料理をするときに食材がフライパンにくっついてしまうとストレスになってしまいますよね。くっついた食材は焦げ付いてしまい、料理の出来が悪くなってしまうほか、フライパンを劣化させる原因にもなります。この記事では、くっつかないフライパンの選び方やフライパンの使い方・お手入れの仕方を紹介します。
フライパンは様々な種類がありますが、自分の料理スタイルに合わせて、欲しいサイズや形状、素材やコーティングを決めておくと簡単に選ぶことができますよ。
フライパンの形状は、底面の面積が広い浅型と、側面に高さのある深型に分けられます。
浅型は底面の面積が広く、深型と比べると軽いので振る動作に適していることから、ムラなく具材に熱を通すことができ、炒め物向きです。
深型は側面の高さがあるので、煮物やスープ等の汁物料理はもちろん、揚げ物も作ることができます。側面の高さは炒め物を作る時に具材が飛び散りにくいというメリットもあります。ただし、浅型に比べるとやや重めです。
よく商品の説明に書かれている「24cm」などのフライパンのサイズは、フライパン本体の直径のサイズを指しています。
小さいものでは14cm、大きいものでは30cm以上と幅広いサイズがありますが、選ぶ際には作りたい料理の人数分で選ぶと良いでしょう。
目玉焼き等の軽い料理用なら14〜20cm、2〜3人分の料理なら22〜26cm、4人以上や、作り置き用なら28cm以上のサイズがおすすめです。
大きいフライパンなら一度にたくさんの料理を作ることができますが、大きければ大きいほど良いということではありません。大きいほどに重く、温まるのに時間がかかるようになりますし、大きいフライパンで少量の料理を作る場合、食材の乗っていない部分が過剰に温まってしまい、その部分では食材が焦げ付きやすくなってしまったり、フライパンの劣化が起きてしまいます。作る料理に合ったサイズのフライパンを選ぶことが肝要です。
フライパンはだいたい500g〜1.5kgくらいの製品が多くなっています。1kg以上になると女性にとっては重たいと感じるような重さと言われ、食材が入ると更に重くなるので、調理の際に持ち上げて振るうのが大変になります。
フライパンは底が厚いほど保温性が高まり、フライパン内の温度差「熱ムラ」も生じにくくなるので、クオリティの高い料理に仕上げることができる一方、底が厚いほどフライパンも重たくなります。また、くっつきにくくするためのコーティングもフライパンの重さになるため、高性能なフライパンほど重たいフライパンが多くなっています。
素材ではアルミニウム・チタンが軽く、鉄・ステンレス・銅が重たくなっています。
現在フライパンの素材は最もポピュラーで軽くて扱いやすいアルミニウム合金(アルミニウムとステンレスを組み合わせたものが多くなっています)、重さがありお手入れが必要な鉄、重さがあるもののお手入れが簡単なステンレス、料理がおいしく仕上がるもののとてもデリケートな銅などがあります。
また、現在流通しているフライパンの多くは、料理の際に食材をくっつきにくくするためにコーティングがされています。これらの特徴は後述の「くっつかないフライパンを選ぶポイント」の項で詳しく紹介します。
フライパンの取っ手は現在、下記の素材があります。
・樹脂製・・・丈夫かつ滑りにくく、持ちやすい
・木製・・・持ちやすく、見た目がお洒落なものの、劣化しやすい
・金属製・・・頑丈だが調理中に熱くなりやすく、重量がある
フライパンによっては取っ手に角度が付いていることでフライパンが持ちやすく、振るいやすくなっている製品もあります。
取っ手の接続部分の金具(リベット)がフライパンの内側に出ていない製品はお手入れが簡単で、接続部分の劣化の心配なく使うことができます。また、T-Falの製品をはじめとして、取り外すことのできる取っ手は調理後に取っ手を外してそのまま食卓に出すことができるほか、収納やお手入れの際にとても便利です。
基本的に電気抵抗を持つ鉄、ステンレスのフライパンはIHコンロで使用できますが、それ以外の素材(アルミニウム、銅、チタン)は基本的にIHコンロでは使えず、底面にステンレス製のIHディスクが搭載されているなど、IHコンロで調理できるように加工されているものだけがIHコンロで使用できます。普段IHコンロを使っている方は、購入前にIH対応の商品かしっかり確認しましょう。
