ワイドスクワットは、実施していると足が十分に開かないことがあります。今回は、ワイドスクワットで足が開かない原因とその対策についてご紹介します。
ワイドスクワットは英語「wide squat」が語源で「広いスクワット」という意味です。この言葉から分かる通り、脚幅を広く設定して実施するスクワット種目を指します。
通常のスクワットは脚幅を肩幅程度に開いて実施しますが、ワイドスクワットはその1.5〜2倍程度の広さに設定して実施するスクワットです。肩幅の2倍は想像以上にワイドで、「やや脚を広げたノーマルスクワット」にならないようにしましょう。
通常のスクワットと比較して、可動域は大きく取れませんが(通常のスクワットほど腰が下がらない)、股関節を開いていることからしゃがみやすく、初心者の方や女性の方にオススメのエクササイズになります。
ワイドスクワットを実施する際に、内転筋や股関節の柔軟性が不足しているとワイドスクワットで足が開かない原因になり得ます。
ワイドスクワットを実施するにあたり、多くの人は足を開くことはできるかと思いますが、問題になるのが、その状態で身体の上げ下げをできるかどうかという点です。このとき、内転筋や股関節の柔軟性が足りていないと、しっかりと下げることができず、結果として足幅を狭めてワイドスクワットを実施してしまう可能性があります。
この場合、内転筋や股関節の柔軟性を改善するためのストレッチを実施します。例えば、インナーサイは両者を改善するのに非常に有効な種目であるため積極的に取り入れるのがおすすめです。
ワイドスクワットを実施する際に、つま先の向きが悪いとワイドスクワットで足が開かない原因になり得ます。
前述したように、ワイドスクワットで足を開くことは多くの人にとって可能ではありますが、問題はその状態で身体の上げ下げをできるかどうかです。ワイドスクワットを実施する際に、つま先の向き設定が悪いと、股関節が閉じた状態になりワイドスクワットを実施するのが困難となるため、結果として足幅を狭めてワイドスクワットを実施してしまう可能性があります。
この場合、つま先をしっかりと外側に向けるようにします。つま先の角度を45度か、それ以上に設定するとワイドスクワットを実施する際に、しっかりと身体を下げることができ、結果として足幅を広く設定することが可能となります。
ワイドスクワットを実施する際に、股関節を怪我していると足が開かない原因になり得ます。
股関節は、一度怪我をすると場合によっては完治しない可能性もあるため、怪我をしたら非常に慎重になる必要があります。
このため、股関節に痛みを感じた場合には、ワイドスクワットの実施を辞めることはもちろんですが、場合によっては病院の受診も検討しましょう。
初心者は、ワイドスクワットを10〜12回3セット実施します。
ワイドスクワットは、足を開いて実施する種目であることから通常のスクワットよりも実施しやすいケースが多いです。ですが、筋トレ初心者ということでまずはフォームをしっかり確認するという意味でも、一般的な筋トレにおける標準的な回数よりもやや少ない10〜12回3セットを目標に実施する様にしましょう。
ワイドスクワットに少し慣れてきたら、ワイドスクワットを12〜15回3セット実施します。
ワイドスクワットは慣れてくると、主に大腿四頭筋の発達により10〜12回3セットでは負荷が足りなくなることを感じます。そのため、初心者のときよりも回数をやや増やして、12〜15回3セットを実施するようにしましょう。
上級者の場合、バーベル、ダンベル、ケトルベルで負荷を高めて実施しましょう。
上級者の場合、自重で実施するワイドスクワットに加えて、バーベル、ダンベル、ケトルベルで負荷を高めた状態でワイドスクワットを実施します。この場合には、重量設定が非常に重要であり、基本的には10〜12回3セット実施できる重量設定で実施しましょう。
ワイドスクワットを実施する上で、後述するようにしっかりとしゃがむことが重要です。
しゃがむ動作には、股関節が大きく関与しており、股関節が閉まった状態だとしゃがみづらく、一方で股関節が開いた状態だとしゃがみやすいという特徴があります。 一般的に、スクワットでは両脚を平行に設定しがちですが、そのようにすると股関節がしまった状態になり、しゃがみ辛くなってしまいます。
これを防ぐために、つま先はやや外側に向けるように設定し、股関節がやや開いた状態で実施するのがおすすめです(逆に、つま先を開き過ぎると、股間節を怪我する原因となるため注意が必要です)。
ワイドスクワットは非常に負荷の高いエクササイズですが、下半身は通常のスクワットと同様に負荷が抜けやすいエクササイズでもあります。
