サイドプランクはくびれ作りに有効なプランクのバリエーションの一つです。その他にも体幹や脚を鍛えることも可能です。比較的トライしやすい静的なエクササイズです。今回は、サイドプランクのやり方や効果、効果を高めるポイントについて解説します。上級者向けの応用編サイドプランクも記事の最後に紹介しています。
サイドプランク(side plank)とは、横向きで実施するプランクを指します。同じ姿勢を一定時間保ち、静止した状態で筋肉に刺激を与えるアイソメトリック運動(静的運動)です。
通常のプランクは両肘と両つま先で身体を支えるのに対して、サイドプランクは肩肘と片つま先でバランスを取るので、負荷・難度ともにやや高くなります。
サイドプランクで鍛えることができる部位として、腹斜筋が挙げられます。腹斜筋は脇腹の部分の腹筋を指します。くびれができる箇所です。
サイドプランクは横を向き、身体の側面(サイド)を一直線にしてバランスを保つため、腹斜筋が刺激されます。通常のプランクでは体幹(背骨周りの筋肉)が主に刺激されるのに対して、サイドプランクは重力方向に横腹があるので、腹斜筋が主に刺激されます。
腹斜筋を鍛えるためのエクササイズは他にもオブリーククランチなどがありますが、慣れていないと腹斜筋にしっかり負荷をかけるのが難しい種目です。一方、サイドプランクは細かいテクニックがなくても腹斜筋を刺激することが可能で、運動初心者の方におすすめできます。
腹斜筋に負荷がかかるので、くびれ作りに寄与します。ただし、サイドプランクだけを実施しても劇的にウエストが細くなってウエストがくびれるということはないため、その他の腹筋のエクササイズや有酸素運動、適切な食事を心がけることが必要です。
サイドプランクで鍛えることができる部位として、肩や腕の筋肉も挙げられます。
サイドプランクは片腕と片足でバランスを取るので、ノーマルプランクより片腕にかかる負荷が高くなります。腕から上半身にかけて、主に上腕三頭筋と三角筋に刺激が入ります。運動習慣のない人は腕や肩の筋肉痛になることが多いです。ただし、慣れてくると肩や腕に刺激はほとんど入らなくなります。
脚は付け根に刺激が入りますが、限定的です。
エクササイズ全般にいえることですが、サイドプランクを実施すれば代謝向上が期待できます。特にダイエットをしたい方は、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を実施する前に、取り入れるのがベストです。
代謝向上のみを目的とするならば、サイドプランクよりもプランクがおすすめです。他のエクササイズでは、スクワットが大変おすすめです。
この最初のポジションを設定するのがサイドプランクを実施する上で一番ハードルが高い部分です。体重が軽いか、腕にある程度の筋肉がないと、この姿勢を作ることができません。
本来は両足をぴったり付けて片足だけが床に接するようにするのが重要なのですが、この姿勢ができない方は、脚をズラして両足で身体を支えるとバランスが取りやすいです。ただし、負荷がその分小さくなってしまうので、慣れたら両足はくっつけるようにしましょう。
床に接していない方の手は腰に当たるのが基本です。床に接していない方の腕は床と90度になるように伸ばす方法もあり、これは二の腕の引き締めに効果的です。
サイドプランクでは、通常のプランクと同様に、お尻のあたりから身体が落ちそうになりますが、それを落ちないよう真っ直ぐに保つことが重要です。「plank」という英語は「板」という意味なので、プランクは身体を板のように一直線にしなくては意味がありません。
そのためには、床を支えている部分の足にもしっかりと力を入れて、床の垂直抗力をしっかりと感じることが大切です。
上述した通り、サイドプランクはプランクよりも負荷が大きいため、まずは10秒x3セットくらいから始め、30秒x3セットできるように目指しましょう。
プランクは最大でも1分x3セットできれば十分です。それ以上の時間を使うならば、他のエクササイズや有酸素運動に時間を割いた方が効率的です。特に腹筋は多くの種類の刺激が入ると効果的です。
