ラットプルダウンは、実施していても効果が出ないと感じることがあります。今回は、ラットプルダウンで効果がでない原因とその対策についてご紹介します。
ラットプルダウンは英語で「lat pull down」で、「広背筋を引き下ろす」ことを意味する種目です。ちなみに、「lat」は「latissimus dorsi 」で、「広背筋」を意味しますが、基本的には「lat」もしくは「lats」と表記することが多いです。
ラットプルダウンは、マシンを用いて実施する広背筋の種目の中で最も一般的な種目の一つです。エクササイズ難易度はそこまで高くはないものの、エクササイズ効率が非常に高いことから、筋トレ初心者から上級者まで全ての方におすすめできる種目です。
ラットプルダウンを実施する際に、アタッチメントを引き切っていないと効果が出ないと感じる原因になり得ます。
ラットプルダウンで最も重要なのは、肩甲骨を動かすことですが、肩甲骨を動かすことはある程度筋肉量がないと意識することが難しいです。この問題に対して、アタッチメントを引き切ることで肩甲骨を寄せることができるため、以上を言い換えると、アタッチメントを引き切っていないと肩甲骨が動いておらず、ラットプルダウンで効果が出ないと感じることがあります。
この場合、ラットプルダウンでアタッチメントをしっかり引き切るようにします。そのためには、適切な重量設定を意識することも重要です。
ラットプルダウンを実施する際に、適切な重量設定ができていないと効果が出ないと感じる原因になり得ます。
ラットプルダウンでは、前述したように肩甲骨を動かすことが重要であり、そのためには重量設定が重すぎないようにすることが重要です。一方で、重量設定を軽くすると、そもそも広背筋が大きい筋肉であることから効果が出ないと感じることがあります。
この場合、自身の適切な重量を探します。目安としては、やや上半身を煽っても良いので、12〜15回3セット実施できる重量を探しましょう。
ラットプルダウンを実施する際に、胸を張れていないと効果が出ないと感じる原因になり得ます。
ラットプルダウンでは、アタッチメントを引き切ったときに広背筋がしっかりと収縮する必要があり、そのためにはそもそも海老反りの状態を作っておく必要があります。ラットプルダウンで海老反りの状態を作るためには、胸を張る必要があり、以上を言い換えると胸を張らないでラットプルダウンを実施すると効果がでないと感じることがあります。
この場合、しっかりと胸を張るようにします。特に、筋トレ初心者の場合には、フォームをビデオで撮影したり、第三者にアドバイスをもらいながら実施するのも有効です。
代謝は「活動代謝」「食事誘発性熱産生代謝」「基礎代謝」の3つに分類することができます。
活動代謝は、身体を動かすことでエネルギーを代謝することを指し、筋肉量が多いと活動代謝は改善します。食事誘発性熱産生代謝は、食事を摂取することでエネルギーを代謝することを指し、摂取する食べ物に依存します。基礎代謝は、呼吸したり心臓を動かしたりする際にエネルギーを代謝することを指し、寝ていても座っていても消費されるエネルギーを指します。
片手で実施するラットプルダウンで広背筋を鍛えるということは、この中でも活動代謝、基礎代謝を改善するということを意味します。このため、広背筋を鍛えることで効率の良い代謝の改善を期待でき、これにより、ダイエット効果を期待できます。
肩もしくは首が凝っているというのは、基本的には何かしらの原因で首から肩にかけての筋肉がこわばっている状態です。筋肉がこわばると、血管を圧迫するため、これにより血流が悪化させるのと同時に、リンパの流れを悪化させます。血流及びリンパの流れは、疲労物質を流す作用があるため、血流が悪化した状態だとこの疲労物質が蓄積し、「肩、首が重い、だるい」といった症状を引き起こしてしまいます。
以上のような肩こり、首こりが発生している際には、肩や首をもみほぐす、もしくはトレーニングを行うことで血流改善をすることが有効とされているケースが多いですが、実は背中をほぐすのも有効です。広背筋は背中の大部分をカバーしていることから、ストレッチをすることで背中の大部分をほぐすことを期待できます。これにより、広背筋が柔軟性を取り戻すことで血管の圧迫、リンパの流れを改善し、肩こり、首こりの改善を期待できます。
「姿勢が悪い」というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。
一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生していることが多く、姿勢の改善を行うためには、まず猫背の改善を行う必要があります。
広背筋が凝り固まっていると、身体の中で筋肉のバランスが崩れ、猫背の原因になります。このため、広背筋をストレッチすることで、凝り固まった広背筋の柔軟性が回復し、筋肉のバランスが改善するため姿勢改善を期待できます。
