セロリはダイエッターに人気な野菜ですが、具体的にどんな効果があるのでしょうか?本記事ではセロリのダイエット効果について解説していきます。
セロリ(生)の可食部100gあたりのエネルギー量は12kcalで、糖質は2.1g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。
水分は94.7g、たんぱく質は0.4g、炭水化物は3.6g、脂質は0.1g、食物繊維は1.5gです。
セロリは90%以上が水分です。栄養価はそこまで高くないですが、さまざまな栄養がバランスよく含まれている野菜です。
よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いですが、糖質・カロリーともにセロリが1番低くなっています。
セロリは低カロリー・低糖質なのでダイエットに向いていますが、他にも低カロリーな野菜は多いため、むしろ糖質の高いものさえ避ければ、野菜はダイエットに向いているでしょう。
成人女性の1日のエネルギー量の摂取目安は、1400〜2000kcalです。男性でも、2000〜2400kcalとなっています。セロリは100gあたり15kcalなので、約1kg食べても問題ない計算になります。もちろんそんなに食べることはないですので、セロリの食べすぎて太るという心配はありません。
ちなみにごはん(白米)100gのカロリーは156kcal、糖質は35.6gとなっています。また、ミルクチョコレートの場合、カロリー550kcalで、糖質は51.9gにもなります。
セロリはよく「マイナスカロリー食材」と呼ばれています。なぜマイナスカロリーかと言われると、「セロリに含まれているカロリーよりも消化に使うエネルギーの方が多いため、食べれば食べるだけ痩せていく」という意味合いです。
他にも、レタスなどの葉野菜、グレープフルーツやスイカなど一部の果物、さらには脂肪を取り除いた肉類なども「マイナスカロリー食材」と言われています。
しかし、実際には摂取カロリーを消費カロリーが上回るということは科学的根拠はありません。ただし、セロリは水分量が多くカロリーが低いため、ダイエットに向いていることは間違いありません。
セロリに含まれる食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
セロリにはアピインという香り成分が含まれているのですが、このアピインには精神鎮静効果があります。イライラや興奮を落ち着かせてリラックス状態に導いてくれるため、入眠しやすくなります。
実はダイエットには、運動と食事と同じくらい睡眠も大切なんです。というのも、睡眠不足だったり浅い睡眠だと、食欲抑制ホルモンの分泌が抑制されて、食物増進ホルモンの分泌が促進されてしまいます。そして熟睡すると分泌されるのが、脂肪燃焼に有効な成長ホルモンで、このホルモンが分泌されることで痩せやすい身体になります。
セロリにはビタミンB1、B2、葉酸などのB群が含まれています。ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。
ビタミンB1は糖質をエネルギーとして使う際に多量に必要とされます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。ビタミンB1が豊富に含まれる食品には、豚肉やうなぎ、たらこ、えのきたけ、玄米などがあります。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
セロリは低カロリーで、ダイエットに嬉しい栄養素が多く含まれているのがわかりましたが、セロリだけを食べる「セロリダイエット」は栄養が偏るのでおすすめしません。
成人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。緑黄色野菜は緑色や黄色、赤色など色鮮やかな野菜を指し、β-カロテンの含有量によって定義されます。それ以外の野菜は淡色野菜に分類されます。
セロリは淡色野菜に分類されるので、他の緑黄色野菜と合わせて230g以上を目安にするということになります。そのため、セロリは1日あたり50〜100gほどにするのがよいでしょう。
ほうれん草以外の緑黄色野菜には、人参やかぼちゃ、ブロッコリー、トマト、ピーマンなどがあります。
セロリを入れたスープはよく「脂肪燃焼スープ」などといわれます。飲むだけで脂肪が燃焼するわけではありませんが、セロリに含まれる下記の栄養素がダイエットに有効な効果をもたらすため、そのように呼ばれています。もともとは病院の心臓外科手術前の患者さんに安全に減量してもらうために考えられたダイエット法とも言われています。セロリの他に、トマトや玉ねぎ、人参、キャベツなど野菜がたっぷり入ったスープを食べることで短期間で痩せられることから、人気となりました。
