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シシースクワットのやり方【自重・加重】効果を高めるコツも解説

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シシースクワットのやり方【自重・加重】効果を高めるコツも解説

シシースクワットは、自重で大腿四頭筋を効率的に伸展させながら実施するスクワットです。今回は、シシースクワットのやり方及びコツについてご紹介します。

シシースクワットとは

シシースクワットは英語で「sissy squat」で、「弱々しい(女々しい)スクワット」を意味します。以上を聞くと、シシースクワットはそこまで効果の高くないエクササイズであるような印象を受けますが実際には大きく異なります。

シシースクワットが「弱々しい」と表現されることになってしまったのは、一般的に実施されているシシースクワットが1回ずつトップポジション(身体の位置が最も高い状態)で膝を伸ばし切ることに起因していると考えられます。

膝を伸ばし切ると負荷が抜けてしまうので、その分効果が小さくなるのは事実です。しかしながら、実際のシシースクワットは、大腿四頭筋を伸展させながら実施するため、エクササイズ強度としては自重で実施するトレーニングですが、かなり高くなります。

そのため、実際には「弱々しい」という表現はこのエクササイズには正しくないといえます。

シシースクワットで鍛えることができる部位

大腿四頭筋

大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前面についている筋肉であり、大腿直筋(だいたいちょっきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)から構成されています。

中間広筋は深層にあり、大腿直筋がかぶさっています。 大腿直筋は、大腿四頭筋の表層の中央部に相当し、膝関節の伸展、股関節の屈曲に寄与します。大腿直筋が発達していると、大腿四頭筋の凹凸感がはっきりするようになることが期待できます。

外側広筋は、大腿四頭筋の外側に相当し、膝関節の伸展に寄与してます。大腿四頭筋の見た目に対して重要な役割を果たしており、外側広筋を鍛えていると正面から見た時の太ももの太さが際立つことが期待できます。

中間広筋は、大腿四頭筋の深層の中央部に相当し、膝関節の伸展に寄与します。中間広筋は、深層にあるため、外から確認することが難しい部位ですが、下半身を安定化させるためには重要な筋肉です。

内側広筋は、大腿四頭筋の内側に相当し、膝関節の伸展に寄与します。内側広筋を鍛えることで膝の保護や安定性に寄与することが期待できます。

大腿四頭筋は、筋群で比較したとき身体の中で最も大きな筋肉であり、鍛えることで見た目はもちろんですが、効率的に代謝を改善し、ダイエット効果を期待できます。

シシースクワットの効果

代謝の改善

大腿四頭筋は、筋群で比較した場合には身体での中で最も大きい筋肉群です。

これにより、筋肉をつけやすく、それに伴って代謝の改善を期待できます。大腿四頭筋をつけることで改善できるのは基礎代謝であり、例えば、体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。

このため、大腿四頭筋を鍛えることで代謝を改善するということは、ダイエットの近道であるということが言えます。

(ある程度までならば)太ももの引き締め効果

大腿四頭筋を鍛えることで大腿前部の脂肪を燃焼させることを期待できるため、これにより、ある程度までならば太ももの引き締め効果を期待できます。

ここで重要なのが、「ある程度までならば」という点であり、大腿四頭筋は鍛えすぎると、引き締め効果よりも筋肥大効果が優勢となり、これにより、筋肉質で太くて大きい太ももになります。大腿四頭筋は、そもそも筋肉として非常に大きいため、トレーニング経験がなくても比較的高負荷のエクササイズを行うことができます。

これが、太ももが筋肉質で太くなりやすい原因となるため、太ももの引き締め効果を狙って大腿四頭筋を鍛える際には、重量、回数設定には細心の注意を払いましょう。

冷え性、むくみの改善

冷え性、むくみは身体の血流が悪くなっているからこそ発生します。大腿四頭筋は、前述したように、筋肉が大きいからこそ、鍛えることで血流を効率よく改善することができます。特に、現代人はデスクワークなどで座った状態で長時間の仕事をする人も多いことから、下半身がむくみやすく、かつ下半身の末端部で冷え性を感じている人も多いです。そのような方は、定期的に立ち上がって大腿四頭筋を軽く鍛えてあげるだけで、冷え性、むくみの改善を期待できます。