サイドプランクを実施する上で最もネックとなるのは、正しい姿勢を作ることで、上半身を支える肘の角度は非常に重要です。肘を身体の側面に対して90度に設定しましょう。肘が身体の側面に対して鋭角になっていると、身体を支えるために十分な力が入りません。また、肩周りに余分に刺激が入ってしまい、肩を怪我する危険性もあります。
上述した通り、サイドプランクは両足を重ねずに実施することができますが、身体を真っ直ぐにしようとする力が働きづらく、サイドプランクの効果が低下します。そのため、意識的に両足を重ねてサイドプランクを実施することが重要です。
目線を真っ直ぐにし、胸をやや張るイメージを持つと効率がアップします。身体を支えている肘の方向に視線を向けた方が身体のバランスを取りやすいのですが、そうすると肘に身体が覆い被さるような姿勢になり、肩への負荷が高まるとともにプランクとしての効果が減少してしまいます。そのため、視線は身体に対して真っ直ぐに設定することが重要です。
プランクはスクワットや腕立て伏せといった動的なエクササイズと比較して、エクササイズが静的であることから、いまいち呼吸法を掴みにくいという問題がありますが、基本的には息を吸うことよりも吐き出すことに意識を置くようにしましょう。
これは、腹筋運動をイメージするとわかり安いですが、腹筋では上体を上げるときはゆっくりと息を吐き出し、上体を下げるときは息を吸います。息を吐くと腹筋が収縮して力が入るので、力を入れるときに息を吐くと運動効率がアップする、という原理です。
プランクも、腹筋運動と同様に腹筋を鍛えることができるエクササイズなので、「息を吸って、ゆっくり吐く」ということを繰り返すことで腹筋を効果的に刺激することができます。特に吐いたときに筋肉が収縮しているのを感じ取るのが重要です。秒数が長くなってくるとこの呼吸法がさらに重要になります。
基本のサイドプランクより負荷の小さい、初心者向けのサイドプランクを紹介します。
膝付きサイドプランクは、その名の通り、膝を付けて実施するプランクです。サイドプランクの最大のネックは片肘と片足でバランスを取ることですが、膝を付けることで身体が安定します。
床と接していない方の脚を真っ直ぐにして宙に浮かした状態から、膝を90度ほど曲げながら胸の方に持ってくる動作を入れるという応用編もあります。これを取り入れると股関節がほぐれるので、ランニングの怪我を予防する効果が見込めます。
基本のサイドプランクができない方向けにすでに紹介した、両足を床につけてバランスを取るサイドプランクです。この方法は教科書的にはご法度ですが、通常のサイドプランクができない方が慣れるには適してします。
ハイサイドプランクは、肘を伸ばし切った状態で実施するサイドプランクです。片手のひらと片足で身体を支えます。肘を伸ばすことから、腕に力が入りやすく、通常のサイドプランクよりも難度は下がります。
ハイサイドプランクの応用編にはハイサイドプランクツイストがあります。これは、床と接していない方の腕を、床と身体と片腕でできた三角形のスペースに通すように、上体をねじります。ハイサイドツイストプランクはハイサイドプランクよりも負荷が大きくなります。
足上げサイドプランクは、サイドプランクの状態で床と接していない方の足を宙に上げて実施するエクササイズです。足を上げたまま維持するパターンと、上下させる動作をするパターンがあります。
足上げサイドプランクは、通常のサイドプランクに対して、宙に上げている足の方の臀部(お尻)を刺激することができます。そのため、バランスよく鍛えるために、必ず左右をセットで実施するようにしましょう。
サイドプランクツイストは、サイドプランクの状態で、床に接していない方の腕を床と90度の角度で伸ばします。その腕を、床と身体と片腕でできた三角形のスペースに通すように、上体をねじります。この動作をゆっくりと何度も繰り返します。ツイストする動作が入るため、腹斜筋への刺激がより大きくなります。
手を首の後ろに置き身体をねじるやり方もありますが、三角のスペースに通すように動作した方が、身体がよりねじれるので負荷が高まりおすすめです。
より負荷を上げる方法として、上体をツイストした際に、片足も膝を曲げながら胸元に持ってくるという方法もあります。こうすると下っ腹の引き締めにも効果があります。
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