スクワットができない人の悩みで深くしゃがめないというものがあります。今回は、スクワットで深くしゃがめず、上手くできない場合の原因と対策についてご紹介します。
スクワットは、基本的に脚を鍛える種目ですが、副次的な作用が非常に魅力的で、メリハリのある脚、ヒップラインの改善を見込むことができ、また代謝の向上も期待できます。それにも関わらず、フィットネス器具が必ずしも必要でなく、老若男女問わず初級者から上級者まで自宅で実施できる自重(自分の体重でできる)トレーニングです。そのため、スクワットは「キング・オブ・エクササイズ(運動の王様)」と呼ばれています。
トレーニング業界には「Shut up and squat!(つべこべ言わず、スクワットをしろ!)」という有名な言葉があります。「とりあえずスクワットをすれば、筋肉の悩みは解決する」ということを表しており、スクワットがいかに広い効果のもつ運動かわかります。
一方、簡単そうに見えて、正しいフォームで実施するのがなかなか難しい側面もあります。そこで、スクワットの正しいやり方を解説していきます。
スクワットで深くしゃがむことができないのには足のスタンスを狭くしすぎている可能性があります。
スクワットを実施する上で、スタンスを広く設定すると股関節が開くことで深くしゃがみやすくなります。一方、スタンスを狭く設定すると股関節が閉じた状態になり、深くしゃがみにくくなります。
このため、スクワットができないと感じる場合には、まずスタンスを見直してみる必要があり、基本的には通常のスクワットでは腰幅程度位にはスタンスを開くようにしましょう。
スクワットで深くしゃがむことができないのにはつま先が平行に向いてしまっている可能性があります。
つま先の向きも股関節の開き方に影響を与えます。スクワットをあまり考えないで実施すると、つま先が互いに平行になるように実施してしまいがちですが、実はそのように実施すると、股関節が閉じた状態になるため深くしゃがみにくくなります。
このため、スクワットができないと感じる場合には、つま先の向きを見直してみる必要があり、基本的には通常のスクワットではつま先がやや外側に向く様にしましょう。
スクワットで深くしゃがむことができないのにはそもそも股関節の柔軟性に問題がある可能性があります。
スタンス、つま先の向きも正確にも関わらず、スクワットを実施する上でしゃがむのに窮屈感がある場合には股関節の柔軟性に問題がある可能性があります。
この場合には、ストレッチなどをすることで股関節の柔軟性を高める必要があります。トレーニング前はもちろんですが、トレーニング後、お風呂上がりなどで積極的に股関節のストレッチをするようにしましょう。
スクワットで深くしゃがむことができないのには脚首の関節の柔軟性に問題がある可能性があります。
脚首が固い場合には、しゃがんだときに脚首が固定されたかのような状態になるため、しゃがむときに非常の窮屈な状態になり、深くしゃがむことが難しくなる可能性があります。
この場合には、ストレッチなどをすることで脚首の関節の柔軟性を高める必要があります。トレーニング前はもちろんですが、トレーニング後、お風呂上がりなどで積極的に脚首の関節のストレッチをするようにしましょう。
スクワットで深くしゃがむことができないのには過度に膝の軌跡を意識しすぎている可能性があります。
一般的に、多くのメディアではスクワットを実施する上で「膝はつま先よりも前に出さない」ことが正しいとされていますが、それは必ずしも正しくありません。むしろ、そのように実施すると動きが非常に窮屈になり、深くしゃがめない原因にもなります。
そのため、過度に「膝はつま先よりも前に出さない」ことを意識するのではなく、自然の形でやりやすいように膝は動かすようにしましょう。
以上から、スクワットで深くしゃがむためには、膝、腰、股関節がの各関節が重要であることが分かりましたが、もちろん、これらの関節を怪我しているとスクワットで深くしゃがみにくくなります。
これらの部位は、一度怪我をすると完治するのに比較的時間のかかる筋肉及び関節です。また、以上の3つの部位を怪我すると、全身のほぼ全てのトレーニングを実施することが困難になるため注意が必要です。
これを防ぐためには、膝、腰、背中に異変を感じた場合には、トレーニングの実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。
初心者は、スクワットを12〜15回3セット実施します。
スクワットは、自重で実施する範囲ではそこまで負荷の高い種目ではありません。また、スクワットで狙う大腿四頭筋、大臀筋が大きい筋肉であることから、筋トレ初心者でも比較的多くの回数を実施することを期待できます。このため、初心者のうちから一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数である12〜15回3セット実施しましょう。
スクワットに少し慣れてきたら、15〜18回3セット実施します。
スクワットは少し慣れると、筋肉の発達により筋トレ初心者のときよりもより多くの回数を実施することを期待できます。そのため、スクワットに少しなれたら、初心者ときよりもやや多くの回数である15〜18回3セットを実施しましょう。
上級者の場合、バーベル、ダンベル、スミスマシンで負荷を高めて実施するようにしましょう。
筋トレ上級者の場合、自重で実施するスクワットではエクササイズ強度がかなり低くなってしまします。そのため、ダンベル、バーベル、スミスマシンなどで負荷を高める必要があります。ただ、重量を扱うとフォームが崩れやすくなるため注意して実施するようにしましょう。
