クランチは、場合によっては筋肉痛にならない場合があります。今回は、クランチで筋肉痛にならない場合において、見直すべき点についてご紹介します。
クランチに限らず、筋トレで最も重要なことはフォームを正しくして実施することです。クランチをやっても筋肉痛にならない場合にも、まずはフォームが正確かどうかを確認すべきです。
特に肘をうまく使えているか、が重要です。
クランチは可動域が限定的であることから、ターゲット部位である腹直筋を刺激するためには肘をうまく使う必要があります。
具体的には、トップポジション(上体が最も高い位置にある状態)で肘を絞めるような動きをすることで腹直筋がより収縮します。
クランチで筋肉痛にならない場合は、そもそも腹直筋上部がしっかり収縮できていない可能性が大です。
エクササイズの回数が多くなれば、それに伴いエクササイズの強度が上がるのは当然の話です。
しかし、多くの回数が実施できるということは、それだけ一回の強度が小さく済んでいることで、一回あたりの強度が低いということは、高い確率でフォームが間違っているといえます。
そのため、クランチを何十回も実施できると言う場合には、まずフォームを確認する必要があります。筋トレ上級者以外は、多くても15回程度しか実施できない正確なフォームで実施するようにしましょう。
クランチは、そもそも可動域が限定的であるため、エクササイズ強度はそこまで高くありません。その中で、筋トレ中上級者がクランチを実施しても、エクササイズ強度がそもそも高くないことから筋肉痛になる確率はかなり低いといえます。
この場合、ダンベルやプレートなどで負荷を高めたクランチを実施する必要があります。
クランチに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
一方、これは言い換えると、「トレーニング中に鍛えている部位の動きを意識しないと、エクササイズの効率が低下する」ということも言えます。つまり、クランチを漫然に実施しているとクランチで鍛えることが期待できる部位に対する意識が希薄となり、筋肉痛が発生する可能性も低下します。
腹直筋は、正面から見た場合には非常に目立つ部位ではありますが、筋肉としては実はそこまで大きくありません。
つまり、そもそも鍛えることができる部分が非常に小さいということであり、さらにクランチで鍛えることができるのは腹直筋の上部だけです。
これを防ぐためにはクランチ以外のエクササイズを実施する必要があり、シットアップやディクラインシットアップなどの腹直筋全体を鍛えることができるエクササイズを実施しましょう。
筋肉痛の原因については諸説ありますが、近年よく言われているのは「何らかのエクササイズを行うことで筋繊維が損傷し、それを修復する段階で炎症が発生する」というものです(筋肉痛という非常に身近な存在も、実はそのメカニズムについてはよくわかっていません)。この修復する段階で、元々の筋肉よりも筋肉量が多い状態まで回復することで筋肉は成長します。これを超回復と呼びます。
ただ、同じエクササイズを同じタイミングで同じ回数を継続していると筋肉がその刺激に慣れていき、筋肉の成長が遅れるということがあるため注意しましょう。
以上を考えると、筋肉痛がないと筋肉が成長しないような印象を受けますが、単純にはそういうことではありません。人によって「筋肉痛が来ない方が良い」、「筋肉痛が来なくても筋肥大する」という見解もあり、これも諸説あります。つまり、クランチの効果を測る上で、必ずしも筋肉痛になる必要はありません。
ただし、これは、初心者には該当しないことが多いです。初心者の場合、クランチに必要な筋肉が十分ではないため、クランチを実施しても筋肉痛にならないという場合にはフォームが間違っている可能性が高いと言えます。そのため、初心者でプランクを実施してもあまり筋肉痛がこない場合にはフォームを確認するようにしましょう。
クランチは、負荷としてはそこまで高くないため、筋肉痛のときにも実施して良いように考えてしまいがちですが、後述する腹直筋上部が筋肉痛の場合にはプランクの実施は避けるべきです。
筋肉痛があるというのは、筋肉に炎症がある状態であり、この状態で負荷をかけると怪我をする場合があります。また、炎症がある分だけかけることができる負荷が小さくなり、エクササイズ効率が低下する可能性が高いです。
以上を考えると、プランクで刺激することができる部位に筋肉痛がある場合には、クランチの実施を避け、それ以外の部位(大腿四頭筋、大臀筋、上腕二頭筋など)を刺激することができる種目を実施すべきです。
フォームが崩れている方は筋肉痛の有無に関わらず、効果が薄れる、怪我の原因になるなどの理由で、改める必要があります。
筋トレ初心者の場合、クランチは12〜15回を3セット実施します。
クランチは、そもそも可動域が非常に限定的なエクササイズであることからエクササイズ強度の負荷はそこまで高くありません。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
クランチに少し慣れた方の場合、クランチは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。
クランチに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、12〜15回を実施できる重量設定にします。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対して少しだけ重量を減らして15回きっちりとできる重量設定をするようにしましょう。
筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。
アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。
スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばクランチと一緒に実施するならばレッグレイズ、オブリーククランチ、シットアップなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も12〜15回実施できるようにしましょう。
クランチに限らず、ほぼ全てのエクササイズでは可動域の中で常に負荷が入っていることが重要です。
クランチの場合、よく実施されているフォームは「背中が床についた状態」から実施することですが、このように実施するとボトムポジションで負荷が逃げてしまいます。
