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白砂糖ときび砂糖の違いは?成分やカロリー、用途を比較

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白砂糖ときび砂糖の違いは?成分やカロリー、用途を比較

白砂糖ときび砂糖の違いはご存知ですか?一般的な砂糖である白砂糖(上白糖)ときび砂糖は、原料や製造方法、カロリーなどが異なる砂糖です。それぞれの違いを詳しく解説していきます。

白砂糖ときび砂糖の定義

白砂糖とは

白砂糖の正式名称は上白糖(じょうはくとう)です。呼び方が違うだけで、同じ砂糖を指します。白砂糖(上白糖)は日本で最も一般的に使われている砂糖です。

きび砂糖とは

「きび砂糖」の名称で販売されている砂糖は、日新製糖独自の砂糖です。「きび砂糖」と「きび」は日新製糖の登録商標です。

日新製糖のきび砂糖と同じ原料や似たような製造方法で作られている砂糖もありますが、それらは「さとうきび粗糖」や「さとうきび糖」、「きび糖」などの名称で販売されています。

本記事では、これらの砂糖を総称して「きび砂糖」と呼ぶこととします。

白砂糖ときび砂糖の違い①原料

白砂糖は、サトウキビもしくはテンサイを原料としてつくられます。一方できび砂糖は、サトウキビのみを原料としています。

白砂糖

白砂糖は、サトウキビもしくはテンサイから作られています。

サトウキビは、イネ科の多年性植物です。茎だけで高さが3mにもなり、茎には竹のように節があります。高温多湿で年間の平均気温が20℃以上の土地でよく育つといわれており、日本では沖縄県と鹿児島県が主な生産地となっています。日本国内で、年間約18.6万トン*のサトウキビが生産されています。

テンサイは見た目は大根に似ていますが、植物学上ではホウレンソウと同じヒユ科に属します。紅白の2種類があり、砂糖の原料として使用されるのは白色のほうです。甜菜は温かい地域では病虫害に侵されやすいため、一般的に寒地で栽培されます。日本の主な生産地は北海道で、年間約62.1万トン*もの甜菜が生産されています。

*2009年の国内原料における砂糖生産量

きび砂糖

きび砂糖の原料はサトウキビです。テンサイから作られることはありません。

白砂糖ときび砂糖の違い②製造方法

砂糖を製造方法から大別すると分蜜糖と含蜜糖があります。白砂糖は分蜜糖に該当し、きび砂糖は、メーカーによって分蜜糖の場合と含蜜糖の場合があります。

白砂糖

白砂糖は、分蜜糖の製造方法によって作られます。

白砂糖の原料であるサトウキビやテンサイを絞った搾り汁(糖汁)から不純物を取り除き、濃縮して得られる白下糖(結晶と糖蜜の混合物)を分離させて、結晶(原料糖)の部分だけを使って作られる砂糖のことを指します。ただし、原料糖には不純物が多く含まれているので、そのまま食品として使用することはできません。そのため、原料糖をさらに精製して様々な砂糖が作られます。

分蜜糖はさらにザラメ糖、車糖、加工糖などに細分化されます。白砂糖は車糖に該当します。車糖の特徴は、ザラメ糖よりの結晶が小さく水分量が多いという点です。

ザラメ糖・・・結晶が大きく糖度が99%以上。グラニュー糖、白ザラ糖、中ザラ糖など。

車糖・・・ザラメ糖より結晶が小さく、糖度が94〜96%。上白糖や三温糖など。

加工糖・・・分蜜糖をさらに加工したもの。角砂糖、氷砂糖、粉砂糖など。

液糖・・・加工用として利用される液状の糖溶液。

きび砂糖

日新製糖をはじめ、多くのメーカーのきび砂糖は、分蜜糖に該当します。

分蜜糖の場合、原料糖を溶かして液体にし、精製する途中で煮詰めて結晶化して作られます。

上白糖などの一般的な砂糖は精製工程が多いため、無色透明の砂糖に仕上がります。一方で、きび砂糖は製造工程が上白糖より少ないため、もともとサトウキビに含まれる成分や風味が残ります。

また、きび砂糖には、含蜜糖のものも存在します。原料であるサトウキビの搾り汁から不純物を取り除き、搾り汁をそのまま煮詰めて作られます。糖蜜成分を含んだまま作られるため、ミネラルなどの栄養素が多く含まれているのが特徴です。

白砂糖ときび砂糖の違い③成分・カロリー

白砂糖ときび砂糖のカロリーはほぼ同じです。きび砂糖の方が、白砂糖よりもミネラル類などの栄養素が多く含まれています。

白砂糖

白砂糖の100gあたりのカロリー(熱量)は384kcalです。参考までに、白ごはん100gあたりのカロリーは168kcalとなります。

ミネラル類などを含む糖蜜は除いてつくられるため、白砂糖にはミネラルなどはほとんど含まれていません。

血糖値の上昇度合いを示すGI値は109であり、高GI値食品に該当します。

<上白糖(可食部100gあたり)>

エネルギー・・・384kcal

水分・・・0.8g

たんぱく質・・・0g

脂質・・・0g

炭水化物・・・99.2g

無機質(ミネラル類)

  カリウム・・・2mg

  カルシウム・・・1mg

  鉄・・・Tr

食物繊維総量・・・0g


※Trとは「微量」のこと

参考:食品成分データベース

きび砂糖

きび砂糖のカロリーや栄養素は、製造方法によって異なりますが、一般的なきび砂糖の成分表は下記の通りです。

きび砂糖のGI値は100で、白砂糖と同様に高GI値食品に該当します。

<きび砂糖(可食部100gあたり)>

エネルギー(熱量)・・・396kcal

たんぱく質・・・0g

脂質・・・0g

炭水化物・・・98.8g

無機質

  ナトリウム・・・20mg

  カリウム・・・142mg

  カルシウム・・・23mg

  マグネシウム・・・15mg

  リン・・・1.1mg

  鉄・・・0.3mg

  亜鉛・・・0mg

  銅・・・0.1mg

食塩相当量・・・0.14g

食物繊維総量・・・0g


参考:食品成分データベース

特に含蜜糖の場合は、ミネラル類が豊富に含まれています。

ミネラルは、私たち人間の体にとって必要不可欠な成分です。ミネラルには、ナトリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など様々な種類があります。これらのミネラルは、体の成分になったり、神経や筋肉を正常に保ったり、代謝を促進するなどの役割があります。残念ながら体内では合成されないため、食事を通してミネラルを摂取する必要があります。

ただし、砂糖に配合されているミネラルは微量です。そのため、砂糖だけで十分にミネラル補給をできることは難しく、また砂糖を摂りすぎると、肥満など体に悪影響を及ぼします。

白砂糖ときび砂糖の違い④使い方

白砂糖

白砂糖はクセがない淡白な甘みが特徴的です。そのため、料理全般や菓子、パン、飲み物などに幅広く使うことができます。

ただし、白砂糖は加熱により焦げやすいため注意が必要です。

きび砂糖

きび砂糖はクセがなく口当たりがやさしい甘さです。白砂糖と比べると、サトウキビの風味が感じられます。料理全般やお菓子、飲み物など幅広く使用することができます。中でも煮物や和菓子との相性がよいといわれています。

きび砂糖は薄い茶褐色をなしているため、料理やお菓子の仕上がりに色が移ってしまう可能性もあります。見た目を重視したい場合は、白砂糖を使用することをおすすめします。