脂性(オイリー)肌の方におすすめの洗顔料を、国内人気アイテムから、日本ではまだあまり知られていない海外ブランドまで、幅広く紹介していきます。脂性肌の方向けの洗顔料の選び方も解説します。
脂性肌とは、皮脂量も水分量も多い肌質のことを指します。オイリー肌やオイリースキンともいいます。
肌の表面はしっとりみずみずしいものの、顔全体に脂っぽさやテカリを感じます。Tゾーン(額・鼻筋)は特に皮脂量が多く、毛穴が比較的大きいため、肌のキメが粗く見えてしまいます。脂性肌の方に多い肌トラブルは、ニキビや吹き出物、毛穴の開き、毛穴詰まりなどです。
自分では脂性肌だと思っていても、実は乾燥型脂性肌(隠れ乾燥肌)の方が多くいます。肌が乾燥していると、それ以上水分を減らさないよう肌が余分な油分を分泌してしまうことが原因です。肌はオイリーなのに、つっぱる感じがある人は「乾燥型脂性肌」です。
脂性肌、乾燥型脂性肌ともに、皮脂の分泌量は多いため、洗浄力の高い洗顔料がおすすめです。
乾燥型脂性肌の方は、乾燥しやすい部位の洗いすぎに注意しながら、特に皮脂の分泌が多い部位をしっかりと洗顔することが必要になります。そして、洗顔後のスキンケアで保湿力の高い化粧品や乳液を使って水分を補給することが大切です。
洗浄力の強さは、主に洗顔料に配合されている界面活性剤の種類と量で決まります。一般的に「アルカリ性」の洗顔料は洗浄力が高く、「アミノ酸系」の洗顔料は洗浄力がマイルドといわれています。
脂性肌の方でも、もちろん保湿は重要です。保湿をしないと、肌の水分が蒸発し乾燥の原因となってしまいます。保湿ケアはクレンジング後の化粧水や乳液がメインですが、保湿成分が配合されたクレンジング剤もありますので、積極的に取り入れましょう。
洗顔料によく使用される主な保湿成分にはグリセリン、スクワラン、ヒアルロン酸などがあります。
ただし、洗顔の主目的は汚れを落とすことで保湿ではありませんので、保湿成分にはそこまで神経質になる必要ないといえます。
洗顔料の中には、肌悩みに特化した商品も存在します。
例えば、乾燥やニキビ、毛穴づまり、敏感肌、エイジングケアなどです。特に乾燥やニキビ、敏感肌特化の洗顔料は、低刺激で肌負担が低いものが多いです。
毛穴ケアは洗浄力が高いものや、クレイ、スクラブなどが配合されている洗顔料がおすすめです。毎日の洗顔とは別に、週1〜2回クレイパックや酵素洗顔などの毛穴スペシャルケアを行うことで、毛穴トラブルが改善しやすくなります。
ニキビケアには、サリチル酸などの殺菌成分が配合されている洗顔料がおすすめです。ただし、成分やニキビの状態によっては刺激が強いと感じる場合もありますので、不安な方は一度皮膚科などの専門医に相談するとよいでしょう。
ただし、洗顔料だけで肌悩みが改善することは難しいため、洗顔後のスキンケアアイテムも、肌悩みに特化したものを選ぶとよいでしょう。
洗顔料の機能性に注目するのもよいでしょう。例えば、泡で出てくるポンプ式であれば、泡立てる手間が省けるため時短になり便利です。また、スクラブ入りの洗顔料であれば、ピーリング効果もあるので、洗顔と同時に毛穴ケアや角質ケアが可能になります。
洗顔は毎日行うスキンケアですので、自身が好みの香りの洗顔料を選ぶとよいでしょう。化粧品の香料が苦手な方や、香料にアレルギーがある方は無香料の洗顔料を選びましょう。ただし、無香料だからといって、まったく香りがしないというわけでなく、原料の香りを感じることもあります。
また、洗顔料はたっぷり泡立てて使うことで、摩擦を防ぐことができます。したがって、洗顔料と合わせて使うとよいのが泡立てグッズです。泡立てが苦手な方や使用している洗顔料が泡立ちにくい場合(アミノ酸系の洗顔料など)は、泡立てネットなどを使用するとよいでしょう。最近は、洗顔料専用の泡立て器も人気です。
KANEBO(カネボウ)は、株式会社カネボウ化粧品が運営する百貨店向けのブランドです。
この商品は、洗顔としてもクレイパックとしても使用できる洗顔料です。洗浄成分としてモロッコ溶岩クレイが配合されており、余分な皮脂や角質、汚れをぴたっと吸着してすっきりと落とします。また、保湿成分としてローズヒップオイル(カニナバラ果実油)やグリセリンが配合されており、つっぱり感のないなめらかな肌に仕上げます。
