負荷が高いながらも初心者でも行え、「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるスクワット。運動の王様であるスクワットは毎日実施しても大丈夫なのでしょうか?毎日実施する場合、回数やメニューに決まりはあるのでしょうか?今回はそんなスクワットに関して解説していきます。
「スクワットを毎日実施してもよいか」は、実施する人の運動レベル、スクワットの種目、回数の3つに依存します。
自重(じじゅう)トレーニングレベルのスクワット、つまりフィットネス器具を使わず自分の体重だけで行うスクワットならば、初心者の方でも基本的に毎日実施しても問題ありません。基本のスクワット(ノーマルスクワット)はそこまで負荷が高くないためです。ただし、回数が多ければ負荷は高まるので、過度な回数設定は避けましょう。
バーベルスクワットのような加重トレーニングでは、「超回復」という現象を理解することが重要となります。
「超回復」とは、元の状態に戻る回復を超えてさらに強くなることを意味します。トレーニングは、筋繊維に負荷をかけて壊していく作業ですが、その壊れた筋繊維が回復する段階で元々の筋繊維よりも強い状態になって回復します。これを繰り返していくことで筋肉は成長します。
特にバーベルスクワットのように負荷の高いエクササイズでは、かなりの負荷をかけて筋繊維を壊すため、自重トレーニングよりも超回復が期待できます。
超回復は、一般的にトレーニング後48〜72時間程度で発生するといわれます。この超回復が発生している最中にトレーニングを行うと、筋肉が十分に成長しないだけではなく、パフォーマンスの低下や怪我にも繋がるため、この間は同一の筋肉を鍛えないことが重要です。したがって、負荷が高いと言われている加重したスクワットは、基本的には毎日実施するべきではありません。
「メリハリのある太もも」とは「引き締まった太もも」のことです。スクワットにより太ももの前部と裏側を刺激するので、これらの部位に積極的に筋肉をつけることができ、引き締まった太ももを実現できます。
「スクワットは脚が太くなるからやりたくない」という女性がたまにいらっしゃいますが、女性が自重で実施する範疇で劇的に脚が太くなるということは考えにくいです。筋肉痛が強い=太くなる、ではないので、そこまで心配しすぎる必要ありません。
そもそも女性は、男性と比較して筋肉の発達に影響するテストステロン値が低く、男性でも太ももを大きくするためには高重量のスクワットが必要ですので、あまり心配しないでよいでしょう。
近年の美尻ブームにより多くのマシンや種目が紹介されていますが、お尻のラインを作る上で最も効果的なのはスクワットです。
この理由としては、スクワット自体が太ももを稼働させて実施する種目であることから、運動経験がない人でも高負荷のトレーニングを実施しやすいためです。
通常のノーマルのスクワットでも、もちろん臀部(お尻)に刺激を入れることは可能ですが、後述するワイドスクワットやブルガリアンスクワットを実施することで、より効果的に臀部に刺激を入れることができます。
スクワットは筋肉を鍛えるのに有効な種目ですが、それと同時にダイエット効果も見込むことができます。
その理由は、身体の中の筋肉の約60〜70%が下半身に集中しており、下半身の中でも大腿四頭筋、臀部(お尻)が占める筋肉の割合が非常に高いためです。スクワットは、これらの筋肉を鍛えることができ、これにより代謝が向上します。脂肪が燃焼するためには代謝の向上が不可欠なので、ダイエット効果が見込めます。
ただし、スクワットは代謝向上を促すことまでしかできません。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動と、食事制限もダイエットをする上では必須です。
その他にも、成長ホルモンの分泌が促され美肌効果が期待できたり、姿勢の改善が見込めるともいわれています。
トレーニングの基本として、身体が刺激に慣れてしまうことを避けるために同一のトレーニングを毎日実施するということは避けるべきです。ただ、ノーマルスクワットの場合、毎日実施しても良いほど、実は非常に奥が深いトレーニングであり、やり方を工夫することで毎日実施してもマンネリ化する回避することができます。
ノーマルスクワットを毎日実施するにあたって、1週目、2週目、3週目、4週目...で負荷を徐々に高くするのが効果的です。例えば、1週目は1日に30回、2週目は1日に50回、3週目は1日に80回、4週目は1日に100回といった具合や、1週目は通常のノーマルスクワット、2週目はしゃがむときに普段の2倍ゆっくりスクワット、3週目はしゃがんだ状態で静止する時間を普段の2倍かけるスクワット、4週目は2週目と3週目を合わせたスクワットといった具合です。
初心者の方はまず、10回x3セットから始めましょう。セットとセットのインターバルは30秒〜1分です。
ノーマルスクワットの正しいフォームについてはこちらの記事をご覧ください。
スクワットはノーマル以外にも自重で実施できる様々なバリエーションがあります。それらを毎日組み合わせるのもおすすめです。