近年普及率の上がっている食洗機は家事の時短になり、とても便利ですが、フライパンは基本的に不向きとされています。
理由として、フライパンの素材として最もポピュラーなアルミニウムは熱やアルカリ性に弱いため、変形・変色してしまうおそれがあります。また、フライパンのコーティングも、フッ素樹脂はアルカリ性に弱く、セラミックやホーローのコーティングも洗剤に含まれる研磨剤によって傷が付き、劣化してしまいます。
鉄フライパンは食洗機で洗うことができますが、焦げ付きや錆び付きを防ぐ油膜が剥がれてしまいます。また、洗ったあとにしっかり乾燥させないと錆びてしまいます。ステンレスのフライパンは丈夫なため、食洗機で洗うことができますが、重量があるので、食洗機に入れる際は脱輪に要注意です。
食洗機対応のコーティングフライパンもありますが、コーティングの劣化を防ぐため、中性で研磨剤が入っていない洗剤を選ぶようにしましょう。
くっつかないフライパンを選ぶ大きなポイントは、素材とコーティングにあります。フライパンは基本的に正しい使い方をすればくっつくことはありませんが、手軽に料理をしたい方はアルミニウムやステンレス、鉄フライパンの「コーティングフライパン」を、料理の質を追求したい、手間暇かけてフライパンを育てたいという方は鉄やステンレス、銅の「非コーティングフライパン」を選ぶとよいでしょう。
フライパンに食材をくっつかせないための使い方やコツ、焦げ付いてしまった時の対処法は一番下の項で紹介しています。
現在、フライパンは「アルミニウム製のコーティングフライパン」が主流となっています。
アルミニウムは非常に軽く、フライパンが得意とする炒め物の振るう動作に適しているほか、お手入れの際にも扱いやすいのがポイントです。また、熱伝導率が高くフライパンがすぐに温まるので、さっと料理をすることができ、時短にもなります。
フライパン内側のフッ素樹脂やセラミック等のコーティングによって、料理の際に食材がくっつきにくくなっているので、料理で失敗しにくく、調理後も汚れがするっと落ちるのでお手入れも簡単です。何かと忙しく時間がない一人暮らしの方におすすめですよ。
コーティングは、最もポピュラーで安価なフッ素樹脂(よく聞くテフロンもフッ素樹脂加工の一種です)、陶器素材のセラミック、ガラス素材のホーローがあります。
フッ素樹脂は化学物質のため、身体への影響について議論がありますが、現在では有害ではないと結論付けられています。安全性を求める方は少々値が張りますが、セラミックやホーローのコーティングフライパンを選ぶとよいでしょう。
コーティングフライパンはコーティングの劣化による寿命(平均1-2年)があり、使っているうちに食材がくっついて焦げ付きやすくなってしまいますが、料理頻度がそこまで高くない方であれば、強火で調理しない、急に冷やさない等の正しい使い方を続けることでより長く使うことができますよ。
料理が好き、頻繁に料理をする、美味しい料理を極めたいという方はコーティングされていない鉄やステンレス、銅のフライパンがおすすめです。コーティングの劣化の心配がなく、どれも丈夫な素材なので長く使うことができ、使い方によっては10年以上使うこともできます。また、いずれの素材も高い機能性を持つので、料理も美味しく仕上がりますよ。使い続けるには継続的なお手入れや使用前の準備が必要ですが、正しい使い方をすれば食材がくっつくこともありません。
鉄は、丈夫なのはもちろん、熱伝導率・保温性に優れるので、料理の出来の良さで料理好きな人々から絶大な支持を誇っています。フライパンから溶け出す鉄分の補給も期待できますよ。
お手入れが大変ですが、料理とお手入れを続けるうちに油がフライパンに馴染んで食材がくっつきにくくなり、使いやすくなっていきます。ただし、堅牢さゆえにフライパン自体がとても重く、大きいモノでは片手で持ち上げるのが難しいほど重い製品も。
鉄フライパンは一枚の鉄板から作り出される製品と溶かした鉄を肩に流し込んで作る鋳鉄の製品があります。鋳鉄はより重量があるものの、保温性に優れ、調理の際に食材への火の通りをよくする遠赤外線効果が期待できますよ。
