1. Fily
  2. Fitness
  3. 大腰筋の筋トレ&ストレッチ|自重・ダンベルでの効果的な鍛え方を解説

大腰筋の筋トレ&ストレッチ|自重・ダンベルでの効果的な鍛え方を解説

公開日

更新日

大腰筋の筋トレ&ストレッチ|自重・ダンベルでの効果的な鍛え方を解説

大腰筋は腸腰筋を構成する筋肉の一つであり、鍛えることで様々なメリットがあります。今回は、大腰筋を鍛えるメリット及びその方法についてご紹介します。

大腰筋とは

大腰筋

大腰筋とは、同じく小腰筋、腸骨筋からなる腸腰筋を構成する筋肉の一つです。

小腰筋は、大腰筋と同様に大腿骨と背骨をつなぐ筋肉ですが、かなり特殊な筋肉です。と言うのも小腰筋は全ての人にある筋肉ではなく、およそ半数の人しかない筋肉であるためです。作用としては、大腰筋と同様に太ももを上げることに作用しますが、半数近くの人がない筋肉であることからもわかる通り、そこまで大きな太ももを上げる作用があるわけではありません。

腸骨筋は、腸骨の内側についている筋肉です。腸骨筋は、股関節の外旋運動や屈曲に関与します。腸骨筋が衰えてくると、股関節周りの動きに無理が生じ、これにより腰痛の原因となる場合があります。

大腰筋は、大腿骨と背骨をつなぐ筋肉です。大腿骨は太ももの筋肉であり、これを背骨と接続することで、脚を上げる働きに関与します。大腰筋が衰えてくると、脚をしっかり上げることが難しくなり、これにより歩いていると物に躓きやすくなります。

大腰筋は、腸腰筋を構成する筋肉であることから明らかな通り、インナーマッスルに分類され、大腰筋を鍛えたからといって見た目が劇的に変化することはありません。

大腰筋を鍛えるメリット

姿勢改善

そもそも、姿勢が悪くなっている状態とは、大別して「猫背」もしくは「反り腰」が挙げられます。

猫背は、前屈みの姿勢を長時間取ることで骨盤が後傾することで発生します。特に、現代人は、長時間デスクワークをすることが多いことから、長時間前屈みの姿勢をとることで猫背になってしまっている可能性が挙げられます。猫背は巻き肩の原因となるため (その逆も然りです)、肩こりの原因にもなります。

反り腰は、腹筋及び背筋のバランスが崩れ、前側にかかった重みを背中が側で支えるようにすることで骨盤が前傾することで発生します。特に、筋肉量が少ない女性に発生しやすいと言われています。

大腰筋が衰えると骨盤が後ろに引っ張られることで猫背の状態となり、また、凝り固まっていると骨盤が前に引っ張られることで反り腰になります。このため、大腰筋を鍛えて凝りを解消することで骨盤の適切な位置を保ち、これにより姿勢改善効果を期待できます。

腰痛予防、改善

腰痛が発生するメカニズムは、上半身の重さを支えることができなくなることで姿勢が悪化し、これにより、腹筋と背筋のバランスが崩れることで、上半身と下半身の付け根である腰に負担がかかってしまうということです。前述したように、大腰筋には姿勢改善効果があるため、これにより上半身と下半身の付け根である腰にかかる負担を減らし、腰痛の予防、改善を期待できます。

ただし、大腰筋を鍛えることでの腰痛予防効果は限定的です。根本的に腰痛を予防するならば、上半身を支える背筋と腹筋のバランスを改善する方が効率的です。特に、背筋は日常的に使用する機会が多い筋肉であるものの、腹筋は意識的に使用しないと鍛えることが難しい部位であるため、腹筋を集中的に鍛えると効果的です。

