マシンバックエクステンションは、マシンを使って実施するバックエクステンションです。今回は、マシンバックエクステンションのやり方及びコツについてご紹介します。
マシンバックエクステンションは、バックエクステンションを実施するためのマシンを用いて実施する種目です。
バックエクステンションは、基本的には、床で自重で実施するか、バックエクステンション台で自重で実施することが多いですが、ジムによってはそれを実施するためのマシンがあります(ただし、そこまで一般的なマシンではありません)。
ウェイトスタック(ピンで重さを変更できるマシン)のマシンであることが多く、エクササイズ強度を柔軟に変更できるというメリットがあります。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、腸肋筋(ちょうろくきん)、最長筋(さいちょうきん)、棘筋(きょくきん)からなり、背中の中央部を縦に背骨に沿うように走る背中の筋肉です。
脊柱起立筋は、背中の代表的な筋肉である広背筋や僧帽筋と比較すると小さい筋肉ですが、姿勢を維持するために大きな役割を担っています。そのため、脊柱起立筋は、身体が横になることで姿勢を維持する必要がなくなった状態を除いて、常に働いている筋肉であるといえます。
脊柱起立筋は、単独の筋肉で比較した場合において、比較的、筋肉が大きい部位です。
筋群で比較した場合には大腿四頭筋が最も大きい筋肉であり、これにより、大腿四頭筋を鍛えることで代謝の改善を期待することができますが、これは脊柱起立筋にも同様のことが言えます。このため、脊柱起立筋を鍛えることで効率的にダイエット効果を期待できます。
「姿勢が悪い」というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、または腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。
一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生していることが多く、姿勢の改善を行うためには、まず猫背の改善を行う必要があります。
脊柱起立筋は、前述した通り、背中の中央部を上下に走るように付いており、姿勢を維持する役割があります。ここで、脊柱起立筋を鍛えておけば、脊柱起立筋の姿勢改善効果をより期待できます。特に、脊柱起立筋を鍛えておけば、前述した猫背のように背中が曲がってしまうことを防ぐことが期待でき、姿勢改善を期待できます。
腰痛が発生する原因は、いくつか理由がありますが、その理由の一つに、体幹を支える腹筋と背筋のバランスが崩れていることが挙げられます。
背中の筋肉において、体幹部を支えるのに重要な筋肉は脊柱起立筋であることから、バックエクステンションを実施することで、脊柱起立筋を鍛えることで腰痛予防を期待できます。ただし、基本的に、脊柱起立筋は日常的に稼働しているケースが多く、腹筋に対してそこまで弱いという場合は少ないため、「腰痛を改善する」という目的ならば、脊柱起立筋よりも腹直筋を鍛えた方が有効な場合があることには留意しましょう。
また、すでに腰を痛めている人はバックエクステンションの動作をすることで、症状が悪化する可能性があるので、その点も注意が必要です。
脊柱起立筋は身体を支える役割があるため、運動パフォーマンスの向上も期待できます。
脊柱起立筋は上半身を真っ直ぐに保つことに寄与することから、例えば野球など競技はもちろんですが、実施時に上半身を真っ直ぐに保つ必要があるエクササイズであるショルダープレスやクリーン、ジャークなどで高重量を扱うことができるようになることが期待できます。
筋トレ初心者のマシンバックエクステンションの目安の重量20〜25 kg程度です (自身の体重にもよります)。
マシンバックエクステンションは筋トレ初心者でも比較的重量を扱うことができます。以上では重量は20〜25 kgと述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて10〜12回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。
マシンバックエクステンションに少し慣れた方の加重バックエクステンションの目安の重量は25〜30 kg程度です(自身の体重にもよります)。
マシンバックエクステンションに少し慣れると脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスの発達により、扱うことができる重量が伸びます。ただし、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では125〜30 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてマシンバックエクステンションを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。
筋トレ上級者のマシンバックエクステンションの目安の重量は80 kg以上です(自身の体重にもよります)。
筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、マシンバックエクステンションで80 kg以上を正確なフォームで実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確なフォームで実施した場合」の重量です。上半身を上げる大きさが小さくなると高重量を扱いやすくなることから、きちんと上半身を上げて実施するのがおすすめです。
筋トレ初心者の場合、マシンバックエクステンションは10〜12回3セット実施しましょう。
マシンバックエクステンションは、そもそも、ターゲットとなる部位の筋肉が大きいため筋トレ初心者でも比較的多くの回数を実施することができましう。ただ、筋トレ初心者の場合にはしっかりとフォームを確認するという意味で10〜12回を両足で3セットをしっかり実施するようにしましょう。
マシンバックエクステンションに少し慣れた方の場合、マシンバックエクステンションは12〜15回3セット実施しましょう。
マシンバックエクステンションに少し慣れると主に脊柱起立筋、大臀筋の発達により、より高回数を実施できるようになります。この場合には、初心者のときよりもやや回数を増やして12〜15回3セット実施しましょう。
筋トレ上級者の場合、マシンバックエクステンションをその他のエクササイズと組み合わせて実施するようにしましょう。