ステンレスは、鉄にクロムを配合した錆びにくい金属で、とても丈夫なのはもちろん、お手入れが簡単で、家庭からレストランで広く使われています。素材の見た目を生かしたシンプルでスタイリッシュなシルバーのデザインの商品が多く、キッチンに出しっぱなしにしていてもインテリアに見えるほど。
一方、鉄と同じくらいの重さがあり、サイズの大きな物では調理中に重く感じてしまうでしょう。熱伝導率が高くないため、具材に火を通すのに少し時間がかかりますが、冷めにくいというメリットでもあり、余熱調理もできます。
銅は、他の素材と比べて抜群に熱伝導率が高く、時短調理を可能にするほか、均等に熱が伝わるため、ムラなく食材に火を通すことができます。一方で冷め易くもあるため、細やかな温度調整ができ、繊細さを求めるプロの料理人に愛用されています。銅イオンによる抗菌作用も期待できるでしょう。
とても柔らかい金属なので丁寧に扱う必要があり、鉄同様に細やかなお手入れをする必要があります。
値段がとても高く、料理上級者向けと言えます。また、重量のある製品が多いので、扱いにくく感じてしまうかもしれません。
CMの「取っ手が取れる〜」のキャッチフレーズで有名な「T-fal」は、1954年創業のフランスの会社で、製品の多くはフランス産です。世界で初めてこびりつきにくいフッ素樹脂加工のコーティングフライパンを発売した会社でもあります。
「IHルージュ・アンリミテッド マルチパン 26cm」は、取っ手が取れないタイプですが、その分価格も約4,500円と、どうしても買い替えが必要になるフッ素樹脂加工のフライパンの中では抜群のコスパとなっています。
フライパンの内側には、フッ素樹脂加工の中で最も頑丈とされるチタンを配合した6層のコーティング「チタン・アンリミテッドコーティング」が施され、T-fal史上最大のくっつきにくさになっており、基本的にフッ素樹脂加工のフライパンでは使用NGとされる金属ヘラも使うことができます。また、フライパンの中央にある赤いサーモスのお知らせマークはフライパンの温度に合わせて色が変わり、料理に最適な温度を教えてくれますよ。
深さ7.6cmの深型の形状は炒めもの以外にも幅広く活躍してくれます。フチには注ぎ口がついているので、スープなどをこぼさずに移し替える事ができるほか、広い注ぎ口と細い注ぎ口のがついているので用途によって使い分けることができます。
底面のステンレスのIHディスクはIH対応の効果以外にも、フライパン本体の変形を防ぐ効果があります。また、他社製品よりも大きめになっているので、フライパン全体に熱を均等に伝え、アルミニウムの弱点である保温性を補う効果も持ちます。
気になる点として、フライパン内側のフッ素樹脂加工は非常に高い強度ですが、その強度と深型の形状、大きめのIHディスクのために重さ約1.2kgと、かなり重たくなっています。また、強度が高いコーティングとはいえ、くっつきにくさも数年のうちに劣化してしまうでしょう。
◯良い点
コスパ良し(約4,500円)
熱伝導率が高い
焦げ付きにくくお手入れ簡単
調理のタイミングがわかるサーモス付き
多用途な深型
✕気になる点
やや重め(約1.2kg)
コーティングに寿命あり
「GREENPAN」は、ベルギーの会社で、「Thermolon™(サーモロン)」というセラミックのノンスティック加工を発明した、セラミック加工フライパンの先駆けです。白やパステルカラーのフライパン本体や木製の取っ手など、北欧風のデザインでおしゃれなフライパンが多いのも特徴です。
「バルセロナシリーズ フライパン24cm」は、セラミック加工のフライパンを手掛けるGREENPANのフライパンの中で最高級のグレード「インフィニティ・プロ」のコーティングが施されたフライパンです。同社の製品では最も厚く頑丈なコーティングがされており、ダイヤモンド粒子が混ぜ込んであるセラミックのコーティングはとても頑丈で、加工も長持ちするのが特徴です。内側にはスクラッチガード加工も施されているので金属ヘラの使用ができますよ。
調理面での性能も高く、アルミニウム製のフライパン本体は熱伝導率が高く、フライパンが温まりやすくなっています。セラミック加工は安全性が高いだけでなく、遠赤外線効果を持つので、セラミックのフライパンで推奨されている中火での調理でもしっかりと食材に火を通すことができますよ。
