1. Fily
  2. Fitness
  3. ライイングサイドベントのやり方。効果を高めるコツも解説

ライイングサイドベントのやり方。効果を高めるコツも解説

公開日

更新日

ライイングサイドベントのやり方。効果を高めるコツも解説

ライイングサイドベントは、横になりながら腹斜筋を鍛えるエクササイズです。今回は、ライイングサイドベントで腹斜筋を鍛える方法についてご紹介します。

ライイングサイドベントとは

ライイングサイドベント(ライイングサイドベンド)の語源は英語「Lying Side Bend」で、「横になって身体の側面を曲げる」エクササイズを指します。

一般的にサイドベントは、立って実施するエクササイズですが、ライイングサイドベントは横になって実施することが特徴です。

横になって実施するので、自宅でダラダラとしている時に、ちょこちょことやることができるエクササイズです。

同様に「横になって腹斜筋を鍛える」エクササイズであるオブリーククランチがありますが、両者は可動域が異なります。

ライイングサイドベントで鍛えられる筋肉の部位

主に腹斜筋

ライイングサイドベントでは、腹斜筋を鍛えることができます。

腹斜筋は、外腹斜筋と内腹斜筋の総称です(イメージとしては横腹やや上かについている筋肉です)。 外腹斜筋と内腹斜筋は、この筋肉の名前が指す通り、外腹斜筋が外側にあり、その内側に内腹斜筋があります。外腹斜筋の方が肋骨から骨盤に走っており、内腹斜筋は横腹に走っています。 腹斜筋は、身体の中でとても小さい筋肉です。このため、サイドベントもしくはダンベルサイドベントのように、腹斜筋を鍛えることができるエクササイズがあるものの的確に刺激を与えることが難しい部位です。

そのため、エクササイズ中は、腹斜筋を意識するというマインドマッスルコネクションや、息を吸うタイミング、吐くタイミングをしっかり意識して実施することが重要です。

ライイングサイドベントの効果

男性ならば完成度の高い腹筋に見える

腹筋というと、多くの人はシックスパックに代表される腹直筋をイメージしがちです。確かに、腹直筋を鍛え、体重を落とすことで、腹筋の象徴とも言えるシックスパックを作り出すことが可能です。しかし、それだけでは完成度の高い腹筋とは言えません。

なぜなら、シックスパックだけが鍛えられた腹筋の場合、身体をトータルで見たときに腹筋がやや孤立しているようなイメージになるからです。大胸筋や大円筋部周辺部からの連続的な腹筋を実現するためには腹斜筋を鍛える必要があり、腹斜筋を鍛えることで非常に完成度の高い腹筋を有しているように見えることが期待できます。

女性ならばくびれが目立つようになる

腹斜筋は、前述したように「ほぼ」横腹に相当する筋肉です。このため、腹斜筋を鍛えることで横腹に付いている無駄な脂肪を燃焼させることを期待できます。これにより、特に女性では、くびれが目立つようになることを期待できます。 一方で、横腹の脂肪を直接減らすことを目的にするならば、腹斜筋とともに腹横筋を鍛えることが非常に重要です。腹横筋は、通称、コルセット筋とも呼ばれる筋肉であり、ウエストを細く保つ働きがあります。ライイングサイドベントの動作自体で腹横筋に刺激を与えることは難しいものの、呼吸を工夫すれば腹横筋に刺激を与えることができる可能性があり、これにより、よりくびれを目立たせることが期待できます。

男女問わず内臓を正しい位置に保つ

一見すると、身体を鍛えるという側面で、内臓の位置関係が関係あるのかと感じますが、内臓の位置関係はお腹の出方に関係しています。「内臓を正しい位置に保つ」という効果は、「お腹周りをすっきりさせる」効果とも表現できます。

これは、腹腔(腹部臓器が収納されている領域)の内圧が低いと内臓が下方向に移動することがわかっており、これにより、下っ腹が出たような状態になってしまいます。腹腔の内圧を高めるためには、外側から締め付ける力を強くする必要があり、そのために、腹斜筋を鍛えることが有効です。

ライイングサイドベントのやり方

フォーム

  1. 体側になった上体で横になる。
  2. 脚を固定してもらうか何かにかける。
  3. 横腹を支点にして身体を曲げる。
  4. ゆっくりもとに戻る。
  5. 3から4を繰り返す。

回数

初心者

筋トレ初心者の場合、ライイングサイドベントは12〜15回を3セット実施します。

ライイングサイドベントは、エクササイズ強度が標準的なエクササイズです。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるようにしましょう。

少し慣れたら

ライイングサイドベントに少し慣れた方の場合、ライイングサイドベントは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。

ライイングサイドベントに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、12〜15回を実施します。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対してより丁寧に動きを意識して15回きっちりと実施しましょう。

