日本製のフライパンは、総じてクオリティーが高く、コスパの良い製品ばかりです。この記事では、高機能・高品質な国産フライパンの特徴やおすすめ製品を紹介します。
日本製のフライパンは安いものでは1,000円台、高いものでは10,000円を超えるものまで多岐にわたりますが、総じてクオリティーが高く、日本ならではのものづくりの力が生かされている高機能な製品や、使いやすさを重視したアイデア製品が多くなっていますす。
この記事では日本製=日本メーカー、と定義して紹介していきます。日本メーカーでも中国など他国で製造されている商品が多くあります。
日本の金属加工の中心地である新潟県の「燕三条」地区には、フライパンなどのクックウェアを手掛ける企業がいくつかあります。
「パール金属」、「オークス」、「アーネスト」、「和平フレイズ」、「ユニロイ」、「宮崎製作所」はいずれも燕三条に本社を置く企業やブランドで、日本ならでは技術の詰まった良質なフライパン製品を手がけています。スタイリッシュな見た目のフライパンや、便利な機能を持つものなど様々なフライパンを生産しています。
南部鉄器は、岩手県の盛岡市や奥州市で生産されている鋳物製品のことで、有名な急須や鉄瓶以外にもフライパンや鍋などのクックウェアも生産されています。鋳物は重たい製品が多いですが、鋳物ならではの高い熱伝導率・保温性、遠赤外線効果は料理のクオリティーを高めてくれます。
「岩鋳」、「及源」は南部鉄器の中でも特に有名なメーカーで、上質なキッチンウェアを生産しています。
「北陸アルミニウム」は、富山県に本社を置く企業で、アルミニウム製のフライパンなどのキッチンウェアの他に、建材なども扱っています。フライパンはすべて国内の工場で生産されており、日本企業の技術力と安全性の高さが実感できます。
「アサヒ軽金属」は、大阪に本社を置く圧力鍋やフライパンを扱う会社です。創業は1944年で、70年以上の歴史を持ちます。フライパンや圧力鍋が有名で、製品は使いやすさを重視した高い機能性を持ち、万が一故障してしまった場合には「おなべの病院」という修理のサービスがあります。
1974年大阪創業。クックウェア以外にも様々な生活雑貨を扱っている会社で、使いやすさを追求したアイデア製品をたくさん生産しています。フライパンは使いやすさを重視したコーティングフライパンが中心の「evercook」、四角いのが特徴のフライパンで、収納しやすく中身も移しやすいとSNSで話題になった「sutto」というブランドがあります。
魔法瓶の水筒などで有名な「サーモス(THERMOS)」は、外国のブランドと思われがちですが、実は日本企業のブランドです。「THERMOS」の商標は20世紀のはじめにドイツで誕生しましたが、現在では日本の企業が商標を所有し、「THERMOS」のブランドを世界に展開しています。水筒以外にも自社開発の技術を活かしたフライパンや鍋などのクックウェアも手掛けています。
「vita craft(ビタクラフト)」は、1939年アメリカ創業ですが、現在は本社が日本にあり、日本企業ならではの技術を生かした高品質の製品を生産しています。ステンレス製の鍋やフライパンが有名で、水を使わずに野菜を茹でることで栄養を逃さない「無水調理」提唱の先駆けで、健康調理器具としても世界中で高い評価を得ています。
「リバーライト(RIVER LIGHT)」は、千葉県に本社を置く企業で、鉄フライパンを専門に扱っています。鉄フライパン専門ならではの技術力が詰まったフライパンは日本のみならず、海外でも評判です。
リバーライトの製品は「窒化加工」がされており、使い始めの空焼きが不要で丈夫かつ錆びにくいのでお手入れが簡単なのが特徴です。
「Vermicular(バーミキュラ)」は、愛知県名古屋市に本社を置く「愛知ドビー」という老舗鋳造メーカーの鍋やフライパンのブランドで、フライパンのシリーズは「素材本来の旨味を凝縮するフライパン」というキャッチコピーで料理の仕上がりの良さと使いやすさを追求した鋳物ホーローフライパンが特徴で、製品はすべて日本国内で生産され、職人によって組み立てられています。