フライパンの底面には「Magneto™(マグニート)」という加工が施されているのでIHコンロでも使えるほか、熱伝導率を高め、フライパン底面の変形も起きにくくなっています。重さは910gと、セラミックフライパンの中では平均的な重さです。
ステンレス製の取っ手はとても頑丈で、黒いフライパン本体と相まって重厚感のあるデザインになっています。
気になる点として、セラミック加工にも寿命があるので、数年のうちに劣化が進み焦げ付きやすくなります。衝撃にも弱いので取り扱いには注意が必要です。また、フライパン本体が白いので汚れが残ってしまうと目立ちやすいでしょう。値段は約10,000円と高価ですが、フッ素樹脂加工ではなく、安全性の高いセラミック製で、コーティングが長持ちする高機能なフライパンを探している方にお勧めのフライパンです。
◯良い点
熱伝導率が高い
くっつきにくく、お手入れが簡単
加工が長持ち
頑丈な取っ手
✕気になる点
コーティングに寿命あり
衝撃に弱い
高価(約10,000円)
「Vermicular(バーミキュラ)」は、愛知県名古屋市に本社を置く「愛知ドビー」という老舗鋳造メーカーの鍋やフライパンのブランドです。「素材本来の旨味を凝縮するフライパン」というキャッチコピーで料理の仕上がりの良さと使いやすさを追求した鋳物ホーローフライパンが特徴で、製品はすべて日本国内で生産され、職人によって組み立てられています。
「フライパン 24cm 深型」は、鋳鉄製のフライパン本体にホーローのコーティングがされているので、鉄フライパンならではの熱伝導率の良さや保温性の高さ等のメリットを持つと同時に、コーティングによって食材が焦げ付きにくく、鉄フライパンならではのお手入れが不要で、お手入れは使用後に洗うだけなのでとても簡単です。深型なので、炒め物以外にも汁物料理でも使うことが出来ますよ。
Vermicularのフライパンは、自社開発の水がなじみやすい特殊なホーロー加工と、蓄熱性の高い鋳鉄の組み合わせによって水を瞬時に蒸発させることで料理の余分な水分を飛ばすことができ、炒め物をしゃきしゃきに仕上げることができます。
鉄フライパンのデメリットである重さも、側面を薄くする加工によって、深型ながら1.05kgと重さが抑えられています。
また、見た目も鉄フライパンの重厚なデザインと木製(ウォールナット)の取っ手がまるでアンティークのようでとてもおしゃれです。取っ手は職人が一つ一つ加工して作られており、持ちやすさが追及されています。
気になる点として、様々な技術や加工が詰まっているので、約18,000円とかなりの高価格になっています。ホーロー加工はガラス素材なので衝撃や急な温度変化に弱く、丁寧に扱う必要があります。また、木製の取っ手は強火の調理やコンロに置く位置が悪いと焦げてしまうことがあるので気を付けましょう。ホーロー加工と取っ手の劣化には有料のリペアサービスがありますよ。
◯良い点
熱伝導率、保温性が高い
重厚でおしゃれなデザイン
焦げ付きにくく、お手入れが簡単
多用途な深型
✕気になる点
やや重い(1.05kg)
コーティングに寿命あり
衝撃に弱い
高価(約18,000円)
「リバーライト(RIVER LIGHT)」は、千葉県に本社を置く企業で、鉄フライパンを専門に扱っています。鉄フライパン専門ならではの技術力が詰まったフライパンは日本のみならず、海外でも評判です。
「極JAPAN 26cm」は、鉄製のフライパンです。「極JAPAN」は、取っ手が白木製の鉄フライパンシリーズで、「極」シリーズとの違いは取っ手の素材や刻印で、フライパン本体に違いはありません。
鉄製のフライパン本体は熱伝導率・保温性が高く、料理をおいしく仕上げることができるほか、フライパンから溶け出す微量の鉄分補給も期待できます。このフライパンは厚さ3.2mmと厚めの構造になっているので、蓄熱性がより高く、野菜はシャキッと、お肉はジューシーに仕上がります。
リバーライトのフライパンには「窒化処理」という特殊加工がされており、使い始めに錆止めのコーティングを焼き切る空焼きが不要で、丈夫かつ錆びにくくなっています。コーティングが施されていないので、そのまま料理してしまうと食材がくっついて焦げ付いてしまいますが、しっかりとフライパンに油をならして使えば食材がくっつきにくく、使えば使うほどに油が馴染んで使いやすくなっていきますよ。細やかなお手入れを続ければ10年以上使うこともできます。