広背筋は、背中の筋肉の中でも、その名前の如く、「広さ」を改善するために重要な役割を果たしている筋肉です。このため、ボディメイキング的な観点でいうと、広背筋を鍛えることで背中の見栄えを改善することができます。特に、広背筋を鍛えると後ろから見た際に非常に背中が大きく見え、これにより、逆三角形であるようになるため、背中を大きく見せたい方は是非とも鍛えたい筋肉です。
一方で、広背筋を鍛えすぎると、背中が非常に広くなるため、これに伴って、着用することができる衣服も制限される可能性が高くなります。このため、着用する衣服にこだわりがある方は、注意して広背筋を鍛えるようにしましょう。
ラットプルダウンでは、広背筋、大円筋、小円筋、上腕二頭筋を鍛えることができるため、その他の効果として以下を期待できます。
広背筋の柔軟性の改善。
肩の怪我の防止。
背中の見栄え改善。
運動パフォーマンスの向上。
疲労回復効果。
腕の見栄え改善。
筋トレ初心者のラットプルダウンの目安の重量は30 kg程度です (自身の体重にもよります)。
ラットプルダウンは、主に広背筋を鍛えるエクササイズであることから、筋トレ初心者でも比較的高重量を扱うことができます。以上では重量は30 kgと述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて12〜15回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。
ラットプルダウンに少し慣れた方のラットプルダウンの目安の重量は30〜40 kg程度です(自身の体重にもよります)。
ラットプルダウンで鍛える広背筋は比較的サイズが大きい部位であることから、鍛えると比較的早い速度で扱うことができる重量が伸びます。ただし、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では30〜40 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてラットプルダウンを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。
筋トレ上級者のラットプルダウンの目安の重量は100 kg以上です(自身の体重にもよります)。
筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、ラットプルダウンを100 kg以上を扱って正確なフォームで実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確なフォームで実施した場合」の重量です。ラットプルダウンマシンの引きが甘いと高重量を扱うことができるため、きちんと可動域を設定した状態で実施するのがおすすめです。
筋トレ初心者は、ラットプルダウンを10〜12回3セット実施します。
ラットプルダウンは、重量によっては負荷の高い種目ではありますが、広背筋が大きい部位であることか筋トレ初心者でも回数を実施することができます。ただし、フォームをしっかり確認するという意味で、まずは10〜12回3セット実施しましょう。
ラットプルダウンに少し慣れてきたら、12〜15回3セット実施します。
ラットプルダウンは慣れてくると、広背筋の発達により安定して実施することを期待できます。そのため、ラットプルダウンに少し慣れてきたら、初心者のときよりも回数をやや増やして、12〜15回3セット実施するようにしましょう。
上級者の場合、ラットプルダウンを実施する際には、その他の背中の筋肉を鍛える種目と組み合わせて実施します。
上級者がラットプルダウンを実施する場合には、ウォーミングアップ種目として実施します。本番種目として、デッドリフト、バーベルロウなどの重量を扱う種目を実施するのがおすすめです。この場合、ラットプルダウンを12〜15回を実施し、デッドリフト、バーベルロウを10〜12回3セット実施しましょう。
ラットプルダウンで重要なテクニックは肩甲骨を寄せることですが、これを意識することは容易ではありません。
これは、そもそも肩甲骨が目に見えない部分であることから、筋トレに慣れている方でないとそれを動かすことを意識するのは困難であるためです。このことから、背中に意識置かなくても肩甲骨が寄った状態が達成される必要があり、そのためには、肘をしっかりと引くことを意識するのがおすすめです。
肘をしっかり引くと、肩甲骨がしっかりと寄った状態になることから、肩甲骨を寄せることを意識しなくても、肩甲骨が寄った状態を実現可能です。
ラットプルダウンに限らず、背中を鍛えるほとんどの種目において、手首を掌屈させることは非常に重要です。
背中を鍛える種目は、手に握った重りやマシンを引くことで背中に負荷を与えます。このため、背中を鍛えるためにはどうしても握力を関与させる必要がありますが、背中を鍛えるためには握力をあまり関与させない必要があります。そのためには、握力を使わずに重量やマシンを把持する必要があり、この方法として手首を掌屈、つまり、手のひらを手首側に曲げることが有効です。