フライパンは様々な種類がありますが、形状やサイズ、素材、コーティングなどを基準にして、自分の料理スタイルに合った製品を選ぶと良いですよ。
フライパンの形状は、底面の面積が広い浅型と、側面に高さのある深型に分けられます。
浅型は底面の面積が広く、深型と比べると軽いので振る動作に適していることから、ムラなく具材に熱を通すことができ、炒め物向きです。
深型は側面の高さがあるので、煮物やスープ等の汁物料理はもちろん、揚げ物も作ることができます。側面の高さは炒め物を作る時に具材が飛び散りにくいというメリットもあります。ただし、浅型に比べるとやや重めです。
よく商品の説明に書かれている「24cm」などのフライパンのサイズは、フライパン本体の直径のサイズを指しています。
小さいものでは14cm、大きいものでは30cm以上と幅広いサイズがありますが、選ぶ際には作りたい料理の人数分で選ぶと良いでしょう。
目玉焼き等の軽い料理用なら14〜20cm、2〜3人分の料理なら22〜26cm、4人以上や、作り置き用なら28cm以上のサイズがおすすめです。
大きいフライパンなら一度にたくさんの料理を作ることができますが、大きければ大きいほど良いということではありません。大きいほどに重く、温まるのに時間がかかるようになりますし、大きいフライパンで少量の料理を作る場合、食材の乗っていない部分が過剰に温まってしまい、その部分では食材が焦げ付きやすくなってしまったり、フライパンの劣化が起きてしまいます。作る料理に合ったサイズのフライパンを選ぶことが肝要です。
フライパンはだいたい500g〜1.5kgくらいの製品が多くなっています。1kg以上になると女性にとっては重たいと感じるような重さと言われ、食材が入ると更に重くなるので、調理の際に持ち上げて振るうのが大変になります。
フライパンは底が厚いほど保温性が高まり、フライパン内の温度差「熱ムラ」も生じにくくなるので、クオリティの高い料理に仕上げることができる一方、底が厚いほどフライパンも重たくなります。また、くっつきにくくするためのコーティングもフライパンの重さになるため、高性能なフライパンほど重たいフライパンが多くなっています。
素材ではアルミニウム・チタンが軽く、鉄・ステンレス・銅が重たくなっています。軽くて扱いやすいフライパンを探している方は、チタン製のフライパンは流通量が少なく値段も高いので、アルミニウム製のフライパンがおすすめですよ。
現在、フライパンは「アルミニウム製のコーティングフライパン」が主流となっています。
アルミニウムは非常に軽く、フライパンが得意とする炒め物の振るう動作に適しているほか、お手入れの際にも扱いやすいのがポイントです。また、熱伝導率が高くフライパンがすぐに温まるので、さっと料理をすることができ、時短にもなります。
フライパン内側のフッ素樹脂やセラミック等のコーティングによって、料理の際に食材がくっつきにくくなっているので、料理で失敗しにくく、調理後も汚れがするっと落ちるのでお手入れも簡単です。
コーティングは、最もポピュラーで安価なフッ素樹脂(よく聞くテフロンもフッ素樹脂加工の一種です)、陶器素材のセラミック、ガラス素材のホーローがあります。
フッ素樹脂は化学物質のため、身体への影響について議論がありますが、現在では有害ではないと結論付けられています。安全性を求める方は少々値が張りますが、セラミックやホーローのコーティングフライパンを選ぶとよいでしょう。
コーティングフライパンはコーティングの劣化による寿命(平均1〜2年)があり、使っているうちに食材がくっついて焦げ付きやすくなってしまいますが、料理頻度がそこまで高くない方であれば、強火で調理しない、急に冷やさない等の正しい使い方を続けることでより長く使うことができますよ。
料理が好き、頻繁に料理をする、美味しい料理を極めたいという方はコーティングされていない鉄やステンレス、銅のフライパンがおすすめです。コーティングの劣化の心配がなく、どれも丈夫な素材なので長く使うことができ、使い方によっては10年以上使うこともできます。また、いずれの素材も高い機能性を持つので、料理も美味しく仕上がりますよ。
