クランチは、腹直筋上部を鍛えるための種目ですが、負荷がそこまで高くないため女性にもおすすめです。今回は、女性向けのクランチの方法及びコツについてご紹介します。
クランチにより腹直筋上部を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。これにより、お腹周りをすっきりさせることが期待できますが、腹直筋だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹直筋を鍛えてお腹周りをすっきりさせたい場合には、腹直筋を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。これは、シックスパックを作りたい際にも同様であり、シックスパックをしっかり出したい場合にはかなりの計画的な有酸素運動、もしくは食事制限を実施する必要があります。
クランチで鍛えることができる腹直筋上部は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋が分類される腹筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、例えば、大腿四頭筋や大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。それでも、腹直筋は、腹筋の中では最も大きい筋肉であり、これにより、鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、これによりダイエット効果を期待できます。
クランチで鍛えることができる腹直筋上部は、前述した通り腹筋に分類される筋肉であり、腹筋は背筋とともに上半身を支える筋肉です。これにより、腹直筋を鍛えることで上半身をしっかり支えることができるようになります。腰痛が発生するメカニズムは、上半身の重さを支えることができなくなることで姿勢が悪化し、これにより、腹筋と背筋のバランスが崩れることで、上半身と下半身の付け根である腰に負担がかかってしまうということです。特に、背筋は日常的に使用する機会が多い筋肉であるものの、腹筋は意識的に使用しないと鍛えることが難しい部位です。以上から、腹直筋を鍛えることで腹筋と背筋のバランスを改善することを期待でき、これにより、腰痛の予防はもちろんですが、既に腰痛を抱えている方も腰痛を改善することを期待できます。
姿勢が悪い状態というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生しているということが言え、姿勢の改善を行うためには猫背の改善を行う必要があります。
猫背の大元の原因を紐解くと、骨盤の歪みが挙げられます。ここで、クランチで鍛えることができる腹直筋上部が分類される腹直筋には骨盤の角度を調整する働きがあります。腹直筋に十分な刺激を与えていないと、腹直筋が凝り固まり、これにより、骨盤の角度調整機能が十分な役割を果たさず、骨盤が後傾するようになります。このため、腹直筋を鍛えることで骨盤を正しい位置に戻すことを期待でき、これにより猫背を改善して姿勢改善効果を期待できます。
初心者の場合、クランチは、12〜15回3セット実施します。
クランチは、腹直筋上部を鍛えるエクサイズであり、可動域は小さいですが、しっかりやるのが中々難しい種目です。このため、回数を多くこなそうとするのではなく、回数は抑えめで、しっかりとフォームを維持できる回数で実施するのが重要であり、そのために、一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施しましょう。
クランチに少し慣れた方の場合、クランチは、15〜18回3セット実施します。
クランチは、そもそものエクササイズの負荷がそこまで高くないエクササイズであることから、慣れてきたら少しずつ回数を増やして負荷を高める必要があります。そのため、少し慣れてきたら一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施しましょう。
上級者の場合、クランチは、プランク、レッグレイズ、シットアップと組み合わせながら実施します。
上級者の場合、まずはウォーミングアップ種目としてプランクを45秒〜60秒を3セット実施します。そのあとに、本番種目として、プランク、レッグレイズ、シットアップをそれぞれ、12〜15回3セット実施するようにしましょう。プランク、レッグレイズ、シットアップは、休憩なしでジャイアントセット (3種目以上を連続で実施する)で実施しても問題ありません。
クランチは、後述するように腹直筋上部の動きを意識することが重要なのですが、そのために、肘を意識するのが効果的です。具体的には、トップポジションで腹直筋上部の収縮を促すために肘を絞るようにし、ボトムポジションでは逆に腹直筋上部の伸展を促すために肘を開くようにすることが効果的です。このテクニックは、腹直筋に限らずシットアップでも効果的ですが、特にクランチの場合は、シットアップよりも可動域が限定的であることから少しでも負荷を大きくするために細かいところまで注意して実施する必要があります。
クランチに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、腹直筋上部の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での上腕筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
クランチに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
クランチに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、クランチでは、身体を下ろすときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
リバースクランチは12〜15回を3セットを目標に実施します。
リバースクランチは、丁寧に実施すると1回1回の負荷はかなり高くなります。そのため、リバースクランチを始めたての頃は、中々12回を実施するのは難しいかもしれませんが、細切りにしながら12回程度を実施し、最終的にはインターバルなしで1セットで12〜15回を実施し、それを3セット実施することを目指しましょう。
膝を曲げる。
トップポジションで静止。
動作を丁寧に行う。
ストレートアームクランチは、12〜15回を3セット実施します。
ストレートアームクランチは、腕を真っ直ぐにしてクランチを実施することから、通常のクランチに対してやや負荷が高くなります。ただ、劇的に負荷が大きくなるわけではないため、まずは一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セットを目標に丁寧に実施します(むしろ、腕を上げている分だけ、腹直筋を意識しやすいという方もいるかと思います)。
腕をしっかり伸ばす。
目線は腕の方向。
トップポジションで顎をやや出すように。
オブリーククランチは、15〜18回3セットを実施します。
オブリーククランチは、身体を横にして行うクランチであり、この種目もかなり意識しないと腹斜筋に刺激を入れるのが中々難しい種目です。オブリーククランチを実施する際には、基本のクランチができていることが前提であり、まずは一般的なトレーニングで標準的な回数よりもやや多めの15〜18回3セットを実施するようにしましょう。
可動域が狭いことを意識する。
1回ずつ頭を床に付けない。
呼吸を意識する。
腹斜筋の収縮を意識する。
プランクは、まずは30秒を3セット実施します。
プランクは、動作自体は膝付きプランクに対して、脚を伸ばして実施するだけですが、体重をつま先と両腕で支えることになるため、比較的負荷が高いエクササイズです。そのため、まずは、30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
臀部を"張る"(=外旋する)ようなイメージを持つ。
正面を向く。
レッグレイズは、15〜18回3セット実施します。
レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるための標準的な腹筋のエクササイズです。基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。
とにかく足の動きをコントロールする。
腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。
足を床ぎりぎりまで下げる。
膝を真っ直ぐにしすぎない。
呼吸を意識する。
シットアップは、12〜15回3セット実施します。
シットアップは、腹直筋全体を鍛えるエクササイズですが、腰をかなり痛めやすいエクササイズです。このため、レッグレイズと同様に回数を多くして実施しないことがポイントであり、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施するようにしましょう。
腹直筋に負荷が入る範囲で実施する(=上体を上げすぎない、下げすぎない)。
トップポジションで顎を出す。
上体を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。
高回数で実施しない。
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