また、手首を掌屈させると、肩甲骨を寄せることを意識しやすくなるため、後述するマインドマッスルコネクションの観点からもおすすめです。
ラットプルダウンでは、握力を使わないで肩甲骨を寄せる必要があり、そのためには小指と薬指に意識を置くのが有効です。
前述した通り、ラットプルダウンでは、手で握ったラットプルダウンマシンのアタッチメントを介して背中に負荷を与える種目であるため、どうしても腕の筋肉の部位に対する負荷が大きくなります。このとき、親指、人差し指で握るようにしてしまうと、上腕二頭筋に対する刺激が大きくなり、背中に負荷が入りにくくなります。
これを防ぐために、ラットプルダウンでは小指と薬指で引く様に意識するようにしましょう。
ラットプルダウンに限らず、背中を鍛えるほとんどの種目において、胸を張ることが重要です。
ラットプルダウンで胸を張ることで背中が海老反りになったような状態になり、この状態で肘をしっかりと引き込むことで広背筋がしっかりと収縮した状態を実現可能です。これにより、広背筋の収縮をより意識することを期待でき、ラットプルダウンの効果を高めることを期待できます。
ラットプルダウンでは重量を扱うことができますが、重量を扱うにつれて上半身を煽りがちになり、広背筋に対する負荷が低減します。
上半身を煽るということは、上半身を曲げる力を使ってラットプルダウンのマシンを引くということになり、広背筋の力を使っていません。そのため、ラットプルダウンでは、広背筋の力を使って実施できる範囲内で重量を設定し、上半身を煽りすぎないようにして実施するようにしましょう。
ラットプルダウンでは、他の種目と同様に、可動域をしっかりと設定することが重要です。特にラットプルダウンで重量設定が重すぎると、可動域が狭くなることに加えて、怪我をしやすくなります。
基本的に、肘を引き切る必要があり、これは高重量を扱いすぎると設定することが困難になります。また、高重量を扱うと、肘にかかる負担が増大し、肘を怪我することもあります。
だからこそ、自身が扱いきれる重量で実施することが必要で、前述したように12〜15回を3セットぎりぎりできる重量設定にしましょう。
ラットプルダウンに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、ターゲット部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのターゲット部位の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ラットプルダウンに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ラットプルダウンに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ラットプルダウンでは、アタッチメントを引くときに息を吐き、アタッチメントを戻すときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
筋トレ初心者の場合、ワンハンドローイングは12〜15回を3セット実施しましょう。
ワンハンドローイングは、やり方にもよりますが基本的には比較的高重量を扱いやすい種目です。ただし、ワンハンドローイングはフォームが重要であるため、やや軽めの重量で一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
背中を張る。
目線は正面。
ダンベルは床と垂直。
肘をしっかり引く。
ダンベルをやや後方に引くように。
上体の角度。
チンニングは、3〜5回3セットを実施します。
チンニングは、非常に負荷の高いエクササイズであり、そもそも1回でも実施するのが難しい場合があります。その場合には、チンニングをするために台に掴まってからジャンプして、身体が落ちることに抵抗するなどのエクササイズをしながらチンニングに必要な筋肉をつけていきます。チンニングは、負荷の高いエクササイズであることから、まずは3〜5回3セットを実施し、徐々に回数を増やしていきましょう。
身体は海老反り。
手首は掌屈。
肩甲骨の動きを意識。
下げすぎない(=肘の角度が真っ直ぐになる部分まで戻さない)。
ダンベルプルオーバーは10〜12回を3セット実施します。
ダンベルプルオーバーは、両手でダンベルを把持して行うことから比較的強度が高いエクササイズです。そのため、回数よりも重量を扱うようにして実施し、標準的な筋トレの推奨回数よりもやや少ない10〜12回を3セット実施しましょう。
広背筋の伸展を意識する。
ダンベルの持ち手を両手の掌で覆う様にして把持する。
動作をコントロールする。
大胸筋に刺激が入ってしまうことを許容する。
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