栄養を摂取できる健康的な飲み物として注目されているスムージーですが、どんな飲み物なのかご存知でしょうか。本記事ではスムージーについて詳しく解説します。
スムージーとは、凍らせた果物や野菜を使って作るシャーベット状の飲み物です。
現在では、原料となる食材を凍らせずに氷と一緒にミキサーにかけて作るなど作り方も多様化しています。
果物だけで作ることもあれば、野菜だけで作ることもできる他、果物と野菜を組み合わせて作ることもでき、様々なバリエーションが楽しめるのもスムージーの魅力の一つです。手軽に果物や野菜の栄養素を摂取できる飲みものとして、健康を目的に朝食などに飲まれることも多いです。
スムージーは、近年流行した比較的新しい飲み物だと思われがちですが、実は1920年代に誕生したアメリカ西海岸で誕生したといわれる古い歴史をもつ飲み物です。
1920年代のアメリカは電化製品が大幅に広まっており、ミキサーが一般家庭に普及すると一気にスムージーが広まっていったといわれています。スムージーが広まったことにより、さらにミキサーも普及していきました。
スムージーが飲まれるようになった当初はアイスクリームやガムシロップなども加えた甘い飲み物でしたが、2000年代に入り、人々の健康志向が高まると野菜や果物を生で食べて栄養素を効果的に取り入れる「ローフード」が注目されはじめると、スムージーも果物や野菜のみを使った健康的なものが多くなりました。
日本で注目されはじめブームが起きたのは2012年頃です。そのためスムージーは最近できた飲み物という印象が強いのでしょう。
「スムージー」は英語で「滑らか」を意味する「smooth(スムーズ)」に由来していて、食材を滑らかな液状にすることからスムージーと呼ばれるようになったといわれています。
スムージーには上述したように果物や野菜の組み合わせによって多種多様で、見た目の色の違いによって分類されていることが多いです。
グリーンスムージーは、その名の通り緑色をしているスムージーです。見た目が緑色なのは、ほうれん草やケールなど緑の野菜を中心に作られているためです。緑の野菜のみを使ってつくるものをグリーンスムージーと呼ぶこともありますが、バナナやりんごなどの果物を加えていることもあります。
スムージーといえばグリーンスムージーを指すことも多いほど、グリーンスムージーはスムージーの代表的な種類の一つです。
レッドスムージーは、赤色のスムージーです。トマトやパプリカ(赤)などの赤い野菜や、いちごやドラゴンフルーツなどの赤い果物を中心に作られているため、見た目が赤色になります。
酸味のきいたさっぱりとした味わいのものが多く、ほうれん草など葉物の野菜を使ったグリーンスムージが苦手な方でも比較的飲みやすいものが多いです。
イエロースムージーは、黄色のスムージーです。パプリカ(黄)などの黄色い野菜やレモンやパインなど黄色い果物を中心に作られているため、見た目が黄色くなります。
ビタミンCなどの美肌効果があるといわれている野菜や果物を使っていることが多いため、肌の調子を整えたい方などにも人気があります。
オレンジスムージーは、オレンジ色のスムージーです。にんじんなどのオレンジ色の野菜や、オレンジなどのオレンジ色の果物を中心に作られているため、見た目がオレンジ色になります。
イエロースムージーと比較すると、カフェなどではメニューにないこともありますが、オレンジなど手に入りやすい食材を使って作ることができるので自宅で手作りするのがおすすめです。
オレンジスムージーもビタミンCなどのビタミン類を多く摂取することができます。
パープルスムージーは、紫色のスムージーです。紫キャベツや紫芋などの紫色の野菜やブルーベリーやぶどうなどの紫色の果物を中心に作られているため、見た目が紫色になります。
パープルスムージーもグリーンスムージーと比較すると飲みやすいものが多く、ブルーベリーやぶどうなど抗酸化作用があるポリフェノールを多く含む食材が使われていることが多いです。
パープルスムージーもカフェなどのメニューにあることが多いです。
果物や野菜をそのままミキサーにかけて飲み物にしているスムージーには様々なメリットがあります。
普段果物を食べたり、野菜を調理するときに皮や茎、種などを取り除いて使うことが多いかと思います。実は果物や野菜の皮や種、茎などには栄養素が豊富に含まれています。
特にスムージーは果物や野菜に含まれている食物繊維をしっかり摂取することができるというメリットがあります。食物繊維は口当たりが悪くなるといったことから「食べ物のカス」といわれていましたが、腸内環境を整える作用がある他、血糖値の上昇を抑える働きがあることがわかっています。また、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類があり、スムージーでは2つの食物繊維をバランスよく摂取することが可能です。