木製の取っ手は取り外し可能なので、お手入れや収納の際に便利なほか、焦げ付き等で劣化してきたら別売りの新品に交換することも可能ですよ。フックが付いているので壁にかけて保管することもできます。
気になる点として、鉄フライパンならではの重さ(1.7kg)のため、調理の際の振るう動作やお手入れの際に重たく感じるでしょう。また、使い始めの「油ならし」、調理前の「油返し」等の鉄フライパン独特のお手入れが必要になります。価格も約6,500円とやや高価なので、料理の質を追求したい、1台のフライパンを愛着を持って長く使いたいという方にお勧めです。
◯良い点
熱伝導率が高い
鉄フライパンの中ではお手入れが簡単
木製の取っ手がおしゃれ・交換可能、分解して収納できる
丈夫なので長く使える
✕気になる点
やや高価(約6,500円)
お手入れが大変
重い(1.7kg)
「及源(Oigen)」は、前述の通り、岩手県盛岡市に本社を置く南部鉄器のクックウェア等を手掛けるメーカーで、創業は江戸時代の嘉永5年(1852年)と、非常に長い歴史を持ちます。南部鉄器は国の指定する伝統工芸品であり、製品はすべて職人の手によってひとつひとつ作られており、高品質の製品ばかりです。
及源の「フライパン 24cm」は、鋳鉄製のフライパンです。伝統的な南部鉄器の製品で、職人の手によってひとつひとつ作られています。鋳物ならではの高い熱伝導率と保温性、遠赤外線効果は勿論、底が厚めになっているので熱ムラが生じにくく、料理をおいしく仕上げることができますよ。
南部鉄器は非常に頑丈で、お手入れを続ければ100年以上使い続けることができると言われています。鋳物は油なじみが良いので、鉄製のフライパンに比べるとお手入れが簡単であると言われ、濡れたまま放置せず、適度に油にならしておけば、くっつきにくく焦げ付きにくいフライパンとして長く使い続けることができますよ。
深さも5.5cmとやや深めなので、炒め物や肉焼き以外にスープや煮物も作ることができます。側面に注ぎ口が付いているので、スープをお皿へ移すのも簡単ですよ。
気になる点としては、重さ2.5kgと非常に重くなっており、公式サイトでも両手で持ち運ぶことが推奨されています。強い衝撃を与えてしまうと割れることがあるので注意が必要です。また、取っ手が本体と一体になっており、お手入れが簡単で劣化しにくいですが、調理中に熱くなるので要注意です。価格も7,700円と鉄製フライパンにしてはやや高めですが、お手入れを続ければ長く使い続けることができるので、1つのフライパンを長く愛用したい方にお勧めの製品です。
◯良い点
熱伝導率・保温性が高い
丈夫で長く使える
比較的お手入れが簡単
✕気になる点
やや高価(約7,700円)
お手入れが大変
かなり重い(2.5kg)
取っ手が熱くなりやすい
「fissler(フィスラー)」は、ドイツの調理器具を扱う会社で、創業175年を超える老舗です。お肉や揚げ物用のステンレス製と、普段使い用のコーティングされたアルミやステンレス製のフライパンの2つを使う「2pan cooking」を推奨しています。
「オリジナルプロフィコレクション24cm」は、アルミ+ステンレスの合金製で熱伝導率・保温性ともに優れており、とても頑丈で、その高性能さから世界中のプロの料理人に愛用されています。見た目もシルバーのスタイリッシュなデザインがとても上品ですよ。
このフライパン一番の特徴は、1951年にフィスラーが開発した独自の「ノボグリル」というフライパン内側の表面上の凹凸です。お肉を焼く際には素材の脂が出やすく、凹部分に食材の脂分がたまります。たまった脂で焼き上げることができるので、少しの油で表面はカリっと中はジューシーに調理ができます。お肉を焼いた後には焦げ付きを生かして香ばしいソースを作ることもでき、料理好きの方にぴったりですよ。
ステンレス製なので鉄フライパンのような油をならす面倒なお手入れはなく、使用後に洗うだけの簡単なお手入れを続ければ長く使い続けることができます。ただし、調理前に正しく加熱しないと食材がくっついて焦げ付いてしまうので注意が必要です。