クォータースクワットは、通常のスクワットに対して、しゃがむ量が1/4であるためです。
クォータースクワットは、その名前の通り、通常のスクワットに対して1/4しかしゃがまないエクササイズであることから、エクササイズ強度は極めて限定的です。ただ、基本的には、クォーターで実施するくらいならば、変な癖がつく可能性があるため、通常のスクワットを自重でしっかりと丁寧に実施する方がおすすめです。
クォータースクワットは8〜10回3セット実施します。
クォータースクワットは、スクワットで最も負荷のかかる部分がないため、初心者でも重量を扱うことができる種目ですが、フォームをしっかりと意識する必要があります。そのため、実施する場合には、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数よりもかなり少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
通常の可動域のスクワットと組み合わせる。
つま先の向き。
背中を張ったまま実施。
初動は臀部から動かすことを意識。
重量設定。
ハーフスクワットは、通常のスクワットに対して、しゃがむ量が1/2であるためです。
ハーフスクワットは、その名前の通り、通常のスクワットに対して1/2しかしゃがまないエクササイズであることから、エクササイズ強度は限定的です。ただ、基本的には、ハーフで実施するくらいならば、変な癖がつく可能性があるため、通常のスクワットを自重でしっかりと丁寧に実施する方がおすすめです。
ハーフスクワットは、まずは8〜10回3セット実施します。
ハーフスクワットは、スクワットで最も負荷のかかる部分がないため、初心者でも重量を扱うことができる種目ですが、フォームをしっかりと意識する必要があります。そのため、実施する場合には、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数よりもかなり少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
通常の可動域のスクワットと組み合わせる。
つま先の向き。
背中を張ったまま実施。
初動は臀部から動かすことを意識。
重量設定。
ランジは、スクワットと比較して関節の柔軟性の有無に関わらず、負荷を高めやすい種目であるためです。
ランジは、基本的には脚を前、もしくは後ろに出すことで負荷をかけることができる種目であり、エクササイズ強度は高いものの、難易度はスクワットよりも低いです。そのため、スクワットができない方にもおすすめできる種目です。
ランジは、まずは、片足10〜12回3セット実施します。
ランジは脚を前、もしくは後ろに出して実施するためバランスを取り難く、これにより、エクササイズ強度は高いものに分類することができます。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
上半身の床に対する角度を意識する。
身体を床に対してぎりぎりまで下げる。
脚を大きく出しすぎない。
手は太ももの上に乗せない。
ボトムポジジョンで静止する。
「膝はつま先より前に出さない」を意識しすぎない。
レッグエクステンションは、関節の柔軟性が必要なく、大腿四頭筋を分離して刺激できるだめです。
レッグエクステンションは、基本的にはジムで実施するエクササイズではありますが、エクササイズ難易度はスクワットよりも低く、かつ、スクワットでのターゲット種目である大腿四頭筋を単独で鍛えることが期待できます。そのため、スクワットができない方にもおすすめできる種目です。
レッグエクステンションは、12〜15回を3セット実施します。
レッグエクステンションは、重量を扱うこともできますが、基本的には回数をやや多めに設定して実施できるくらいの重量設定で実施する方がエクササイズ強度を十分に高めることが期待できます。そのため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定である12〜15回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
基本はつま先を立てる。
腸腰筋の動きを意識する。
エクササイズ中に大腿四頭筋の動きを意識する。
マシンによる特徴が大きく、負荷の感じ方が大きく異なる。
ジャンプスクワットは、実施する上で深くしゃがむ必要がないためです。
ジャンプスクワットは、「スクワット」という名称が付いているものの、ボトムポジションの設定は前述したハーフスクワットくらいで十分です。一方で、ジャンプしていることから、エクササイズ強度は比較的高く、十分にしゃがまなくても大腿四頭筋、大臀筋に十分な負荷を与えることを期待できます。 そのため、スクワットができない方にもおすすめできる種目です。
ジャンプスクワットは10〜12回3セット実施します。
ジャンプスクワットは、ジャンプをしてスクワットをする単純なエクササイズではあるものの、負荷は比較的高いです。また、膝にも負担をかけやすい種目であることから、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや少ない回数である10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
ボトムポジションの位置。
ボトムポジションでの切り返し。
手の反動を使っても良い。
目線は正面かやや上。
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