鉄は、丈夫なのはもちろん、熱伝導率・保温性に優れるので、料理の出来の良さで料理好きな人々から絶大な支持を誇っています。フライパンから溶け出す鉄分の補給も期待できますよ。
お手入れが大変ですが、料理とお手入れを続けるうちに油がフライパンに馴染んで食材がくっつきにくくなり、使いやすくなっていきます。ただし、堅牢さゆえにフライパン自体がとても重く、大きいモノでは片手で持ち上げるのが難しいほど重い製品も。
鉄フライパンは一枚の鉄板から作り出される製品と溶かした鉄を肩に流し込んで作る鋳鉄の製品があります。鋳鉄はより重量があるものの、保温性に優れ、調理の際に食材への火の通りをよくする遠赤外線効果が期待できますよ。
ステンレスは、鉄にクロムを配合した錆びにくい金属で、とても丈夫なのはもちろん、お手入れが簡単で、家庭からレストランで広く使われています。素材の見た目を生かしたシンプルでスタイリッシュなシルバーのデザインの商品が多く、キッチンに出しっぱなしにしていてもインテリアに見えるほど。
一方、鉄と同じくらいの重さがあり、サイズの大きな物では調理中に重く感じてしまうでしょう。熱伝導率が高くないため、具材に火を通すのに少し時間がかかりますが、冷めにくいというメリットでもあり、余熱調理もできます。
銅は、他の素材と比べて抜群に熱伝導率が高く、時短調理を可能にするほか、均等に熱が伝わるため、ムラなく食材に火を通すことができます。一方で冷め易くもあるため、細やかな温度調整ができ、繊細さを求めるプロの料理人に愛用されています。銅イオンによる抗菌作用も期待できるでしょう。
とても柔らかい金属なので丁寧に扱う必要があり、鉄同様に細やかなお手入れをする必要があります。
値段がとても高く、料理上級者向けと言えます。また、重量のある製品が多いので、扱いにくく感じてしまうかもしれません。
フライパンの取っ手は現在、下記の素材があります。
・樹脂製・・・丈夫かつ滑りにくく、持ちやすい
・木製・・・持ちやすく、見た目がお洒落なものの、劣化しやすい
・金属製・・・頑丈だが調理中に熱くなりやすく、重量がある
フライパンによっては取っ手に角度が付いていることでフライパンが持ちやすく、振るいやすくなっている製品もあります。
取っ手の接続部分の金具(リベット)がフライパンの内側に出ていない製品はお手入れが簡単で、接続部分の劣化の心配なく使うことができます。また、T-Falの製品をはじめとして、取り外すことのできる取っ手は調理後に取っ手を外してそのまま食卓に出すことができるほか、収納やお手入れの際にとても便利です。
基本的に電気抵抗を持つ鉄、ステンレスのフライパンはIHコンロで使用できますが、それ以外の素材(アルミニウム、銅、チタン)は基本的にIHコンロでは使えず、底面にステンレス製のIHディスクが搭載されているなど、IHコンロで調理できるように加工されているものだけがIHコンロで使用できます。普段IHコンロを使っている方は、購入前にIH対応の商品かしっかり確認しましょう。
近年普及率の上がっている食洗機は家事の時短になり、とても便利ですが、フライパンは基本的に不向きとされています。
理由として、フライパンの素材として最もポピュラーなアルミニウムは熱やアルカリ性に弱いため、変形・変色してしまうおそれがあります。また、フライパンのコーティングも、フッ素樹脂はアルカリ性に弱く、セラミックやホーローのコーティングも洗剤に含まれる研磨剤によって傷が付き、劣化してしまいます。
鉄フライパンは食洗機で洗うことができますが、焦げ付きや錆び付きを防ぐ油膜が剥がれてしまいます。また、洗ったあとにしっかり乾燥させないと錆びてしまいます。ステンレスのフライパンは丈夫なため、食洗機で洗うことができますが、重量があるので、食洗機に入れる際は脱輪に要注意です。
食洗機対応のコーティングフライパンもありますが、コーティングの劣化を防ぐため、中性で研磨剤が入っていない洗剤を選ぶようにしましょう。