気になる点として、値段が約29,000円と、かなり高価です。ただし、フライパン内側にフッ素樹脂等の加工がされていないので数年で劣化して使いにくくなるということはありません。また、ステンレス製なのでとても丈夫ですが、1.1kgとやや重たくなっています。
◯良い点
丈夫で長く使える
熱伝導率・保温性が高い
お肉が美味しく焼ける
✕気になる点
重い(1.1kg)
高価(約29,000円)
正しく使わないと焦げ付く
「和平フレイズ」は、前述の通り、日本の金属加工の中心地である新潟県の「燕三条」地区発の企業です。有名なレミパンなど、使いやすさを重視した様々なクックウェアを生産しています。
「千歳 純銅 木柄フライパン20cm」は、抜群の熱伝導率を誇る銅製のフライパンで、銅製品ならではの熱伝導率の良さによってフライパンがすぐに温まるので時短調理になります。また、細やかな温度調節が可能で、ジャムやパンケーキなどのデザート、オムレツやガレット等の卵料理などを美味しく仕上げることができます。銅イオンによる抗菌効果も期待できますよ。
銅のフライパンは使い込んでお手入れを続けるほどに油なじみが良くなって焦げ付きにくくなります。フライパンの内側には食材をくっつきにくくするコーティングが施されていないので、コーティング劣化による寿命がなく、長く使い続けることができます。使い始めのピカピカの見た目は使い続けるうちに飴色の味わい深いヴィンテージな見た目に変化し、愛着も湧いてくるでしょう。
気になる点として、銅はとてもやわらかい金属で変形しやすいため、丁寧な取り扱いが必要です。また、上記の通り、錆や緑青を防いだり、油なじみをよくするために使い始めや調理前にお手入れが必要です。20cmで7,700円とやや高価で、お手入れが大変ですが、料理が美味しく仕上がるので、料理に強いこだわりのある方にお勧めです。
なお、銅のフライパンは基本的にIH非対応で、こちらの製品もIHコンロでは使用できません。
◯良い点
熱伝導率が良い
料理がおいしく仕上がる
長く使える
✕気になる点
高額(約7,700円)
お手入れが大変
変形しやすい
「LODGE(ロッジ)」は、アメリカテネシー州発で、1896年創業の鋳鉄専門のクックウェアメーカーです。製品はすべてアメリカ製で、スキレットやグリルパン、ダッチオーブンなど、アウトドア用のクックウェアを多く扱っています。LODGEの製品はコーティング(大豆油によるシーズニング)がされているので、購入後はスキレットを油に慣らすお手入れをせずに軽くお湯で洗ったらすぐに使えるのが魅力です。
「スキレット 6 1/2インチ」は、黒く重厚なデザインが特徴的な鋳鉄のスキレットです。6 1/2インチ=15.5cmのサイズなので、アウトドアで使うのはもちろん、普段使いのミニフライパンとしても使い勝手の良いサイズです。
鋳鉄ならではの表面の細かい凹凸は油馴染みを良くし、具材の焦げ付きを防いでくれます。また、底の厚さが非常に厚くなっているので、ムラなく、そしてじっくり優しく食材に火が通るので、食材が焦げ付きにくく、料理の仕上がりも良くなりますよ。
価格も2,000円前後と手を出しやすい価格なので、初めての鉄フライパンとして、または肉料理用として買ってみるのも良いでしょう。アヒージョ、オムレツなどの料理にも最適です。そのまま食卓に出しても雰囲気のある食卓になります。
気になる点として、重さ0.88kgとサイズの割に重めになっています。また、鉄製ならではのスキレットに油をなじませるための定期的なお手入れが必要で、使用後にしっかり乾燥させないと錆びてしまうので要注意です。スキレット全般に言えることですが、取っ手ががフライパンよりも短めなので、やや持ちづらく、取っ手と本体が一体になっているため調理中は非常に熱くなるので、鍋つかみやカバーが必須です。
◯良い点
熱伝導率・保温性が高い
比較的安価(2,000円台)
買ってすぐ使える
アウトドアでも使える
✕気になる点
お手入れが大変
サイズの割に重い(0.88kg)
取っ手が熱くなる
「中村銅器製作所」は、東京足立区にある、銅製のクックウェアをメインに制作している製作所です。80年以上の歴史を持ち、職人の手によって1つずつ作られる製品は多くの料理人に愛されています。
