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ナロースクワットのやり方と効果|太ももの引き締めるコツを解説

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ナロースクワットのやり方と効果|太ももの引き締めるコツを解説

ナロースクワットは、脚幅を狭めて実施するスクワットです。今回は、ナロースクワットの実施方法及び効果を高めるポイントをご紹介します。

ナロースクワットとは

ナロースクワットは、足幅を狭く設定して行うスクワットのことです。ナローは「狭い」「細い」という意味です。主に肩幅よりも狭く、もしくは両踵をくっつけて行います。

そしてスクワットは、基本的に脚を鍛えるエクササイズですが、その他にもメリハリのある脚やヒップラインの改善、また代謝の向上も期待できる魅力的なエクササイズです。それなのにフィットネス器具が必ずしも必要でなく、老若男女問わず初級者から上級者まで自宅で実施できる自重(自分の体重の負荷のみ)トレーニングです。そのため、スクワットは「キング・オブ・エクササイズ(運動の王様)」と呼ばれています。

ナロースクワットで鍛えられる部位・効果

大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前面についている筋肉であり、大腿直筋(だいたいちょっきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)から構成されています。中間広筋は深層にあり、大腿直筋がかぶさっています。

大腿直筋は、大腿四頭筋の表層の中央部に相当し、膝関節の伸展、股関節の屈曲に寄与します。大腿直筋が発達していると、大腿四頭筋の凹凸感がはっきりするようになることが期待できます。

外側広筋は、大腿四頭筋の外側に相当し、膝関節の伸展に寄与してます。大腿四頭筋の見た目に対して重要な役割を果たしており、外側広筋を鍛えていると正面から見た時の太ももの太さが際立つことが期待できます。

中間広筋は、大腿四頭筋の深層の中央部に相当し、膝関節の伸展に寄与します。中間広筋は、深層にあるため、外から確認することが難しい部位ですが、下半身を安定化させるためには重要な筋肉です。

内側広筋は、大腿四頭筋の内側に相当し、膝関節の伸展に寄与します。内側広筋を鍛えることで膝の保護や安定性に寄与することが期待できます。

大腿四頭筋は、筋群で比較したとき身体の中で最も大きな筋肉であり、鍛えることで見た目はもちろんですが、効率的に代謝を改善し、ダイエット効果を期待できます。

代謝の改善

大腿四頭筋は、筋群で比較した場合には身体の中で最も大きい筋肉群です。これにより、筋肉をつけやすく、それに伴って代謝の改善を期待できます。大腿四頭筋をつけることで改善できるのは基礎代謝であり、例えば、体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。このため、大腿四頭筋を鍛えることで代謝を改善するということは、ダイエットの近道であるということが言えます。

(ある程度までならば)太ももの引き締め効果

大腿四頭筋を鍛えることで大腿前部の脂肪を燃焼させることを期待できるため、これにより、ある程度までならば太ももの引き締め効果を期待できます。ここで重要なのが、「ある程度までならば」という点であり、大腿四頭筋は鍛えすぎると、引き締め効果よりも筋肥大効果が優勢となり、これにより、筋肉質で太くて大きい太ももになります。大腿四頭筋は、そもそも筋肉として非常に大きいため、トレーニング経験がなくても比較的高負荷のエクササイズを行うことができます。これが、太ももが筋肉質で太くなりやすい原因となるため、太ももの引き締め効果を狙って大腿四頭筋を鍛える際には、重量、回数設定には細心の注意を払いましょう。

冷え性、むくみの改善

冷え性、むくみは身体の血流が悪くなっているからこそ発生します。大腿四頭筋は、前述したように、筋肉が大きいからこそ、鍛えることで血流を効率よく改善することができます。特に、現代人はデスクワークなどで座った状態で長時間の仕事をする人も多いことから、下半身がむくみやすく、かつ下半身の末端部で冷え性を感じている人も多いです。そのような方は、定期的に立ち上がって大腿四頭筋を軽く鍛えてあげるだけで、冷え性、むくみの改善を期待できます。

