プランクは、やり方や目的を間違っていると効果を実感することが難しい種目です。今回は、プランクで効果がないと感じる方が見直すべき事柄についてご紹介します。
体幹の基本エクササイズの1つとされている「プランク」という種目ですが、語源は英語の「plank」で、意味は「厚板(あついた)」です。手足で身体を支え身体をまっすぐ硬直させる姿は、まさに「厚板」と表現するのに相応しいといえます。
体幹と言うとかなり漠然としていますが、簡単に表すと身体の胴体を表しており、この部分を鍛えることで力を発揮しやすい身体を作ることができます。もう少し言うならば、「筋肉を付ける下地を作る」というイメージがわかりやすいかと思います。
そのため、プランクを実施することで、身体の中で筋肉を付ける環境を整えることができ、各エクササイズをより効果的に実施することができるようになります。
プランクのダイエット効果として、お腹周りの引き締め効果を期待することができます。
プランクがお腹の引き締めに効果がある理由は、プランク自体が腹筋と背筋を鍛えるエクササイズであるからです。また、プランクは身体を真っ直ぐに維持することから姿勢改善に効果があるのですが、その結果お腹周りのたるみを解消されることがあります。
プランクのダイエット効果には、代謝の改善もあります。
プランクで代謝が改善する理由は同上で、腹筋と背筋への刺激と姿勢改善です。姿勢がよいと安静時でも代謝が向上するといわれています。
ただ、プランクの代謝の改善効果は限定的なので、本格的に代謝の改善を目的とするならば他のエクササイズを組み合わせることが重要です。
プランクだけを実施しても減量には大きな効果は期待できません。つまり、プランクのダイエット効果は限定的ということができます。
理由は、プランクはそこまで負荷の高いエクササイズではないからです。筋トレは、無酸素運動に分類されるものが多く、それ単独では減量すなわち脂肪燃焼の効果は小さい傾向にあります。
筋トレの中でも背筋や脚の筋肉など部位が大きい筋肉を鍛えると、脂肪が燃焼しやすくなる状態になり、減量を促すことが期待できます。
プランクは確かに背筋を鍛えることができますが、脂肪が燃焼しやすくなるほど劇的に背中に刺激を与えるエクササイズではありません。
そのため、減量をしたいならば、プランクに加えて有酸素運動を組み合わせたり、より負荷の高い脚や背中を鍛えるための筋トレを実施する必要があります。
また、プランクだけでは筋肉増強に大きな効果も見込めません。意味がないわけではありませんが、プランク単体では不十分といえます。
プランクは静的なエクササイズであるため、それ単独では負荷はそこまで高くないからです 。秒数をあげれば確かに負荷が高まりますが、プランクはある程度 (人によりますが平均的に90秒)を超えると時間に対する負荷のかかり方が鈍化します。プランクにそれだけの時間をかけることができるならば他のエクササイズを実施した方が建設的です。
実際に、筋肉をつけるためにはより動的なエクササイズを実施する必要があります。
まず、基本のプランクでは、脚幅を開きすぎるのはNGです。
脚幅を大きくすることで、身体はより不安定な状態になり負荷が大きくまります。負担が増すことは悪いことではないのですが、初心者の方にはプランクを「継続する」上でハードルが高くなってしまいます。
そのため、まずは脚幅は狭めて実施するようにしましょう。
身体が曲がってしまうのは、よくあるNGフォームです。
不安定な状態で身体をまっすぐに維持することで体幹を鍛えますから、身体が曲がってしまえばエクササイズ効果が低減してしまいます。
また、身体が曲がった状態で長時間のプランクを実施すると、場合によっては、腰の痛めてしまうリスクもあるので注意が必要です。
過度にプランクを実施するのもNGです。
多くの人は秒数が長いだけ負荷が高まると考えますが、長すぎると適切なフォームを維持することが難しくなり、かえって効果が薄れてしまいます。
「適切なフォームで維持できない1分」を実施するよりは、「適切なフォームを維持できる30秒」の方が明らかにエクササイズの効果が高いため、過度な秒数設定は禁物です。
プランクの応用メニューとして、他のプランクとの組み合わせが考えられます。まずおすすめなのがサイドプランクとの組み合わせです。
サイドプランクは、身体を横にして行うプランクであり、腹斜筋も刺激することができます。プランクは、基本的に腹直筋、すなわち、腹筋の中央部を集中して刺激することができるエクササイズですから、サイドプランクを実施することでより腹筋をバランス良く鍛えることができます。
基本のプランク(1分)→サイドプランク(左右30秒ずつ)→休憩(30秒)を1セットとし、1日3セットやるようにしましょう。
組み合わせにおすすめのその他のプランクはこちらの記事を参考にしてください。
ウォーキングやジョギング、バイクなど比較的弱い力が継続的にかかる有酸素と組み合わせるのもおすすめです。特にダイエットをしている方には、これが一番おすすめです。
プランクは腹筋と背筋を刺激するので、有酸素運動を実施する前に実施することで、それらの部位の代謝を事前に高めておくことができ、脂肪燃焼効果を高めることができます。
あらゆる有酸素運動の前に、プランク(1分)→休憩(30秒)を1セットとして、3セットを行いましょう。
プランクは腹筋と背筋を刺激するので、あらゆる腹筋または背筋トレーニングと組み合わせると効果的です。逆をいえば、プランクのみで腹筋または背筋をバキバキに鍛えることはできません。
比較的ダイエット効果の高い応用のプランクを最後に紹介します。
ハイリバースプランクは、腕を真っ直ぐにした状態で仰向けに設定し、腕全体で体重を支えて行うプランクになります。ターゲットは、肩、腕、腹筋、背中になりますが、慣れていないと、特に肩の前部、上腕三頭筋に刺激が入ってしまうため、注意しましょう。
キャタピラプランクは、動的なプランクになります。静的なプランク状態を保ったまま、腹筋動作が入るため、正しく実施するのが比較的難しいプランクになります。ターゲットは主に、腹斜筋や臀部になりますが、慣れていないと、肩や腕にも刺激が入ってしまうため、注意が必要です。
以上で紹介したプランク以外に、各プランクで、身体に重りを載せたり、脚を床ではなく少々高い所に設定するなどして、プランクは自由に負荷を調整することができます。
「プランク30日間チャレンジ」というものが存在します。このチャレンジは国内外で広く行われており、実施内容は様々ですが、主に以下の2つに大別されます。
基本的なプランクを毎日少しずつ秒数を長くして30日間続ける
最初は基本的なプランクから初めて徐々に難易度を上げながら30日間続ける
両者の間で目的は異なりますが、共通していることは「なんとしてもプランクを30日間続ける」ということであり、継続することで身体を変化させていく、という点です。
調べると様々なメニューがありますので、興味のある方はぜひ実施してみてください。前半が余裕だからとペースを上げすぎると後半が続かなくなるので、計画に沿って少しレベルアップするのが大変重要です。
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