エクスターナルローテションは肘の外旋運動をすることでローテーターカフを刺激し、肩関節の怪我を防止するエクササイズです。今回は、エクスターナルローテーションのやり方及びコツをご紹介します。
エクスターナルローテーションの語源は英語「external rotation」で、「外旋(がいせん)」を意味します。外旋とは簡単に言うと、腕や脚を身体の外側に捻る動作を指します。
外旋運動全てをエクスターナルローテンションを指すのではなく、ローテーターカフを鍛えるためにダンベルもしくはチューブを外旋するエクササイズを「エクスターナルローテンション」と言います。
ローテーターカフとは、肩関節の奥にある小さな筋肉の集まり(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の総称です。
ローテーターカフがインナーマッスルなので、インターナルローテーションは目に見える筋肉の肥大化を狙うエクササイズではありません。むしろ、その他のエクササイズと組み合わせることで、ローテーターカフが由来となる怪我を防止する役割があります。
エクスターナルローテーションは、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)を鍛えることができます(これらの総称がローテーターカフ)。
ローテーターカフは肩甲骨の外側から上腕骨に付着する筋肉であり、鍛えても外見からはっきり分かる様な筋肉の付き方はしません。主に肩関節を安定させ、可動域を確保し、肩の怪我を防止する役割があります。
肩は、非常に自由度の高い関節であるが故に、トレーニングをしていると非常に怪我をしやすい部分です。そのため、基本的には、直接的に肩関節を可動するエクササイズを実施しない場合でもエクスターナルローテーション等を行うことでローテーターカフをしっかりとエクササイズさせておくことは怪我を防止するという点で非常に有効です。
インターナルローテーションで鍛えることができるローテーターカフは、肩周りの可動域を改善する役割があります。肩周りの可動域が改善するということは、肩をしっかりと動かせるということになり、リンパの流れ及び血流を改善できるということです。
肩こりが生じている状態というのは、筋肉がこり固まることでこれらの流れが悪くなっている場合があります。したがって、ローテーターカフでこれらの可動域を改善することで肩凝りの解消を期待できます。
ダンベルを用いてエクスターナルローテーションを実施する場合、重量は1〜3 kg程度で実施します。
エクスターナルローテーションは、そもそも、筋トレとして実施するよりは肩関節の怪我を防止することを目的として実施する場合がほとんどです。そのため、重量を扱う必要はなく、腕にやや負荷がかかっている状態を実現すれば問題ありません。このことから、ダンベルでエクスターナルローテーションを実施する場合には、男女問わず、ダンベルの重量として1〜3 kg程度を用いるようにしましょう。
インターナルローテションは、ダンベル、チューブの何れを用いた場合にも18〜20回を3セット実施します。
インターナルローテーションは、あくまでもローテーターカフにじわじわと負荷を与えることで肩関節のウォーミングアップを行うための種目としての意味合いが非常に強いです。そのため、前述した通り、重量を扱う必要はありませんが、重量を扱わない分、回数を多くして実施する必要があります。基本的には、肩関節が温まるまで実施するのが理想的であるため明確な回数はありませんが、18〜20回を3セット程度実施するのが一般的です。
エクスターナルローテションは、他のエクササイズと同様に動作は丁寧に実施する必要があります。しかし、エクスターナルローテーションは、他のエクササイズとは異なり、怪我をしないためのエクササイズとしての側面が非常に強いため、いつも以上に動作を終始ゆっくり丁寧に実施するのがよいでしょう。
チューブを用いている場合にはそこまで問題になりませんが、ダンベルを用いて実施する場合に速く実施すると肩関節にかかる負荷も大きくなってしまい、逆に怪我をする恐れがあります
エクスターナルローテションは、ローテーターカフを介して肩関節を温めるエクササイズであることから、動作の中で肩関節がうまく可動するように設定する必要があります。具体的には、エクスターナルローテションを実施する際に、肘の角度を90度に設定して、前腕が床と平行になるようにして実施するようにしましょう。
肘の角度は任意の角度でも実施することができますが、肩関節の関与が大きくなるのは肘の角度が90度の場合であることから、肘の角度は鏡等で確認しながら動作の中でもしっかりと維持するようにしましょう
