていたうちの一つがチンゲン菜で、現在でも揚子江(ようすこう)を中心に栽培され中華料理の代表的な野菜の一つとして知られています。
チンゲン菜が日本に伝わり食べられるようになったのは1972年以降であり、小松菜と比較すると歴史は浅いです。
可食部100gあたり(生の小松菜)に含まれている三大栄養素は下記の通りです。
エネルギー...13kcal
水分...94.1g
たんぱく質...1.5g
炭水化物...2.4g
脂質...0.2g
食物繊維...1.9g
糖質は(炭水化物から食物繊維を引いた値)0.5gと、かなり低くなっています。糖類はブドウ糖、果糖およびショ糖がほぼ等量ずつ含まれています。
小松菜はたんぱく質・炭水化物・脂質の三大栄養素の他に、β-カロテン、ビタミンCに加えて、ミネラルも豊富に含む栄養価の高い野菜です。特にカルシウムに富み、鉄も多く含まれているのが特徴です。カルシウムが不足することで起こる骨粗しょう症や、鉄が不足することで起こる貧血を予防するのに効果があると言われています。
チンゲン菜の可食部100gあたりに含まれている三大栄養素は下記の通りです。
エネルギー...9kcal
水分...96.0g
たんぱく質...0.6g
炭水化物...2.0g
脂質...0.1g
食物繊維...1.2g
糖質は0.8gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。小松菜と比較すると若干糖質が高いですがカロリーは、小松菜よりも低いです。
チンゲン菜も三大栄養素の他に、ビタミンAやCなどが豊富に含まれビタミン供給源として食べると体に抵抗力がつき風邪にかかりにくくなると言われています。また、カルシウムやカリウムなどのミネラル類や食物繊維も含まれていて、ストレスや便秘の解消、貧血や動脈硬化を防止する効果が期待できます。
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