特に脂性肌の方で毛穴汚れに悩む方におすすめです。
KANEBOのクレンジングオイル「カネボウ インスタント オフ オイル」とのライン使いがおすすめです。
ラ・ロッシュ・ポゼは、1975年に誕生した敏感肌のためのスキンケアブランドです。
この商品は、ニキビをできにくくするスキンシリーズ「エファクラ」の洗顔料です。サリチル酸配合で毛穴のつまりの原因となる皮脂や汚れ、古い角質をしっかり落とし皮膚のざらつきを減らして皮膚を引き締めます。油分が多い人でも保湿は大切です。この商品は保湿成分であるグリセリンが配合されているので、しっかりとした洗浄力がありながらも皮膚を乾燥させることなく柔らかに洗い上げることができます。
パラベンフリー、アルコールフリー、オイルフリーです。また、皮膚科医の協力のもとテスト済み*、ニキビができやすい肌でテスト済み**です。
*全ての方に肌トラブルが起きないというわけではありません。
**全ての方にニキビの元ができないというわけではありません。
同シリーズの化粧水には「エファクラモイスチャーバランスローション」、保湿クリームには「エファクラH」、保湿ジェル「エフェクラマット」があります。
ドランクエレファントは、2021年10月に日本に上陸したばかりのアメリカのスキンケアブランドです。
この商品は、クレンジングと洗顔の両方の機能を果たす洗顔料です。ココナッツベースの界面活性剤を含む植物性洗浄成分で、肌のバリア機能を守りながら、メイクアップ汚れや日焼け止め、不要な皮脂、大気汚染物質などを落とします。オメガ6とオメガ9を含むバージンマルラオイルやカンタロープエキスなどの抗酸化成分も配合されています。また、保湿成分としてグリセリンやイボメロン果実エキスが配合されており、洗顔後はやわらかい肌になります。
エッセンシャルオイルフリー、シリコンフリー、無香料、ヴィーガン、クルエルティフリーです。
この商品は、ジェル状の洗顔料で、そのまま使用します。洗い流す前に少量の水を加えて泡立てます。
この洗顔料はクレンジング機能もありますが、よりしっかりメイクを落としたい方は、同ブランドのクレンジングバーム「スレイ メイクアップ メルティング バタークレンザー」がおすすめです。
クレ・ド・ポー・ボーテは、資生堂の最高級ブランドです。
この商品には、角層にある細胞間脂質の整列性を高めることで、肌のバリア機能を整える独自技術「レジロックテクノロジー」や、肌のうるおいを守りながら選択的に汚れを取り除く独自技術「インテリジェントクレンジングテクノロジー」など資生堂の様々な技術が採用されています。さらに、独自の保湿・整肌成分として「スキンイルミネイター」や、保湿成分Wヒアルロン酸(ヒアルロン酸Na、アセチルヒアルロン酸Na)が配合されており、うるおいを残しなめらかな肌へと導きます。
天然由来の細かなスクラブ粒子やアミノ酸を含んだきめ細かく上質な泡が肌を優しく包み込み清らかな肌へ洗い上げます。
アレルギーテスト済み*、ニキビの元になりにくい処方**です。
*全ての方にアレルギーが起こらないというわけではありません。
**全ての方にニキビができないというわけではありません。
同ブランドのクレンジングには、クリームタイプやリキッドタイプのクレンジング剤が、ポイントメイク落としには「デマキアン Y L」があります。
キールズは、米国ニューヨークでアポカセリー(調剤薬局)として始まったブランドです。
この商品は、汚れや油分など不純物を徹底的に除去し、清潔でみずみずしい肌に仕上げることができる洗顔フォームです。ふんわり軽い泡立ちで汚れや皮脂をやさしい感触で落とすことができます。整肌成分としてレモンエキスが含まれています。レモンは天然フルーツ酸・ビタミンCを多く含み、そのエキスや皮を圧搾した精油には肌の引き締め作用があり、肌をさっぱりと整え健やかに保ちます。また、カリウムを豊富に含むチガヤ根エキスが入っているので、乾燥した肌に潤いを与えて持続させることができます。
パラベンフリー、香料フリーです。
カバーマークは、ピアス株式会社が運営する日本のブランドです。元々ベースメイク(ファンデーション)に特化していましたが、ファンデーションをしっかり落とすクレンジング商品にも定評があります。
