数多くある腹筋のエクササイズの中でも最も強度が高い種目に腹筋ローラーがあります。腹筋ローラーはどのくらいの期間実施すれば効果が出るのでしょうか?今回は、腹筋ローラーの効果と、効果を出すための回数などを解説します。
腹筋ローラーを含めて、筋トレで身体の変化に気づくには、早くて1〜2ヶ月、一般的には3ヶ月程度といわれています。
筋トレを行って筋肉が付くメカニズムは、筋トレにより筋繊維を破壊し、それが超回復することで元の筋肉量よりも大きくなって回復し、これを繰り返すことで筋肉が成長します。そのため、筋トレを初めて1週間から2週間位は、筋トレをやる度に酷い筋肉痛に襲われることが多いです。2週間を超えると、身体に目に見える変化はそこまでありませんが、扱える重量や回数が増えることにより、筋肉が成長していることを実感できます。ここから、順調に筋トレを実施することで、少しずつ筋肉が成長し、早い人で1〜2ヶ月程度で身体が筋肉質になっていることを実感できます。
ただ、これは、自身の運動歴や週に何回実施するかで変わってくるため、重要なことは少しでもよいので継続して実施するとこです。
シックスパックを手に入れるためには、腹筋ローラー等の腹筋を鍛えるエクササイズの他に、ダイエットにより体重を落とす必要があります。
シックスパックとは腹筋が割れている状態を指しますが、具体的には腹直筋を分割する腱性繊維が表面から視認できる状態を指します。人によって多少の違いはありますが、基本的にはどんな人でも腹直筋は6〜8つに割れています。ただ、それが外見で判断できるかの有無は、腹直筋の大きさと皮下脂肪の量に依存します。
すなわち、腹筋ローラーを実施すれば腹直筋を大きくすることができますが、皮下脂肪がある状態だとシックスパックを外見で判断することは困難です。一方、ダイエットだけすれば、理論上はシックスパックを外見で判断することができるようになりますが、腹直筋が発達していない分、かなり痩せないとシックスパックを外見で判断することができません、
以上から、シックスパックを効率的に手に入れるためには、腹筋ローラと合わせてダイエットを行う必要があります。具体的には、腹筋ローラーの他に、ランニングや水泳などの有酸素運動と食事制限を一緒に行うことが不可欠です。
また、シックスパックを外見で判断できる目安となる体脂肪率というのは厳密には存在しません。これは、脂肪量と腹直筋の大きさに依存するためであり、腹直筋を発達させればさせるほど、体脂肪率を減らさなくてもシックスパックを外見で判断できるようになります。
筋トレ全般にいえることですが、筋肉痛の状態でトレーニングを実施するのは効率が悪いといえます。そのため、腹筋ローラーも筋肉痛にならなければ(筋肉が十分に発達していれば)、毎日やってもよいでしょう。
ただし、腹筋ローラーはかなり負荷の高いエクササイズなので、初心者の方は間違いなく筋肉痛になります。筋肉痛がどのくらいの期間で治るかも、その人の筋肉量と質によります。
まずは、週1回挑戦し、徐々に筋肉痛にならなくなったら、週2回→隔日→毎日というふうに回数を増やしていきましょう。
腹筋ローラーの目的別の回数の目安はこちらの記事をご覧ください。
腹筋ローラーはトップポジションからボトムポジションに移行する際にはゆっくり重力を感じながら動かし、ボトムポジションからトップポジションに戻すときは素早く動かすと、効率が上がります。
特に、トップポジションからボトムポジションの移行では重力に身を任せて腹筋ローラーを早く動かしがちですが、ここでしっかりと耐えながらゆっくり動かすのがポイントです。
また、腹筋ローラーの動きをコントロールすることは、怪我の予防にも繋がるため、しっかり意識しましょう。
トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。多くは筋肉がピンっと張った状態です。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」といいます。種目によって最も負荷のかかる状態が違い、腹筋ローラーの場合はボトムポジションで一番負荷がかかります。
腹筋ローラーの有効可動域は意外と狭く、トップポジションは、腹筋ローラーが顔面の真下にある状態になります。可動域を大きくとる、すなわち、腹筋ローラーを大きく戻した方が負荷が上がると考えがちですが、顔の真下よりも足側まで腹筋ローラを戻すとその部分では負荷が入っていないことになり、非効率的なエクササイズになってしまいます。
