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カルパッチョと刺身の違い|カルパッチョは元々肉料理だった?

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カルパッチョと刺身の違い|カルパッチョは元々肉料理だった?

カルパッチョと刺し身は生魚を使って作るという点で共通していますが、別物です。本記事ではカルパッチョと刺し身の違いを解説します。

カルパッチョと刺し身は別物

カルパッチョは薄切りにした牛肉や生魚にチーズやソースなどの調味料をかけて食べるイタリア発祥の肉料理または魚料理であり、刺し身は魚介類を食べやすい大きさに切り生のまま醤油につけて食べる日本料理であるため別物です。

カルパッチョも生魚を使って作ることができるという点で刺し身と共通していますが、カルパッチョはチーズやオリーブオイルを使ったソースなど様々な味のバリエーションがあるのに対して、刺し身は醤油やわさび醤油をつけて食べるという非常にシンプルな食べ方です。

カルパッチョとは

カルパッチョは、本来薄切りにした牛肉にチーズやソースなどの調味料をかけて食べる肉料理です。

生肉を食べる習慣がなかった日本人向けに、日本人のイタリアンシェフが魚介の刺し身を使用したカルパッチョを作ったことがきっかけとなり日本ではタイなどの白身魚やマグロやカツオ、サーモンを使ったカルパッチョが主流となっています。

反対に生魚を食べる習慣がなかったイタリアなどの海外でも、刺し身や寿司が流行ったことがきっかけで現在では生魚を使ったカルパッチョも世界各国で食べられるようになりました。

発祥・由来

カルパッチョは、1950年にイタリアのベネチアにある「ハリーズ・バー」というレストランの創設者が考案した料理です。

当初は薄切りにした生の牛ヒレ肉にマヨネーズとマスタードを混ぜたソースをかけて味付けをしたものでした。名前の由来は、当時ルネサンス期の画家である「ヴィットーレ・カルパッチョ」の回顧展が開かれており、ヴィットーレ・カルパッチョが描く絵の色合いとカルパッチョの生肉の赤・ソースの白が同じであったため「カルパッチョ」と名付けられたという説や、ヴィットーレ・カルパッチョが好んで食べていた料理であったため「カルパッチョ」と名付けたという説など諸説あります。

カルパッチョの基本的な作り方

材料(二人分)

  • 生魚(鯛など)…70g〜100g

  • 塩…小さじ1/2

  • こしょう…少々

  • レモン汁…小さじ1

  • オリーブオイル…小さじ2

  • イタリアンパセリ…適量

作り方

  1. 生魚をそぎ切りにする。
  2. そぎ切りにした生魚を皿に並べる。
  3. 並べた生魚の上に塩、こしょう、レモン汁、オリーブオイルをかける。
  4. イタリアンパセリをふりかける。

カロリー

鯛で作った場合のカルパッチョのカロリーは100gあたり222kcalで、糖質量は1.8g程です。魚の種類にもよりますが、魚の種類や味付けによってはもっと高くなる場合があります。ちなみに本場の牛肉で作るカルパッチョは牛もも肉を使った場合は223kcal程です。

刺し身とは

刺し身は、魚介類を薄そぎ切りにするなど食べやすい大きさに切り醤油やわさび醤油をつけて食べる日本料理の一つです。

魚介類を切っているだけで加熱をするなどの工程がないため、「料理」ということに違和感を覚える方もいるかと思いますが、新鮮な魚の選定や保存、包丁の吟味と手入れ、食材にあった切り分け方など魚介類を最も美味しく食べるための料理人の技術がつまっている立派な料理です。

現代では「馬刺し」や「牛刺し」「刺身こんにゃく」など、魚介類の他にも魚の刺し身のような切り方や盛り付け方をし、生の状態で食べる料理に対して「刺し身」ということもあります。

由来・歴史

鎌倉時代には生魚を薄く切って食べる習慣があったといわれています。当初は醤油がなかったため調味料を合わせて膾(なます)にして食べたり、わさび酢などに漬けて食べるのが主流でした。

室町時代に醤油が誕生し普及すると同時に、魚介類に醤油をつけて食べる今のスタイルになりました。しかし、当時の醤油は高級品であったため刺し身は身分の高い人達のみが食べれる料理でした。醤油が庶民の間でも食べられるようになったのは江戸時代の末期からで、刺し身の専門店「刺身屋」も誕生しました。

室町時代では「刺し身」は「切り身」と呼ばれていましたが、「切る」が武士が腹を切ることを連想させる忌み言葉として避けられていたため、「刺し身」と言われるようになったといわれています。「刺し身」の由来は、当時魚の種類が分かるよう切り身と一緒にその魚のヒレやエラを刺して分かるようにしたためという説や、海の魚は身の左側を上にして盛るため「左身」といわれるようになり、これが「刺し身」に変化したなど諸説あります。

刺し身の基本的な作り方

材料(二人分)

  • 刺し身用生魚…1/3さく弱(約80g)

  • 青じそ…1枚

  • 大根のつま…適量

作り方

  1. 生魚を7〜8mm厚さの平作りにする。
  2. お皿に大根のつまをのせ、青じそを置く。
  3. 平作りにしたまぐろを盛る。

平作りは包丁をあまり斜めにせずに入れて刃渡りいっぱいに引いて切る一般的な刺身の切り方です。まず、さくを繊維が左下から右上の向きになるように置きます。次に右側から繊維に対して、直角に包丁を当てて刃元から刃先を使って、一度で引き切ります。厚みが出て見栄えがよくなるだけではなく、筋を断ち切られるため口当たりがよくなります。

その他にも例えばまぐろであれば角切りにしても良いですし、鯛など身が固い魚はそぎ切りにするなど好みや種類によって切り方を変えて作ります。

カロリー

刺し身のカロリーは種類によって異なりますが、例えばまぐろの赤身100gあたりのカロリーは102kcal、サーモン100gあたり176kcal、鯛100gあたり129kal、いか100gあたり77kcal、タコ100g70kalです。

脂身の多い種類の魚はカロリーが高くなりますが、オリーブオイルなどを使うカルパッチョと比較するとカロリーが低く糖質量も0g〜1g程であるためダイエット中の方はシンプルに刺し身で食べるのが良いでしょう。