カーフレイズは実施していても効果がないと感じる場合が多々発生します。今回はカーフレイズで効果がないと感じる理由とその対策についてご紹介します。
カーフレイズで効果が出ない理由として、実施している回数が少ない可能性があります。
カーフレイズでのメインターゲットであるふくらはぎの筋肉は、他の部位とは異なり、多くの回数を実施することで負荷を効率的に与えることができるようになります。そのため、通常の筋トレでは、12〜15回を目安に実施することが多いですが、カーフレイズでその回数を実施してもふくらはぎに十分な負荷を与えることができていない可能性が高いです。
この場合には、より多くの回数を設定してカーフレイズを実施します。具体的には、自重で実施するカーフレイズならば50回3セットを目安に実施するようにしましょう。
カーフレイズで効果が出ない理由として、可動域の設定が悪い可能性があります。
一般的なエクササイズでは、完全伸展から完全収縮まで可動域でエクササイズを設定すると負荷が逃げてしまうケースが多いですが、カーフレイズでは異なります。特に、マシンを使って負荷を与えている場合には、重量によって可動域が小さくなっている可能性があります。
この場合には、ふくらはぎを完全に伸展させた状態から、ふくらはぎが完全に収縮したところまで動作を行う必要があります。そのために、自重で実施している場合にはふくらはぎがつりそうな感覚を感じたら休憩を挟みながら、マシンで実施している場合には重量を減らしながら、完全な可動域の中で実施するようにしましょう。
カーフレイズで効果が出ない理由として、トップポジション/ボトムポジションでの切り返しが悪い可能性があります。
前述したように、カーフレイズでは通常のエクササイズでは負荷が抜けやすいとされている完全伸展、完全収縮のところまでふくらはぎを稼働させる必要があります。このときに、惰性で実施していると、ボトムポジションである完全伸展、トップポジションである完全収縮を意識せずに実施してしまい、エクササイズ効率が低下している可能性があります。
この場合には、トップポジション/ボトムポジションで一瞬静止するようにしましょう。トップポジション/ボトムポジションで筋肉の収縮/伸展を意識できるようになるとよりエクササイズ効率を高めることを期待できます。
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)とは、ふくらはぎの筋肉であり、ヒラメ筋と腓腹筋(ひふくきん)の総称です。下腿三頭筋の名前自体は、下腿(=膝から脚首までの部分)、三頭筋(=腓腹筋の内側頭、腓腹筋の外側頭、ヒラメ筋)を意味しています。下腿三頭筋とよく似た名前の筋肉として、上腕三頭筋がありますが、奇しくも、下腿三頭筋も脚の裏側にある筋肉で、内側頭、外側頭、長頭の3つからなるのも似ている点です。
腓腹筋は膝関節と脚関節の動きに寄与するのに対して、ヒラメ筋は脚関節の動きのみに関係する筋肉です。また、腓腹筋は身体の急激な動きに対応する筋肉であるのに対して、ヒラメ筋は身体の状態を維持することに対応する筋肉です。
どちらもバランス良く鍛えることが重要であり、基本的にはふくらはぎを鍛えるエクササイズは腓腹筋およびヒラメ筋を同時に鍛えることができるものがほとんどです。
長腓骨筋(ちょうひこつきん)は、下腿部(膝下、ふくらはぎの部分)の外側側面を走る筋肉であり、脚首の関節を外反(小指を視点にして脚首が曲がる方向)、底屈(脚の甲を伸ばそうとしたときに脚首が曲がる方向)させる作用があります。
以上から、長腓骨筋は脚首の動きに関与するということが言え、脚首の捻挫を防ぐことに寄与します。日常生活で凸凹道を歩いたときに捻挫を防止するのはもちろんですが、陸上競技などで脚首の捻挫を防ぐことで運動のパフォーマンスを向上することが期待できます。
脚の捻挫は、陸上競技で最も多い怪我と言われており、特に、女性のアスリートが怪我をしやすい部分であると言われています。そのため、特に、女性の方は怪我の防止で鍛えることがおすすめされます。
初心者は、カーフレイズを20〜30回を3セット実施します。
12〜15回が適正と言われるトレーニングが多いですが、カーフレイズではそれの2倍以上の30〜40回が目安です。ただそれを初心者のときから実施するのは難しいことから、やや少なめの回数である20〜30回を3セット実施します。実施している最中ふくらはぎが疲れたら、一度休憩しても問題ありません。ただ、1回ずつ丁寧に行うことが大事です。
カーフレイズに少し慣れたらカーフレイズを30〜50回を3セット実施します。
カーフレイズに少し慣れるとふくらはぎに筋肉が付くことで実施するのがやや容易になります。そのため、初心者のときよりもやや回数を増やして30〜50回を3セット実施するようにしましょう。
上級者はカーフレイズに加えて、他にふくらはぎを鍛えることができる種目を実施しましょう。
具体的には、片足スタンディングカーフレイズ、シーテッドカーフレイズ、レッグプレスカーフレイズなどの種目と組み合わせるのが効果的です。特に、通常のスタンディングカーフレイズでは、スーパーセットとして取り入れやすいため積極的に一緒に実施しましょう。
トレーニングの原則として、筋肉を発達させるためには高重量を扱うことは原則ですが、下腿三頭筋つまりふくらはぎの筋肉では、かなりの上級者でないと高重量を扱ってもなかなか発達させづらいです。
理由は、後述するように、ふくらはぎの筋肉では完全伸展、完全収縮を意識することが特に重要である部位であることから、高重量を扱った場合にそれを意識するのが難しくなるためです。
そのため、カーフレイズを実施する際には重量よりも回数を重視して、しつこく刺激することで効果的に鍛えることを期待できます。「重量を意識しない」ということは、普段、高重量を扱ってエクササイズを行っている方には抵抗があるかと思いますが、実はかなり効果的であるため、ぜひとも意識して頂きたいポイントです。
ふくらはぎを鍛えるエクササイズは、他の部位を鍛えるエクササイズとは異なりトレーニングに熟達していなくても高重量を扱いやすいと言われています。これは,ふくらはぎに重りなどで直接加重しているわけではなく、肩、腰、太もも等を介して負荷をかけていることも起因しています。
