クランチのバリエーションの一つのエクササイズとして、プランククランチがあります。今回は、プランククランチのやり方、ポイント等についてご紹介します。
プランククランチとは、その名の通り、プランクをやりながらクランチを実施する種目です。
プランクは英語「plank」が語源で「板」を意味します。手足で身体を支えながら、板のように身体を一直線にするエクササイズです。
クランチは英語「crunch」が語源で「体をすぼめる」という意味です。クランチは仰向けになり、膝を90度に曲げて足の裏を床につけ、肩甲骨あたりから身体を起こす、腹筋トレーニング種目です。
プランククランチは、プランクの状態で身体をすぼめる動作を加えたエクササイズです。
プランククランチで鍛えられる部位として、腹直筋の下部が挙げられます。腹直筋とはお腹の中央に縦に続く筋肉を指します。
通常のプランクでも腹直筋を刺激することができますが、プランククランチでは脚の動作が加わるため、腹直筋への刺激がより大きくなります。特に、脚を伸ばした状態から抱えるような動作を取るため,腹直筋の中でも下部への刺激が大きくなります。
腹直筋下部を鍛えることで、下っ腹の引き締めが期待できます。ポッコリお腹が気になる方に大変おすすめのエクササイズです。
プランククランチでは脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)も鍛えられます。脊柱起立筋は背中全般の筋肉を指します。
脊柱起立筋は通常のプランクでも鍛えることができる部位ですが、プランククランチでも動かしている脚以外はプランクの姿勢であるため、鍛えることができます。
脊柱起立筋を鍛えることで、姿勢改善や腰痛予防、代謝向上などの効果が期待できます。
腸腰筋は、上半身と下半身を繋ぐ役割のインナーマッスルです。
腸腰筋は、プランククランチで片足を伸ばした状態から前に動かすことで鍛えることができる部位です。
腸腰筋を鍛えることで、姿勢改善や腰痛予防の効果が期待できます。逆をいえば、すでに腰痛持ちの方はプランククランチで腰をさらに痛める可能性があるので注意が必要です。
プランククランチで鍛えられる部位として、ハムストリングスが挙げられます。ハムストリングスは太ももの裏側の筋肉を指します。
プランククランチの、膝を抱えた状態から脚を真っ直ぐにする状態への動作はバックキックという種目と同じです。これにより、ハムストリングスを鍛えることができます。
ハムストリングスを鍛えることで、運動パフォーマンスの向上や脚の引き締め効果を期待できます。
プランククランチでは大臀筋(だいでんきん)を鍛えることもできます。大臀筋はお尻の筋肉の中で最も大きいものです。
プランククランチは、一部の動作がバックキックであることと、トップポジションで脚を真っ直ぐに保とうとすることで、大臀筋を鍛えることもできます。
大臀筋を鍛えることで、お尻の引き締めや代謝改善の効果が期待できます。
プランククランチの正しいやり方と、効果をより高めるコツも紹介します。
プランククランチはまずプランクの姿勢を作るのですが、一般的な肘で上体を支えるプランクではなく、腕立て伏せのように手のひらで上体を支えるプランクの姿勢を作ります。このプランクは「ハイプランク」と言われる種目です。肩甲骨を開くイメージを持つことで、身体を安定的に支えることができます。
このとき、通常のハイプランクと同様に、身体のコアを意識しながら上半身から下半身まで一直線になることを意識することが重要です。
次に、片脚を床から離し、踵が肩の高さ位になるまで上げ、身体が一直線になるようにします。両手と片脚のつま先で身体をしっかり支えます。
片脚を床から少しだけ離しても実施することは可能ですが、そのように実施すると、ハムストリングスおよび大臀筋への負荷が小さくなります。そのため、トータル的に鍛えるためには、踵が肩の高さ位になるまでしっかり上げる必要があります。
次に、宙に浮かせた膝を曲げながら前に移動させ、膝が胸の前あたりまで来るようにします。右膝を右肘に付けるようなイメージをもって、しっかり動かしましょう。
このとき、膝を上げる時に、姿勢をわざと丸めることで、膝をしっかり上げきることができ、腹直筋を十分に収縮させることができます。
最後に前に出した脚を伸ばして宙に浮いた状態にゆっくり戻します。元に戻したときも身体が一直線になるようにしましょう。
プランククランチは左右の脚を交互に実施するのではなく、右脚だけ◯回→左脚だけ◯回という具合に実施します。交互にやってしまうと脚への負荷が毎回抜けてしまい、効率が落ちてしまいます。
プランククランチの回数は、片脚10回×3セットを目安に実施します。
プランククランチですが、片足ずつ行うエクササイズであるため、トータルの回数が多くなる傾向があります。そのため、トレーニングで有効とされる12〜15回実施するのではなく、やや少なめの10回にします。
プランククランチの効果をさらに高める方法を紹介します。
少しの工夫で腹筋への負荷を高めることが可能です。
腹筋の運動で意外と重要なのが顎の動きであり、腹筋を収縮させるときはしっかりと顎を引くことで腹筋の収縮をさらに促すことができます。
プランククランチでは脚を前に出すときに腹筋が収縮するため、そのときに意識的に顎を引くと効果がアップします。身体を丸めると同時に顎も引くことを覚えておきましょう。
顎の動きと同じく、腹筋運動で大切なのが呼吸法です。息を吐くと腹筋は収縮します。脚を前に出したときに腹筋は収縮するので、それと同時に息を吐くことで、腹筋の収縮をさらに促すことができます。
プランククランチを実施するときは常にゆっくり脚を動かしましょう。上下に動作するときは、重力に抗うことで効果が上がるので上げるときは速く、下げるときは遅くが鉄則ですが、プランククランチは上下の動作はないので常にゆっくりを意識しましょう。ゆっくり動かすと刺激が脚や腹筋に行き渡るので効果がアップします。
さらに、脚を真っ直ぐにした状態と、前に出した状態、つまり動作が切り替わるタイミングで、少し静止すると効果が上がります。
プランククランチをダイエット目的で実施するならば、有酸素運動を一緒にやると効果的です。
有酸素運動の中でもランニングやバイクは、特に大臀筋やハムストリングスの寄与が大きいエクササイズになるため、これらの筋肉を刺激することができるプランククランチを合わせて実施すると効果的です。エクササイズの順番としては、必ず、有酸素運動の前にプランククランチを実施するようにしましょう。
プランククランチの練習としてプランクがおすすめです。
プランククランチは、プランクをしている状態で脚を動かすエクササイズになるため、いきなりプランククランチを実施すると腰への負担が高まります。それを防止するために、プランククランチの前に、プランクを実施すると腰への負担を防ぐことが可能であるとともに、プランククランチでも刺激する臀部、腹直筋、脊柱起立筋を予め刺激できます。
これにより、プランククランチを実施しているときに当該部位をより意識しやすくなるため、プランククランチの前にプランクを実施するのがオススメです。
プランククランチの練習として、ニートゥチェストもおすすめです。
ニートゥチェストはHIITとしても人気の種目です。詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてください。
ニートゥチェストは、座った状態で両膝を胸につけるようにして実施するエクササイズであり、プランククランチでの脚の動かし方に非常に近いエクササイズです。プランクランチでの脚の動かし方は、慣れていないと膝を動かしても十分に刺激を入れることが難しく、その場合はまずはニートゥチェストで練習をすることがおすすめです。
また、予め、ニートゥチェストを行って腹直筋を疲労させてからプランククランチを実施すれば、プランククランチの最中にターゲットとなる部位を意識させやすくなるため、プランククランチの前にニートゥチェストを実施するのがオススメです。
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