「玉子焼き鍋 13長」は、抜群の熱伝導率を誇る銅製の玉子焼き器です。玉子焼き器全体にムラなく火が回るので、食材に素早く均等に火を通すことができるため、ふっくらとした玉子焼きを作ることができます。火の通りの早さは時短調理にもなりますよ。
木製の取っ手は飴色の玉子焼き器本体の色合いと相まって、温かみのある雰囲気があります。また、取っ手に傾斜がついているので、玉子焼きをひっくり返しやすいようになっています。一般的に銅フライパンの内側にはフライパン内側の酸化・変色防止の錫加工が施されていますが、この製品は一般的なメッキ加工ではなく、よりはがれにくい焼き付けを行っているなど、様々なこだわりが詰まった製品です。
銅はやわらかい金属なので変形しやすく傷つきやすいため、取り扱いに注意する必要がありますが、お手入れを続けることで一生モノとして使い続けることができますよ。
気になる点として、値段も小さめのサイズながら7,480円と高めの価格になっています。また、前述の通り使い続けるためには鉄製のクックウェア同様のお手入れを続ける必要があり、お手入れを怠るとサビてしまいます。こだわりを持って料理をしたいという料理上級者向きと言えるでしょう。
◯良い点
熱伝導率が高く、料理がおいしく仕上がる
長く使える
✕気になる点
高価(7,480円)
お手入れが大変
変形しやすい
コーティングフライパンは購入当時のくっつきにくさをキープさせるのが肝要です。
コーティングフライパンはとにかく中火以下での使用が推奨されています。中火とは、ガス火でいえばフライパンの底に火が当たって広がらない程度です。
金属製のヘラなどの調理器具を使うとコーティングが摩耗し劣化してしまうので、原則使用しない方が良いでしょう。フッ素樹脂加工の中でも強度の高い「チタンコート」や、セラミック加工の「ダイヤモンドコート」等は金属ヘラの使用OKとされていますが、長く使うためには避けた方が良いでしょう。
また、お手入れの際も金属製のたわしでこすり洗いしてしまうとコーティングが劣化してしまいます。スポンジは研磨剤の入っていないやわらかいものを使用しましょう。
万が一焦げ付きが生じてしまった場合には、焦げ付きが浸るほどのお湯を入れ、中火で加熱し、沸騰してしばらくしたら火を止め、スポンジで焦げ付きをこすり、水洗いしましょう。
フッ素樹脂加工のフライパンは、使用後の温かいうちに水で流すとジューという音がしますが、これはフッ素樹脂加工の悲鳴とも言われ、劣化を早める原因になります。お手入れはフライパンが冷めてから行いましょう。
セラミック加工のフライパンで調理をする際は、必ずフライパンに油を敷いてから1分程度中火以下でフライパンを温めてから調理を始めましょう。油をあまり使いたくない方は油をしみこませたキッチンペーパーでフライパンの内側に油を広げるとよいでしょう。
ホーローは元々煮込み料理やグリル向けということもあり、炒め物などの際は食材がややくっつきやすいため、使用の際はフライパンをしっかりと温め、油を広げてから使いましょう。
お手入れを繰り返してフライパンを「育てる」ことでどんどん焦げ付きにくくなります。
空焼き
新品の鉄フライパンの多くは錆防止のための塗装がされているので、それを焼き切るための「空焼き」が必要になります。
最初は中火で温め、煙が出始めたら強火にし、側面にも火が当たるよう向きや位置を変えながら、フライパン全体が青っぽくなり、煙が出なくなるまでしっかり火にかけます。臭いや煙が出るので、しっかり換気をしましょう。
コンロの上で粗熱を冷ました後、お湯とスチールタワシで残った塗装を取り除き、水分をしっかり拭き取ったら完了です。
油ならし
「油ならし」は新品の鉄フライパンの内側に油を馴染ませて油膜を作る作業です。この作業によってフライパンに食材がくっつきにくくなり、焦げ付きを防いでくれます。
フライパンを中火で2-3分温めて水分をしっかり飛ばした後、1カップ程度の油を入れたら弱火で3分加熱します。その後余分な油をオイルポットに戻し、キッチンペーパー等で塗り込むように拭き取ったら完了です。
フライパンの匂いが気になったり、より油をなじませたい方は野菜くず(人参のヘタやため招木の皮、ネギの青い部分など)を炒めると良いでしょう。