エクスターナルローテションを実施する上で、肘をどの角度まで動かすかが非常に重要となります。しかし、エクスターナルローテーションはあくまでも肩の怪我を防止するエクササイズであることから、負荷を高めようとして無理に可動域を広げようとすると逆に肩を怪我する原因にもなりえます。
そのため、エクスターナルローテーションを実施する際には無理に可動域を広げようとせずに、自身のできる範囲で実施することが重要です。その中で、徐々に可動域を増やしていくようにしましょう。
エクスターナルローテションに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
エクスターナルローテーションでは、ローテーターカフというインナーマッスルを刺激するため、どこを鍛えているのかが分かり難いことからあくまでも肩関節の動きを意識するようにしましょう(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
チューブインターナルローテションは、エクスターナルローテションとほぼ同様のエクササイズであり、両種目を実践することでバランス良くローテーターカフを刺激できるためです。
そもそも、インターナルローテションとエクスターナルローテションは対となっているエクササイズであり、基本的に両種目を一緒に実施することが基本となっています。外旋と内旋運動をすることで、肩関節の怪我を防止することを期待できます。
チューブインターナルローテションは、18〜20回を3セット実施します。
チューブインターナルローテーションは、あくまでもローテーターカフにじわじわと負荷を与えることで肩関節のウォーミングアップを行うための種目としての意味合いが非常に強いです。そのため、前述した通り、重量を扱う必要はありませんが、重量を扱わない分、回数を多くして実施する必要があります。基本的には、肩関節が温まるまで実施するのが理想的であるため明確な回数はありませんが、18〜20回を3セット程度実施するのが一般的です。
ゆっくり丁寧に動かす。
肘の角度は90度。
無理に可動域を広げない。
ダンベルショルダープレスは、肩関節を痛めやすい種目とされており、エクスターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることで怪我をしにくく、より効率的に実践できるためです。
ダンベルショルダープレスは、三角筋前部を鍛えるエクササイズであり、基本的には重量を扱う種目とされています。そのため、基本的に肩関節を痛めやすい種目とされています。エクスターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることでローテーターカフにあらかじめ刺激を与えることで怪我を防止することを期待できます。
ダンベルショルダープレスは、12〜15回を3セット実施します。
ダンベルショルダープレスは、扱う重量にもよりますが、基本的にはエクササイズ強度は通常のエクササイズに分類できます。このため、標準的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回3セットを目標に実施しましょう。
ダンベルの角度(軌跡)は床に対して垂直。
肩甲骨を寄せない。
肘を伸ばしきらない。
重量設定を重すぎないようにする。
背筋を曲げない。
ダンベルサイドレイズも、肩関節を痛めやすい種目とされており、エクスターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることで怪我をしにくく、より効率的に実践できるためです。
ダンベルサイドレイズは、特に慣れていない方は、肩関節の柔軟性が劣るために可動域をうまく取ることができず、この状態で無理に実施しようとすることで怪我をしやすくなります。そのため、エクスターナルローテションをウォーミングアップとして取り入れることで怪我をしにくく、より効率的に実践できるためです。
ダンベルサイドレイズは、12〜15回3セット実施します。
ダンベルサイドレイズは、単純なエクササイズですが、最もフォームを間違って実施しがちなエクササイズであり、その大きな原因が重量設定が重すぎるため、上体を煽っていることが挙げられます。そのため、上体をあまり煽らない重量で実施できる重量設定で12〜15回3セット実施するようにしましょう。
肘を曲げて、肘から動かすイメージを持って実施する。
基本は前腕を上腕よりも上げない。
ダンベルをしっかり握る。
今回紹介した方法以外にも様々な方法がある。
トップポジションで一瞬静止することを意識する。
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