この商品は余分な角質や毛穴の汚れをとり、余分な皮脂を吸着してミネラルの働きで肌を保湿し化粧のりの良い肌へ導くクリーム洗顔です。主要成分としてモロッコ溶岩クレイが配合されています。ミネラルを多く含む微粒子クレイが、余分な角質や毛穴の汚れ・老廃物を肌に与えず吸着し、つるんと透き通った明るい肌に導きます。また、保湿成分としてグリセリンとセラミド3を配合しているので、洗い流したあとに肌表面に保護膜を形成し、肌の潤いを守ってなめらかに整えます。
付属のスポンジを使って、簡単に濃密な泡を立てることが可能です。
同ブランドのクレンジングには「トリートメント クレンジング ミルク」があります。クレンジングミルクは、ブランドの人気商品です。
クリニークは皮膚科学から生まれた化粧品ブランドです。低刺激でありながら肌本来のすこやかさを引き出すことができます。
この商品は、肌の潤いはしっかり守りながら汚れをスッキリ洗い流すことができる洗顔料です。洗浄成分としてココイルサルコシンNa、ココイルグルタミン酸TEAが含まれています。これらは肌にやさしいアミノ酸系の洗浄成分ですが、洗浄力は比較的高めなので脂性肌の方におすすめです。また、天然のスクラブであるスクロースが古い角質などを取り除き、洗い上がりも突っ張り感もなくしなやかに肌を整えます。
クリニークの商品は、肌に刺激を与える要因となる、パラベン(防腐剤)、フタル酸エステル、香料は使用しておりません。また、アレルギーテスト済み*です。
*全ての方にアレルギーが起きないというわけではありません。
同ブランドのクレンジングには、バームタイプなどのクレンジング剤があります。また、ポイントメイク落としもあります。
ダーマロジカは、アメリカ発のプロフェッショナルスキンケアブランドです。スキンケアセラピスト養成学校から始まったブランドです。
この商品は、高い洗浄力で皮脂や汚れを取り除き肌を健やかに導く、オイリースキンに欠かせないクレイクレンザーです。ミネラル豊富なクレイや炭が含まれており、過剰な皮脂を取り除き肌の汚れをすっきり吸着します。また、アロエエキスやブロッコリーエキスなどの植物由来の保湿成分も含まれているため、肌に潤いを与え肌の油分と水分バランスを保つことができます。
鉱物油、合成香料、合成着色料フリー、パラベンフリー、グルテンフリーで、動物実験非実施、ヴィーガンフレンドリーです。
洗顔料は、オイルフリーの保湿剤「アクティブモイスト」がおすすめです。
Cerave(セラヴィ)は、アメリカのスキンケアブランドで、皮膚科医と共同開発されています。海外では人気の高いブランドで、ドラッグストアなどで手軽な価格で購入ができます。Ceraveの商品にはすべて3種類のヒト型セラミド(セラミド1、3、6 II)が配合されています。セラミドは肌にもともと存在する天然の脂質成分で、水分が蒸発して乾燥するのを防ぎます。セラミドが不足すると、乾燥や肌荒れなどを引き起こしてしまいます。セラミドは加齢とともに減少し、減少してしまったセラミドを体内で生成するのは難しく、外から補う必要があるといわれています。
この商品は、クレンジング機能も兼ね備えた洗顔料です。肌に負担をかけずに不要な皮脂や汚れ、メイクを落とします。3つの必須セラミドやヒアルロン酸、ナイアシンアミドが配合されており、肌のバリア機能を回復させ、うるおいのある肌へと導きます。
この商品は、ノンコメドジェニック処方、無香料です。
ジェル状の洗顔料で、泡立てずに使用します。(摩擦を避けるために泡立てての使用を推奨します。)
Tatcha(タッチャ)は2021年9月に日本に上陸したばかりの、アメリカのブランドです。創業者が初めて日本を訪れた際に、京都の舞妓の美容習慣にインスピレーションを受けたのがきっかけとなりました。
この商品は、「米ぬか洗顔」から着想した洗顔料です。米ぬか洗顔とは、米ぬかを使った洗顔のことで、日本の伝統的美容法です。米の研ぎ汁で手が絹のように美しくなることに気づいた日本人が洗顔に使うようになったのが起源といわれています。
パウダーの約3分の1は食用の米粉を使用していて、保湿をサポートしながら不要な汚れを落とします。
