スクワットの最適な回数は、実施者のレベルと目的によって変化します。また、実施するスクワットの種類によっては変わります。今回はレベル・目的別のスクワットの効果的な回数を解説します。
筋トレ初心者の方は、どんな目的であれ、基本のスクワットを1セット15〜18回を3セット実施するようにしましょう。
一般的に、筋トレで効果的な回数というのは12〜15回といわれていますが、それと比較すると今回の設定回数は多いように思えます。しかし、スクワットの場合は、初心者のうちにフォームを体得する必要があるため、やや多めの回数設定で実施することが重要です。その際に、スマホで撮影したり鏡で見たりしながら実施し、フォームを確認するのが大切です。トレーニング初心者のうちは上級者にフォームを見てもらいながら改善するということも非常に有効です。
スクワットの正しいフォームについてはこちらの記事をご参考ください。
ダイエット目的の中級者の方は、複数のスクワットを組み合わせて行い、それぞれ12-15回を3セット実施するようにしましょう。
まず、中級者かどうかを判断する基準についてですが、初心者の部分で紹介した基本のスクワットを問題なくこなせるかどうかが判断基準の一つとなります。基本のスクワットを正確に15-18回3セット実施できること、かつ、実施しても脚の疲労が5割程度ならば中級者とみなしてよいでしょう。
回数は、複数のスクワットを組み合わせるため、初心者のときより減らします。
実際の種目ですが、最低でも2種目を組み合わせましょう。オススメなのが、1種目目にワイドスクワットを実施して、2種目目にワイドスクワット以外の任意のスクワットを実施するやり方です。ワイドスクワットは、可動域が大きくなく、筋肉の大きい臀部を刺激するとともに、膝を温めることができるため、ウォーミングアップとしてうってつけです。
ワイドスクワットのやり方はこちらの記事をご参考ください。
筋肉増量目的の中級者は、加重スクワット、つまり、バーベルスクワット等をアセンディングセット法で実施するようにしましょう。
アセンディングセット法は、重量を軽くした状態で回数を多く実施し、徐々に重量を重くして回数を少なくして実施するというやり方です。一番基本的なやり方とされているのが、自身が扱える最大重量の50%x12回→60%x10回→70%x8回→80%x6回→85%x4回というやり方です。必ずしも%の値に縛られる必要はありません。
アセンディング法は、筋肉を増量する上で最も基本的で安全な方法であるため、初心者レベルを脱して、かつ筋肉増量目的ならばぜひ実施したいトレーニング方法です。
筋トレ上級者は、目的が筋肉増量と仮定します。
上級者は、加重スクワットをスーパーセットまたはドロップセットで実施するようにしましょう。
スーパーセットとは、2種目のエクササイズをインターバルなしで実施する方法であり、スクワットで実施するならば、例えば基本のスクワットとフロントスクワット(バーベルを首の前で持って実施するスクワット)を連続で実施するという方法があります。種目の選定に関しては、厳密なルールがあるわけではないため、任意のスクワットを2種目連続で実施するようにしましょう。
ドロップセットとは、上述したアセンディングセット法を反対から実施するやり方です。つまり、自身が扱える最大重量の85%x4回→80%x6回→70%x8回→60%x10回→50%x12回というようなやり方です。アセンディングセット法と異なるのは、何れのセットの間もインターバルを設けないということであり、このことから推察される通り、かなり強度の高いトレーニング方法となります。
スクワットを毎日実施してもよいか否かは、実施者のレベルとスクワット種目の負荷に依存します。
自重(じじゅう)トレーニングレベルのスクワット、つまりフィットネス器具を使わず自分の体重だけで行うスクワットならば、初心者の方でも基本的に毎日実施しても問題ありません。基本のスクワット(ノーマルスクワット)はそこまで負荷が高くないためです。ただし、回数が多ければ負荷は高まるので、筋肉痛がひどいときは治るまで休憩しましょう。
バーベルスクワットのような加重トレーニングでは、「超回復」という現象を理解することが重要となります。
「超回復」とは、元の状態に戻る回復を超えてさらに強くなることを意味します。トレーニングは、筋繊維に負荷をかけて壊していく作業ですが、その壊れた筋繊維が回復する段階で元々の筋繊維よりも強い状態になって回復します。これを繰り返していくことで筋肉は成長します。
特にバーベルスクワットのように負荷の高いエクササイズでは、かなりの負荷をかけて筋繊維を壊すため、自重トレーニングよりも超回復が期待できます。
超回復は、一般的にトレーニング後48〜72時間程度で発生するといわれます。この超回復が発生している最中にトレーニングを行うと、筋肉が十分に成長しないだけではなく、パフォーマンスの低下や怪我にも繋がるため、この間は同一の筋肉を鍛えないことが重要です。したがって、負荷が高いと言われている加重したスクワットは、基本的には毎日実施するべきではなく、2〜3日に1回が理想的です。
フォーム設定で述べた通り、自分にとって負荷の抜けないボトムポジションを見つけることが重要です。浅すぎるのはもちろんNGですが、よくある間違いは深すぎる設定です。深すぎるボトムポジションは膝の怪我の原因にもなるので注意しましょう。
「膝をロックしない」というのは、トレーニング用語で「スクワットのトップポジションで膝を伸ばし切らない」ということを指します。膝を伸ばし切ると可動域を大きく取れますが、負荷が抜けている状態です。エクササイズ中に負荷が抜けるのは非効率的ですから、スクワットをする際にはトップポジションで膝をロックしないことが重要です。
スクワットは、ボトムポジションで切り返す際に、しゃがんだ勢いそのままに身体をトップポジションに持ってくることが可能ですが、それではボトムポジションで重さを受けきれていません。そのため、ボトムポジションで一瞬静止する意識を持つと、下げた反動を使うことができませんから、重さを大腿四頭筋等で受けることができ、効果的なエクササイズとなります。
このボトムポジションの静止ですが、上級者向けのテクニックで、数秒間静止するというものもありますが、基本的には負荷が強すぎるため、まずは一瞬静止することを意識しましょう。
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