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ニキビ肌向け洗顔料おすすめ7選!人気アイテムや海外ブランドを紹介

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ニキビ肌向け洗顔料おすすめ7選!人気アイテムや海外ブランドを紹介

ニキビ肌でお悩みの方におすすめのニキビケア洗顔料を紹介します。また、ニキビ改善のための注意点も解説していますので、参考にしてみてください。

ニキビの種類と原因

ニキビとは

ニキビは、アクネ菌の増殖や、増殖による炎症によってできます。
医学用語では「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」といい、皮膚疾患として扱われます。

アクネ菌は、正常な毛穴にも存在していて、通常は皮膚常在菌として、表皮を弱酸性に保ち外部からの菌に感染することを防いでくれます。

アクネ菌は嫌気性といい、酸素を嫌う細菌です。毛穴の出口が皮脂や角質によって塞がると、毛穴の中の酸素が減り、毛穴の中にある皮脂をエサとしてどんどん増殖してしまいます。

ニキビは主に、思春期ニキビと大人ニキビに分けることができます。

思春期ニキビ

思春期ニキビは、10代(中・高校生)にできるニキビを指します。ホルモンバランスの変化が思春期ニキビの主な原因で、皮脂腺が多いTゾーンに出やすいのが特徴です。症状としては、白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビ・ニキビ痕などがあります。

第二次性徴でアンドロゲンという性ホルモンの分泌が増えることにより、皮脂の分泌が増加しニキビへと発展します。一時的に治まっても再発することも多く、日々の正しいケアが重要になります。

思春期ニキビは、ホルモンバランスが安定すれば、自然と出にくくなるので、あまり神経質になりすぎないことも大切です。

大人ニキビ

大人ニキビは、20〜40代に多いニキビを指します。ホルモンバランスの変化や不規則な生活習慣、ターンオーバーの乱れにより毛穴が詰まりやすくなり、大人ニキビの原因になります。思春期ニキビとは違い、乾燥したり、角質が肥厚しやすいUゾーン(顎、口周り、頬)に出やすいのが特徴です。症状としては、白ニキビや赤ニキビなどです。

思春期で分泌が増えるアンドロゲンの分泌は、第二次性徴期を超えると落ち着きます。女性が生理前にニキビができやすいのは、プロゲステロンというホルモンの影響で皮脂の分泌が増加するためです。

大人ニキビは、誤ったスキンケアでニキビが悪化することもあります。

慢性化ニキビ

思春期ニキビと大人ニキビから派生して、ニキビが出る状態が何十年も続くニキビのことを慢性化(重症化)ニキビと呼ぶこともあります。思春期〜40代と年齢問わず、ニキビが出る場所もTゾーンやUゾーンなど様々です。白ニキビや赤ニキビ、ニキビ痕など様々な症状が出やすいです。

ニキビが慢性化してしまう一つの原因に、思春期ニキビや大人ニキビのケアが不適切だったことが考えられます。例えば、洗浄力が低かったり、炎症が起きやすい成分配合の洗顔料を使い続けていると、ニキビが治まるどころか悪化しやすいです。

慢性化ニキビに対しては、ただちにスキンケアの見直しが必要となります。長期化また重症化するほど治りにくくなるため、皮膚科などの専門医に相談し、適切な治療を行ってもらうようにしましょう。

ニキビ肌向け洗顔料の選び方

洗浄力

洗顔の目的は、洗顔料でクレンジング剤の残りや花粉、ほこり、角質、汗など主に水性の汚れを落とすことです。

ニキビを改善をするためには、ある程度の洗浄力が必要です。特に思春期ニキビは、皮脂の過剰分泌が原因なので、しっかりと汚れや皮脂を落とせる洗顔料が向いています。大人ニキビは、必ずしも皮脂の過剰分泌が原因とは限りません。洗浄力が高すぎてしまうと、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまうこととなり、かえって皮脂の分泌が過剰になってしまう恐れもあります。そのため、ニキビの状態や自分の肌に合わせた洗浄力の洗顔料を選ぶことが大切です。