つまずき予防

つまずきは、若い人にとってはそこまで重要な問題ではありませんが、年を取るにつれて非常に重要な問題になります。つまずくことにはいくつかの原因があるとされていますが、まとめると、「足腰の筋肉の減少」と言うことができます。つまずくことを予防するためには、そもそも、脚をしっかりと上げる必要があり、そのためには太ももの筋肉、ふくらはぎの筋肉、背中の筋肉、が重要な役割を果たすとされています。この中で、大腰筋は、大腿骨と背骨をつなぐ筋肉であることから、言い換えると、太ももと背中を接続する筋肉であるということが言えます。両者を接続する筋肉を発達させることで、太ももをより上体に近づけやすくなること、つまり、太ももをより引き上げ易くなることが期待できます。このため、大腰筋を鍛えることで、鍛えることで歩いているときに脚を引きずるような歩き方ではなく、脚をしっかりと上げるような歩き方になり、これによりつまづきの予防を期待できます。

ぽっこりお腹を改善

「ぽっこりお腹」とは、下っ腹が出てしまっている状態を指します。下っ腹が出てしまっている原因はいくつか理由がありますが、特に、「お腹以外で目立って肥えている部位がないのに、下っ腹が出てしまっている」という方は、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋の中でも大腰筋の状態を見直すことが効果的です。下っ腹が出ている状態というのは骨盤のバランスが崩れている状態であり、腸腰筋の中でも大腰筋を鍛えることで骨盤のバランスを矯正できるため、ぽっこりお腹を改善することを期待できます。ただし、前述した通り、腸腰筋を鍛えたからと言って、必ずしもぽっこりお腹を改善できるわけではなく、改善しない場合には、そもそもの体重を落とすために食事制限、有酸素運動の実施を行う必要があります。

バランス改善

大腰筋は、大腿骨と背骨をつなぎ、骨盤の位置を正しく保つことで股関節を安定化させる働きもあります。股関節は、身体のほぼ真ん中にある部位であり、実は身体のバランスを司る部分でもあります(歩行をする際には、股関節を支点にして脚が動いていることを考えるとわかりやすいと思います)。このため、股関節が安定化することで身体のバランスが改善することが期待できます。身体のバランスが改善すると、歩行やランなどの下半身を使う運動でのパフォーマンスが改善することに加えて、腰痛、肩こりの改善、疲労の防止などの効果を期待できます。

大腰筋を効果的に鍛えるコツ

股関節をしっかり動かす

大腰筋は、前述した通り、インナーマッスルに分類されることから外から確認することができるわけではありません。このため、動作の中で大腰筋の動きを確認するということが中々難しいですが、この問題を解決するために、「股関節をしっかりと動かす」ということを意識することが効果的です。「股関節をしっかりと動かす」ということを意識することで、大腰筋を鍛えるエクササイズでは自然と大腰筋の可動域を大きく設定することが期待できます。これにより、目視では確認することができない大腰筋をより効果的に鍛えることが期待できます。

日々の動作で大腰筋の動きを意識する

大腰筋は、前述したように、大腿骨と背骨をつなぐ筋肉で、太ももを上げる役割があります。太ももを上げるという動作は、実は日常から実施しており、それが「歩行」です。歩行する際に、「太ももを上げる」ということを意識的に実施することで、大腰筋に対して刺激を与えることが期待できます。これが特に有効なのが、高齢者の方であり、高齢者の方は散歩をする際や出かける際に、少しでも太ももを上げるということを意識することで大腰筋を鍛えることで期待でき、これにより、大腰筋が衰えて脚を引きずるような歩き方になることを防ぐことを期待できます。

大腰筋を鍛える自重トレーニング

腿上げ

腿上げ

やり方

  1. 直立した状態で腿を上げる。
  2. 1を片側12〜15回3セット、左右で実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 膝をしっかり上げる。

