シシースクワットは、自重で効率的に大腿四頭筋を鍛えることができるため、女性にもおすすめの種目です。今回は、女性向けのシシースクワットのやり方及びコツについてご紹介します。
大腿四頭筋は、筋群で比較した場合には身体での中で最も大きい筋肉群です。
これにより、筋肉をつけやすく、それに伴って代謝の改善を期待できます。大腿四頭筋をつけることで改善できるのは基礎代謝であり、例えば、体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。
このため、大腿四頭筋を鍛えることで代謝を改善するということは、ダイエットの近道であるということが言えます。
大腿四頭筋を鍛えることで大腿前部の脂肪を燃焼させることを期待できるため、これにより、ある程度までならば太ももの引き締め効果を期待できます。
ここで重要なのが、「ある程度までならば」という点であり、大腿四頭筋は鍛えすぎると、引き締め効果よりも筋肥大効果が優勢となり、これにより、筋肉質で太くて大きい太ももになります。大腿四頭筋は、そもそも筋肉として非常に大きいため、トレーニング経験がなくても比較的高負荷のエクササイズを行うことができます。
これが、太ももが筋肉質で太くなりやすい原因となるため、太ももの引き締め効果を狙って大腿四頭筋を鍛える際には、重量、回数設定には細心の注意を払いましょう。
冷え性、むくみは身体の血流が悪くなっているからこそ発生します。大腿四頭筋は、前述したように、筋肉が大きいからこそ、鍛えることで血流を効率よく改善することができます。特に、現代人はデスクワークなどで座った状態で長時間の仕事をする人も多いことから、下半身がむくみやすく、かつ下半身の末端部で冷え性を感じている人も多いです。そのような方は、定期的に立ち上がって大腿四頭筋を軽く鍛えてあげるだけで、冷え性、むくみの改善を期待できます。
女性の筋トレ初心者は、シシースクワットを5〜8回3セット実施します。
シシースクワットは大腿四頭筋を鍛えるための負荷の高い種目であり、特に、女性の筋トレ初心者の方にとってはかなり負荷の高い種目です。このため、まずは5〜8回3セットを実施することから始めましょう。
女性でシシースクワットに少し慣れたら、シシースクワットを8〜10回3セット実施します。
シシースクワットは、動作に慣れてくると特に大腿四頭筋の発達によりやや多回数をを実施することができるようになります。ただ、それでも、劇的に多い回数を実施する必要はなく、少し回数を増やして8〜10回3セット実施しましょう。
女性の筋トレ上級者は、シシースクワットを10〜12回3セット実施します。
上級者は、シシースクワットをやや多い回数である10〜12回3セット実施しましょう。また、シシースクワットを仕上げの種目として、その他の大腿四頭筋を鍛える種目を実施することも効果的です。
シシースクワットでそもそも「弱々しい」と表現される理由は、トップポジションで膝をロックしてしまう(=膝を伸ばし切ってしまう)ことにあります。
これは言い換えれば、トップポジションで膝をロックしなければシシースクワットの負荷を高めることができるとも言えます。このことから、シシースクワットを実施する場合には、トップポジションで膝をロックしないことが重要です。
以上は通常のスクワットでも同様であり、膝をロックしないことでエクササイズ中に、ほぼ常に大腿四頭筋に負荷を与えることが期待できます。
シシースクワットでは、上半身の重さを使って大腿四頭筋を伸展させて負荷を与えます。
このとき、上半身が曲がってしまうと、身体をスライドさせてボトムポジションに移行する際に大腿四頭筋に十分に負荷が乗りません。つまり、力のベクトルと動く方向のベクトルを一致させる必要があり、そのためには、シシースクワットでは上半身をしっかりと張る必要があります。
以上のテクニックは通常のスクワットと同様であるため、「通常のスクワットと同じ」と覚えておくようにしましょう。
シシースクワット台を使用する場合、脚を固定するパッドの位置とエクササイズ強度は大きな関係があります。
脚を固定するパッドが高い位置にあるほど、深くしゃがむことができなくなるため、エクササイズ強度を単純に高めたい場合にはできるだけパッドの位置が低くなるように設定する必要があります。
ただし、そのほかの脚を鍛えるエクササイズを実施し、シシースクワットを追い込むための種目として実施する場合には必要以上にパッドの位置を低くするとしゃがむと戻ってこれなくなる可能性が高いです。
このため、パッドの位置は、自身のエクササイズレベルやトレーニングの順番を考えながら適切な高さを設定しましょう。
シシースクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、大腿四頭筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大腿四頭筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
シシースクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
シシースクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ワイドスクワットは、シシースクワットで鍛えることができる大腿四頭筋に加えて、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることが期待できるためです。
ワイドスクワットは、シシースクワットでも鍛えることができる大腿四頭筋に加えて、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることができる種目であり、下半身をトータル的に鍛えることができます。実際に実施する際には、ワイドスクワットを実施した後に、仕上げの種目としてシシースクワットを実施しましょう。
ワイドスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットと同様に、ワイドスクワットも自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要です。また、ワイドスクワットは、股関節周りを動かすトレーニングであることから、高回数で実施すると怪我をする原因となるため注意が必要です。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
身体を下げすぎない。
背中をできるだけ倒さない。
臀部の動きを意識する。
スクワットは、シシースクワットで鍛えることができる大腿四頭筋に加えて、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることが期待できるためです。
スクワットは、シシースクワットでも鍛えることができる大腿四頭筋に加えて、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることができる種目であり、ワイドスクワットと同様に下半身をトータル的に鍛えることができます(スクワットの方が、ワイドスクワットよりも負荷が高いです)。実際に実施する際には、スクワットを実施した後に、仕上げの種目としてシシースクワットを実施しましょう。
スクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットを自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要であり、それを意識できていないと、回数が少ない分だけ負荷が弱くなります。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
ランジは、シシースクワットで鍛えることができる大腿四頭筋に加えて、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることが期待できるためです。
ランジは、シシースクワットでも鍛えることができる大腿四頭筋に加えて、大臀筋、ハムストリングスも鍛えることができる種目であり、ワイドスクワット、スクワットと同様に下半身をトータル的に鍛えることができます(ランジの方が、スクワット、ワイドスクワットよりも負荷が高いです)。実際に実施する際には、ランジを実施した後に、仕上げの種目としてシシースクワットを実施しましょう。
ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
上半身の床に対する角度を意識する。
身体を床に対してぎりぎりまで下げる。
脚を大きく出しすぎない。
手は太ももの上に乗せない。
ボトムポジジョンで静止する。
「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。
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