ダンベルキックバックは、比較的簡単に実施できるため女性にもおすすめのエクササイズです。今回は、女性向けのダンベルキックバックのやり方及びコツをご紹介します。
ダンベルキックバック(dumbbell kickback)は、「キック」という言葉が使われていますが、ダンベルを持って腕を後ろに動かすエクササイズを指します。
二の腕の部分の筋肉である上腕三頭筋を鍛えることができます。
ダンベルキックバックは単独で実施するというよりも、他の上腕三頭筋を鍛えるエクササイズと組み合わせて実施するのが推奨されます。
キックバックとバックキックの違いに関してはこちらの記事を参考にしてください。
ダンベルキックバックで鍛えることができる上腕三頭筋は、二の腕と呼ばれる場所にある筋肉です。このため、女性の場合は、鍛えることで二の腕にある脂肪を燃焼を促し、二の腕の引き締め効果を期待できます。
「女性も男性と同じように、鍛えすぎると腕が太くなるのではないか」と不安を感じる女性もいるかもしれません。専門的にボディビルディングしない限り、男性ほど筋肉が増大することは考えにくいといえます。
ダンベルキックバックは上腕三頭筋を鍛えるエクササイズの中でも比較的負荷が小さいもので、かつ自宅で簡単にできるので、女性に特におすすめです。
ダンベルキックバックで鍛えることができる上腕三頭筋の筋肉は、主にプッシュ種目で使われる筋肉です。
プッシュ種目とは「押す」種目です。例えば、大胸筋を鍛えるベンチプレスや、大胸筋および上腕三頭筋を鍛えるプッシュアップ(腕立て伏せ)、三角筋を鍛えるショルダープレスなどが挙げられます。
一方、プル種目とは「引っ張る」種目です。例えば、ラットプルダウンやロープーリーロウ、バーベルロウイングなどの背中を鍛える種目が挙げられます。プル種目では、それぞれでメインとなるターゲット部位に加えて、上腕三頭筋にも刺激が入ります。
したがって、ダンベルキックバックで上腕三頭筋を鍛えることで、主にプッシュ種目ですが、プル種目も、高重量を扱えるようになったりと、エクササイズの幅が広がります。
女性の筋トレ初心者のダンベルキックバックの目安の重量は片手で1〜3 kg程度です (自身の体重にもよります)。
ダンベルキックバックで鍛えることが上腕三頭筋は、大きな筋肉ではあるものの、日常的に使用する筋肉ではありません。そのため、筋トレ初心者の場合、重量を扱うのが中々難しいため、片手で1〜3 kg程度のやや軽い重量でフォームをしっかりと確認しながら実施しましょう。
女性でダンベルキックバックに少し慣れた方のダンベルキックバックの目安の重量は片手で3〜5 kg程度です(自身の体重にもよります)。
ダンベルキックバックは、少し慣れるだけで比較的重量を扱うことができますが、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では3〜5 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてダンベルキックバックを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。
女性の筋トレ上級者のダンベルキックバックの目安の重量は片手で20 kg以上です(自身の体重にもよります)。
筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、女性でダンベルキックバックで片手20 kg以上を正確な可動域の中で実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確な可動域」での重量であり、可動域が小さい場合にはより高重量を扱うこともできますが、エクササイズ効率は高くないため、しっかりと可動域を設定しましょう。
女性の筋トレ初心者の場合、ダンベルキックバックは12〜15回を3セット実施します。
ダンベルキックバックは、特に初心者の場合には重量を扱い難い種目であり、エクササイズ強度は標準的な種目です。そのため、回数としては、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
女性でダンベルキックバックに少し慣れた方の場合、ダンベルキックバックは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施します。
ダンベルキックバックに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、15〜18回を実施できる重量設定にします。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対して少しだけ重量を減らして15回きっちりとできる重量設定をするようにしましょう。
女性で筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。
アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。
スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばダンベルキックバックと一緒に実施するならばハイプランク、プッシュアップ、ダンベルフレンチプレスなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には両種目とも12〜15回実施できるようにしましょう。
IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。
ダンベルの種類としては固定式です。
イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。
また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。
FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。
