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ラットプルダウンで首が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説

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ラットプルダウンで首が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説

ラットプルダウンを実施していると、首が痛いと感じる場合があります。今回は、ラットプルダウンを実施している中で首が痛いと感じる原因と対策についてご紹介します。

ラットプルダウンとは

ラットプルダウンは英語で「lat pull down」で、「広背筋を引き下ろす」ことを意味する種目です。ちなみに、「lat」は「latissimus dorsi 」で、「広背筋」を意味しますが、基本的には「lat」もしくは「lats」と表記することが多いです。

ラットプルダウンは、マシンを用いて実施する広背筋の種目の中で最も一般的な種目の一つです。エクササイズ難易度はそこまで高くはないものの、エクササイズ効率が非常に高いことから、筋トレ初心者から上級者まで全ての方におすすめできる種目です。

ラットプルダウンで首が痛い原因

目線を無理に上方に設定している

ラットプルダウンで首が痛い原因として、目線を無理に上方に設定している可能性があります。

ラットプルダウンでアタッチメントを身体の前方に引いてくるフロントラットプルダウンでは、やや目線を上方に設定することが推奨されます。ただ、無理に目線を上方にもってくると首に負担がかかることがあり、首が痛いと感じることがあります。

この場合、目線を正面に設定するようにします。慣れてきたら、少しずつ目線を上方に持ってくるようにしましょう。

後頭部に引いている

ラットプルダウンで首が痛い原因として、アタッチメントを後頭部に引いている可能性があります。

ラットプルダウンでは、アタッチメントを前方に引くフロントラットプルダウンに対して、後頭部に引くビハインドネックラットプルダウンがあります。ただ、ビハインドネックラットプルダウンでは目線を下側にもってくるため、特に首を痛めている方はその動作により首が痛いと感じることがあります。

この場合、アタッチメントを後頭部に引かないようにします。ビハインドネックラットプルダウンは、中、上級者向けの種目であるため、特に筋トレ初心者の方はまずはフロントラットプルダウンを実施しましょう。

首を痛めている

ラットプルダウンを実施する際に、当たり前ですが、首を痛めながら実施すると首が痛いと感じる原因になります。

首は怪我すると、全身のほぼ全てのトレーニングを実施することが困難になるため注意が必要です。

これを防ぐためには、首に異変を感じた場合には、トレーニングの実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。

首が痛くならないラットプルダウンのやり方

フォーム

  1. ラットプルダウンマシンに座る。
  2. 手首を掌屈させてアタッチメントを握る。手幅は、前腕と上腕の角度が90度となるくらい。
  3. アタッチメントが大胸筋上部に付くまで引き切る。このとき、無理に目線を上方に設定しない。
  4. 肘が伸び切らない部分まで元に戻る。
  5. 3から4を繰り返す。

重量

初心者

筋トレ初心者のラットプルダウンの目安の重量は30 kg程度です (自身の体重にもよります)。

ラットプルダウンは、主に広背筋を鍛えるエクササイズであることから、筋トレ初心者でも比較的高重量を扱うことができます。以上では重量は30 kgと述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて12〜15回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。

少し慣れたら

ラットプルダウンに少し慣れた方のラットプルダウンの目安の重量は30〜40 kg程度です(自身の体重にもよります)。

ラットプルダウンで鍛える広背筋は比較的サイズが大きい部位であることから、鍛えると比較的早い速度で扱うことができる重量が伸びます。ただし、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では30〜40 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてラットプルダウンを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。

上級者

筋トレ上級者のラットプルダウンの目安の重量は100 kg以上です(自身の体重にもよります)。

筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、ラットプルダウンを100 kg以上を扱って正確なフォームで実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確なフォームで実施した場合」の重量です。ラットプルダウンマシンの引きが甘いと高重量を扱うことができるため、きちんと可動域を設定した状態で実施するのがおすすめです。

回数

初心者

筋トレ初心者は、ラットプルダウンを10〜12回3セット実施します。

ラットプルダウンは、重量によっては負荷の高い種目ではありますが、広背筋が大きい部位であることか筋トレ初心者でも回数を実施することができます。ただし、フォームをしっかり確認するという意味で、まずは10〜12回3セット実施しましょう。

少し慣れたら

ラットプルダウンに少し慣れてきたら、12〜15回3セット実施します。

ラットプルダウンは慣れてくると、広背筋の発達により安定して実施することを期待できます。そのため、ラットプルダウンに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、12〜15回3セット実施するようにしましょう。

上級者

上級者の場合、ラットプルダウンを実施する際には、その他の背中の筋肉を鍛える種目と組み合わせて実施します。

上級者がラットプルダウンを実施する場合には、ウォーミングアップ種目として実施します。本番種目として、デッドリフト、バーベルロウなどの重量を扱う種目を実施するのがおすすめです。この場合、ラットプルダウンを12〜15回を実施し、デッドリフト、バーベルロウを10〜12回3セット実施しましょう。

ラットプルダウンの効果を高めるコツ

肘を引く

ラットプルダウンで重要なテクニックは肩甲骨を寄せることですが、これを意識することは容易ではありません。

これは、そもそも肩甲骨が目に見えない部分であることから、筋トレに慣れている方でないとそれを動かすことを意識するのは困難であるためです。このことから、背中に意識置かなくても肩甲骨が寄った状態が達成される必要があり、そのためには、肘をしっかりと引くことを意識するのがおすすめです。