上図の種類と洗浄力の強さは一般的にいわれているものです。それぞれの商品の洗浄力の強さは、界面活性剤の種類と量によって決まるため、同じ種類の洗顔料の中でも洗浄力の強さには開きがあります。

固形石けんの洗浄力は、あらゆる洗顔料の中でも高い傾向があります。最も一般的な洗顔料(フォーム、ペースト状タイプ)の洗浄力は弱〜強、ジェルタイプの洗浄力は中〜強のものが多いです。泡タイプの洗浄力は、固形石けんやフィームよりもマイルドな傾向がありますが、刺激性の高い発泡剤が配合されている場合もあります。

界面活性剤(洗浄成分)の種類だと、一般的に「アルカリ性」の洗顔料は洗浄力が高く、「アミノ酸系」の洗顔料は洗浄力がマイルドといわれています。

成分

ニキビケアにおすすめの成分を、4つのカテゴリーに分けて解説します。

1つ目は、皮脂分泌抑制成分です。上述のとおり、アクネ菌は毛穴の中の皮脂をエサとして増殖しニキビとなるため、皮脂の分泌を抑制することがニキビケアに繋がります。例えば、ビタミンC誘導体ナイアシンアミドサリチル酸アゼライン酸ライスパワーNo.6などの成分です。

2つ目は、抗炎症成分です。炎症を抑えることで、ニキビの悪化を防ぐことが可能です。抗炎症作用成分には、ビタミンC誘導体やナイアシンアミドトラネキサム酸グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)グリチルレチン酸ステアリルアラントインなどがあります。

3つ目は、抗菌(殺菌)成分です。アクネ菌を除去したり、過剰な増殖を防ぐことでニキビの悪化を防ぐことができます。抗菌(殺菌)成分には、イソプロピルメチルフェノールシメン-5-オールサリチル酸イオウレゾルシンなどがあります。ただし、殺菌成分に依存しすぎてしまうと、皮脂の常在菌のバランスが乱れ慢性ニキビにつながる恐れがあります。また、大人ニキビに対しては、肌のバリア機能を低下させてしまい、ニキビが悪化する可能性もあります。そのため、抗菌(殺菌)成分配合の洗顔料は、週1〜2回のスペシャルケアにするなど、使用頻度が高くなりすぎないようにする必要があります。

4つ目は、抗酸化成分です。皮脂などの酸化は、炎症を引き起こしてしまい、結果としてニキビができやすくなってしまうため、酸化を抑えることはニキビケアにつながります。抗酸化成分には、フラーレントコフェルリルリン酸Naアスタキサンチンユビキノンリン酸アスコルビルMgなどがあります。

また、ニキビケアにはノンコメドジェニック製品がおすすめです。ノンコメドジェニックとは、にきびの初期症状である「コメド(面包)」の原因になる成分を極力使っていない化粧品のことを指します。ノンコメドジェニックテスト済みと書かれた製品は、コメド(面包)ができにくいことを確認するためのテストをクリアした製品です。ただし、ノンコメドジェニック製品は、必ずしもニキビができないわけではなく、ニキビが改善されることを保証しているわけではありません。

避けるべき成分

一般的に良いといわれる成分の中には、ニキビケアには適さないものがあります。

下記に、ニキビケアで避ける方が良い成分と避けるべき理由をまとめましたので、洗顔料選びの参考にしてください。

殺菌成分全般(イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、イオウ、レゾルシンなど)

長期継続するとかえって悪化する可能性がある


油脂全般(オリーブオイル果実油、シア脂、ヤシ油<ココナッツオイル>など)

毛穴を塞ぎアクネ菌が活発化する可能性がある


ワセリン、ミネラルオイル、ラノリン、ココアバター

毛穴が詰まる可能性がある


グリセリン

高濃度の場合、アクネ菌のエサとなり増殖する可能性がある


酵素(プロテアーゼ、パパイン など)