一方で、このようにして高重量を扱うと、前述したように可動域が非常に狭くなる傾向があります。カーフレイズのような下腿三頭筋のエクササイズでは、そもそもの可動域が小さいからこそ、エクササイズ中には完全な可動域を設定して実施する必要があります。そのために、ボトムポジションではふくらはぎが切れそうになるくらいまで伸展させ、トップポジションではスネに痛みがくる位まで収縮させることが重要です。これを実施するためには、高重量を扱っての実施は難しく、やや軽いくらいの重量設定で実施することが重要です。
脚の指先に力を入れるという動作を少しやってみると分かりますが、指先に力を入れるとふくらはぎが収縮する動作がより促されるようになります。
腓腹筋を鍛えるエクササイズのほとんどは、踵を上げるという動作を行い、単純に踵を上げることを意識するだけでも効果はありますが、この踵を上げたときに指先に力を入れてより収縮感を促すことで、よりエクササイズ効率を向上させることが期待できます。
これを実施するためには、つま先をより意識する必要があり、例えば、裸足で後述する腓腹筋を鍛えるエクササイズを実施したり、少し高いですが、五本指シューズを履いてエクササイズを行うことが効果的です(同様の理由で、五本指ソックスを履いてエクササイズをするのも効果的ですが、場所を選ぶため注意が必要です)。
トレーニングにおける「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。反対に、身体が一番低い状態にあることを「ボトムポジション」と言います。その間を「ミッドレンジ」といいます。
カーフレイズでは、トップポジションで収縮の刺激が、ボトムポジションで伸展の刺激が入るため、いずれの部分で一瞬静止することで負荷を高めることができます。エクササイズの中で最も負荷のかかる部分を意図的に長く経験することで負荷を高める方法であり、これはカーフレイズの他にも有効なテクニックであるため、覚えておくと非常に効果的にトレーニングをできるようになります。
カーフレイズは、何も工夫をしないで実施すると、ボトムポジションはかかとが床に付いた状態になります。一方、この状態は、ふくらはぎの可動域を十分に設定できているとは言えません。
ふくらはぎの可動域を十分に取るためには、かかとがつま先よりも深い部分にある状態を作り出す必要があり、そのためには段差を利用することが効果的です。段差を利用してカーフレイズを実施する際には、壁などに片手をかけてしっかりとバランスをとりながら実施するようにしましょう。
カーフレイズの場合、自重が重いほど、ふくらはぎにかかる負荷は高まります。そのため、単純に考えると、バーベルやダンベルを持ってカーフレイズを実施すると、その分だけ効果が高まり、それ自体は間違ってはいません。
ただし、注意すべきことが、前述、後述するように、カーフレイズは重量を目的に実施するエクササイズではないという点です。ダンベル、バーベルなどで高重量の負荷をかけて、回数を少なくして実施しても得られる効果は非常に限定的です。このため、ダンベル、バーベルなどで加重する際にも、重量設定は少し軽すぎる位にして実施することが重要です。
カーフレイズに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、下腿三頭筋,長腓骨筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
カーフレイズに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
カーフレイズに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、ふくらはぎが伸展するときに息を吸い、収縮するときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
片足スタンディングカーフレイズは、まずは20〜30回を3セット実施します。
12〜15回が適正と言われるトレーニングが多いですが、片足スタンディングカーフレイズではそれの2倍以上の30〜40回が目安です。ただそれを初心者のときから実施するのは難しいことから、やや少なめの回数である20〜30回を3セット実施します。実施している最中ふくらはぎが疲れたら、一度休憩しても問題ありません。ただ、1回ずつ丁寧に行うことが大事です。
ボトムポジションでふくらはぎを完全伸展させる。
トップポジションでふくらはぎを完全収縮させる。
指先に力を入れることを意識する。
プレートや台などで傾斜をつけても良い。
マシンスタンディングカーフレイズは、30〜40回を3セット実施します。
12〜15回が適正と言われるトレーニングが多いですが、マシンスタンディングカーフレイズでもそれの2倍以上の30〜40回が目安です。実施している最中ふくらはぎが疲れたら、一度休憩しても問題ありません。ただ、1回ずつ丁寧に行うことが大事です。
重すぎる重量を設定しない。
片脚ずつ実施するのも効果的。
ふくらはぎがパンパンになってきたら休む。
ボトムポジションでふくらはぎを完全伸展させる。
トップポジションでふくらはぎを完全収縮させる。
指先に力を入れることを意識する。
ダンベルカーフレイズは30〜40回を3セット実施します。
ダンベルカーフレイズは、重量、回数ともに実施できるエクササイズですが、回数を意識して実施するのが重要です。そのため、やや軽めの重量で一般的な筋トレで標準的な回数とされているものよりもかなり多い30〜40回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。
完全伸展・完全収縮させる。
段差を利用。
ふくらはぎがパンパンになってきたら休む。
低重量で高回数で実施。
指先に力を入れる。
トップポジション・ボトムポジションで一瞬静止。
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