肘をしっかり引くと、肩甲骨がしっかりと寄った状態になることから、肩甲骨を寄せることを意識しなくても、肩甲骨が寄った状態を実現可能です。

手首を掌屈させる

ラットプルダウンに限らず、背中を鍛えるほとんどの種目において、手首を掌屈させることは非常に重要です。

背中を鍛える種目は、手に握った重りやマシンを引くことで背中に負荷を与えます。このため、背中を鍛えるためにはどうしても握力を関与させる必要がありますが、背中を鍛えるためには握力をあまり関与させない必要があります。そのためには、握力を使わずに重量やマシンを把持する必要があり、この方法として手首を掌屈、つまり、手のひらを手首側に曲げることが有効です。

また、手首を掌屈させると、肩甲骨を寄せることを意識しやすくなるため、後述するマインドマッスルコネクションの観点からもおすすめです。

小指と薬指で引くように意識する

ラットプルダウンでは、握力を使わないで肩甲骨を寄せる必要があり、そのためには小指と薬指に意識を置くのが有効です。

前述した通り、ラットプルダウンでは、手で握ったラットプルダウンマシンのアタッチメントを介して背中に負荷を与える種目であるため、どうしても腕の筋肉の部位に対する負荷が大きくなります。このとき、親指、人差し指で握るようにしてしまうと、上腕二頭筋に対する刺激が大きくなり、背中に負荷が入りにくくなります。

これを防ぐために、ラットプルダウンでは小指と薬指で引く様に意識するようにしましょう。

胸を張る

ラットプルダウンに限らず、背中を鍛えるほとんどの種目において、胸を張ることが重要です。

ラットプルダウンで胸を張ることで背中が海老反りになったような状態になり、この状態で肘をしっかりと引き込むことで広背筋がしっかりと収縮した状態を実現可能です。これにより、広背筋の収縮をより意識することを期待でき、ラットプルダウンの効果を高めることを期待できます。

できるだけ上半身を煽らない

ラットプルダウンでは重量を扱うことができますが、重量を扱うにつれて上半身を煽りがちになり、広背筋に対する負荷が低減します。

上半身を煽るということは、上半身を曲げる力を使ってラットプルダウンのマシンを引くということになり、広背筋の力を使っていません。そのため、ラットプルダウンでは、広背筋の力を使って実施できる範囲内で重量を設定し、上半身を煽りすぎないようにして実施するようにしましょう。

重量設定

ラットプルダウンでは、他の種目と同様に、可動域をしっかりと設定することが重要です。特にラットプルダウンで重量設定が重すぎると、可動域が狭くなることに加えて、怪我をしやすくなります。

基本的に、肘を引き切る必要があり、これは高重量を扱いすぎると設定することが困難になります。また、高重量を扱うと、肘にかかる負担が増大し、肘を怪我することもあります。
だからこそ、自身が扱いきれる重量で実施することが必要で、前述したように12〜15回を3セットぎりぎりできる重量設定にしましょう。

ターゲット部位の動きを意識する

ラットプルダウンに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

このため、最初は難しいですが、ターゲット部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのターゲット部位の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作のスピード

ラットプルダウンに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

ラットプルダウンに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ラットプルダウンでは、アタッチメントを引くときに息を吐き、アタッチメントを戻すときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

首への負担が少なくラットプルダウンと同じ部位を鍛えることができる種目

オルタネートブリングバックス

やり方

  1. うつ伏せになり、上半身を上げる。
  2. 右上半身と左上半身を交互に、肩甲骨が寄るようにして肘を動かす。
  3. 2を片腕で繰り返す。

回数

オルタネートブリングバックスは、片側15回3セット実施します。

オルタネートブリングバックスは、うつ伏せの状態から片側ずつを動かす種目で、非常に基本的な種目です。オルタネートブリングバックスのエクササイズ強度はそこまで高くないため、片側15回 (両側30回)という比較的多回数を実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 肘をしっかり動かす。

  • 目線は肘を動かした方向

  • 上体をしっかり上げる

ダンベルプルオーバー

やり方

  1. 脇をやや開けた状態でダンベルを両手で把持し、その状態でベンチに寝そべる(ダンベルプルオーバーで背中を鍛える場合にはベンチに対して平行に寝るケースが多い)。このとき、首はベンチのへりに対して、ややはみ出るように設定する。
  2. ゆっくりダンベルを動かし、ダンベルの床の方の重りが後頭部位をボトムポジションに設定する。
  3. 顎の前位をトップポジションに設定し、2から3を繰り返す。

回数

ダンベルプルオーバーは、10〜12回3セット実施します。

ダンベルプルオーバーは、扱う重量にもよりますが、基本的にはエクササイズ強度、難易度が高い種目です。そのため、通常のトレーニングと比較してやや回数の少ない10〜12回3セットを実施しましょう。

効果を高めるポイント

  • 難易度はかなり高い。

  • ボトムポジションで広背筋のストレッチを意識する。

  • ダンベルを戻しすぎない。

  • 肘を真っ直ぐにしない。

デッドリフト

やり方

  1. 脚幅を腰幅に設定し、バーベルを持つ。
  2. 背中を張った状態をキープしたまま、バーベルを身体に沿って下げる。
  3. 膝よりもやや下になったらバーベルを元の場所まで戻す。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

デッドリフトは、まずは5〜8回を3セット実施します。

デッドリフトは、基本的にはパワー種目、つまり、重量を扱う種目とされており、回数よりも重量を増やすことで負荷を与えるエクササイズです。ただし、デッドリフトはフォームが本当に重要であるため、一般的な筋トレで標準的な回数よりもかなり少ないとされている5〜8回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 上半身を戻しすぎないようにする。

  • 下げすぎないようにする。

  • 重量設定を重過ぎないようにする。

  • 目線は正面。

  • 背中はとにかくずっと張った状態を維持する。