肌が敏感になっている場合、刺激となる可能性があるため、毎日の使用は避けるべき


グリコール酸

肌に刺激となったり、乾燥する可能性があるため、毎日の使用は避けるべき

成分の相性はニキビの状態や人の肌質などに応じて異なるためです。これらの成分が配合されている洗顔料を使用しても、特にニキビが悪化しない場合もあります。

角質ケアもおすすめ

ターンオーバーの乱れなどで古い角質が肌に残った状態だと、毛穴が詰まりニキビができやすくなります。そのため、大人ニキビを防ぐためには、角質ケアも重要になります。

角質ケアには、酵素洗顔やビタミンC洗顔、クレイ・炭パック、炭酸パック、ホームピーリングなどがあります。ただし、これらの成分は、使用頻度が高いと肌への負担も高くなってしまいますので、毎日使うのは避け週1〜2回程度行いましょう。

スペシャルケアにおすすめの成分は、下記のとおりです。

酵素(プロテアーゼ、パパイン、リパーゼ など)

角層細胞のタンパク質を分解し、古い角層を除去する 


クレイ(ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン など)

皮脂を吸着


ピーリング(AHA(フルーツ酸)、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、サリチル酸 など)

古い角質を除去する


微細な穴が汚れを吸着

保湿ケア

肌にとって保湿は重要ですが、洗顔はあくまでも汚れを落とすのが目的です。保湿は化粧水や美容液、乳液で入念に行います。そのため、保湿成分を過度に気にする必要はありません。

ニキビケアにおすすめ洗顔料7選

ラロッシュポゼ|エファクラ フォーミング クレンザー

ラロッシュポゼは、1975年に誕生した敏感肌のためのスキンケアブランドです。

この商品は、ニキビをできにくくするスキンシリーズ「エファクラ」の洗顔料です。殺菌効果が高いといわれるサリチル酸が配合されており、毛穴のつまりの原因となる皮脂や汚れ、古い角質をしっかり落とし、ニキビの原因となる雑菌の増殖を防ぎます。サリチル酸には、皮膚の角質を柔らかくする作用もあるため、皮膚のざらつきを減らして皮膚を引き締めます。保湿成分としてグリセリンが配合されているので、しっかりとした洗浄力がありながらも皮膚を乾燥させることなく柔らかに洗い上げることができます。

パラベンフリー、アルコールフリー、オイルフリーです。また、皮膚科医の協力のもとテスト済み*、ニキビができやすい肌でテスト済み**です。
*全ての方に肌トラブルが起きないというわけではありません。
**全ての方にニキビの元ができないというわけではありません。

同シリーズには、化粧水や保湿ジェル、クリームもあります。

ビオデルマ|セビウム フォーミング ウォッシングジェル

ビオデルマは1977年にフランスで創業されたスキンケアブランドです。生物学の視点を皮膚科学に取り入れた科学的アプローチで、40年以上にわたり研究を続けています。皮膚科学に関心の高いフランスでは、多くの皮膚科専門医がビオデルマの商品を処方しています。

この商品は、皮脂ケアシリーズ「Sebium(セビウム)」の弱酸性の洗顔料です。ニキビの原因となる皮脂の分泌を抑えながら、つっぱり感のないみずみずしい素肌へ導きます。配合されている硫酸銅には、肌を清潔に保つ作用が、硫酸亜鉛には、肌を肌を引き締める作用があるといわれています。保湿成分としてビオデルマ独自の複合体保湿成分(フルクトオリゴ糖、マンニトール、キシリトール、ラムノース)やイチョウ葉エキスが配合されていて、潤った肌へ導きます。

色素フリー、エチルアルコールフリー、パラベンフリーで、パッチテスト済み*、ノンコメドジェニックテスト済みです**。
*全ての方に肌刺激が起きないというわけではありません。
**全ての方にニキビができないというわけではありません。

