ブリッジは、比較的負荷の高いエクササイズであるため、人によっては実施が難しい場合がありますが、ブリッジができないのには理由があります。今回は、ブリッジができない原因とその対策についてご紹介します。
ブリッジは、腕の力を使って上体を持ち上げる必要があるため、腕の筋肉が不足しているとブリッジができない原因となる可能性があります。腕の筋肉は、大きく分けて上腕二頭筋と上腕三頭筋がありますが、基本的に床を押す力で稼働するのは上腕三頭筋です。ブリッジを実施する際に、そもそも上半身が上がらない場合には上腕三頭筋の筋肉不足を疑う必要があり、その場合には、ハイプランクやナロープッシュアップなどを実施することで最低限の上腕三頭筋をつけてから実施するようにしましょう。
ブリッジは、上半身の上げ始めは腕の力を使いますが、それを維持するために肩の筋肉を稼働する必要があり、肩の筋肉が不足しているとブリッジができない原因となる可能性があります。三角筋は、三角筋前部、中部、後部に分類することができますが、ブリッジではこれらの筋肉をバランスよく使います。そのため、ブリッジを実施する際に、ブリッジの状態を維持できない場合には肩の筋肉不足を疑う必要があり、その場合には、肩の筋肉をつけるエクササイズを実施するというよりは、プランクやハイプランクなどの副次的に肩の筋肉をつけるエクササイズを実施すれば十分です。
ブリッジで身体を大きく上げるためには、床を押した腕の力を上体にしっかりと伝える必要があり、そのためには肩関節の柔軟性が必要です。腕、肩の筋量が十分でも、肩関節の柔軟性が不足していると身体をしっかりと上げることができず、ブリッジの効果が半減します。肩関節は、特に、年齢とともに可動域が小さくなってくる部位であるため、その場合には、お風呂上がりやエクササイズを実施した後に肩回しをするなどしっかりと肩関節の柔軟性を取り戻すためのストレッチをするようにしましょう。
ブリッジで効果を決めるのは、「如何に背中を反るか」ということであり、そのためには背中の柔軟性は不可欠です。背中の柔軟性が不足していると、上半身を上げたものの、しっかりと身体を反ることができず、ブリッジの効果を十分に感じることが難しくなります。この場合には、日頃からバックエクステンションやプランクなどのエクササイズを行うことで背中の筋肉である脊柱起立筋を刺激することに加えて、お風呂上がりなどに背中の柔軟を行うようにしましょう。
ブリッジでは、腕の力を上体に効率良く伝えることが重要ですが、手のつき方が悪いとそれがうまくいかずに、ブリッジをうまく実施できない可能性があります。基本的に、身体から遠い位置に手をつくほど、身体に力を伝えにくい傾向があるため、基本的には体の近くに手をつく必要があります。具体的には、耳の横辺りを目標に手をつくことで実施するのがおすすめですが、肩関節の柔軟性によってはそれが難しい場合もあるため、基本的には「身体の近くに手をつく」ということを意識しながら実施するようにしましょう。
ブリッジは、10〜15秒3セットを実施します。
ブリッジは、基本的には腕の力を使って上体を持ち上げるエクササイズであることから、エクササイズの強度は比較的高いです。また、頭を持ち上げるという動作があるため、落ちたときに頭を強打する可能性があり、安全面でも課題があるエクササイズです。このため、最初は3〜5秒程度のかなり短い秒数から始めて、最終的には10〜15秒を3セットできるようになりましょう。
そこまで負荷の高いエクササイズではないので毎日やってもいいですが、腰を痛めたり、頭を強打しないように注意しながら実施しましょう。
通常のブリッジができない場合には、まずは、各関節のストレッチを行います。
ブリッジは、前述した通り負荷の高いトレーニングであるため、対象となる部位以外に各関節に比較的大きな負荷がかかります。特に、ブリッジをする上で負荷がかかる部位は、手首の関節、肩関節、首、肘、腰です。怪我をしないためにも、ブリッジを実施する前にこれらの部位を入念にストレッチしてから行うようにしましょう。また、関節をストレッチして関節の可動域を確保することで、ブリッジを後述するようなよりシビアな姿勢で実施することを可能になることが期待できます。これにより、ブリッジのトレーニング効果をさらに高めることが期待できます。
次のステップとして、腕の代わりに肩で支えるようにして実施することが有効です。