セロリの有効成分は硬い食物繊維に守られていて細胞の中にあります。そのため、栄養を摂取するにはしっかり噛んで繊維を壊す必要があります。
繊維を噛むのはなかなか大変なので、スムージーに入れるのもおすすめです。他の野菜や果物と混ぜることでセロリ独特の香りがわかりづらくなり、生のままでも摂取しやすくなります。
また、ホワイトセロリという品種もあるのですが、これは普通のセロリよりもクセがなく食感がやわらかいので、まるごと食べる際はおすすめです。
セロリを生で食べるなら、食事の前がおすすめです。ガッツリ食べるランチか夕飯の前に食べるのがよいでしょう。ちなみに夜は活動量が下がるので、ガッツリ食べるならお昼がおすすめです。
食物繊維が豊富なセロリを食前に食べることで、ドカ食いを防ぐとともに、血糖値の上がり方を緩やかにすることができます。血糖値をスパイク(急上昇)させてしまうと、約2時間後に急激に血糖値が下がり空腹を感じてしまいます。食事に取り入れるのも悪くないですが、食前にサラダなどとして他の野菜と一緒にセロリを食べるのがおすすめです。
夕食自体も揚げ物などカロリーの高いものは控えるように心がけましょう。
セロリを副菜のひとつとして食べるのもよいでしょう。
バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。
前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、セロリを副菜のひとつとして取り入れるのが栄養面では理想的です。
食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。
セロリがダイエットに効果的とわかったけど、どうしてもセロリのクセが苦手という方も少なくないはず。そこで、セロリが苦手な人に向けて調理方法や代用品を紹介します。
栄養素でセロリの代用を考えると、セロリに豊富に含まれているビタミンB1が同じく豊富に含まれている野菜にはほうれん草やカリフラワーなどがあります。ただし、ほうれん草はアクのもととなるシュウ酸も多く含まれているので、アク抜きを忘れず行いましょう。
セロリは、まず食感がたのしい食材ですよね。食感を重視して代用するのであれば、大根の葉や小松菜、チンゲン菜がおすすめです。どれもしっかりとした食感があり、熱を加えてもシャキシャキ感が残ります。
セロリの風味を重視して代用するのであれば、フェンネルというハーブがおすすめです。あまり日本では馴染みがありませんが、海外では古くからハーブとして用いられており、とてもセロリに似ている風味を持っています。セロリと風味は似ていなくても独特な風味を持っているものであれば大葉やパクチーなどがあります。
セロリの香りが苦手という方は、セロリを加熱することをおすすめします。セロリの匂いの成分は、加熱することでうまみに変化します。生のままだと食べられない人は、しっかりと加熱して食べるようにしましょう。
このとき、細かく刻むことでより臭みが軽減されます。そのままミネストローネなどにすると、流出してしまう栄養素も逃さず摂取することができ、セロリ感を感じずに食べられます。
また、カレーなどに入れて香辛料でより香りをごまかすことができます。
セロリは肉の臭み消しになります。レバーなど、匂いの強いお肉と一緒に調理することをおすすめします。
一般的にカロリーといわれるものは、エネルギー量のことを指します。当たり前ですが、摂取するエネルギー量より、消費するエネルギー量が高ければ(あまり食べず、多く運動すれば)、人間は痩せていきます。
人間は食べ物を食べることで、エネルギーを摂取しています。エネルギーの元になるは三大栄養素といわれる炭水化物(糖質)と脂質、たんぱく質です。炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質です。一般的な割合は、炭水化物(糖質)が55〜60%、脂質が20〜25%、たんぱく質が15%〜20%ほどです。
たんぱく質は健康を維持するのに大変重要なので、一般的なダイエットでは炭水化物か脂質の摂取量を減らします。炭水化物を減らすダイエット法を糖質制限ダイエット、脂質を減らすダイエット法をカロリー制限ダイエットといったります。たんぱく質が多くてカロリーが高い場合もあるので、カロリーだけで判断しないようにしましょう。現代人の食生活を考慮すると、一般的に糖質を摂りすぎないようにし、脂質は質の高いものに入れ替えていくことが重要です。
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