Vermicular(バーミキュラ)の「フライパン 24cm 深型」は、鋳鉄製のフライパン本体にホーローのコーティングがされているので、鉄フライパンならではの熱伝導率の良さや保温性の高さ等のメリットを持つと同時に、コーティングによって食材が焦げ付きにくく、鉄フライパンならではのお手入れが不要で、お手入れは使用後に洗うだけなのでとても簡単です。深型なので、炒め物以外にも汁物料理でも使うことが出来ますよ。
Vermicularのフライパンは、自社開発の水がなじみやすい特殊なホーロー加工と、蓄熱性の高い鋳鉄の組み合わせによって水を瞬時に蒸発させることで料理の余分な水分を飛ばすことができ、炒め物をしゃきしゃきに仕上げることができます。
鉄フライパンのデメリットである重さも、側面を薄くする加工によって、深型ながら1.05kgと重さが抑えられています。
また、見た目も鉄フライパンの重厚なデザインと木製(ウォールナット)の取っ手がまるでアンティークのようでとてもおしゃれです。取っ手は職人が一つ一つ加工して作られており、持ちやすさが追及されています。
気になる点として、様々な技術や加工が詰まっているので、約18,000円とかなりの高価格になっています。ホーロー加工はガラス素材なので衝撃や急な温度変化に弱く、丁寧に扱う必要があります。また、木製の取っ手は強火の調理やコンロに置く位置が悪いと焦げてしまうことがあるので気を付けましょう。ホーロー加工と取っ手の劣化には有料のリペアサービスがありますよ。
◯良い点
熱伝導率、保温性が高い
重厚でおしゃれなデザイン
焦げ付きにくく、お手入れが簡単
多用途な深型
✕気になる点
やや重い(1.05kg)
コーティングに寿命あり
衝撃に弱い
高額(18,000円)
THERMOS(サーモス)の「プラズマ超硬質コート フライパン」は、アルミニウム合金製のコーティングフライパンです。サーモスが手掛けるフライパンでは最上位モデルで、抜群の使いやすさ・耐久性となっており、人気の高いフライパンです。
アルミニウム合金製のフライパン本体は、アルミニウムならではの軽さと熱伝導率の高さを持ちます。また、底面のステンレス製のIHディスクはIHコンロでの使用が可能になるほか、底面の変形を防ぎ、保温性UPに一役買っています。
フライパン内側にはフッ素樹脂のコーティングが施されているので調理の際に食材が焦げ付きにくく、お手入れの際も汚れもするりと落ちるのが特徴です。フライパン本体とコーティングの密着性が高められており、THERMOS独自技術で、アルミニウムの10倍の硬さの「プラズマコート」がフッ素樹脂のコーティングを守るので、とても頑丈で、加工が長持ちします。
重さは24cmで約700gと平均より少し重めですが、コーティングが頑丈であることを踏まえると、かなり重さは抑えられています。取っ手も樹脂製で持ちやすく頑丈です。
気になる点として、頑丈とはいえ、コーティングは数年のうちに劣化してしまいますので、買い替えが必要になります。フライパンは消耗品と割り切って使える方、料理の頻度がそこまで高くない方におすすめです。
◯良い点
価格が手頃(約3,000円)
熱伝導率が高い
焦げ付きにくく、お手入れ簡単
コーティングが長持ち
✕気になる点
コーティングに寿命あり
北陸アルミニウムの「センレンキャスト 24cm」は、450gと非常に軽いですが、アルミニウムにマグネシウムを組み合わせたフライパン本体はとても丈夫で、アルミニウム製ならではの熱伝導率の高さでフライパンがすぐに温まるはもちろん、底が4.5mmと厚めになっているので保温性が高く、熱ムラが生じにくくなっています。
フライパン内側の底面の波型加工(リップルウェーブ)は熱伝導率を高める効果があるなど、料理をおいしく仕上げてくれる様々な機能があります。
フライパン内側のコーティングにはフッ素樹脂加工の中でもよく知られているテフロン加工が施されています。このセンレンキャストにはテフロンを開発したデュポン社の手掛けるコーティングでは最高級グレードの「テフロン™プラチナプラス」が採用されているので、焦げ付きにくさがより長持ちします。取っ手も木製なので熱くなりにくく、握りやすいほか、温かみのある雰囲気がおしゃれですよ。