食事の際にサラダを食べることはあっても果物をデザートに食べたりなど、簡単にできそうでできないですよね。スムージーは果物と野菜を効率よく一度に摂取することができるのもメリットの一つです。組み合わせも様々なので、そのとき積極的に摂取したい栄養素を含む食材同士を組み合わせると良いでしょう。
野菜不足解消のためには、成人の場合1日当たり350g以上の野菜の摂取が推奨されています。これは生野菜であれば両手で3杯、茹でたものなら片手で3杯程度が目安となります。
野菜を食べることが健康に繋がるとわかっていても、野菜が苦手な人はもちろんのこと野菜が好きな人でもなかなか難しいですが、スムージーであれば楽に野菜を摂取することができます。果物などと組み合わせれば野菜が苦手な方でも飲みやすくなるので、野菜が不足しがちな方におすすめです。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
ジュースは、果物や野菜をジューサーで絞って液状にした飲み物で、基本的には水分量の多い果物をつかって作り、作る際に水を加えたり氷を加えることはありません。
日本の規定では、 果汁100%のもの(果実・野菜ミックスジュースにあっては果汁及び野菜汁であって、果汁の使用割合が 50%以上のもの)ジュースとして販売されています。
ジューサーとは、果物や野菜をすりおろして繊維質と果汁に分けて液体のみを絞り出す調理器具です。果物や野菜をそのままミキサーにかけて作るスムージーとは異なり、食材の食物繊維など皮や茎に含まれている栄養素などは取り除かれてしまいます。
特に市販されているジュースは、保存効果を高めるために加熱処理されているものがほとんどで、その際に熱に弱いビタミン類などの栄養素は失われてしまうことが多いです。ジュースはあくまでも喉を潤したり味を楽しみたい場合はジュース、健康目的の場合はスムージーを選ぶと良いでしょう。
ちなみにバナナジュースに関しては、一般的にバナナと牛乳などの乳製品、氷を入れて作ることが多く、「ジュース」といわれますが比較的スムージーに近い飲み物であるといえます。
出典:果実飲料公正取引協議会
コールドプレスジュースは、低速回転のジューサーを使用して果物や野菜を搾り取ったジュースのことを指します。「スロージュース」や「ロージュース」ともよばれます。
低速回転のジューサーは高速回転のものと異なり、果汁を搾り出すために熱や摩擦熱が発生しないため、酵素や栄養素の損失が少ないとされています。わかりやすくいえば、食材の栄養素をより多く摂取することができる野菜ジュースということです。そのため、健康志向の人やダイエット中の人にも人気があります。
しかしコールドプレスジュースにおいても食物繊維は取り除かれてしまいます。そのため、食物繊維をしっかりと摂取したい方や満腹感もほしいという方はコールドプレスジュースよりもスムージーがおすすめです。
上述したように、スムージーは様々な果物や野菜の組み合わせで作ることができますが、本記事では栄養価が高く健康志向の方に人気のグリーンスムージーの作り方を紹介します。
小松菜…1株
りんご…1/2個
バナナ…1本
水…100ml
氷…100g
グリーンスムージーは基本的に小松菜などの葉物を使います。小松菜ではなくほうれん草や水菜などでも大丈夫です。まず、小松菜はざく切りにして、りんごは洗って皮つきのまま小さく切ります。上述したように皮にも栄養素が含まれているので、むかないようにしましょう。バナナの皮はとても分厚いのでむいて輪切りにします。材料すべてをミキサーに入れてかけたら完成です。水は豆乳などで代用可能です。豆乳にすることで栄養価も高くなりますし、まろやかな味わいになります。
グリーンスムージーの効果効能は使う食材によっても異なりますが、本記事では小松菜とりんご、バナナを使ったグリーンスムージーの効果・効能を紹介します。
上述したように、食材をそのままミキサーにかけて作るスムージーには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや生活習慣病予防の効果も期待できます。
小松菜やりんごに含まれているβ-カロテンは、体内で必要量がビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜を正常に保つ働きがあり、肌の細胞の形成にも必要なビタミンで、肌のターンオーバーを促進することにより正常化させ、乾燥肌やニキビ肌の改善が期待できます。ターンオーバーが正常化させることで、古い角質や毛穴の老廃物が排出され、シミやそばかす、くすみが改善され、ニキビ予防にも繋がります。また紫外線によりダメージを受けた肌細胞の修復と、紫外線の防御の効果もあります。