ブリッジができない最大の理由は、腕で上半身を支えることが難しいためです。腕で上半身を支えるのが難しいのは支える上半身と腕との距離が大きいためであり、これは、逆に、上半身そのもので上半身を上げるようにすればブリッジができることを意味します。そのために、上半身で最も腕に近い肩で身体を支えることは有効です。腕の代わりに、三角筋後部を床と接触させ、その状態で、脚で床を押しながらおへそを上げるようにして実施することが有効です。つまり、グルートブリッジを行うことで通常のブリッジの代用とします。
次のステップとして、椅子を使って擬似的なブリッジを実施します。
通常のブリッジができず、さらに、グルートブリッジの実施も難しいという場合には、椅子もしくは動画にあるような高さのある器具を使うことが有効です。
グルートブリッジをするためには、三角筋後部で上半身を支える必要がありますが、三角筋後部で床と接触する部分は比較的小さく、中にはそれをすることも難しいと感じる方もいるかと思います。その他の場合には、上半身が接触する部分を増やしながらもグルートブリッジを実施する方法を適用することが有効です。具体的には、椅子を使えば、椅子の座面全体が上半身と接することになるため、この状態ならばほぼ全ての方は問題なくグルードブリッジをできるかと思います。ただ、椅子を使うとどうしてもストレッチという側面が強くなるため、適宜、強度を増やしてエクササイズを実施することが重要です。
次のステップとして、壁を使いながら擬似的なブリッジを実施します。
ブリッジができない理由として、前述したように背中の柔軟性に問題があるということが挙げられます。背中の柔軟性を高めるためには、背中に少しずつ負荷を入れることが重要です。ブリッジでは、いきなり、上半身を床から上げて海老反りすることで背中に負荷を入れますが、壁を使い、壁で手を置く場所を少しづつ変えれば、背中の海老反りの度合いを少しずつ変化させることができます。これにより、少しずつ背中の柔軟性を改善することが期待できます。ただし、壁を使ってブリッジを行う場合には、戻れなくなる可能性があるため、慣れるまでは、必ず2人1組で実施するようにしましょう。
最後のステップとして、実際にブリッジを実施します。
以上の行程を経ることで、各関節の柔軟性の改善、必要箇所の筋肉の増大を促すことができ、さらに、ブリッジのイメージをつけることができたと思います。そのため、以上の各行程を1つずつ丁寧にしっかりと実施していれば、この段階でブリッジを実施できる可能性が高いです。それでもブリッジが実施できない場合には、もう一度、以上の行程を見直すべきであり、鏡や、撮影、第三者にアドバイスをもらうことも有効です。
ブリッジを実施する上で、そもそも、背中の柔軟性が非常に重要です。ブリッジは、背中を海老反りにして実施しますが、このとき、背中の柔軟性が足りないとそもそもブリッジを実施することが難しいです。このため、ブリッジを実施できる段階で背中の柔軟性はある程度高いと言えますが、ブリッジを後述するようなトレーニングとして実施すると背中の柔軟性をさらに向上させることが期待できます。背中の柔軟性を改善すると、身体全体のバランスを改善することが期待できます。これにより、怪我の防止に加えて、身体全身の痛みの軽減を期待できます。
ブリッジを実施する上で、ブリッジが肩甲骨で上半身を支えるようなフォームを取って実施することから、肩甲骨周りの筋肉に刺激が入ります。ここで、肩こりの原因は、肩の血流が悪化している状態であり、これは、肩甲骨周りの筋肉が凝り固まっているのとほぼ同様です。肩甲骨周りの筋肉を鍛えることで、筋肉の凝りが解消し、これに伴い、血流が改善することが期待できます。特に、ブリッジでは、肩甲骨周りの筋肉、特に、僧帽筋や三角筋の後部を刺激することが期待でき、これにより、肩こりの改善を期待できます。
ブリッジでは、その動作の特性上、背中を後ろ側に反るような海老反りを実施します。姿勢が悪い状態というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生しているということが言え、姿勢の改善を行うためには猫背の改善を行う必要があります。ブリッジを行うことで背中の筋肉の柔軟性を向上させ、かつ、筋肉量を増やすことができれば、体幹部を保つ筋肉を改善し、姿勢の改善を期待できます。