値段も3,000円以下と、高い機能性の割に低価格なのもポイントです。
気になる点として、コーティングが数年のうちに劣化してしまうため、数年以内に買い替えが必要になるでしょう。本体がとても軽いので、フライパンに食材を入れないと五徳の上で安定しにくいので気を付けましょう。また、木製の取っ手は強火での使用などによって火が当たることで焦げて劣化してしまうことがあるで要注意です。
◯良い点
熱伝導率が高い
焦げ付きにくく、お手入れが簡単
とても軽い(450g)
木製の取っ手がおしゃれ
値段が手頃(約3,000円)
✕気になる点
コーティングに寿命あり
軽さ故に具材が少ないと五徳で安定しないことも
木製の取っ手の劣化に注意
IH対応の「センレンキャスト閃」もあります。
アサヒ軽金属の「オールパンゼロクリア 26cm」は、鋳造アルミニウム製のコーティングフライパンです。フライパン本体は「多孔質アルミ」という独特の製法によって製造されています。これによってフライパンの温度がより均一に温まるため、具材にムラなく火を通すことができるほか、高い保温性も有しています。
形状も深さ7.7cmの深型でガラス製の蓋も付属しているので、炒めもの以外にも揚げ物、煮物など様々な料理に用いることができます。
フライパンの内側は独自のフッ素樹脂加工で、より焦げつかず傷つきにくくなっており、外側はセラミックホーロー加工で優れた硬度と耐熱性を持ちます。コーティングには寿命があり、数年のうちに劣化して食材が焦げ付きやすくなってきますが、アサヒ軽金属には「おなべの病院」という有料のリペアサービスがあり、フライパンが傷ついたり、内側のフッ素樹脂加工が剥がれてきたら修理してもらうことが可能で、1つのフライパンを長く使い続けることができます。
樹脂製の取っ手は着脱可能で、オーブンに入れたり食卓に出すこともできるほか、収納・お手入れの際にとても便利ですよ。
気になる点として、深型の本体や、フライパンの内側・外側のコーティング等、使いやすいように様々な加工がされているため、26cmで1.1kgとやや重めになっています。外側のセラミックヒーロー加工は衝撃に弱く、落としたりぶつけた際にひびが入ってしまうことがあるので取り扱いに注意が必要です。また、値段も約20,000円とかなり高価な製品です。高品質なフライパンを探していて、手軽に美味しく料理を仕上げたいという方におすすめです。
◯良い点
熱伝導率・保温性が高い
焦げ付きにくく、お手入れ簡単
便利な深型
修理サービス付き
取っ手が着脱可能
✕気になる点
やや重め(1.1kg)
コーティングに寿命あり
非常に高価(約20,000円)
外側のコーティングが衝撃に弱い
リバーライトの「極JAPAN 26cm」は、鉄製のフライパンです。「極JAPAN」は、取っ手が白木製の鉄フライパンシリーズで、「極」シリーズとの違いは取っ手の素材や刻印で、フライパン本体に違いはありません。
鉄製のフライパン本体は熱伝導率・保温性が高く、料理をおいしく仕上げることができるほか、フライパンから溶け出す微量の鉄分補給も期待できます。このフライパンは厚さ3.2mmと厚めの構造になっているので、蓄熱性がより高く、野菜はシャキッと、お肉はジューシーに仕上がります。
リバーライトのフライパンには「窒化処理」という特殊加工がされており、使い始めに錆止めのコーティングを焼き切る空焼きが不要で、丈夫かつ錆びにくくなっています。コーティングが施されていないので、そのまま料理してしまうと食材がくっついて焦げ付いてしまいますが、しっかりとフライパンに油をならして使えば食材がくっつきにくく、使えば使うほどに油が馴染んで使いやすくなっていきますよ。細やかなお手入れを続ければ10年以上使うこともできます。