揚げ物をすることでより油が馴染むとも言われていますよ。
油返し
「油返し」は、調理前にフライパンに油を馴染ませることで食材をよりくっつきにくくし、焦げ付きにくくする作業です。
フライパンを中火で加熱し、大さじ3倍程度の多めの油を入れて弱火で3分加熱します。火を止めて余分な油をオイルポットに戻したら完了です。
調理・調理後の注意点
鉄フライパンはコーティングがないため強火での調理が可能ですが、熱伝導率が高く、強火は食材が焦げ付きやすいため、基本的に中火以下の調理が良いでしょう。
また、調理後はフライパンが温かいうちにお手入れをすると汚れが落ちやすいです。洗剤を使ってしまうと油膜が剥がれ、焦げ付きやすくなってしまうので、お湯を流してたわしやささらなどで擦って汚れを落としましょう。
汚れが焦げ付いて取れなくなってしまった際はお湯を沸かして汚れを柔らかくし、浮かせてからたわしなどでゴシゴシこすりましょう。
ステンレスは鉄ほどのお手入れが不要で、頑丈で長く使えるのが特徴です。しっかり温めてから使えば食材がくっついて焦げ付きにくくなりますが、チャーハンや焼きそば、餃子などの炭水化物を多く含む料理はやや苦手としています。
調理の前には必ず中火で2-4分加熱し、フライパン全体をしっかり温めましょう。温度の目安はフライパンに水滴を垂らした際に水滴がたまのようにコロコロと転がるようになる程度とされています。
肉料理はそのまま調理しても良いですが、野菜や卵料理を調理する際は温めたフライパンを濡れ布巾の上に乗せて一度冷ますと焦げ付きにくくなります。
調理中に食材を無理に動かすと焦げ付きの原因となるので、調理中はじっと待ち、自然と剥がれるタイミングでひっくり返しましょう。
調理後は温かいうちにお手入れをすることで汚れが落ちやすくなります。汚れが焦げ付いて落ちなくなってしまった場合は、水を入れて暫く置くと良いでしょう。それでも落ちない場合、重曹を入れた水を10分ほど加熱して沸騰させると焦げつきが剥がれます。
銅製のフライパンも焦げ付かせずに長く使うには鉄製と同様にしっかりお手入れを続ける必要があります。また、鉄製よりもデリケートな素材のため、丁寧に扱わなければなりません。
ラッカー外し
新品の銅フライパンの多くは錆防止のための皮膜(ラッカー)がコーティングされているので、それを外す作業が必要になります。取り外さずに使うとラッカーが黒く焦げ付いてしまいます。
作業はいたって簡単で、フライパンいっぱいに水を張り、沸騰させてから15分ほど放置し、洗剤を使って洗ったら完了です。
なお、沸騰させる際に重曹を入れるとより効果的です。また、膜が取り切れなかった場合は除光液で拭き取ってください。
油ならし
銅製フライパンの「油ならし」もフライパンの内側に油を馴染ませて油膜を作り、食材がくっつきにくくなり、焦げ付きを防ぐ作業です。
フライパンの7分目までたっぷり油を入れて弱〜中火で5分程度加熱します。高温になりすぎないよう火加減を見つつ、油の表面がゆらゆらと揺れ、ぷくぷくと泡が出るくらいで火を止めます。
冷ましてから余分な油をオイルポットに戻し、キッチンペーパー等で塗り込むように拭き取ったら完了です。
油返し
銅製フライパンも調理前の「油返し」によって食材をよりくっつきにくくし、焦げ付きにくくなります。
フライパンに1-2mの油を入れ、弱火で5分加熱し、火を止めて余分な油をオイルポットに戻します。残った油をキッチンペーパーでフライパン全体になじませたら完了です。
調理・調理後の注意点
熱伝導率が極めて高く、フライパンの温度がすぐに上がるため、焦げ付きやすいので弱〜中火での調理を心がけましょう。
銅フライパンは酸や塩分に弱いので、調理後は早めに料理をお皿に移しましょう。また、フライパンは温かいうちに洗剤を使わず、柔らかいスポンジでお湯を流して汚れを落としましょう。洗ったあとに火をかけて水分を飛ばし、キッチンペーパーで油をなじませるとサビや変色を防ぐことができます。
焦げ付きが発生した場合は使い始めと同様にフライパンに水を張って沸騰させ、スポンジで洗ったあと、油ならしを行いましょう。
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