また、体内でビタミンAに変わったβ-カロテンは、体内で活性酸素の働きを抑え、活性酸素を取り除く抗酸化作用があります。体内の老化を防ぐほか、生活習慣病などの予防にも効果があるとされます。ビタミンAは肌に限らず身体全体のアンチエイジングに関わります。
小松菜やりんごに含まれているビタミンCは、たんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
小松菜やバナナに含まれている葉酸は、ビタミンB12とともに働き、赤血球のもとになる赤芽球をつくります。そのため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。
この造血作用の美容効果は多岐に渡ります。例えば、白髪対策です。髪の毛はメラニン色素によって着色されていますが、メラニン色素の成分を運ぶのも血液です。
また、β-カロテンと同じように肌のターンオーバーを促進する働きもあるといわれています。
りんごの皮やバナナに多く含まれるポリフェノールには抗酸化力があるので、細胞などの老化予防に効果があります。また動脈硬化予防やアレルギー症状の抑制にも効果が期待できます。さらに、美白効果も期待できるので、美容を意識している人は積極的に取り入れたい栄養素です。
バナナは熟すほどポリフェノールの含有量が高くなるので、熟しているバナナを使うのがおすすめです。
スムージーは果物や野菜に含まれているダイエットに効果があるといわれている食物繊維を効率的に摂取できるため、ダイエット中に取り入れることに利点があるといえます。
食物繊維は、消化に時間がかかるため満腹感が長続きしやすいといわれています。また、糖の吸収速度を緩め血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。そもそも満腹感とは、食事をすることによって血糖値があがり、脳の満腹中枢が刺激されることによって感じます。反対に、血糖値が低下すると血糖値を上げるためにエネルギーの補給を促すために体に空腹を感じさせます。そのため食物繊維を摂取することで血糖値がゆるやかに下り、満腹感を持続させ間食や暴飲暴食を減らす効果が期待できます。
ただし、人によっては食物繊維が体に合わず反対にお腹の調子が悪くなってしまう人もいます。
スムージーは、食材の組み合わせやはちみつなどで甘さを加えてしまうことによりカロリーが高くなり糖質量も高くなってしまいます。特に果物は糖質量が多いものが多いので、カロリーと糖質量を意識して食材を選ぶようにしましょう。
ダイエット目的でスムージーを飲む場合は、1杯あたり200kcal以下に抑えるのが理想的です。
ダイエット目的でスムージーを飲むのであれば、1日1食をスムージーに置き換えるのが効果的です。置き換えるタイミングは、朝・昼・夜のいつでも大丈夫です。
例えば朝ご飯をスムージーで置き換えると、一日の代謝がよくなるため脂肪を燃焼しやすくなり、痩せやすい体質に導くことができるといわれています。
お昼ご飯をスムージーに置き換えた場合は、食物繊維の働きにより腹持ちがよくなるため間食したくなる衝動を抑える効果が期待できます。
夜ご飯をスムージーに置き換えた場合は、夜遅い時間帯になってしまっても固形物を胃に入れるよりは消化・吸収がしやすいため、胃腸に負担を掛けずに栄養を摂取することができます。一日の食事で不足していると感じる食材を補えるという利点もあります。
間食の習慣がどうしてもやめられないという場合は、間食をスムージーに置き換えるのでも良いでしょう。
スムージーだけでは、栄養が偏ってしまいます。特に野菜や果物ではたんぱく質が不足しがちなので、たんぱく質が豊富に含まれる肉や魚も摂取することが大切です。
たんぱく質は筋肉を構成する重要な栄養素ですが、特にダイエット中は食事制限を行うことにより、たんぱく質が不足しがちです。たんぱく質が不足してしまうと筋肉が減り、代謝が落ちて脂肪を燃焼しやすくなってしまいます。スムージーだけで栄養を摂取しようとしすぎずバランス良い食事を心がけましょう。
1日1食をスムージーに置き換えるとダイエットに効果的ですが、過剰摂取することは避けるべきです。近年ではコンビニなどでもスムージーが販売されていますが、いくら健康やダイエットに良いとはいえスムージーだけを毎日摂取し続けると栄養が偏ってしまいますし、身体も冷やしてしまいます。
また、市販のスムージーは糖分が多いことも多いので反対に肥満の原因になってしまうこともあります。過剰に摂取は避けるよう注意しましょう。
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