また、Tatchaの独自成分HADASEI-3が配合されています。HADASEI-3は、たんぱく質を多く含むあきたこまち、カテキンやビタミン類を豊富に含む宇治の緑茶、肌の水分保持と再生に不可欠な多糖類を豊富に含む沖縄産の海藻を主成分に最新の発酵技術によって引き出されたフォーミュラです。
さらに、米ぬかエキスや国産アコヤ真珠由来エキス、シルクプロテイン(セリシン、加水分解シルク)が配合されており、磨き上げられたように艷やかで潤いに満ちた肌に導きます。
鉱物油フリー、合成香料フリー、フタル酸フリー、パラベンフリーです。動物実験は行っていません。
パウダー状の洗顔料で、泡立てて使用します。
オリジナルの洗顔ブラシとお椀を使って、茶道のお点前のように泡を立てることもおすすめです。
First Aid Beauty(ファーストエイドビューティー)は、アメリカのスキンケアブランドです。こちらも海外では非常に人気の高いブランドです。
First Aid Beautyの商品は、肌に優しいクリーンな成分のみで作られています。(合成香料やエタノールなどを含む1,300以上の成分を一切使用していません!)そのため、敏感肌の方でも安心して使用いただけます。また、100%クルエルティフリーのブランドで、PETA認証を獲得しています。
この商品に配合されているレッドクレイには、肌の不純物を吸着して毛穴詰まりを解消し、余分な皮脂の分泌を抑える効果があります。FAB抗酸化ブースター(甘草根、ナツシロギク、ホワイトティー)が、外的環境によるダメージから肌を守るといわれています。さらにこの洗顔料には、抗菌作用があるローズマリーリーフエキスとや保湿効果があるグリセリンも配合されています。
この商品は、以下の成分を使用しておりません。
アルコール、人工着色料、人工香料、ラノリン、ミネラルオイル、パラベン、ペトロラタム、フタル酸塩、プロピレングリコール、硫酸塩、タルク、ホルムアルデヒド、オキシベンゾン、コールタール、ハイドロキノン、トリクロロカーボン、エタノール、エチルアルコール
またこの商品は、ヴィーガン、グルテンフリー、クルーエルティフリー、フレグランスフリー、パラベンフリー、ソイフリー、ナッツフリー、ナノフリーで皮膚科医テスト済みです。
The Ordinar(ジオーディナリー)は、カナダのスキンケアブランドです。スキンケア成分1つ1つにスポットをあてたアイテムの中から肌悩みに合わせて商品を選ぶことができます。
この商品は、クレンジングと洗顔ができるクレンジング剤です。スクワランなどの親油性エステルが配合されています。スクワランは、人の皮脂の成分に似た構造のため、肌なじみがよいといわれています。肌にうるおいを残しながら、メイクなどの汚れをしっかりと落としてくれることが期待できます。
アルコールフリー、オイルフリー、ソープフリー、シリコンフリー、ナッツフリー、グルテンフリーです。
また、ビーガン、ノンコメドジェニック、クルエルティフリーです。
この商品は、毛穴を小さくすることが期待できるクレンジングクレイマスクです。
アマゾンホワイトクレイの高い吸収力で肌から不純物を取り除き、毛穴や黒ずみの詰まりを解消して目に見えて洗練された滑らかな肌へ導きます。また、保湿効果をもつアロエベラ液汁配合により肌を柔らかくします。
パラベンフリー、香料フリー、シリコンフリー、鉱物油フリーです。
洗顔後、目の周りを避けて毛穴の汚れが気になる箇所に適量を均一に伸ばし10分程度おき、マスクが乾いたら洗い流します。
毎日使いには同ラインの「キールズ レアアース ディープ クレンザー」がおすすめです。
かずのすけ, 白野実(2019)『美肌成分事典』主婦の友インフォス
上原恵理(2021)『医者が教える 人生が変わる美容大事典』KADOKAWA
永松麻美(2021)『正しい知識がわかる 美肌事典』高橋書店
すみしょう(2021)『最短で美肌になるために知っておきたい スキンケア大全』KADOKAWA
久光一誠(2021)『効果的な「組み合わせ」がわかる 化粧品成分事典』池田書店
川島眞, 川田暁, 神田吉弘, 世喜利彦, 能﨑章輔(2018)『美容の科学』じほう
宇山侊男, 岡部美代治, 久光一誠(2020)『化粧品成分ガイド 第7版』フレグランスジャーナル
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