運動パフォーマンスの向上

大腿四頭筋は大きい筋肉ということもあり、下半身を稼働させる運動を行うと高確率で筋肉痛になるのが大腿四頭筋です。大腿四頭筋は、膝を伸展させる働きがあります。下半身を稼働させる多くの運動は、膝を伸展させる必要があることから、大腿四頭筋は幅広い運動で必要となる筋肉です。具体的には、空手、キックボクシングなどのキック動作を行う運動、短距離、バスケットボール、サッカー、野球などの走る動作を行う全般的な運動、自転車の漕ぐ動作を行う運動に関与しており、これらの運動を行う方は大腿四頭筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。

シシースクワットのやり方

フォーム

シシースクワット台を使用する場合(加重)

  1. シシースクワット台のパッドの先端が、ふくらはぎの中間から上端位になる位置に設定する。
  2. ゆっくり身体を下げる。
  3. 膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)ところまで身体を戻す。
  4. 2〜3をくり返す。

シシースクワット台を使用しない場合(自重)

  1. パワーラック、スクワットラック、壁などに片手をかける。
  2. つま先を支点にして床に対して45度くらいで膝がつま先よりも前に来るようにスライドしてゆっくり身体を下げる。
  3. もとに戻る。
  4. 2〜3を繰り返す。

回数

初心者

筋トレ初心者の場合、シシースクワットは8〜10回を3セット実施します。

シシースクワットは、エクササイズ強度は比較的高くなります。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされているよりもかなり少ない8〜10回を3セットを両脚で実施するようにしましょう。

少し慣れたら

シシースクワットに少し慣れた方の場合、スプリットスクワットは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。

シシースクワットに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、10〜12回を実施します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対してより正確なフォームで10回きっちりとできる重量設定をするようにしましょう。

上級者

上級者の場合、シシースクワットをスクワット、ランジ、バックスクワットなどのその他のエクササイズと組み合わせて実施します。

いずれの種目でも、2〜3種目をスーパーセット、もしくはトライセットとして実施するのがおすすめです。

ここで、スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法であり、3種目実施する場合にはトライセットと呼びます。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目とも12〜15回実施できるようにしましょう。

シシースクワットで効果を高めるポイント

トップポジションで膝をロックしない

シシースクワットでそもそも「弱々しい」と表現される理由は、トップポジションで膝をロックしてしまう(=膝を伸ばし切ってしまう)ことにあります。

これは言い換えれば、トップポジションで膝をロックしなければシシースクワットの負荷を高めることができるとも言えます。このことから、シシースクワットを実施する場合には、トップポジションで膝をロックしないことが重要です。

以上は通常のスクワットでも同様であり、膝をロックしないことでエクササイズ中に、ほぼ常に大腿四頭筋に負荷を与えることが期待できます。

背中を張ったまま実施

シシースクワットでは、上半身の重さを使って大腿四頭筋を伸展させて負荷を与えます。

このとき、上半身が曲がってしまうと、身体をスライドさせてボトムポジションに移行する際に大腿四頭筋に十分に負荷が乗りません。つまり、力のベクトルと動く方向のベクトルを一致させる必要があり、そのためには、シシースクワットでは上半身をしっかりと張る必要があります。

以上のテクニックは通常のスクワットと同様であるため、「通常のスクワットと同じ」と覚えておくようにしましょう。

膝をしっかり前に出す(シシースクワット台を使用しない場合)

一般的なスクワットでは膝をつま先よりも前に出すことはご法度とされています。実際には、これは間違いであり、スクワットを実施する際には、膝の位置はそこまで神経質になる必要がありません。

以上に対して、シシースクワットは、「意識的に」膝をつま先よりも前に出す必要があります。このようにすることで、大腿四頭筋がしっかりと伸展するようになり、シシースクワットを実施したときにエクササイズ強度を高めることを期待できます。膝を前に出す目安としては、「膝が床につくか、つかないかくらい」です(ただ、このようにすると膝にも負担がかかるため注意が必要です)。

