デッドバグはやり方によっては腰が痛いと感じることがあります。今回は、デッドバグで腰が痛い原因とその対策についてご紹介します。
デッドバグは英語表記で「Dead Bug」で、Dead=死んだ、Bug=虫を意味しています。デッドバグは仰向けになった状態で手足を動かすため、「死んだ虫」という名前がつけられました。
以上の説明だと、デッドバグがどのようなエクササイズかを想像するのは中々難しいですが、簡単に表すと、仰向けになった状態で左右の手脚を交互に動かすエクササイズです。このため、デッドバグのエクササイズ自体は他のエクササイズと似ている部分もありますが、「左右交互の動作を一般的なエクササイズほど筋肉の動きを意識しない」という点がデッドバグの特徴的な点です(このため、一般的な筋トレよりも負荷が低くなりますが、全く筋肉の動きを意識しなくて良いというわけではないことには注意しましょう)。
デッドバグを実施しているときに、トップポジションで膝を大きく上げると腰にかかる負担が増大します。
膝を上げる動作は、背中側にある腰が引っ張られるような状態になるため、膝を大きく上げれば上げるほど腰が引っ張られる力が増大し、腰への負担が増大します。
これを防ぐためには、デッドバグを実施する際に、太ももを上げすぎないようにする必要があります。そもそも、教科書的には、デッドバグは太ももが床と垂直になるくらいに設定すれば十分です。
デッドバグを実施しているときに、必然的にボトムポジションで膝を伸ばすことになりますが、ここで膝を伸ばし過ぎると、腰を痛める原因になります。
デッドバグのボトムポジションは、脚が床から少し距離のあるところに設定し、膝をほぼ真っ直ぐに設定することが正しいとされています。ただ、脚に支えがない状態で膝を真っ直ぐにしようとすると、脚の付け根に相当する腰に大きな負担がかかります。
これを防ぐためには、デッドバグを実施する際に、ボトムポジションで膝をやや曲げて実施する必要があります。
デッドバグを実施する際に、当たり前ですが、腰を痛めながら実施すると腰が痛いと感じる原因になります。
腰は怪我すると、全身のほぼ全てのトレーニングを実施することが困難になるため注意が必要です。
これを防ぐためには、腰に異変を感じた場合には、トレーニングの実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。
初心者は、デッドバグを片側12〜15回3セット実施します。
デッドバグは、基本的には手脚を動かすだけのエクササイズであるため、基本的にはエクササイズ強度はそこまで高くありません。初心者のうちから、一般的な筋トレでの標準的な回数である片側12〜15回3セット実施するようにしましょう。
デッドバグに少し慣れてきたら、片側15〜18回3セット実施します。
デッドバグに慣れてくると、腹直筋の発達により比較的、高回数でも実施できるようになります。この場合、初心者のときよりも回数を増やして片側15〜18回3セットを実施するようにしましょう。
上級者の場合、デッドバグを他の種目と組み合わせて実施します。
デッドバグ自体、そもそもエクササイズ強度がそこまで高くないため、特に上級者の場合には他の種目と組み合わせて実施しましょう。デッドバグが腹直筋をターゲットとする種目であることから、レッグレイズ、クランチ、シットアップなどの種目と組み合わせて実施しましょう。実施する回数は、何れの種目も12〜15回3セットを目安に実施しましょう。
デッドバグは前述した通り、エクササイズの強度としてはそこまで高くありません。そのため、デッドバグ単独で実施しても、中々、効果を感じることが難しい種目です。だからこそ、後述するように他の種目と組み合わせて実施することが重要です。エクササイズの順番としては、どちらを先に実施しても問題ありませんが、デッドバグをウォーミングアップ種目と捉えて、後に示すような種目を本番種目と想定して実施するのが良いでしょう。
デッドバグに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、デッドバクで鍛えることができる腹直筋、腹斜筋、腹横筋、大臀筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのこれらの筋肉の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
デッドバグに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
デッドバグに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、デッドバグでは、手脚を下ろすときに息を吸い、手脚を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
ハイプランクは、まずは30秒を3セット実施します。
ハイプランクは、腕立て伏せの身体を上げた状態を維持するエクササイズであり、腕に筋肉がある方は比較的簡単に実施することができますが、それとは逆に、腕に筋肉がないと実施するのが中々難しくなります。そのため、エクササイズ強度は、人によりますが、プランクと同じくらいであり、プランクと同様に30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
お尻をやや上げるイメージ。
目線は正面。
プランクは、まずは30秒を3セット実施します。
プランクは、動作自体は膝付きプランクに対して、脚を伸ばして実施するだけですが、体重をつま先と両腕で支えることになるため、比較的負荷が高いエクササイズです。そのため、まずは、30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。
上半身から下半身までを一直線にする。
臀部を"張る"(=外旋する)ようなイメージを持つ。
正面を向く。
クランチは、12〜15回3セット実施します。
クランチは、腹直筋上部を鍛えるエクサイズであり、可動域は小さいですが、しっかりやるのが中々難しい種目です。このため、回数を多くこなそうとするのではなく、回数は抑えめで、しっかりとフォームを維持できる回数で実施するのが重要であり、そのために、一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施しましょう。
肘の動き、つまり、トップポジションでは肘を締めるようにし、ボトムポジションでは肘を開けるようにする。
トップポジションで腹筋の収縮を意識する。
呼吸を意識する。
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