運動パフォーマンスの向上

大腿四頭筋は大きい筋肉ということもあり、下半身を稼働させる運動を行うと高確率で筋肉痛になるのが大腿四頭筋です。大腿四頭筋は、膝を伸展させる働きがあります。下半身を稼働させる多くの運動は、膝を伸展させる必要があることから、大腿四頭筋は幅広い運動で必要となる筋肉です。具体的には、空手、キックボクシングなどのキック動作を行う運動、短距離、バスケットボール、サッカー、野球などの走る動作を行う全般的な運動、自転車の漕ぐ動作を行う運動に関与しており、これらの運動を行う方は大腿四頭筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。

腰痛の軽減

大腿四頭筋の中でも、大腿直筋は骨盤前面に付着している筋肉です。大腿直筋への刺激が少なくなり、凝り固まってしまうと、骨盤が身体の前方に引っ張られることで反り腰の状態になり、これにより、腰痛の原因となる可能性があります。以上は、大腿四頭筋を鍛え、大腿直筋に刺激を与えれば、腰痛の軽減を期待できるということにも言い換えることができます。

膝の怪我の予防

大腿四頭筋の中でも内側広筋は、大腿骨上部から膝蓋骨まで伸びる筋肉です。この「膝蓋骨」とは、「膝のお皿」と表現される部分であり、膝蓋骨を安定させることで膝が怪我する可能性を大きく低減させることが期待できます。このためには、膝蓋骨と接続している内側広筋を鍛えることで、膝蓋骨にかかる負荷を低減させることが期待でき、これにより膝の怪我の予防を期待できます。ただし、大腿四頭筋は、内側広筋以外の3つの筋肉も膝と接続することで膝を安定させる役割があるため、これら4つの筋肉をバランスよく鍛えることが重要です。

ハムストリングス

ハムストリングスとは、太ももの裏側に位置する3つの筋肉(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)の総称です。「ハムストリング」と表記される場合もありますが、以上のように3つの筋肉で構成されていることを考慮して、ここでは「ハムストリングス」と呼称します。どちらで呼称しても問題ありません。

ハムストリングスは、太ももの前側にある大腿四頭筋と比較するとサイズは小さくなりますが、それでも筋肉の大きさとしては身体の中でも非常に大きい部類に分類することができます。

運動機能の向上

走る種目を行っている人の中での代表的な怪我の一つとして肉離れがあります。肉離れの発生原因は様々ですが、その一つとして、急激に力を入れることで、その負荷に筋肉が耐えられず発生することがあります。ハムストリングスは、肉離れが発生する代表的な部位であり、このことからハムストリングスが運動機能に大きな役割があることは明確です。ハムストリングスは、股関節の動きに重要な役割を果たしています。ハムストリングスを鍛えることで強く地面を蹴ることができるようになり、これにより、ジャンプ力の向上、走力の向上などの運動能力の向上を期待できます。

代謝の改善

ハムストリングスは、大臀筋や大腿四頭筋ほどではないものの、身体の中での筋肉の大きさとしては比較的大きい部類に入ります。これにより、前述した大腿四頭筋、大臀筋と同様に、ハムストリングスを鍛えることで代謝の改善を期待でき、これにより効率的なダイエット効果を期待できます。

太ももの引き締め効果

太ももの引き締め効果というと、太ももの表側、すなわち、前述したような大腿四頭筋に代表される筋肉を鍛えることが真っ先に浮かびますが、太ももの裏側、すなわち、ハムストリングスを鍛えることも有効です。というのも、大腿四頭筋は意識していなくても日常的に使われていることが多く、このため、そこまで鍛えていなくても皮下脂肪が付いていることが気になることはそこまで多くありません。一方、ハムストリングスは大腿四頭筋と比較すると日常的に使用される機会が少なく、これにより、皮下脂肪が意外と目立つ部位です。このため、ハムストリングスを鍛え、太もも裏側の脂肪を燃焼させることで、太ももの引き締め効果を期待できます。

ヒップアップ効果がより際立つ

ヒップアップ効果というと、お尻の筋肉、すなわち、前述した通り大臀筋を鍛えることが真っ先に思い浮かびますが、実際に、それは間違っていません。ただし、ヒップアップ効果は、お尻側からアプローチする方法と、お尻の下側にある太ももの裏側からアプローチする方法があり、大臀筋を鍛えることは前者に相当します。一方で、ハムストリングスを鍛えることは後者に相当し、ハムストリングスを鍛えることで太ももとお尻の境目をよりはっきりさせることで、これにより、ヒップアップ効果を期待できます。

