ヒップレイズはやり方によっては腸腰筋を鍛えることができる種目です。今回は、腸腰筋を鍛えるためのヒップレイズについてご紹介します。
ヒップレイズは、お尻の上げ下げを行うエクササイズであることから、必然的に、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋にも負荷が入ります。
腸腰筋は、インナーマッスルに分類される筋肉で、基本的にそれ単独で狙って鍛えることは非常に難しい部位です。それに対して、ヒップレイズでは、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋を起点にしてエクササイズを実施できることから、腸腰筋を比較的ダイレクトに刺激することを期待できます。
以上は、ヒップレイズによく似ている種目であるレッグレイズにも言えますが、レッグレイズでは足を伸ばす分、負荷が高くなります。そのため、筋トレ初心者が実施する場合にはまずはヒップレイズを実施しましょう。
初心者は、ヒップレイズを12〜15回3セットを実施します。
ヒップレイズ自体は、腹筋のエクササイズの中ではそこまで負荷は高くありません。そのため、筋トレ初心者は標準的な回数である12〜15回3セットを目標に実施する様にしましょう。
ヒップレイズに少し慣れてきたら、ヒップレイズを15〜18回3セット実施します。
ヒップレイズは慣れてくると、腹直筋の発達により12〜15回3セットでは負荷が足りなくなることを感じます。そのため、初心者のときよりも回数をやや増やして、15〜18回3セットを実施するようにしましょう。
上級者の場合、その他の腹直筋を鍛える種目と組み合わせて実施しましょう。
基本的に、ヒップレイズはそこまでエクササイズ強度は高くないため、ウォーミングアップ種目として実施した後、シットアップやクランチなどの腹直筋を鍛える種目を実施しましょう。回数は、何れの種目も15〜18回3セット程度実施しましょう。
ヒップレイズに限らずほぼ全てエクササイズは、負荷の抜けない範囲で可動域が最大になるように設定する必要があります。
ベンチを使う場合でも、縁で実施しない場合は、脚を戻しすぎないようにする必要があります(戻しすぎてしまうと、腹直筋の負荷が抜けてしまします)。
ヒップレイズでは、可動域を大きく設定しようとすると、脚を戻しすぎてしまう傾向がありますが、このように実施すると腹直筋から完全に負荷が抜けた状態になってしまい、ヒップレイズのエクササイズ効率が大きく低下します。
これを防ぐためには、ヒップレイズがそもそも可動域が非常に狭いエクササイズであることを認識し、お腹に近づけた太ももは戻しても床との角度が90度のところまでに留めましょう。
ヒップレイズは可動域がかなり限定的なエクササイズです。そのため、その限られた可動域の中で最大のパフォーマンスを発揮するためには、ヒップレイズで腹直筋に負荷を与える根本的な要因である太ももの動きをよりダイナミックにすることを意識する必要があります。
具体的には、ボトムポジションからトップポジションに移行する際に、膝を胸に付けようとすることで膝の描く軌跡が大きくなり、これにより負荷が高まることが期待できます(要は、縮こまらないようにして実施することが重要です)。
ヒップレイズに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。
このため、最初は難しいですが、腸腰筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での腸腰筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
ヒップレイズに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量、身体の動きをコントロールすることになります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
ヒップレイズに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。ヒップレイズでは、身体を下げるときに息を吐き、戻すときに息を吸います。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
腿上げは、20〜30秒間維持し続けることを3セット実施します。
腿上げは、1回1回しっかり実施し、ペースを上げない場合には片足で15〜20回実施するように行い、ペースを上げて実施する場合には20〜30秒間実施するようにします。両者を組み合わせて実施することも効果的であり、その場合には1セット目はしっかり実施し、2〜3セット目でペースを上げて実施します。
膝をしっかりあげる。
バランスを取れない場合には、片手を壁にかけて実施しても可。
ニートゥエルボーは、片側を15〜18回3セット実施します。
ニートゥエルボーは、腿上げ動作に上半身のツイスト動作を加えた動作を実施しますが、腸腰筋に対するエクサイズ強度に大きな差はありません。このため、腿上げで推奨している回数に近い15〜18回を3セット実施します。
膝をしっかり上げる。
上半身をしっかりツイストさせる。
レッグレイズは、15〜18回を3セット実施します。
レッグレイズは、標準的な腹筋のエクササイズであり、かつ基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。
とにかく足の動きをコントロールする。
腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。
足を床ぎりぎりまで下げる。
膝を真っ直ぐにしすぎない。
呼吸を意識する。
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