ダンベルの種類は可変式です。
本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。
1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。
PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。
ダンベルの種類は固定式です。
本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。
ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。
ダンベルキックバックはダンベルの角度を固定せず、自身の動作に合わせてダンベルの角度を変更するのがおすすめです。
具体的には、ボトムポジション(ダンベルが最も低い位置にくる状態)ではダンベルの持ち手と前腕が垂直になるように設定し、トップポジション(ダンベルが最も高い位置にくる状態)ではダンベルと前腕がまっすぐになるように設定します。
このようにダンベルの角度を変更しながら実施することで、ボトムポジションに移行する際には後述するネガティブ動作意識による負荷を増大させることが期待でき、トップポジションでの上腕三頭筋の収縮の負荷を増大させることが期待できます。
ダンベルキックバックは時短のために両手で実施することが多いですが、もちろん片手ずつで実施しても問題ありません。初心者の方は、片手ずつで実施したほうが上腕三頭筋の動きをより意識できるので、おすすめです。
片手でキックバックを実施する場合には、バランスを取るためにベンチ台や壁などに対して片腕をかけて実施するようにしましょう。
ダンベルキックバックに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
そのため、最初は難しいですが、上腕三頭筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での上腕三頭筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ダンベルキックバックに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ダンベルキックバックに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ダンベルキックバックでは、ダンベルを下ろすときに息を吸い、ダンベルを上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ハイプランクは、ダンベルキックバックと同様に上腕三頭筋を鍛えることができるためです。
ハイプランクとダンベルキックバックを比較すると、ハイプランクの方が上腕三頭筋に対する負荷は限定的であり、まだ上腕三頭筋の筋肉量が十分でない場合に実施するのがおすすめです。実際に実施する場合には、ハイプランクを実施した後にダンベルキックバックを実施することで効率的に上腕三頭筋を鍛えることを期待できます。
ハイプランクは、まずは30秒を3セット実施します。
ハイプランクは、腕立て伏せの身体を上げた状態を維持するエクササイズであり、腕に筋肉がある方は比較的簡単に実施することができますが、それとは逆に、腕に筋肉がないと実施するのが中々難しくなります。そのため、エクササイズ強度は、人によりますが、プランクと同じくらいであり、プランクと同様に30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
お尻をやや上げるイメージ。
目線は正面。
ナロープッシュアップは、ダンベルキックバックと同様に上腕三頭筋を鍛えることができるためです。
ナロープッシュアップとダンベルキックバックを比較すると、ダンベルキックバックの重量によっては膝付きナロープッシュアップの方が負荷は高くなります。実際に実施する場合には、膝付きナロープッシュアップを実施した後にダンベルキックバックを実施することで効率的に上腕三頭筋を鍛えることを期待できます。
膝付きナロープッシュアップは、10〜12回3セットを目安に実施します。
膝付きナロープッシュアップは、特に女性にとっては負荷の高いエクササイズであるため、回数はそこまで実施する必要がなく、むしろフォームを丁寧にして実施するようにしましょう。そのため、一般的なエクササイズと比較してやや回数の少ない10〜12回3セットを目安に実施しましょう。
実施中は常に肩甲骨を寄せたままにする。
トップポジションで肘を伸ばし切らない。
身体を下げるときはゆっくりにする。
上半身から下半身は常に一直線で実施する。
ダンベルフレンチプレスでは、ダンベルキックバックと同様に上腕三頭筋を刺激することができ、かつ、伸展させて負荷を与えることができるためです。
ダンベルキックバックは上腕三頭筋を収縮させることで負荷を与えるのに対して、ダンベルフレンチプレスでは上腕三頭筋を伸展させることで負荷を与えるため、ダンベルフレンチプレスの方が負荷は高くなります。実際に実施する場合には、ダンベルフレンチプレスを先に実施し、仕上げの種目としてダンベルキックバックを実施することで上腕三頭筋を効率的に鍛えることが期待できます。
ダンベルフレンチプレスは、10〜12回を3セット実施します。
ダンベルフレンチプレスは、上腕三頭筋を急激に伸展させることで負荷を与えるエクササイズであり、比較的負荷の高いエクササイズです。そのため、実施する回数としては一般的なトレーニングで推奨されている回数よりもやや少ない10〜12回を3セットを実施しましょう。
重量をやや軽めで設定する。
ダンベルの動きを終始コントロールする。
下げているときに肘に違和感を感じたら無理をしない。
小指の付け根でダンベルを把持するように意識する。
脇を開きすぎない。
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