冷え性、むくみの改善

冷え性やむくみの原因は、前述したように血流が悪くなっていることです。特に、ハムストリングスは大腿四頭筋と比較して、日常的にはそこまで意識して使われる頻度が高い筋肉ではないことから、凝り易く、これにより血流が悪くなっている可能性が高いです。そのためハムストリングスを鍛えることで血流が良くなり、冷え性やむくみの改善を期待できます。

姿勢の改善

ハムストリングスは、骨盤と接続しています。ハムストリングスが凝ってしまうと、ハムストリングスが自然と骨盤を引っ張ってしまい、これにより、骨盤が後傾した状態、つまり、骨盤が正常時よりもズレた状態になり、姿勢が悪化します。このため、ハムストリングスを鍛えることで、凝りを解消し、これにより姿勢の改善を期待できます。

大臀筋

大臀筋は、お尻の大部分を占めている筋肉であり、単一の筋肉では身体の中で占める割合が最も大きい筋肉です。

お尻には、大臀筋の他に、中臀筋と小臀筋という筋肉があります。中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最もインナー部分に存在する筋肉です。ただ、両者ともに大臀筋と比較すると、筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。

お尻の引き締め・ヒップアップ

ヒップアップ効果とは逆に、お尻が垂れ下がった状態とは、お尻の筋肉がお尻全体の重さを支えきれなくなった状態を指します。お尻が垂れ下がると、まずはお尻の下部から垂れ下がり始め、徐々にお尻の上部も垂れ下がることで、最終的にはお尻全体が垂れ下がります。大臀筋は、単一の筋肉では身体の中で最も大きい筋肉であり、それに伴って、お尻周りの筋肉の中で最も大きい筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることでお尻を支える筋肉を強くすることで、お尻の引き締め効果及びヒップアップ効果を期待できます。

スタイル改善

大臀筋を鍛えることで、前述した通りヒップアップ効果を期待できます。ヒップアップ効果を期待できるということは、太ももにお尻が垂れて乗っかっているような状態ではないということであり、これにより後ろ、横からみたときに脚が長く見えるようになることが期待できます。また、お尻の筋肉が発達することでアウトラインが改善されると、相対的に脚が細く見えるようになるという効果も期待できます。以上から、大臀筋を鍛えることで、お尻自体のアウトラインを改善することに加えて、お尻が接続している太ももの見栄えが改善することから、スタイル改善を期待できます。

代謝の改善

大臀筋は、単独の筋肉で比較した場合において、最も筋肉が大きい部位です。筋群で比較した場合には大腿四頭筋が最も大きい筋肉であり、これにより、大腿四頭筋を鍛えることで代謝の改善を期待することができますが、これは大臀筋にも同様のことが言えます。筋肉の大きさについて、大腿四頭筋が非常に大きいということは有名ですが、大臀筋も大きい部位であるということは実は盲点であるケースが多く、だからこそ、大腿四頭筋に加えて大臀筋を鍛えることで効率的にダイエット効果を期待できます。

運動パフォーマンスの向上

久しぶりに運動をすると実は筋肉痛になりやすいのが大臀筋です。大臀筋は下半身を使う動作で、力を発揮するのに必須の筋肉であるため、比較的幅広い運動で作用する筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることで運動機能を向上することが期待できます。具体的には、短距離走で速く走ること、バスケットボールやバレーで高くジャンプすること、サッカーや野球で踏み込む動作などに大臀筋は関与しており、これらの運動を行う方は大臀筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。

腰痛予防

腰痛は、前述した通り,姿勢の乱れで発生することが非常に多いです。姿勢を正しく保持するために、腹筋及び背筋を鍛えることが有効であることは非常に一般的ですが、その体幹を下半身で支える働きがある大臀筋も身体を真っ直ぐ立たせる働きがある筋肉です。このため、大臀筋が十分に発達していないと姿勢が崩れる原因になり、これにより腰痛の原因となります。したがって、大臀筋を鍛えることで姿勢を改善し、これにより腰痛の予防を期待できます。