膝をしっかりと前に出すためには、踵をしっかりと上げる必要があります。このテクニックも通常のスクワットとは異なるため、意識的に実践するようにしましょう。

パッドの位置が低くなると負荷は高くなる(シシースクワット台を使用する場合)

シシースクワット台を使用する場合、脚を固定するパッドの位置とエクササイズ強度は大きな関係があります。

脚を固定するパッドが高い位置にあるほど、深くしゃがむことができなくなるため、エクササイズ強度を単純に高めたい場合にはできるだけパッドの位置が低くなるように設定する必要があります。

ただし、そのほかの脚を鍛えるエクササイズを実施し、シシースクワットを追い込むための種目として実施する場合には必要以上にパッドの位置を低くするとしゃがむと戻ってこれなくなる可能性が高いです。

このため、パッドの位置は、自身のエクササイズレベルやトレーニングの順番を考えながら適切な高さを設定しましょう。

大腿四頭筋の動きを意識

シシースクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

このため、最初は難しいですが、大腿四頭筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大腿四頭筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作の速度

シシースクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

シシースクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

シシースクワットと一緒にやりたい種目

スクワット

スクワット

なぜ一緒にやるのがおすすめか

スクワットは、シシースクワットと同様に大腿四頭筋を鍛えることができる種目であるためです。

スクワットは、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス等を鍛える種目です。実際に実施する場合には、スクワットを本番種目として実施し、仕上げの種目としてシシースクワットを一緒に実施することで大腿四頭筋大臀筋を効率的に鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行よりも少し深くなる位までゆっくり身体を下げる。
  3. 膝が真っ直ぐに伸び切らないところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

ノーマルスクワットは、12〜15回を3セット実施します。
ノーマルスクワットを自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要であり、それを意識できていないと、回数が少ない分だけ負荷が弱くなります。

ポイント・コツ

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 身体をゆっくり下げる。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。

  • 背中を張ったまま実施する。

  • 初動は臀部から動かすことを意識する。

ランジ

ランジ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

ランジは、シシースクワットと同様に大腿四頭筋を鍛えることができる種目であるためです。

ランジは、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス等を鍛える種目です。実際に実施する場合には、ランジを本番種目として実施し、仕上げの種目としてシシースクワットを一緒に実施することで大腿四頭筋大臀筋を効率的に鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 上半身を床に対して垂直に設定する。
  2. 足を真っ直ぐ前に出す。
  3. 前に出した足を戻して元に戻る。
  4. 3から4を繰り返す。

回数

ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。

ポイント・コツ

  • 上半身の床に対する角度を意識する。

  • 身体を床に対してぎりぎりまで下げる。

  • 脚を大きく出しすぎない。

  • 手は太ももの上に乗せない。

  • ボトムポジジョンで静止する。

  • 「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。

バックスクワット

バックスクワット

なぜ一緒にやるのがおすすめか

バックスクワットは、シシースクワットと同様に大腿四頭筋を鍛えることができる種目であるためです。

バックスクワットは、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス等を鍛える種目です。実際に実施する場合には、バックスクワットを本番種目として実施し、仕上げの種目としてシシースクワットを一緒に実施することで大腿四頭筋大臀筋を効率的に鍛えることを期待できます。

やり方

  1. バーベルを背負い、脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行よりも少し深くなる位までゆっくり身体を下げる。
  3. 膝が真っ直ぐに伸び切らないところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

バックスクワットは8〜10回3セット実施します。

バックスクワットは、重量を扱う種目で、負荷は比較的高いです。また、腰、膝にも負担をかけやすい種目であるため注意が必要です。実施する場合には、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数よりもかなり少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。

ポイント・コツ

  • バーベルの位置。

  • バーベルを手で押す。

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識し過ぎない。

  • ボトムポジションをしっかり深いところに設定。

  • 背中を張ったまま実施。

  • 初動は臀部から動かすことを意識。

  • 重量設定。