スクワットは基本的にどれを実施しても大腿四頭筋(太ももの前側にある筋肉)に刺激が入るのですが、それ以外の部位には、どの種目を選択するかで微妙に異なります。そのため、様々なスクワットを組み合わせることでバランス良く脚を鍛えることができます。
やり方ですが、まず、1日に実施する回数を決めます。次に、その回数に対して各スクワットで実施する回数を配分して実施します。一般的には、60回程度に設定して、それを3種目で分割して実施するというやり方が多いです。
ここで重要なのが、同じエクササイズを同じ順番で繰り返さないということです。この方法のスクワットは、色々な刺激を入れるというのが目的なので、できるだけ多くのスクワットを取り入れます。前日実施したスクワットと被ってしまうという場合は、順番を変えるだけでも非常に効果的です。
毎日のスクワットのおすすめのメニューの一つに、中上級者向けですが、低中重量のバーベルスクワットがあります。
基本的に、バーベルスクワットを毎日実施する場合には、15〜18回を3セット実施できる重量設定で行います。重要なのがこの重量設定で、一般的なトレーニングで効果的とされている回数である12回程度実施できる重量だとやや重すぎてしまい、毎日実施すると怪我のリスクも増えますから、15〜18回実施できるという比較的軽めの重量設定で行うことが重要です。
これは基本的にジムに行かないと実施できないのが難点です。
ダイエット効果が最も高いのは、毎日スクワットの後に、有酸素運動を実施することです。有酸素運動は、比較的弱い力を継続的にかけて体脂肪を燃焼させる運動です。ウォーキングやランニング、バイク、水泳などがそれにあたります。
人間の身体は6〜7割の筋肉が下半身にあり、スクワットによって全身の代謝が上がります。その状態で有酸素運動を行うと大変効率がよいです。
30日間スクワットチャレンジとは、その名の如く、30日間毎日スクワットを実施するというものです。逆に言えば、30日間スクワットを毎日行えばそれは「30日間スクワットチャレンジ」になり、30日間スクワットチャレンジに30日間スクワットを実施する以外のルールはありません。
そのため、毎日、同じ回数を実施しても良いですし、異なるスクワット種目を実施しても構いません。
ただ、しっかりと効果を出したいならば、前述した様に徐々にスクワットの負荷を上げていくという様に実施するのがよいでしょう。具体的には、1日毎に負荷を変えるのではなく、週単位でトレーニング内容を変えていきます。具体的な例としては、1週目はスクワットのフォームを作ることに専念するため、10〜15回のスクワットをきっちりと3セット実施、2週目はフォームを固めるために1週目に実施したスクワットを15回3セット+新しいスクワットの練習、3週目は1週目と2週目で実施したスクワットを15回3セット+新しいスクワットの練習...という様なやり方があります。
基本的には、一日に実施する回数を決めて上げて、それを週が経つにつれて増やしていくイメージです。その決めた回数を1セットで実施するのではなく、自分がやると決めたセット数(3セットが目安)で分割して実施するのがポイントです。
30日間スクワットチャレンジを実施する上で最大の注意点は、「正しいフォームのスクワット」を実施することです。
プランク30日間チャレンジも有名です。
スクワットを毎日実施する上での注意点として、股関節や足首のストレッチ、準備運動を行うことが挙げられます。
スクワットは、数多くあるエクササイズの中でも特に怪我をしやすい種目です。なぜなら、腰、膝、足首、股関節等の関節を稼働させるためです。関節は、怪我をすると完治するまでに本当に長い時間を必要とするため、いきなりスクワットを実施するのではなく、ストレッチや準備運動を実施することが重要です。
スクワットは実施する上でフォームはその命ともいえますが、毎日スクワットを実施しているとその意識がなおざりになり、フォームがいいかげんになる傾向があります。そうなると、効率が低下するだけではなく、怪我をする原因にもなるため注意です。
スマホで撮影する、大きな鏡の前で実施する、第三者に見てもらう、など対策を講じましょう。
慣れてくると「毎日実施しているから、筋肉もかなりついているだろう」と考え、急に回数を増やしてしまうこともありますが、残念ながら筋肉はそんなに急激につくことはありません。むしろ、いきなり回数を増やしてしまうと、毎日実施する上での精神的なハードルが高くなり、また、怪我をする原因にもなります。そのため、スクワットで回数を増やす際には、5〜10回を目安にして、急激には増やさないようにしましょう。
筋肉痛が発生している状態というのは、十中八九、それに対応して超回復が発生している可能性が高いです。そのため、筋肉痛がある状態でトレーニングをするのは、非効率的であるとともに、怪我をするリスクが高まるため、筋肉痛になったら迷わず休むようにしましょう。
スクワットには初心者から上級者向けまで様々なバリエーションが存在します。同じ作業を毎日やるのが苦手な方は、同じ程度の負荷のスクワットをたまに取り入れると飽きずに続けていくことができます。
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