筋トレ上級者の場合、ロープーリーロー、ダンベルベントオーバーロー、デッドリフトなどの脊柱起立筋を鍛えることができるその他のエクササイズと組み合わせて実施しましょう。具体的には、いずれの種目と組み合わせて、マシンバックエクステンションを12〜15回3セット実施しましょう。
トレーニングにおける「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。バックエクステンションでは上半身を上げたときです。多くは筋肉がピンっと張った状態になります。反対に身体が一番低い状態にあることを「ボトムポジション」と言います。その間を「ミッドレンジ」といいます。
マシンバックエクステンションでは、前述した様にトップポジションで最も負荷がかかります。このため、トップポジションで静止することを意識することで、脊柱起立筋の収縮をさらに促すことができ、負荷を高めることが期待できます。
マシンバックエクステンションは、トップポジションに加えてボトムポジションでも対象となる部位に負荷を与えることを期待できます。
マシンバックエクステンションを実施する場合には、ボトムポジションで重さを受け切ることで脊柱起立筋に対する負荷を増大させることを期待できます。ボトムポジションで静止しなくても実施することはできますが、慣性力を使って実施してしまうことから、特にボトムポジションを丁寧に実施するように気を付ける必要があります。
そのため、マシンバックエクステンションは、ボトムポジションで数秒間静止することが効率的です。
マシンバックエクステンションは、身体を戻しすぎると負荷が抜けやすくなります。
マシンバックエクステンションに限らず、実施中に常に負荷が入っている必要があります。マシンバックエクステンションは、重りが少し離れた状態から負荷がかかっている状態であるため、戻しすぎないことが重要です。
慣れないうちは、マシンの重りの位置関係を確認しながら実施するようにしましょう。
マシンバックエクステンションでは、他の種目と同様に、可動域をしっかりと設定することが重要です。特に加重バックエクステンションで重量設定が重すぎると、可動域が狭くなりエクササイズ効率が大幅に低下します。
マシンバックエクステンションは、前述したように、しっかりと身体を上げることで脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスに負荷を与える種目です。そのため、重量設定が重すぎて上半身があまり上がらないようになるのは避ける必要があります。
だからこそ、自身が扱いきれる重量で実施することが必要で、前述したように12〜15回を3セットセットギリギリできる重量設定にしましょう。
マシンバックエクステンションに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスの動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
マシンバックエクステンションに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
マシンバックエクステンションに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、マシンバックエクステンションでは、上半身を下ろすときに息を吸い、上半身を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ロープーリーローは、マシンバックエクステンションと同様に脊柱起立筋を鍛えることができるためです。
ロープーリーローは、マシンを使って脊柱起立筋を鍛えるエクササイズであり、マシンバックエクステンションと同様の部位を鍛えることを期待できます。実際に実施する場合には、どちらを先に実施しても問題なく、両種目を組み合わせて実施することで、効率的に脊柱起立筋を鍛えることを期待できます。
ロープーリーローは、まずは10〜12回3セット実施します。
ロープーリーローは、脊柱起立筋を伸展させて負荷を与えることを期待でき、エクササイズ強度は標準的です。実際に実施する際には、まずは10〜12回3セットを実施しましょう。
しっかりと肘を引く。
脚の設定する部分はやや下目にすることで下腹部に引きつけやすくなる。
ボトムポジションで僧帽筋を伸展させることを意識する。
長座体前屈のように実施して、完全伸展させる方法もあるが、腰を痛めやすい。
ダンベルベントオーバーローは、マシンバックエクステンションと同様に脊柱起立筋を鍛えることができるためです。
ダンベルベントオーバーローは、ダンベルを使って脊柱起立筋を鍛えるエクササイズであり、マシンバックエクステンションと同様の部位を鍛えることを期待できます。実際に実施する場合には、どちらを先に実施しても問題なく、両種目を組み合わせて実施することで、効率的に脊柱起立筋を鍛えることを期待できます。
ダンベルベントオーバーローは、まずは10〜12回3セット実施します。
ダンベルベントオーバーローは、比較的重量を扱うことができる種目ですが、フォームを固めるためにはまずは回数をやや少なくして実施します。そのため、まずは10〜12回3セットを実施しましょう。
背中が常に張った状態を作る。
目線は正面。
肘を引き切る。
ボトムポジションで僧帽筋の収縮感を意識できるとなお良い。
デッドリフトは、マシンバックエクステンションと同様に脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスを鍛えることができるためです。
デッドリフトは、バーベルを使って脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスを鍛えるエクササイズであり、マシンバックエクステンションと同様の部位を鍛えることを期待できます。実際に実施する場合には、どちらを先に実施しても問題なく、両種目を組み合わせて実施することで、効率的に脊柱起立筋を鍛えることを期待できます。
デッドリフトは、まずは6〜8回3セット実施します。
デッドリフトはかなりエクササイズ強度が高い種目であると同時に、非常に腰を怪我しやすい種目です。そのため、まずは回数を少なくして実施する必要があり、6〜8回3セットを目安に実施しましょう。
常に背中を張る。
太ももに沿って上げ下げをする。
目線は正面。
引きすぎない。
重量設定。
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