これを防ぐためには、「背中が床に対してやや上がった状態」から、を可動域と設定して実施する必要があります。このことから、通常の「一般的に実施されているクランチ」に対して可動域がかなり小さくなることに留意して実施するようにしましょう。
前述した通り、クランチは可動域が限定的なエクササイズであるため、エクササイズ強度を高めるためには細かい部分を意識する必要があります。
その中で、腹直筋上部の刺激を高める方法として「顎(あご)を出す」というテクニックがあります。意外かもしれませんが、腹直筋上部を刺激する上で非常に重要なテクニックです。
クランチで筋肉痛にならない場合には、顎をしっかり出すことを意識できていない可能性があります。その場合には、トップポジションに移行するに伴い顎を出すことを意識しましょう
クランチで、ダンベルやプレートを用いて加重することはもちろん有効です。これにより、上半身が擬似的に重くなったような状態を作り出すことができるためエクササイズ強度を増大させることが期待できます。
加重クランチでは、重りを持つ位置によって負荷が大きく異なります。重りを胸前で把持して実施すると、重りを上半身で支えることになり、負荷は高まりません。
一方、ダンベルやプレートなどの重りを頭の後ろで把持すると、負荷方向に対して重りを支えるものがないため、負荷が劇的に高まります。
加重クランチをまず実施する場合には、胸前に把持する方法で問題ありませんが、慣れてきたら頭の後ろでも把持するようにしましょう。ただし、このように実施すると重量を扱い辛くなるため注意が必要です。高重量を扱うと高確率でフォームが大きく崩れるため推奨されません。
実際には、やや軽すぎるくらいの重量設定で実施するのがよく、しっかりと可動域を設定する中で負荷を高めることが期待できます。
クランチに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
クランチに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、クランチでは、上体を下ろすときに息を吸い、上体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
クランチに慣れてきてしまい刺激が足りない場合はクランチ以外の腹筋運動を取り入れてみましょう。腹筋は特に様々な刺激が入るとよいといわれる筋肉なので・・・
レッグレイズは、15〜18回3セット実施します。
レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるための標準的な腹筋のエクササイズです。基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。
とにかく足の動きをコントロールする。
腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。
足を床ぎりぎりまで下げる。
膝を真っ直ぐにしすぎない。
呼吸を意識する。
オブリーククランチは、12〜15回を3セット実施します。
オブリーククランチは、腹斜筋を鍛えるための非常に基本的なエクササイズですが、フォームが非常に重要な種目です。このため、オブリーククランチ自体の負荷を考えると回数は少ないですが、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施し、フォームをしっかりと意識することが重要です。
1回ずつ頭を床につけない。
腹斜筋の収縮、伸展を意識する。
頭を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。
シットアップは、12〜15回3セット実施します。
シットアップは、腹直筋全体を鍛えるエクササイズですが、腰をかなり痛めやすいエクササイズです。このため、レッグレイズと同様に回数を多くして実施しないことがポイントであり、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施するようにしましょう。
腹直筋に負荷が入る範囲で実施する(=上体を上げすぎない、下げすぎない)。
トップポジションで顎を出す。
上体を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。
高回数で実施しない。
クランチでは、腹直筋上部を鍛えることができます。
腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、所謂、我々が「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称であると想定されます)。 筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。
腹直筋は、その大きさから、上部、中部、下部に分けることができ、クランチで鍛えることができるのは腹直筋上部です。
クランチで腹直筋上部を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。
しかし、腹直筋上部だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹直筋上部を鍛えるエクササイズに加えて有酸素運動や食事制限を行う必要があります。
これは、シックスパックを作りたい際にも同様であり、シックスパックをしっかり出したい場合にはかなりの計画的な有酸素運動、もしくは食事制限を実施する必要があります。
姿勢が悪い状態というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。
一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。
一方、反り腰は、猫背で曲がった身体を無意識にバランスを取ろうとして背中を反ることで発生すると考えられています。
そのため、姿勢の改善を行うためには猫背の改善を行う必要があります。 猫背の大元の原因を紐解くと、骨盤の歪みが挙げられます。
ここで、腹直筋には骨盤の角度を調整する働きがあります。腹直筋に十分な刺激を与えていないと、腹直筋が凝り固まり、これにより、骨盤の角度調整機能が十分な役割を果たさず、骨盤が後傾するようになります。このため、クランチで腹直筋上部を鍛えることで骨盤を正しい位置に戻すことを期待でき、これにより猫背を改善して姿勢改善効果を期待できます。
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