木製の取っ手は取り外し可能なので、お手入れや収納の際に便利なほか、焦げ付き等で劣化してきたら別売りの新品に交換することも可能ですよ。フックが付いているので壁にかけて保管することもできます。
気になる点として、鉄フライパンならではの重さ(1.7kg)のため、調理の際の振るう動作やお手入れの際に重たく感じるでしょう。また、使い始めの「油ならし」、調理前の「油返し」等の鉄フライパン独特のお手入れが必要になります。価格も約6,500円とやや高価なので、料理の質を追求したい、1台のフライパンを愛着を持って長く使いたいという方にお勧めです。
◯良い点
熱伝導率が高い
鉄フライパンの中ではお手入れが簡単
木製の取っ手がおしゃれ・交換可能、分解して収納できる
丈夫なので長く使える
✕気になる点
高額(約6,500円)
お手入れが大変
重い(1.7kg)
「宮崎製作所」は、1960年創業の企業で、前述の通り、日本の金属加工の中心地である新潟県の「燕三条」地区発の企業です。ステンレス製の鍋を中心に様々なクックウェアを生産しています。
「ジオ ソテーパン 25cm」は、ステンレス製のソテーパンです(ソテーパンは、振るう調理を目的とするフライパンとは異なり、炒めることに特化した調理器具で、フライパンの仲間のような位置づけです)。アルミ+ステンレスを7層に重ねた合金製なので、熱伝導率・保温性ともに優れ、とても頑丈なのが特徴です。
シンプルなデザインで、お手入れしやすい角を減らした構造や、液だれしにくいフチの構造など、使いやすさが重視された高機能な製品となっています。
フライパン内側にフッ素樹脂等のコーティングがされていないので、数年で劣化することはなく、簡単なお手入れを続ければ長く使い続けることができます。また、本体に密着するように細かく設計された蓋が付いており、側面の高さも10cm程あるので、小さめの野菜であれば無水調理ができますよ。
値段は約11,000円と高価ですが、15年保証がついており、長く使い続けることができる製品なので、一生モノのステンレス製のクックウェアを探している方にお勧めの製品です。
気になる点として、蓋つきで1.92kgと非常に重くなっています。また、ステンレス製のフライパンは調理前に予熱を加えるなどの正しい使い方をしないと焦げ付いてしまうので要注意です。補助ハンドルもあり、重たい本体を持ち上げやすくなっていますが、取っ手が細いつくりになっているため、持ち上げる際にやや持ちづらいかもしれません。
◯良い点
丈夫で長く使える
熱伝導率・保温性が高い
健康に良い無水調理ができる
✕気になる点
かなり重い(1.92kg)
高価(約11,000円)
正しく使わないと焦げ付く
vita craft(ビタクラフト)の「フライパン深型 23.5cm スーパーセラミック」は、アルミ+ステンレスを5層に重ねた合金製で、熱伝導率・保温性ともに優れ、とても頑丈なフライパンです。深さ5.7cmと深めなので、炒め物の際に食材が飛び散りにくく、揚げ物の際に油が跳ねてコンロを汚しにくいでしょう。
フライパン内側には安全性の高いセラミックのコーティングが施されています。ビタクラフト社独自のセラミック加工「スペシャルマジックコート」は非常に硬く、磨耗に強い素材のため丈夫で長持ちします。セラミックには遠赤外線効果があるので、食材に熱を均一に伝え、熱ムラがなく仕上がります。また、食材にしっかり焼き目を付けても焦げ付きにくく、お手入れも簡単です。
ステンレスならではの、シルバーのピカピカとした見た目と、ビタクラフト特有の丸みのある形状は、スタイリッシュかつかわいらしさのあるデザインになっています。
気になる点として、ステンレス製で高性能なコーティングが施されていることもあり、約15,000円とかなり高価な製品です。セラミック加工にも寿命があるので、数年のうちに劣化が進み、焦げ付きやすくなります。また、フライパンが23.5cmとやや小さめなので少ない油で調理できる一方、一度に揚げられる数は多くないでしょう。
◯良い点…
熱伝導率・保温性が高い、
健康に良い無水調理ができる
安全性の高いセラミックコーティング
便利な深型
✕気になる点...
