ブロッコリーを食べ過ぎと気持ち悪くなる場合があります。人によっては体臭がキツくなることも。ブロッコリーの食べ過ぎた場合のリスクと一日の摂取目安量を解説していきます。
ブロッコリーには食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、腸内環境を整える際に、この2つのバランスが重要となります。
ブロッコリーはどちらも含まれていますが、不溶性食物繊維が4倍以上多いです。
不溶性食物繊維は摂りすぎると大腸を刺激しすぎてしまい、大腸の収縮が強くなって起こる痙攣性便秘の原因になります。ちなみに、水溶性食物繊維は摂りすぎると軟便や下痢に可能性があります。また、ビタミンやミネラルなど必要な栄養素の吸収も妨げてしまうことになりますので注意しましょう。
どのくらい摂取すると過剰摂取になるかの明確な数値はありませんが、摂取目標量については後述しています。
出典:
栄養学博士 新出真理 監修(2014)『第2版 くらしに役立つ栄養学』ナツメ社
ブロッコリーに限った話ではありませんが、ひとつの食材だけを摂取していると栄養が偏ってしまいます。
ブロッコリーは栄養価の大変高い野菜ですが、含まれていない栄養素も存在します。例えば、ビタミンDやビタミンB12です。
ビタミンDは骨の形成を助け、ビタミンB12は赤血球の中のヘモグロビンの生成を助ける働きがあります。ビタミンDは肉類や卵に、ビタミンB12はレバーや牡蠣、あさりやしじみなどの魚介類、海苔をはじめとする藻類に多く含まれています。
また、同じ栄養素でも複数の食材から摂取した方がよいので、ブロッコリーに多くの栄養が入ってるという理由からブロッコリーのみをたくさん食べるのは控えた方がよいでしょう。
出典:農林水産省|食事バランスガイド
ブロッコリーにもアレルギーが存在します。
ブロッコリーの場合は遅延型アレルギー(潜在型アレルギー)と言って、すぐには症状が出ず時間が経ってからアレルギー反応が出るため、原因がブロッコリーであることに気付きにくくなります。
また、口腔アレルギー症候群の場合、もともと発症の原因となった野菜が違くても、ブロッコリーを食べることでアレルギーを起こすことがあります。さらに花粉症の人は口腔アレルギー症候群を引き起こすことも多く、注意が必要です。
出典:厚生労働省|食物アレルギー
ブロッコリーにはシュウ酸という物質が含まれています。
アク・えぐみの正体がシュウ酸で、人間にとって栄養素というよりも老廃物です。シュウ酸は、摂取しすぎると尿路結石症を引き起こす原因になるため摂りすぎには注意が必要です。
シュウ酸は茹でることで減らせます。3分茹でると1/3〜1/2は取り除けるといわれています。茹でることで、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も消失してしまいますが、シュウ酸を含む野菜の場合は下茹でが必須です。ブロッコリーには、たけのこやほうれん草ほど、シュウ酸は含まれていませんが、なるべく下茹でした方がいいでしょう。
他にも、チョコレートやバナナなどにもシュウ酸が含まれています。
出典:日本医師会|尿路結石
ブロッコリーなどのアブラナ科には、コリンという物質が含まれています。このコリンは、体内でトリメチルアミンという物質に変わり、このトリメチルアミンが多くなると体臭が強くなります。ちなみに臭いは魚が腐ったような生臭さです。
といっても数百グラムのブロッコリーを毎日食べたところで、トリメチルアミンが増えすぎるという心配はありません。ただし、肝臓機能が低下していたりトリメチルアミンを分解しづらい体質の場合は、注意が必要です。
出典:Dietary Reference Intakes for Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, and Choline.