ナロースクワットのやり方

フォーム

  1. 足がかかと同士がくっつくか、拳が一個入る程度に設定。このとき、つま先はやや外向きにする(ノーマルスクワットのときと同じくらい)。
  2. 膝を主導で、上体が太ももにやや覆い被さるように意識しながらしゃがんでいく(このとき、手は頭の上に置く)。
  3. 太ももが床と平行の状態になったら、切り返して元に戻る。

回数・セット数

初心者

筋トレ初心者の場合、ナロースクワットは12〜15回を3セット実施しましょう。

ナロースクワットは、通常のスクワットよりも実施が難しい種目です。そのため、筋トレ初心者の場合には、まずはフォームをしっかり身につけるという目的で、やや軽めの重量で一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。

少し慣れたら

ナロースクワットに少し慣れた方の場合、ナロースクワットは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにしましょう。

ナロースクワットに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、15〜18回を実施できる重量設定にします。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対して少しだけ重量を減らして15回きっちりとできる重量設定をするようにしましょう。

上級者

筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにしましょう。

アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、オススメの方法です。

スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばナロースクワットと一緒に実施するならばスクワット、ワイドスクワット、サイドスクワットどを実施するのがオススメです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には両種目とも12〜15回実施できるようにしましょう。

重量

初心者

筋トレ初心者のバーベルで実施する場合のナロースクワットの目安の重量は20〜30kg程度です (体重にもよります)。

ナロースクワットを実施すると、通常のスクワットと比較して実施し辛さに驚くかと思いますが、実際に、重量は扱いにくい種目です。重量は20〜30kg程度と述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて12〜15回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。

少し慣れたら

ナロースクワットに少し慣れた方のバーベルで実施する場合のナロースクワットの目安の重量は片手で30〜50 kg程度です(自身の体重にもよります)。

ナロースクワットは、慣れてくると、ローバー(三角後部あたりでバーベルを把持する方法)で実施してしまう傾向があり、ナロースクワットのフォーム上、仕方ないことでもあります。ただし、ローバーにしすぎると腰を痛める原因になり、可動域も大きく設定できないことから、基本的にはあまりローバーで実施しないようにしましょう。

上級者

筋トレ上級者のバーベルで実施する場合のナロースクワットの目安の重量は150 kg以上です(自身の体重にもよります)。

筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、バーベルのナロースクワットで150 kg以上をチーティングなしで扱うことができれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでもチーティングなしでの重量です。前述したローバーに設定することに加えて、ハーフスクワットをするというチーティングを組み合わせればそこまで非現実的な数値ではありませんが、あまり効果がないためやらないようにしましょう。

ナロースクワットの効果を上げるポイント

脚幅をできるだけ狭くする

ナロースクワットで狙うのは大腿四頭筋の外側、つまり、外側広筋です。外側広筋に最も刺激を与えるためには、踵同士をつけた形でナロースクワットを実施することが必要ですが、踵をつけた状態でナロースクワットを実施するのはかなり難易度が高いです。そのため、ナロースクワットで外側広筋を狙う場合には、踵をつけないにしろ、できるだけ脚幅を狭くする必要があります。基本的には、腰幅より狭いスタンスで実施するとナロースクワットと定義することが多く、最初はやや広めのスタンスで実施し、そこから少しずつスタンスを狭くするようにしましょう。

膝を起点にする

よくあるスクワットのご法度の例として、「膝をつま先よりも前に出す」ということがありますが、これは必ずしも正しくありません。特に、ナロースクワットの場合には、股関節が閉じた状態でスクワットを行うことから、必然的に膝を意識して実施しないと、そもそもしゃがむことも非常に難しくなってしまいます。そのため、通常のスクワットでは腰を起点にして動かすことが多いですが、ナロースクワットでは膝を起点にするイメージを持って実施すると比較的しゃがみやすくなります。このとき、「膝がつま先よりも前に出ない」ということを過剰に意識する必要はなく、あくまでも自然の流れで実施することを意識しましょう。