高価(約15,000円)
コーティングに寿命あり
サイズ展開が乏しく、小さめ
「和平フレイズ」は、前述の通り、日本の金属加工の中心地である新潟県の「燕三条」地区発の企業です。有名なレミパンなど、使いやすさを重視した様々なクックウェアを生産しています。
「千歳 純銅 木柄フライパン20cm」は、抜群の熱伝導率を誇る銅製のフライパンで、銅製品ならではの熱伝導率の良さによってフライパンがすぐに温まるので時短調理になります。また、細やかな温度調節が可能で、ジャムやパンケーキなどのデザート、オムレツやガレット等の卵料理などを美味しく仕上げることができます。銅イオンによる抗菌効果も期待できますよ。
銅のフライパンは使い込んでお手入れを続けるほどに油なじみが良くなって焦げ付きにくくなります。フライパンの内側には食材をくっつきにくくするコーティングが施されていないので、コーティング劣化による寿命がなく、長く使い続けることができます。使い始めのピカピカの見た目は使い続けるうちに飴色の味わい深いヴィンテージな見た目に変化し、愛着も湧いてくるでしょう。
気になる点として、銅はとてもやわらかい金属で変形しやすいため、丁寧な取り扱いが必要です。また、上記の通り、錆や緑青を防いだり、油なじみをよくするために使い始めや調理前にお手入れが必要です。20cmで7,700円とやや高価で、お手入れが大変ですが、料理が美味しく仕上がるので、料理に強いこだわりのある方にお勧めです。
なお、銅のフライパンは基本的にIH非対応で、こちらの製品もIHコンロでは使用できません。
◯良い点
熱伝導率が良い
料理がおいしく仕上がる
長く使える
✕気になる点
高額(約7,700円)
お手入れが大変
変形しやすい
「及源(Oigen)」は、前述の通り、岩手県盛岡市に本社を置く南部鉄器のクックウェア等を手掛けるメーカーで、創業は江戸時代の嘉永5年(1852年)と、非常に長い歴史を持ちます。南部鉄器は国の指定する伝統工芸品であり、製品はすべて職人の手によってひとつひとつ作られており、高品質の製品ばかりです。
「フライパン 24cm」は、鋳鉄製フライパンです。鋳物ならではの高い熱伝導率と保温性、遠赤外線効果は勿論、底が厚めになっているので熱ムラが生じにくく、料理をおいしく仕上げることができますよ。
南部鉄器は非常に頑丈で、お手入れを続ければ100年以上使い続けることができると言われています。鋳物は油なじみが良いので、鉄製のフライパンに比べるとお手入れが簡単であると言われ、濡れたまま放置せず、適度に油にならしておけば、くっつきにくく焦げ付きにくいフライパンとして長く使い続けることができますよ。
深さも5.5cmとやや深めなので、炒め物や肉焼き以外にスープや煮物も作ることができます。側面に注ぎ口が付いているので、スープをお皿へ移すのも簡単ですよ。
気になる点としては、重さ2.5kgと非常に重くなっており、公式サイトでも両手で持ち運ぶことが推奨されています。強い衝撃を与えてしまうと割れることがあるので注意が必要です。また、取っ手が本体と一体になっており、お手入れが簡単で劣化しにくいですが、調理中に熱くなるので要注意です。価格も7,700円と鉄製フライパンにしてはやや高めですが、お手入れを続ければ長く使い続けることができるので、1つのフライパンを長く愛用したい方にお勧めの製品です。
◯良い点
熱伝導率・保温性が高い
丈夫で長く使える
比較的お手入れが簡単
✕気になる点
高額(7,700円)
お手入れが大変
かなり重い(2.5kg)
取っ手が熱くなりやすい
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