ブロッコリーにいは多くのカリウムが含まれています。
カリウムは普通の食事で摂りすぎることはあまり考えられませんが、腎機能が低下している方がカリウムの多い生野菜や果物、いも類、海藻類などを過剰摂取したり、腎機能に問題ない方でもサプリメントで摂りすぎた場合は「高カリウム血症」という症状になる恐れがあります。
塩や醤油、味噌を多く使う日本人は塩分を摂りすぎる傾向があり、塩分に含まれるナトリウムの摂取量が多くなるため、腎機能に問題がなければカリウムを食材から積極的に摂ることが推奨されます。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
特定のビタミンはたくさん摂ると過剰症になってしまう場合があります。
ビタミンAは過剰摂取によって頭痛や筋肉痛、皮膚の乾燥や脱毛などの症状が現れます。また、妊婦さんは特に気にかけた方がよく、妊娠初期に過剰摂取すると胎児に悪影響を及ぼす可能性が高くなることが報告されています。しかし、野菜に含まれるβ-カロテンは必要量のみビタミンAに変換されるので心配いりません。
ビタミンCは大量摂取すると、吐き気、下痢、腹痛などが生じることがありますが、通常の食事でビタミンC過剰症になることは基本的にありません。ビタミン過剰症はサプリメントの過剰摂取などから引き起こることが多いです。
ビタミンKに関してはどのくらいの量で過剰症を発症するか、という研究報告は十分にされていないのが現状で、耐用上限量は設定されていません。しかし、食物からの摂取では尋常ではない量を食べない限り過剰症にはならないので、心配ありません。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
ゴイトロゲンはヨウ素の取り込みを阻害して、甲状腺腫を引き起こすものの総称です。このゴイトロゲンがブロッコリーをはじめとしたアブラナ科の野菜に含まれているため、過剰摂取には気をつけましょう。
ただし、高濃度のゴイトロゲンが含まれている芽キャベツを、4週間毎日150g食べても甲状腺機能には影響がなかったという報告もありますので、相当な量を食べない限り問題視する必要はありません。
出典:
ブロッコリーは糖質が高い野菜ではないので、食べ過ぎによって太ってしまうという心配はあまりありません。100gあたりカロリーは37kcalで糖質は1.5gです。他の野菜と比べても、糖質がかなり低いことがわかります。
ブロッコリーに限らず野菜は基本的にカロリーや糖質が低いのでたくさん食べて太ることはないでしょう。ただ、味付けや調理法などによってカロリーが上がることはあります。ブロッコリーの場合はサラダにしたときのドレッシングやマヨネーズなどに注意が必要です。
ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcal、糖質35.6gです。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ブロッコリーは野菜の中ではたんぱく質が多くなっています。そのため、たんぱく質制限のある人は、食べすぎに注意しましょう。
ただし、茹でたブロッコリー可食部100gあたりたんぱく質3.5gで、鶏肉は25gです。ブロッコリーのたんぱく質量にはそこまで神経質になる必要がないといえます。
ブロッコリーの1日の摂取目安量は明確に定まっていませんが、厚生労働省が発表している各栄養素などの摂取目標量などを基準に目安を把握することはできます。
大人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。
緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。
ブロッコリーは緑黄色野菜に分類されるので、他の緑黄色野菜と合わせて120gを目指すとよいでしょう。緑黄色野菜には、人参やほうれん草、かぼちゃ、トマト、ピーマンなどがあります。他の緑黄色野菜も摂ることを考えると、ブロッコリーの1日の摂取量は50〜100gあたりが妥当といえます。
出典:厚生労働省|健康日本21(第二次)
食べ過ぎはよくありませんが、適量ならブロッコリーには素晴らしい効能が期待できます。ブロッコリーは他の野菜と比べて、幅広い栄養素が豊富に含まれている、大変優秀な野菜です。
ブロッコリーはビタミンCがとても豊富です。なんとレモンよりも豊富に含まれています。つぼみよりも茎の部分が豊富なので、なるべく食べるようにしましょう。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。
通常、野菜からはなかなか摂れないと言われているビタミンEが、ブロッコリーには含まれています。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。
鉄分はミネラル成分のひとつです。体に必要な栄養素で、成人のからだには約3〜5gの鉄が存在しています。
鉄は大きく分けて2種類あります。ひとつは機能鉄といって赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。
もうひとつは貯蔵鉄といって肝臓や骨髄、筋肉などに蓄えられており、機能鉄が不足すると体内に放出されます。また、酵素の構成成分で、エネルギー代謝を助ける働きがあります。
ビタミンKは血液を凝固させる成分を合成する働きがあり、出血を止める役割があります。月経による出血が多い場合も、症状を軽減する効果が期待できます。
さらに、ビタミンKは、骨から血液中にカルシウムが放出されるのを抑え、骨にカルシウムが沈着するのを助けてくれるので、ビタミンDと並び健康な歯や骨を作るのに欠かせないビタミンです。
スルフォラファンは、イソチオシアネートの一種です。
スルフォラファンはイソチオシアネートの中でも特に研究が進んでおり、ブロッコリーに多く含まれていることが分かっています。
特にブロッコリースプラウトに豊富に含まれています。ブロッコリースプラウトとは、かいわれ大根のようなブロッコリーの新芽のことです。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
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