膝を伸ばし切らない

ナロースクワットが分類されるスクワットは非常に負荷の高いエクササイズですが、その一方で負荷が抜けやすいエクササイズでもあります。この理由の1つとしてトップポジションの設定にあります。スクワットでは、身体を上げる際に、大腿四頭筋を少しでも楽にするために膝を伸び切った状態を作りがちですが、このようにすると大腿四頭筋へ負荷が全く入っておらず、トレーニング的にはNGです。トレーニングの基本は、「動作中すべての可動域で筋肉に負荷を与え続ける」という点であるため、これに倣うならばスクワットにおけるトップポジションでも負荷が入るように設定する必要があります。すなわち、膝は伸ばし切るのではなくやや曲げた状態をトップポジションに設定し、その場所で切り返すことが重要です。

ボトムポジションの位置設定

ボトムポジションの位置も気をつけましょう。ナロースクワットでは、足首が相当柔らかくないとボトムポジションを深めにすることは困難です。そのため、ボトムポジションは太ももと床が平行になる位で十分であり、それも難しいという方は、踵と床の間に高さが2〜3cmのものを挟んでややつま先立ちの状態になることで解消することができます。あまり無理をすると、かえって身体を痛めてしまう原因となります。無理ない範囲で行うことでしっかりと効果を得られます。

トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。スクワットではしゃがんだ状態です。多くは筋肉がピンっと張った状態です。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」といいます。

重量を加える

ナロースクワットでも、通常のスクワットと同様に重量を扱うことで負荷を高めることができ、これによりエクササイズの効果を増大させることが期待できます。そのため、自重のナロースクワットで物足りなくなってきたら、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどを用いて負荷を高めるようにしましょう。
ただし、いきなり重量を上げすぎると身体を痛めたり怪我をしてしまうことがあります。ナロースクワットは、スクワットに分類される種目であることから、重量を扱いたいですが、通常のスクワットと比較してそこまで高重量を扱うことは中々難しい種目です。そのため、最初は軽い重量から始め、だんだんと重量を重くしてくようにしましょう。

大腿四頭筋の動きを意識

ナロースクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、大腿四頭筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大腿四頭筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作のスピード

ナロースクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

ナロースクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

重量つきナロースクワットのやり方

ダンベル

ナロースクワットでダンベルを使う際は、身体の側面で把持するのが一般的です。ダンベルの把持の方法として,身体オン正面で両手で1つのダンベルを持つようなやり方もありますが,ダンベルの重量によっては肩への負担が増大する傾向があり,これにより,ナロースクワットを実施しているのにもかかわらず,肩を鍛えてしまっているという状態になりかねません。そのため、基本的には、身体の側面でダンベルを把持した方が良いです。

ダンベルを把持する際には、姿勢を崩さないように意識することも重要です。具体的には、腹圧をしっかりかけて背中を張る姿勢を保つと良いです。このときの目線は正面するのが理想的で、これにより、姿勢を正すことを期待できます。

また、脚幅ですが、バーベルで実施するよりも無理をすることができます。前述した通り、脚幅を狭くするほどナロースクワットの効果は高まるため、できるだけ、脚幅を狭めて実施するようにしましょう。

バーベル

バーベルを使ってナロースクワットを行う場合、ボトムポジションは身体の構造上そこまで深くなりません。太ももと床が平行くらいになります。日本人はローバースクワット(バーベルを握り持つ部分が三角筋後部くらいのやや低めのスクワット)で実施するのが適していると言われており、特にナロースクワットの場合はそれが顕著です。ローバーでナロースクワットを実施した場合、必然的にボトムポジションの設定は浅めになるということに留意する必要があります。

ただし、ローバースクワットは基本的には重量を扱いやすいと言われているものの、基本的に重量はかなり扱いづらく、バランスがとりづらいため、慣れるまでは軽い重量で行うようにしましょう。

スミスマシン

スミスマシンは、軌道が固定されているバーベルのようなものです。軌道が固定されているため、通常のバーベルのような負荷感で無理が効くというメリットがあります。そのため、できるだけ脚幅は狭くして実施するとよく、理想的にはかかと同士をつけて実施するようにしましょう。

スミスマシンは大きく2つに分類することでき、軌道が床に対して垂直になっている通常のスミスマシンと、軌道が床に対して斜めになっているスーパースミスマシンです。いずれのマシンにおいても、スクワットを実施する際にはスミスマシンの軌道に則るような形で実施するのが良く、特に、スーパースミスマシンにおいて「軌道が斜めになっているのにもかかわらず、身体は垂直に下ろす」というようなフォームは、なんらかの意図がない限り、実施しないようにしましょう。

ナロースクワットと一緒にやるのがおすすめなエクササイズ

ウォーミングアップ:シシースクワット以外で自重で外側広筋を鍛えることができる種目は恐らくない気がします.膝や股関節を温めるという目的で,通常のスクワットやワイドスタンススクワットはオススメではありますが....