同シリーズには、クレンジングや化粧水、クリームなどが揃っていますので、ライン使いすることでよりニキビケアが可能になります。

オモロヴィッツァ|ムーアクリームクレンザー

オモロヴィッツァは、2006年にハンガリーの貴族によって設立されたラグジュアリースキンケアブランドです。ハンガリーの首都であるブダペストは、温泉都市として有名です。ブダペストの温泉水には、エイジングケア*に適した成分が配合されたミネラルがバランスよく含まれています。
*年齢に合わせたお手入れのこと

この商品は、ハンガリー湿原のムーアの泥を配合した洗顔料です。余分な皮脂や毛穴の汚れをしっかりと落としながら肌への栄養補給ができ、つやのあるきめ細やかな肌に導きます。ムーアの泥には、カルシウムやマグネシウム、フミン酸、フルボ酸が含まれていて、肌を浄化するだけでなく栄養を与える作用があります。また、ラベンダーやペパーミントなどのエッセンシャルオイルには、アロマセラピー効果だけでなく、殺菌効果があるといわれています。さらに、配合されている酸化亜鉛には、炎症を抑える作用や毛穴を引き締める作用があります。

この洗顔料を含むオモロヴィッツァの全商品では、パラベン、ポリエチレングリコール、シリコン、ラウレス硫酸ナトリウム、合成着色料、合成香料は使われてません。

同ブランドの「ディープクレンジングマスク」は、週1〜2回程度のスペシャルケアアイテムとしておすすめです。

クリニーク|アクネ フォーム クレンジング

CLINIQUE(クリニーク)は、1968年に世界で初めて皮膚科学的見地から生まれたアメリカのブランドです。皮膚科医の問診からヒントを得て独自に開発された肌診断ツールを使用し、一人ひとりにあった商品を提供しています。

この商品は、ニキビや吹き出物を防ぐためのシリーズ「アクネ クラリファイング」の薬用洗顔料です。主成分であるサリチル酸には、ターンオーバーを刺激し、毛穴の詰まりの原因となる古い角質を取り除く作用があります。また、ニキビの原因となる皮脂の蓄積を防ぐ効果がある海藻エキスも含まれています。

この洗顔料を含むクリニークの全商品は、肌に刺激を与える要因となるパラベン(防腐剤)、フタル酸エステル、香料は使用していません。また、アレルギーテスト済み*です。
* 全ての方にアレルギーが起きないというわけではありません。

泡で手てくるポンプ式なので、泡立てる手間が省けます。

同シリーズには、化粧水と保湿ジェルがありますので、ライン使いすることでよりしっかりとニキビケアが可能です。

オルビス|クリアフル ウォッシュ

オルビスは、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスが展開しているブランドです。美しさを引き出すというコンセプトをもとに、肌が持つ力を最大限に発揮できる、「水環境」を叶える、科学に裏打ちされた心地よさを提供するスキンケア商品が特徴のブランドです。

この商品は、ニキビ・毛穴ケアライン「オルビス クリアフルシリーズ」の洗顔料です。​1990年以来人気をつらぬいてきた「オルビス クリアシリーズ」が2022年3月にリニューアルしてパワーアップしました。クリアフルシリーズは、繰り返しできるニキビにアプローチする5種類和漢植物由来成分とコラーゲンが、そしてニキビ毛穴にアプローチする、ビタミンC誘導体を含む5種類の保湿成分が配合されています。肌の乱れを整える紫根エキスと、肌荒れを防ぐグリチルリチン酸ジカリウム(甘草由来)の和漢植物エキスの働きにより、肌のバリア機能を整えニキビを予防する機能を向上させます。5種類の保湿成分には、アロエエキス、ハトムギエキス、ヨモギエキス、コラーゲン、そしてビタミンC誘導体が配合されています。これら5種類の保湿成分は、独自のナノカプセル技術によって肌への浸透率が旧作より約10倍アップし、真皮層まで成分が届くことが確認されています。

アルコールフリー、オイルフリー、無着色、無香料で、アレルギーテスト済み*、ノンコメドジェニックテスト済み**、敏感肌対象のパッチテスト済み***です。
*全ての方にアレルギーが起きないというわけではありません。
**全ての方にニキビのもとができないというわけではありません。
***全ての人に皮膚刺激が起きないというわけではありません。