  • バランスを取れない場合には、片手を壁にかけて実施しても可。

レッグレイズ

やり方

  1. 仰向けになり、両手はお尻の下に配置し、膝はやや曲げた状態に設定する。
  2. ボトムポジションを踵が床にぎりぎり付かない位置に設定する。
  3. 脚を素早く挙げて、床と太ももの角度が75度程度になる部分をトップポジションに設定する
  4. 脚をゆっくり下げて2に戻る
  5. 2から4を15〜18回を3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • とにかく足の動きをコントロールする。

  • 腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。

  • 足を床ぎりぎりまで下げる。

  • 膝を真っ直ぐにしすぎない。

  • 呼吸を意識する。

ニートゥーエルボー

やり方

  1. 立った状態で手を頭の後ろに回す。
  2. 膝と肘が互い違いになるようにして付くように、上半身をツイストさせ、同時に膝を上げるようにする。
  3. 左右を変えて2を繰り返す。
  4. 片側15〜18回を3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 膝をしっかり上げる。

  • 上半身をしっかりツイストさせる。

バックランジ

(大腰筋をしっかり鍛えるならば、膝をもう少ししっかり上げた方が良いです。)

やり方

  1. 片足を前、片足を後ろに設定してランジの状態を作る。
  2. 後ろの脚を蹴り上げて、しっかり太ももを上げて元に戻り、この際に後ろの膝と床が付くか付かないかまで身体を下げる。
  3. 2を繰り返す。
  4. 片脚12〜15回を3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • トップポジションで膝をロックしない。

  • 膝をしっかり上げる。

  • 負荷が足りない場合には、ダンベル、スミスマシン、バーベルで加重しても良い。

バイシクルクランチ

やり方

  1. 仰向けになって膝を上げた状態を作る。
  2. クランチの"ほぼトップポジション"の状態を作る。
  3. 下半身は自転車を漕ぐ様に、上半身はツイストする。
  4. 2を繰り返す。
  5. 片側10回を3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 腸腰筋に刺激を入れる場合には膝をしっかり上げる。

  • 上半身をしっかりツイストさせる。

大腰筋を鍛えるダンベルトレーニング

ダンベルスクワット

やり方

  1. 肩幅に対して1.2倍から1.5倍に脚幅を設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. ダンベルが身体の中央部にくるように両手で支える。
  3. 上半身を床に対して垂直になるようにゆっくり下げる。
  4. 太ももと床が平行になったら切り返して膝が真っ直ぐに伸び切らない部分まで戻る。
  5. 3から4を12〜15回13セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 重量を扱いすぎない。

  • 膝をロックしない。

  • 上半身は床に対して垂直。

  • ボトムポジションで股関節が開くことを意識(=股関節で負荷を受けるようなイメージ)。

ダンベルスプリットランジ

やり方

  1. ダンベルを両手に持った状態で片脚を前に、片脚を後ろに設定する。
  2. 後ろの膝が床に付くかつかないか部分まで身体をゆっくり下げる。
  3. 前の膝が真っ直ぐに伸び切らないまで元に戻る。
  4. 3から4を左右で12〜15回3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 重量を扱いすぎない。

  • 上半身は床に対して垂直。

  • 膝をロックしない。

ダンベルブルガリアンスクワット

やり方

  1. ダンベルを両手もしくは片手に把持する(片手で把持する場合には、後述する前に出す脚とは逆方向の手でダンベルを把持する)。
  2. ベンチ台などの高さがある台に片足を乗せる。
  3. 肩幅よりもやや広くなるように、ベンチ台に対して片足を前に出した状態を作る。
  4. ゆっくり、できるだけ深く身体を下げる。
  5. 膝がロックしない部分 (=真っ直ぐにならない部分)まで身体を戻す。
  6. 4から5を片脚で10〜12回、両脚3セットずつ実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • できるだけ深く下げる。

  • やや前傾姿勢で実施する。

  • トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。

  • バランスがどうしても崩れてしまう場合には片手をどこかに掴まりながら実施しても良い。

おすすめのダンベル3選

クロームダンベル(IVANKO)

IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。

ダンベルの種類としては固定式です。

イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。

また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。

アジャスタダンベル(FLEXBELL)

FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。

ダンベルの種類は可変式です。

本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。

1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。

ダンベル 2個セット(PROIRON)

PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。

ダンベルの種類は固定式です。

本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。

ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。

大腰筋を鍛えるバーベルトレーニング

バーベルスクワット

やり方

  1. 脚幅を腰幅に設定して、三角筋中部と後部の間でバーベルを背負う。
  2. バーベルをラックから外し、やや膝を曲げた状態を作る。
  3. 臀部主導で大腿が床と平行かそれより深くなる部分まで身体を下げる。
  4. 膝がロックしない部分まで元に戻す。
  5. 3と4を、8〜10回3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 重量を扱いたいならばローバー、低重量で負荷を高めるならばハイバー。

  • つま先はやや外側を向ける。

  • 膝をロックしない。

  • 臀部主導で実施する。

  • 高重量を扱いすぎない。

バーベルスプリットランジ

やり方

  1. パワーラックもしくはスクワットラックでバーベルを背負う。
  2. 片方の脚を前に出して、ランジの状態を作る。
  3. ゆっくり身体を下げる。
  4. 元に戻す。
  5. 3から4を、8〜10回3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • できるだけ深く下げる。

  • 高重量を設定しすぎない。

  • トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。

バーベルブルガリアンスクワット

やり方

  1. パワーラックもしくはスクワットラックにベンチ台を用意する。
  2. バーベルをラックから外し、片足をベンチ台に乗せる。
  3. 肩幅よりもやや広くなるように、ベンチ台に対して片足を前に出した状態を作る。
  4. ゆっくり、できるだけ深く身体を下げる。
  5. 膝がロックしない部分(=真っ直ぐにならない部分)まで身体を戻す。
  6. 4から5を、片脚で8〜10回3セットずつ実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • できるだけ深く下げる。

  • 高重量を設定しすぎない。

  • トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。

大腰筋を鍛えるマシントレーニング

バイク

やり方

  1. バイクを漕ぐ。
  2. 20〜30分回実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • バイクの負荷を高めすぎない。

  • 惰性で実施するのではなく、しっかり漕ぐことを意識する。

ヒップフレクション

やり方

  1. 股関節が伸展しているポイントで膝にパッドが当たるように設定する。
  2. できる限り、高いところまで膝を上げる。
  3. 重りが、重り同士が付くか付かないかの部分までゆっくり戻る。
  4. 2から3を左右で12〜15回ずつ3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 膝を戻しすぎない。

  • できるだけ高いところまで膝を上げる。

ハンキングレッグレイズ


やり方

  1. 肩幅よりやや広めでぶら下がる。
  2. お尻を後ろに動かすイメージで脚を上げる。
  3. 脚をゆっくり下げる。
  4. 2から3を5回3セット実施する。

効果を高めるポイント・注意点

  • 脚を上げすぎない。

  • 脚を下げすぎない。

  • 脚の動きを終始コントロールする。

大腰筋のストレッチ方法

ストレッチ1

仰向けになった状態で片足を両手で抱え込むようにします。このとき、反対の脚は真っ直ぐの状態にします。この状態を20〜30秒維持し、左右で3セット実施するようにしましょう。

ストレッチ2

うつ伏せになった状態で、脚を上げることでストレッチします。動画の中では2人1組みで実施していますが、1人で実施して、両足が床に対して90度から95度くらい、角度がついた状態にしても実施できます。この状態でしっかり息を吸い、息を吐くことで上半身を床につけるようなイメージをもってストレッチします。10〜20秒で3セット実施するようにしましょう。

ストレッチ3

四つん這いになった状態で、片脚を前に出し、その前に出した片脚を脚の裏側が身体の内を向くようにして倒し、この状態で後ろ脚の膝が床につくようにすることで大腰筋をストレッチします。10〜20秒で3セット実施するようにしましょう。