バランスよく:ナロースクワットが外側広筋を鍛える種目であることを考えると,内転筋を鍛えるワイドスクワット ,サイドスクワット,マシンだったらインナーサイあたりがオススメです.

スクワット(ノーマルスクワット)

やり方

  1. 脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行よりも少し深くなる位までゆっくり身体を下げる。
  3. 膝をロックしない(=真っ直ぐに伸ばしきらない)ところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

スクワットは12〜15回3セットを目安に実施します。

スワットというエクササイズ自体は比較的負荷の高いエクササイズですが、自重で実施するスクワットはバーベルなどを用いて行うスクワットと比較して負荷をかなり低減することが期待できます。このため、一般的なトレーニングで推奨とされている回数である12〜15回を目安に実施するようにしましょう。

ポイント

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 身体をゆっくり下げる。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。

  • 背中を張ったまま実施する。

  • 初動は臀部から動かすことを意識する。

ワイドスクワット

フォーム

  1. 脚幅を肩幅の1.2〜1.5倍程度に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行位になるところまでゆっくり身体を下げる。
  3. 膝が真っ直ぐに伸び切らないところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

ワイドスクワットは、12〜15回を3セット実施します。

スクワットと同様に、ワイドスクワットも自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要です。また、ワイドスクワットは、股関節周りを動かすトレーニングであることから、高回数で実施すると怪我をする原因となるため注意が必要です。

ポイント・コツ

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 身体をゆっくり下げる。

  • 身体を下げすぎない。

  • 背中をできるだけ倒さない。

  • 臀部の動きを意識する。

サイドスクワット


サイドスクワットの実施方法は、2種類あり、以下の手順です。

動的なサイドスクワットのやり方

  1. 棒立ちの状態から、肩幅が1.5倍位の場所に片足を移動させる。
  2. 移動した足に体重を乗せる。
  3. 臀部を意識しながらスクワットを行う(手を前に出すとバランスを取り易い)。
  4. 棒立ち状態に戻り、もう片方の足も行う

静的なサイドスクワットのやり方

  1. 肩幅の1.5倍に脚を開く。
  2. 体重を片足に移動する。
  3. 臀部を意識しながらスクワットを行う。
  4. 足を開いたまま、もう片方の足に体重をのせスクワットを行う。

回数

サイドスクワットは、片足を10〜12回で3セット目安に実施します。

サイドスクワットは、ナロースクワットとは異なり、脚幅を広くして実施するスクワットであることから、基本的には股関節を開いて実施できるため比較的実施しやすいエクササイズです。ただし、両脚を交互に実施すると運動量が比較的大きくなることから、まずは片足を10〜12回で3セット目安に実施するようしましょう。

ポイント

  • 移動した脚に体重をかける(=重心の移動)。

  • ボトムポジションは深くならない。

  • 状態が太ももにかぶさってしまうのは自然の動作。

シシースクワット

やり方

シシースクワット(シシースクワット台を使用しない場合)の実施方法は、以下の手順です。

  1. 脚幅は狭めにして、つま先をやや外側にして立つ。
  2. 支柱に片手をかける。
  3. 大腿四頭筋が伸展することを意識して、膝がつま先よりも前にきて膝が床に付くようにして膝を動かす。
  4. 元に戻る。

回数

シシースクワットは、1セット5〜8回を3セット目安に実施します。

シシースクワットは、自重で実施することができるエクササイズの中ではかなり強度の高いものに分類することができます。そのため、基本的には1セット5〜8回を3セット目安に実施しましょう。

シシースクワットは、その動作の特性上、膝を痛めやすい種目でもあります。そのため、基本的にはその他の大腿四頭筋を鍛えるエクササイズを実施してウォーミングアップが終了したら実施するようにしましょう。

ポイント

  • ボトムポジションで大腿四頭筋が伸展することを意識する。

  • 身体は常に一直線。

  • 危ないのでゆっくり身体を動かす。