同シリーズには、クレンジングや化粧水、保湿液がありますので、ライン使いすることで、より効果的にニキビケアを行うことが可能です。また、洗顔料・化粧水・乳液がセットになったトライアルセットの用意もあります。

ドランクエレファント|ベスティ ナンバーナイン ジェリークレンザー

ドランクエレファントは、2021年10月に日本に上陸したばかりのアメリカのスキンケアブランドです。

この商品は、クレンジングと洗顔の両方の機能を果たす洗顔料です。ココナッツベースの界面活性剤を含む植物性洗浄成分で、肌のバリア機能を守りながら、メイクアップ汚れや日焼け止め、不要な皮脂、大気汚染物質などを落とします。オメガ6とオメガ9を含むバージンマルラオイルやカンタロープエキスなどの抗酸化成分も配合されています。また、保湿成分としてグリセリンやイボメロン果実エキスが配合されており、洗顔後はやわらかい肌になります。

エッセンシャルオイルフリー、シリコンフリー、無香料、ヴィーガン、クルエルティフリーです。

同ブランドのクレンジング剤には、バームタイプの「スレイ メイクアップ メルティング バタークレンザー」があります。

ビークレン|クレイウォッシュ

ビークレンは、2003年にアメリカ・カリフォルニア州のビバリーヒルズで誕生したスキンケアブランドです。高度なテクノロジーとプロフェッショナルな人の力で、徹底的なパーソナライゼーションサービスを提供しています。アメリカに本社を置くブランドですが、高品質の製品を作るために、2014年に生産拠点を日本に移しました。

この商品は、天然クレイの吸着力で不要なものは落としつつ、必要な皮脂やうるおいは肌に残して洗い上げることができる洗顔料です。国産の天然クレイであるモンモリロナイトには、古い角質や皮脂、ニキビ菌だけを吸着する作用があるといわれています。また、ニキビや肌荒れにアプローチしケアするグリチルリチン酸2Kや、肌のターンオーバーを整えるカミツレ花エキスが配合されています。さらに保湿成分として、スクワランやヒアルロン酸が配合されており、洗い上がりの肌をしっとりとうるおいで満たしてくれます。

同ブランドには、クレンジングや化粧水、美容液などのスキンケアアイテムが豊富に揃っています。

ニキビ改善のために心がけるべきこと

ニキビは触らない・潰さない!

ニキビを早く治すためには、ニキビに絶対に触れないことです!

ニキビができると、つい気になって触ってしまう気持ちは理解できますが、指や爪に付着した細菌によってニキビの炎症が悪化する可能性があります。また、摩擦により色素沈着につながってしまう恐れもあります。ニキビには、スキンケア時以外は触れないようにしましょう。

また、ニキビは絶対に自分で潰してはいけません。ニキビを潰してしまうと、毛穴の中にある炎症性細胞も潰れてしまい、さらなる肌ダメージを引き起こしてしまいます。例えば、メラニン生成が活性化して色素沈着となってしまったり、コラーゲンなどの皮脂組織にダメージが加わりクレーターになってしまいます。潰さずに自然に治癒するのを根気強く待つことが、一番の近道といえます。

皮膚科などの専門医では、ニキビ治療の一つに面皰(めんぽう)圧出があります。これは、専門器具を使って毛穴内に貯留している皮脂を押し出すことで、ニキビの改善を促進させる治療です。ただし、衛生面や技術面から、自分でやるのは避けましょう。

スキンケアはやりすぎない

ニキビが気になると、つい入念なスキンケアになりがちです。しっかりケアすること自体はよいことなのですが、スキンケアのやりすぎはかえってニキビの状態を悪化させてしまう恐れがあります。例えば、皮脂を取り除くために1日に何回も洗顔をしたり、クリームなどの量をたっぷり塗布するなどの行為は避けましょう。

