肩甲挙筋は、頚椎と首をつなぐ筋肉で、鍛えることで首、肩の痛みの改善に効果があります。今回は、肩甲挙筋を鍛えるコツ及びその方法をご紹介します。
肩甲挙筋は、頚椎と肩甲骨をつなぐ筋肉であり、肩甲骨を上方及び内側に引く動作に関与します。
肩甲挙筋の筋肉のつき方が似ているのが僧帽筋です。僧帽筋は、上部、中部、下部からなる筋肉であり、特に僧帽筋上部は後頭骨から鎖骨まで伸びる筋肉です。このため、肩甲挙筋と比較するとほぼ同じ部分を筋肉が走っていることが言えるのですが、肩甲挙筋の方がより内側に走っている筋肉であり、僧帽筋はその外側を走る筋肉です。
このことから、肩こりでもみほぐすときに、表層で比較的指が入りやすい部分が僧帽筋であり、力を入れることで指先が強く反力を感じる部分が肩甲挙筋に相当します。このため、肩甲挙筋の柔軟性を改善することは肩こり解消に有効であることが言えます。
首や肩の痛みは、何かしらの原因で首から肩にかけての筋肉がこわばっている状態です。筋肉がこわばると、血管を圧迫するため、血流が悪化させるのと同時に、リンパの流れを悪化させます。血流及びリンパの流れは、疲労物質を流す作用があるため、血流が悪化した状態だとこの疲労物質が蓄積し、「肩や首が重い」「だるい」といった症状を引き起こします。言い換えれば、筋肉の緊張を解き、血流及びリンパの流れを改善することができれば肩や首の痛みを改善することが期待できるといえます。
肩甲挙筋は前述したように、頚椎と肩甲骨をつなぐため、鍛えることで肩周りの血流を改善することを期待できます。また、肩甲挙筋が走る部分はリンパが集まる頸部リンパ節が存在し、リンパの流れは筋肉を鍛えることで改善することが可能であるため、肩甲挙筋を鍛えることでリンパの流れの改善を期待できます。以上より、肩甲挙筋を鍛えることで肩、首の痛みを予防、改善を期待できます。
「姿勢が悪い」というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、もしくは、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。
一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生していることが多く、姿勢の改善を行うためには、まず猫背の改善を行う必要があります。
肩甲挙筋が十分に発達していないと、頭が落ちたような状態になり、これにより、肩甲骨が引っ張られることで猫背を誘発します。これは、言い換えれば肩甲骨を鍛えることで、頭を理想的な位置に設定することができ、これにより猫背を誘発しにくくなり、姿勢改善を期待できます。
肩甲挙筋がある部位は、前述した通り、頸部リンパ節が存在します。このリンパ節は、リンパが流れるリンパ管が集まっている部分であり、フィルターのような役割をしています。リンパは、筋肉を動かすことで流れることが促される部位です。つまり、筋肉が動いていないとリンパの流れは悪くなり、リンパ節の役割も低下し、フィルターによる老廃物、余分な水分を除去する能力が低下し、むくみ、冷え性の原因となります。以上より、肩甲挙筋を鍛えると、リンパの流れを効率的に改善することが期待でき、これによりむくみ、冷え性の改善を期待できます。
前述したように、肩甲挙筋は、僧帽筋とほぼ同様の場所にあることが言え、僧帽筋が表層で、肩甲挙筋は深層にあります。筋肉の深さ方向に違いのある筋肉の何れかを狙ってエクササイズを行うことは極めて困難であり、両者を別々に鍛えることはほぼ不可能です。このため、肩甲挙筋を稼働させる際には僧帽筋が、僧帽筋を稼働させる場合には肩甲挙筋が稼働することを意識しながら、それぞれを単独で刺激することに固執しないようにしましょう。
肩甲挙筋は、前述した通り、鍛えようとすると僧帽筋にも刺激が入る部位であるため、僧帽筋のエクササイズと同様に、高重量を扱える種目が多いです。
これが特に顕著である種目であると言われているのがダンベル/バーベルシュラッグです。この種目は、可動域を意識しないととんでもない重量を扱うことができる一方で、エクササイズ効果は非常に限定的となります。これは、僧帽筋中部を鍛える種目であるロープーリーロウ、Tバーロウ、バーベルベントオーバーロウイング等でも同様のことがいえます。
つまり、肩甲挙筋は、僧帽筋と同様に有効可動域が非常に狭いエクササイズが多いことから、重量をやや軽めに設定して可動域をしっかりと設定することが重要です。
肩甲挙筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、肩甲挙筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での肩甲挙筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。ここで、肩甲挙筋は、僧帽筋を鍛える際に刺激が入る筋肉である、僧帽筋を鍛える上で重要な収縮動作をしっかり意識するということが重要になります。収縮動作をしっかり意識するためには重量設定が重要であり、前述した通り、やや軽めの重量設定にし、可動域を確保しながら収縮動作もしっかり意識することが重要です。
肩甲挙筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