腰の力で身体を動かすのではなく、手と腕でローラーを動かすことに集中し、ローラーの動きのみで身体がトップポジションからボトムポジションへ、ボトムポジションからトップポジションへ移行することが重要となります。これにより腰ではなく腹筋に正しく刺激が入ります。腰主導で腹筋ローラーを実施すると、腰痛の原因にもなりますので注意しましょう。
腹筋は、他の部位とはやや異なり、姿勢が悪いと(猫背のときに)負荷が入りやすいといわれています。このため、上半身から下半身までを一直線にするというよりは、ややお尻が上がった状態(身体を「くの字」にする)にすると、常に腹筋に負荷が入ります。
また、腹筋ローラーは文字通り腹筋を鍛えるトレーニングですが、副次的に色々な部位に刺激が入ります。そのため、難しいのですが、しっかり腹筋に意識を集中させて実施する必要があります。
腹筋ローラーの効果を上げるポイントとして、手首を掌屈させることが挙げられます。「掌屈(しょうくつ)」とは、手首を手のひらの方向に折り曲げることを指します。反対に手の甲の方に折り曲げることを「背屈(はいくつ)」といいます。
これは腹筋ローラーの持ち方を表しています。腹筋ローラーを実施した際、背屈で腹筋ローラーを握ると腹筋ローラーに力を伝えるのが難しく、うまく身体を支えることができません。身体を支えられないと、ボトムポジションで顔から崩れ落ち、怪我をしてしまう可能性が高まります。
腹筋ローラーは、足と腹筋ローラーだけで身体を支えるため、肘(ひじ)が伸び切っていると身体をうまく支えることができません。肘を痛めたり、顔から崩れてしまい怪我をする可能性もあります。肘を少し曲げる意識をもつようにしましょう。
肘を少し曲げて腹筋ローラーの所定部分を持ち、ローラーとつま先(両足のつま先は互いが接するくらいの位置関係が教科書的です)で身体を支える姿勢になります。慣れていないと、この姿勢だけでも相当きついです。
トップポジションは、ローラーがだいたい顎(あご)の真下にくるよう設定し、目線は床に向けます。このとき、上半身は床と平行、下半身は膝が少し曲がる程度に自然に設定します。
この状態からゆっくりとローラーを動かして、鼻が床に付くか付かないか位までゆっくり上体を下げていき(ボトムポジション)、そこからローラーを身体がトップポジションにくるまで戻します。
初心者の方は、膝(ひざ)をつけて床につけて腹筋ローラーを実施します。通称「膝コロ」です。
教科書的な腹筋ローラーの使い方は、つま先立ちになって腹筋ローラーを行いますが、初心者の方には負荷が高すぎます。ローラーと下半身を支える部分の距離が大きいためで、これではボトムポジションにもっていくことができない、またボトムポジションにもっていってもトップポジションに戻れないという問題が発生します。
膝立ちにすれば、腹筋ローラーと下半身を支える部分との距離が短くなり、初心者の方でも実施可能です。膝立ち腹筋ローラーは、上級者レベルになっても非常に有効なエクササイズであり、まさに全ての方にオススメできる腹筋のエクササイズといえます。
身体をトップポジションからボトムポジションまでもっていき、トップポジションに戻さずゆっくり倒れる超初心者向けの腹筋ローラーを「膝コロン」といいます。
上級者向け腹筋ローラーには、台を使いつま先を床よりも高い位置に設定するものがおすすめです。このやり方では、ボトムポジションでは身体が一直線に近い状態になり腹筋が伸展し、身体を維持するのがとても難しくなります。また、ボトムポジションからトップポジションに戻すときも大きな負荷がかかります。
上級者向けとしてよく紹介される、立った状態から腹筋ローラーを実施する「立ちコロ」ですが、上述した通り、可動域を広く取りすぎてトップポジション(立った状態)で刺激が完全に抜けてしまうので、あまりおすすめできません。
もう一つの上級者向けのやり方に、背中に重りを載せるパターンもあります。背中に載せる重りの重さが大きいほど負荷が大きくなります。この方法はとても単純ですが、腹筋ローラーの負荷を高めるためには非常に有効です。実施する上での欠点として、一人ではできず、ペアになって相手の方に重りを載せてもらう必要があります。
以上の「重りを載せると負荷が高まる」ということですが、言い換えれば「体重が重い人ほど腹筋ローラーを行うことは困難になる」ということも表しています。腹筋ローラーを実施していくなかで自身の体重によって練度に差が出てしまう原因の一つです。
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