肌を清潔に保つことはとても大切ですが、顔を洗えば洗うほど、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいますし、摩擦により肌に負担が生じます。また、保湿力の高い乳液やクリームなどを大量に塗ってしまうと、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなったり、できているニキビが悪化する可能性があります。

ニキビケアはシンプルなケアが大切です。洗顔は1日2回(思春期ニキビの方は3回までOK)までとし、上述したように、油分が少なめのアイテムやノンコメドジェニックの化粧品を選ぶようにしましょう。

紫外線対策を徹底する

紫外線は、ニキビだけでなくシミやシワなどあらゆる肌トラブルの原因となります。ニキビが気になる時は、より紫外線対策を徹底することが重要です。

季節や気候、場所問わず、日焼け止めは毎日使用しましょう。外出する時はもちろん、家で過ごす時もです。

また、ブルーライトにも注意が必要です。ブルーライトとは、可視光線の一つで、紫外線に近い強いエネルギーを持つといわれています。パソコンやスマホなどの電子機器の画面からのブルーライトにより、ニキビが悪化したり、色素沈着が長期化しやすくなるといわれています。また、眠りに関連する「メラトニン」というホルモンの分泌にも影響し、入眠を妨げ睡眠の質を下げてしまうともいわれています。ニキビ改善のためには睡眠も重要なカギとなりますので、就寝前は電子機器の使用を避け、リラックスして入眠できる環境を整えましょう。

顔周りを清潔に保つ

ニキビに細菌が付着することで、炎症が悪化してニキビが慢性化・重症化する可能性があります。ニキビがある時は、常に顔周りを清潔に保つことが重要です。

例えば、

  • 髪の毛が顔に触れないように束ねる

  • 朝晩は洗顔料でしっかり汚れを落とす

  • 汚れたメイクツールで化粧をしない

  • 厚塗りメイクは避ける

  • 寝具やタオルなど顔に触れるものは毎日洗濯する(洗濯洗剤も肌に優しい成分のものを使用する)

など、日常的に心がけることで、ニキビの改善が見込めます。

ただし、繰り返しになりますが、ニキビが気になるからと顔を洗いすぎるのはNGです。どんなに皮脂量が気になっても1日2回(思春期ニキビの方は3回)までが目安です。

栄養バランスの取れた食生活を

ニキビ改善のためには、スキンケアだけでなく、インナーケアも重要な役割を果たします。インナーケアとしては、栄養バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。

一般的に糖質の多い食事や飲み物は、ニキビを悪化させるといわれています。糖質の摂りすぎにより、血糖値が急激に上昇し、血中の中性脂肪が増え、皮脂の過剰分泌につながるためです。さらに糖質は、肌を健やかに保つために必要なビタミンCを奪うといわれています。これらの理由から、ニキビが気になる時は、糖質の摂取量を抑え、血糖値の上昇がゆるやかな食材・食事を取り入れることをおすすめします。

ビタミンやミネラルなどをしっかり摂取することも大切です。

質の良い睡眠を取る

質の良い睡眠を取ることで、ニキビの症状が改善することもあります。

人は睡眠中に修復ホルモンを分泌し、肌の修復を行っているのですが、睡眠の質が悪かったり、睡眠不足になると、修復ホルモンがうまく分泌されず、肌のダメージが修復されないままになってしまいます。ターンオーバーが乱れ毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが治まるどころか悪化する恐れもあります。

また、睡眠ホルモン「メラトニン」は、血糖値のコントロールにも関与しているともいわれています。

睡眠の質を上げるために、意識していただきたいポイントを下記にまとめました。

  • 肌触りの良い寝具やパジャマを使用する

  • リラックスできるアロマやオイルを使用する

  • 湯船にしっかり浸かって体を温める

  • 入浴後や就寝前に軽くストレッチをする

  • 就寝前は間接照明などを使用し目を休める

  • 就寝前は極力スマホやパソコンを使用しない

  • ウォーキングなど軽めの運動を行う

ストレスを溜めない

仕事や人間関係などで悩みを抱えている方は多いと思います。しかしそのストレスがニキビを悪化させているかもしれません。日頃からストレスを溜めない習慣を身につけることが、ニキビ改善の近道です。

人は、ストレスを感じると「コルチゾール」というストレスホルモンを分泌します。このコルチゾールは、皮脂の分泌を増やすといわれており、ニキビの悪化につながる可能性があります。

リラックスする方法を自分なりに見つけ、ストレス発散してみてくださいね。

ニキビに関するQ&A

なぜニキビ痕ができる?

