ワイドプッシュアップは、意識によっては上腕二頭筋も鍛えることも期待できます。今回は、上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップのやり方及びコツについてご紹介します。
ワイドプッシュアップは、主に大胸筋を鍛えるための種目ですが、意識の仕方によっては上腕二頭筋を鍛えられないこともありません。
上腕二頭筋は、いわゆる、力コブと形容される部位であり、一般的にはワイドプッシュアップで鍛えることは難しいです。ただ、ワイドプッシュアップでは、上腕二頭筋と拮抗筋(きっこうきん)の関係にある上腕三頭筋を鍛えられることから、意識の方法によっては上腕二頭筋を鍛えることも可能です。
具体的には、動作の中で上腕二頭筋を稼働することを意識します。
ただ、ワイドプッシュアップで上腕二頭筋に対する負荷は限定的であることから、上腕二頭筋をメインで鍛えたい場合は他の筋トレも実施することをおすすめします。
筋トレ初心者は、上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップを6〜8回3セット実施します。
上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップは、通常あまり筋肉のない上腕二頭筋をメインターゲットとして稼働するため、筋トレ初心者は中々実施することが難しいです。そのため、まずはフォームをしっかり確認するという意味でも、まずは6〜8回3セット実施しましょう。
上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップに少し慣れてきたら、8〜10回3セット実施します。
上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップは慣れてくると、上腕二頭筋の発達により安定して実施することを期待できます。そのため、上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、8〜10回3セット実施するようにしましょう。
筋トレ上級者の場合、上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップを実施する際には、その他の上腕二頭筋を鍛える種目と組み合わせて実施します。
筋トレ上級者が上腕二頭筋を鍛えるワイドプッシュアップを実施する場合には、ウォーミングアップ種目として実施します。本番種目としてダンベルコンセントレーションカール,EZバーカールなどを実施するのがおすすめです。この場合、ワイドプッシュアップを12〜15回を実施し、ダンベルコンセントレーションカール,EZバーカールを10〜12回3セット実施しましょう。
ワイドプッシュアップでは、その他のエクササイズと同様に大胸筋に負荷が入っている中で実施する必要があります。そのためには、トップポジションで肘を伸ばし切らないようにする必要があります。
トップポジションで肘を伸ばし切ってしまうと、確かに大胸筋が外側から収縮させるようにすることができますが、前述した「肩甲骨を寄せる」ということを意識しづらくなります。そのため、ワイドプッシュアップではトップポジションにおいて肘をやや曲げておく必要があり、そのようにすることで大胸筋に常に負荷が入った状態になります。
以上は大胸筋を鍛えるためのテクニックですが、上腕二頭筋を鍛える際にも有効です。
ワイドプッシュアップを実施する際に、上腕二頭筋に効率的に負荷を与えるためには上半身から下半身までを一直線にする必要があります。この様にすることで、上腕二頭筋を稼働して動かす部分が増大することに伴いエクササイズ強度が増大するためです。
通常のプッシュアップと同様に、ワイドプッシュアップでは上半身と下半身の接続部である臀部が下方に落ちやすくなります。このようになってしまうと、上腕二頭筋で動かす部分は上半身だけになってしまい、エクササイズ効率が低下するため注意が必要です。
特に、筋トレ初心者の場合には上半身から下半身までを一直線に保つのは非常に難しいことが多いです。そのため、鏡を見ながら実施したり、ビデオで撮影したり、第三者にアドバイスをもらって実施するのも有効です。
ワイドプッシュアップに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、上腕二頭筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ワイドプッシュアップに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ワイドプッシュアップに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。ワイドプッシュアップでは、身体を下げるときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐きます。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ダンベルコンセントレーションカールは12〜15回を3セット実施します。
ダンベルコンセントレーションカールは、上腕二頭筋を鍛えるとなった場合に最も知名度の高いエクササイズです。肘を大腿に固定して実施する分、実際には重量を扱い辛く、12〜15回を丁寧に実施できる重量設定にしましょう。
上半身は真っ直ぐではなく、下半身に覆い被さるようにする。
小指を内旋(スピネイト)させる。
上腕二頭筋短頭の収縮を意識する。
ボトムポジションでできるだけ、肘をロックしない (真っ直ぐにしない)。
ダンベルを重くしすぎない。
ダンベルインクラインカールは10〜12回を3セット実施します。
ダンベルインクラインカールは、上腕二頭筋を鍛えるエクササイズです。上腕二頭筋のエクササイズの中では、上腕二頭筋を伸展させて鍛えることができる貴重な種目です。慣れると高重量を扱えるようになりますが、伸展させて鍛えるということから推察される通り、非常に怪我をしやすい種目でもあります。このため、10〜12回を無理なく実施できる重量で丁寧に実施するようにしましょう。
ダンベルを上げ過ぎない。
ボトムポジションでできるだけ、肘をロックしない(=真っ直ぐにしない)。
小指を内旋させる。
ボトムポジションでも小指をやや内旋した状態にする。
肘を動かさない。
片手ずつ実施してもよい
EZバーカールは、8〜10回を3セット実施します。
EZバーカールは、上腕二頭筋、上腕筋を鍛えるためのパワー種目です。ハンマーカールほどではありませんが、チーティングは比較的難しいです。ただし、パワー種目であることを考慮して、8〜10回をしっかりとできる重量を選択して実施するようにしましょう。
バーベルを下げすぎない。
身体を煽りすぎない。
高重量を扱わない。
しっかり握る。
手首を掌屈させた状態にする。
バーベルを下げるときはゆっくり動かす。
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