肩甲挙筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、肩甲挙筋が伸展するときに息を吸い、収縮するときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
身体は海老反り。
手首は掌屈(手首の関節を手のひらの方向に折り曲げること)。
肩甲骨の動きを意識。
身体を下げすぎない(肘の角度が真っ直ぐになる部分まで戻さない)。
トップポジションでは身体にしっかり引き寄せる。
脇の角度は90度。
ボトムポジションでは僧帽筋の伸展を意識する。
姿勢をわざと悪くする。このため、腰に負担がかかりやすくなるため注意する。
僧帽筋を引き切り、収縮感を意識する。
重量の設定を重過ぎないようにする。
IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。
ダンベルの種類としては固定式です。
イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。
また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。
FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。
ダンベルの種類は可変式です。
本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。
1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。
PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。
ダンベルの種類は固定式です。
本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。
ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。
姿勢をわざと悪くする。このため、腰に負担がかかりやすくなるため注意する。
僧帽筋を引き切り、収縮感を意識する。
重量の設定を重過ぎないようにする。
チューブを短めにし、ボトムポジションでテンションがかかった状態にすると負荷を高めることが可能。
姿勢をわざと悪くする。
おすすめのチューブに、アディダスのパワーチューブ トレーニングが挙げられます。
本製品の特徴は、チューブに対してハンドルがついている点です。基本的に、トレーニングチューブはハンドルがついているものと、ついていないものがあるのですが、本製品は前者です。ハンドルがついているため、チューブを引っ張った際にチューブを把持(しっかり握ること)するのに握力がいらないことから、張力が強い物を扱えます。
本製品は、レベル1、2、3とあり、レベルが上がるにつれて負荷が高くなるのですが、個人的には、レベル1、2で十分です(自分にはこれくらいかなと考えるものよりも、1つレベルが下の物を選ぶのがポイントです)。
本製品の特徴は、本製品を購入するだけで異なる負荷の複数のトレーニングチューブが同梱されている点、ハンドルが複数種類同梱されている点です。
トレーニングチューブは自分のレベルにあった製品を購入するのが難しいという問題があります。そのため、このように複数のトレーニングチューブが入っていれば自分のレベルに合うものがある確率が高く、トレーニングチューブ選びで失敗しにくいです。また、チューブトレーニングをしていく中で、負荷を上げようとしたときに別製品を購入する必要がないというのも大きなメリットです。
本製品の特徴ですが、ハンドルなしのトレーニングチューブで非常にシンプルであり、値段もお手頃であるという点が挙げられます。トレーニングチューブを使い慣れていて、ハンドルは必要ないと考えている方にはおすすめの商品です。
姿勢をわざと悪くする。このため、腰に負担がかかりやすくなるため注意する。
トップポジションでしっかりと収縮させる。
重量設定を重過ぎないようにする。
顔を少し横に向けた状態で頭をさげ、頭を下げた方の手で頭の後ろを押すことで肩甲挙筋のストレッチを促します。左右で10〜20秒、3セット実施しましょう。
体側で横になった状態になり、下の方にある手は肩の正面に立てる様に配置し、首を首芯の自重で曲がるようにすることで肩甲挙筋のストレッチを促します。左右で10〜20秒、3セット実施しましょう。
座った状態で首を曲げる方の手を曲げるのとは逆の方向の首の部分に置き、もう片方の腕を曲げる方の太ももの方に持ってきて視線をした方向に設定することで、肩甲挙筋のストレッチを促します。左右で10〜20秒、3セット実施しましょう。
Most Popular
プランクと腹筋ローラー、腹筋を効果的に鍛えられるのはどっち?
フィットネス
大腿四頭筋の筋トレメニュー|効果的に鍛える方法を解説
フィットネス
リバースプランクができない原因とは?正しいフォームと時間設定を解説
フィットネス
筋トレ「クラムシェル」のやり方と効果を高めるコツを解説
フィットネス
プランクで体が震える原因と対処法を解説|
フィットネス
【女性向け】スミスマシンスクワットのやり方。重量設定の方法
フィットネス
腹筋ローラーでみぞおちが痛い原因と対処法。正しいフォームを解説
フィットネス
ハイプランクとロープランクの違い。フォームと効果を比較
フィットネス
サイドプランクで肩が痛い原因と対処法4選!効果的な正しいフォームを解説
フィットネス
【女性向け】ワンハンドローイングのやり方。重量・回数の設定は?
フィットネス