ニキビを無理やり潰すなどの行為により、真皮にまで炎症が広がってしまうことで、ニキビ痕が残ってしまいます。ニキビ痕とは、一般的にニキビの炎症が落ち着いた痕に残る赤みや色素沈着、クレーター(凹凸)のことを指します。真皮へのダメージが大きいほど、改善は難しくなります。スキンケアだけでは改善が難しい場合もあり、その場合は皮膚科などでニキビ痕の治療が必要となります。

凹凸(クレーター)タイプのニキビ痕は、凹んでいるタイプの「陥凹性瘢痕(はんこん)」と膨らんでいるタイプの「肥厚性瘢痕」に分けられます。

人間には外傷を負った際に、損傷した肌を作り直す創傷治癒(そうしょうちゆ)という働きが備わっています。新しい肌をつくる過程で、必ず少し多めに肌を作り直します。この「多め」に作られる働きが過度に働くと肥厚性瘢痕が、「多め」に作られた肌が収縮しすぎると陥凹性瘢痕になってしまうのです。

創傷治癒の働きを活用するのが、レーザー治療などです。肌にわざと穴を開けて創傷治癒を起こすことで、凹凸をならす治療法です。

いつも同じ場所にニキビができるのはなぜ?

ニキビができやすい場所は、皮脂の分泌量が多い部位(=皮脂腺が多い部位)です。例えば、おでこや鼻、あごなどには、皮脂腺が多く存在しているため、よくニキビが出やすいのです。

また、大人ニキビに関しては、角質肥厚が起きやすいUライン(フェイスライン)や、乾燥しやすい頬にもよくニキビができます。古い角質が肌に残ったままで毛穴が塞がれてしまったり、乾燥によりバリア機能が低下するためです。

また、髪の毛がよくあたるおでこやフェイスライン、無意識に手で触れたりする箇所にもニキビはできやすいです。

生理前にニキビができやすいのはなぜ?

冒頭でもご紹介しましたが、これには女性ホルモンが関係しています。

生理前に分泌される「プロゲステロン」というホルモンに、皮脂の分泌を促したり、角質を厚くするなどの作用があるためです。

生理前は、角質ケアや肌負担が少ない敏感肌用のスキンケアアイテムなどを取り入れることで、生理前のニキビとうまく付き合うことができるでしょう。

ストレスを感じると、男性ホルモンの分泌量が増えます(女性でも男性ホルモンを分泌します)。男性ホルモンは、皮脂の分泌量を増やしてしまう作用があるので、特に生理前はストレスを溜めないように過ごすことも大切です。

参考文献

  • かずのすけ, 白野実(2019)『美肌成分事典』主婦の友インフォス

  • 上原恵理(2021)『医者が教える 人生が変わる美容大事典』KADOKAWA

  • 永松麻美(2021)『正しい知識がわかる 美肌事典』高橋書店

  • すみしょう(2021)『最短で美肌になるために知っておきたい スキンケア大全』KADOKAWA

  • 久光一誠(2021)『効果的な「組み合わせ」がわかる 化粧品成分事典』池田書店

  • 川島眞, 川田暁, 神田吉弘, 世喜利彦, 能﨑章輔(2018)『美容の科学』じほう

  • 宇山侊男, 岡部美代治, 久光一誠(2020)『化粧品成分ガイド 第7版』フレグランスジャーナル

  • 小林智子(2022)『すっぴん肌が好きになる 肌トラブル大全』WAVE出版

  • 毛穴道研究会(2020)『毛穴道 もう一生悩まない。』講談社