ブリッジでは上体を大きく反らすことで、背中側は収縮し、お腹側は伸展を促すことが期待できます。お腹を過度に伸展させることで、普段は鍛えることが難しいとされている深部の筋肉まで十分に伸展させることが期待できます。これにより、特に、腹筋のインナーマッスルと言われている腹横筋を刺激することが期待できます。腹横筋は、コルセット筋とも呼ばれる筋肉であり、ウエストを細く保つことに寄与しています。このため、ブリッジを実施することでお腹側を伸展させ、腹横筋を刺激することでお腹の引き締め効果を期待できます。
腹横筋を鍛えるという点では、呼吸方法としてドローイングを実施することも有効です。ドローイングは、鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、口から息をゆっくり吐いてお腹を凹ませ、この状態を3-5秒程度キープする方法です。基本的には、仰向けになった状態から練習し、慣れてくると立った状態でもできるようになります。また、熟達していくと様々なエクササイズと組み合わせることが可能となり、特に、ドローイングは静的なトレーニングと相性が良く、ブリッジの呼吸方法として取り入れるのもオススメであり、これにより、ウエストの引き締め効果を期待できます。
プランクは、ブリッジを実施するための最低限の筋肉をつけることを期待できるためです。
プランクは、上腕三頭筋、上腕二頭筋の最低限の筋肉をつけることに加えて、脊柱起立筋を鍛えることが期待できます。これらの筋肉は、ブリッジを実施する上で必要な筋肉であることから、プランクをしっかりとできるようになることでブリッジも実施できるようになる可能性があります。
プランクは、2の動作を45〜60秒間3セット実施します。
プランクは、体幹及びトレーニングに必要な非常に基本的な筋肉をつけるために有効なエクササイズですが、トレーニング初心者や女性の方にはやや負荷の高いエクササイズです。このため、まずは30秒を3セット実施することから始め、最終的には60秒を3セット実施することを目指しましょう。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。
上半身は三角筋を使って支えることを意識する。
ヒップリフトは、下半身だけで実施するようなブリッジであるためです。
ヒップリフトは、下半身だけでブリッジを行うエクササイズであるグルートブリッジに対して、1回1回下半身を下げるため、さらにエクササイズ強度を下げた種目です。そのため、ブリッジができず、後述するグルートブリッジができない方に対して、グルートブリッジを実施するためのエクササイズとして非常に有効です。
ヒップリフトは、12〜15回3セット実施するようにしましょう。
ヒップリフトは、前述した通り、そこまで負荷の高いエクササイズではないため、効果を高めるためにはフォームをしっかりと守って実施する必要があります。フォームをしっかりと守るために、やや回数が少ないと感じるかもしれませんが、12〜15回3セットをしっかりと実施するようにしましょう。
トップポジションで静止する。
お尻をゆっくり下げる。
お尻を上げる際に息を吐いて、お尻を下げるときに息を吸う。
グルートブリッジは、下半身だけで実施するようなブリッジであるためです。
ブリッジを実施する上で、上半身と下半身を組み合わせるためエクササイズ強度が高すぎて、結果としてできないという可能性が高いです。そのため、グルートブリッジでまずは下半身だけしっかりと上げる練習を行い、しっかりとブリッジのイメージを作ってから上半身も動作に付け足す様にしましょう。
グルートブリッジは、45〜60秒を3セット実施するようにしましょう。
グルートブリッジは、エクササイズの強度としてはそこまで高くありません。このため、やや長いと思うかもしれませんが、45〜60秒を3セットが良いでしょう。これだけ長い秒数を実施することが難しい場合には、まずは30秒5セットと秒数を少なくセット数を多く実施し、そこから秒数を少しずつ伸ばし、セット数を少なくしていくようにしましょう。
お尻に効かせる場合には、身体の近くに脚を配置し、ハムストリングスに効かせる場合には身体の遠くに脚を配置する。
上半身を真っ直ぐにすることを意識する。
大臀筋の収縮を意識する。
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