この理由の1つとしてトップポジション(身体が最も高い位置にある状態)の設定にあります。ワイドスクワットでは、身体を上げる際に、大腿四頭筋を少しでも楽にするために膝を伸び切った状態を作りがちですが、このようにすると大腿四頭筋へ負荷が全く入っておらず、トレーニング的にはNGです。
トレーニングの基本は、「動作中すべての可動域で筋肉に負荷を与え続ける」という点であるため、これに倣うならばワイドスクワットにおけるトップポジションでも負荷が入るように設定する必要があります。すなわち、膝は伸ばし切るのではなくやや曲げた状態をトップポジションに設定し、その場所で切り返すことが重要です。
ワイドスクワットを実施する上で、怪我をしやすいのが膝に加えて腰です。 特に、ワイドスクワットでダンベル、バーベル、ケトルベルを用いて実施する場合に注意が必要です。
ワイドスクワットで腰を怪我するメカニズムは、重量を扱いすぎることで、ボトムポジションからトップポジションに戻る際に上半身を煽ってしまうことです。このようにしてしまうことで、腰に曲げの負荷がかかることになり、腰を痛める原因になります。 そのため、後述するように、重量設定もそうですが、きちんと背中を張ることを意識する必要があります。具体的には、肩甲骨をしっかりと寄せることで胸を張った状態を作りだすことで、背中を張ります(身体が少し「窮屈」と感じるくらいに設定するのがポイントです)。
ワイドスクワットは、膝を曲げて身体を下げるエクササイズであることから、膝から先に動かしたくなりますが、通常のスクワットと同様にむしろ臀部から動かすように意識すると正しいフォームに近づきます。
膝を先に動かそうとすると、どうしても膝に負担がかかりやすくなる傾向があるため、まずは臀部から動かすことを意識するようにしましょう。
ワイドスクワットは、バーベル、ダンベル、ケトルベルを使用することで負荷を高めることを期待できます。
ワイドスクワットは通常、自重で実施する種目であることから、単独で実施してもそれほど負荷は高くなりません。ここで、バーベル、ダンベル、ケトルベルを使用すれば、擬似的に体重が増えた様な状態になるため、負荷を高めることを期待できます。
バーベルワイドスクワットは以下の様に実施します。
ダンベルワイドスクワットは以下の様に実施します。
ケトルベルワイドスクワットは以下の様に実施します。
以上の種目は、バーベルワイドスクワットのエクササイズ強度が最も高く、ダンベルワイドスクワットとケトルベルワイドスクワットのエクササイズ強度はほぼ同様です。
ワイドスクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、内転筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での内転筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ワイドスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ワイドスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ワイドスクワットでは、身体を下ろすときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ヒップリフトは10〜12回3セット実施します。
ヒップリフトは、大臀筋のエクササイズの中では比較的難易度が低く、初心者や女性の方でも無理なく実施できるエクササイズです。ただし、腰痛を防ぐためには通常よりも少ない回数を実施する必要があり、10〜12回3セットを目標に実施する様にしましょう。
トップポジションで静止する。
お尻を下げすぎない。
大臀筋の動きを意識する。
スクワットは、12〜15回を3セット実施します。
スクワットを自重で実施する場合には、そこまで負荷が高くないため、トレーニング初心者の女性の方でもこれ以上の回数を実施できることもあり、比較的余裕のある回数設定になっています。その分、後述するポイント・コツをしっかり意識しながら実施することが重要であり、それを意識できていないと、回数が少ない分だけ負荷が弱くなります。
トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
上半身の床に対する角度を意識する。
身体を床に対してぎりぎりまで下げる。
脚を大きく出しすぎない。
手は太ももの上に乗せない。
ボトムポジジョンで静止する。
「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。
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