上級者

筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。

アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。

スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばライイングサイドベントと一緒に実施するならばオブリーククランチ、レッグレイズ、シットアップなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も12〜15回実施できるようにしましょう。

ライイングサイドベントの効果を高めるコツ・注意点

可動域をしっかりと設定する

ライイングサイドベントは、腹斜筋の伸展と収縮を意識することで効率を高めることが期待できます。

ライイングサイドベントは通常、床の上で実施します。

よりレベルが上がってきた場合には、ベンチ台の上などで実施してもよく、そのように実施することでベンチ台の縁で腹斜筋を伸展させることができます。

この状態から腹斜筋がこれ以上、収縮できないところまで身体を上げ切ることで効率的に腹斜筋を鍛えることが期待できます。ただし、ライイングサイドベントは動作の都合上、可動域を大きく設定するほど腰にかかる負担も増大するため注意が必要です。

腹斜筋の動きを意識

ライイングサイドベントに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックで、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

そのため、最初は難しいですが、腹斜筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での腹斜筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作のスピード

ライイングサイドベントに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

ライイングサイドベントに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ライイングサイドベントでは、上体を下ろすときに息を吸い、上体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

ライイングサイドベントと一緒にやるのがおすすめの筋トレ

オブリーククランチ

オブリーククランチを実施している人のイラスト

なぜ一緒にやるのがおすすめか

オブリーククランチは、ライイングサイドベントと同様に腹斜筋を鍛えることができるためです。

オブリーククランチは、腹斜筋を鍛えるためのエクササイズであり、ライイングサイドベントとほぼ同様のエクササイズ強度です。実際に実施する場合には、どちらを先に実施してもよく、両種目を実施することで腹斜筋を集中的に鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 仰向けになった状態で、足が交差するようになる。
  2. 交差させている方の足と同一方向の手を頭の部分にもってきて、もう片方の手は交差させている足に添える。
  3. やや顎を出すようにして、腹斜筋が収縮するように動作を行う。
  4. 元に戻り1から3を繰り返す。

回数

オブリーククランチは、12〜15回を3セット実施します。

オブリーククランチは、腹斜筋を鍛えるための非常に基本的なエクササイズですが、フォームが非常に重要な種目です。このため、オブリーククランチ自体の負荷を考えると回数は少ないですが、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施し、フォームをしっかりと意識することが重要です。

効果を高めるポイント

  • 1回ずつ頭を床につけない。

  • 腹斜筋の収縮、伸展を意識する。

  • 頭を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。

レッグレイズ

レッグレイズを実施している人のイラスト

なぜ一緒にやるのがおすすめか

レッグレイズは、ライイングサイドベントでは鍛えることが難しい腹直筋下部を鍛えることができるためです。

レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるためのエクササイズであり、エクササイズ強度はライイングサイドベントとほぼ同様です。実際に実施する場合には、どちらを先に実施してもよく、両種目を実施することで腹直筋をバランス良く鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 仰向けになり、両手はお尻の下に配置し、膝はやや曲げた状態に設定する。
  2. ボトムポジションを踵が床にぎりぎり付かない位置に設定する。
  3. 脚を素早く挙げて、床と太ももの角度が75度程度になる部分をトップポジションに設定する。
  4. 脚をゆっくり下げて2に戻る。

回数

レッグレイズは、15〜18回3セット実施します。

レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるための標準的な腹筋のエクササイズです。基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。

効果を高めるポイント

  • とにかく足の動きをコントロールする。

  • 腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。

  • 足を床ぎりぎりまで下げる。

  • 膝を真っ直ぐにしすぎない。

  • 呼吸を意識する。

シットアップ

シットアップを実施している人のイラスト

なぜ一緒にやるのがおすすめか

シットアップは、ライイングサイドベントでは難しい腹直筋全体を鍛えることができる種目であるためです。

シットアップは、ライイングサイドベントとは異なり腹直筋全体を刺激するエクササイズです。実際に実施する場合には、シットアップを本番種目として実施し、追い込み種目としてライイングサイドベントを実施することで腹直筋全体を効率的に鍛えることが期待できます。

やり方

  1. 膝を立てて仰向けになる。
  2. 手を頭の後ろに回す。
  3. 腹直筋に負荷が入る部分まで状態を僅かに上げ、これをボトムポジションとする。
  4. 顎を出しながら上体を上げる。
  5. 顎を引きながらゆっくりボトムポジションまで戻す。
  6. 4から5を繰り返す。

回数

シットアップは、12〜15回3セット実施します。

シットアップは、腹直筋全体を鍛えるエクササイズですが、腰をかなり痛めやすいエクササイズです。このため、レッグレイズと同様に回数を多くして実施しないことがポイントであり、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 腹直筋に負荷が入る範囲で実施する(=上体を上げすぎない、下げすぎない)。

  • トップポジションで顎を出す。

  • 上体を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。

  • 高回数で実施しない。