小円筋は、ローテターカフを構成する筋肉で、肩の怪我の防止やパフォーマンスアップに寄与する筋肉です。今回は、小円筋を鍛えるコツ及びその方法をご紹介します。
小円筋は、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋とともに、回旋筋腱板、つまり、ローテーターカフを形成する筋肉の一つです。
棘上筋(きじょうきん)は肩甲骨裏面上部から上腕骨にかけて走る筋肉です。棘上筋は肩関節の外転(腕を横に持ち上げる)役割があります。
棘下筋(きょっかきん)は肩甲骨裏面中央部から上腕骨にかけて走る筋肉です。棘下筋は肩関節を外旋 (腕の外側への回旋運動)する役割があります。
肩甲下筋(けんこうかきん)は肩甲骨表面中央部から上腕骨にかけて走る筋肉です。肩甲下筋は肩関節を外旋 (腕の外側への回旋運動)する役割があります。
小円筋は肩甲骨裏面外側から上腕骨にかけて走る筋肉です。小円筋は肩関節を外旋 (腕の外側への回旋運動)する役割があります。
名前が似ている筋肉に大円筋がありますが、小円筋と大円筋は大きく異なります。大円筋は、肩甲骨の下角部から上腕骨にかけて走る筋肉であり、大円筋は肩関節の内旋に寄与します。
前述した通り、小円筋は肩関節の外旋運動の役割があります。外旋運動は外側への回旋運動であり、例えば、バレーボールでスパイクを打つ前の動作、ピッチング動作、送球などの動作で機能します。このことから、小円筋を鍛えることでこれらの動作をよりスムーズかつ効率的に実施することを期待できます。ただ、一般的には、小円筋を単独で鍛えるというよりはローテーターカフを構成する4つの筋肉をまとめて鍛えることで、運動パフォーマンスの向上を目指すことが多いです。
小円筋は、前述した通り、肩甲骨と上腕骨を接続しています。このため、小円筋が発達していないと肩甲骨周り、すなわち、肩に負担がかかることになります。このことから、小円筋が発達していると肩にかかる負担を減らすことが期待でき、これにより、肩の怪我の防止を期待できます。実際には、小円筋単独を鍛えて肩の怪我の防止をするのではなく、ローテーターカフ全体を鍛えることで肩の怪我を防止します。肩は、回してみるとわかりますが、非常に関節の自由度が高い部位であり、肩の負担を減らすということは肘などの負荷を減らし、これにより、怪我の防止を期待できます。
四十肩・五十肩とは、正式名称は、肩関節周囲炎であり、肩関節に炎症が発生することで腕が上がらなくなる症状です。40代でこの症状が出れば四十肩、50代でこの症状が出れば五十肩と呼びます。よく似た症状に肩こりがありますが、肩こりはリンパの流れ、血流が悪いことが根本的な原因であることが多いのに対して、肩関節周囲炎はそもそも肩関節が炎症を起こしている状態です。肩関節が炎症を起こしているのは、肩甲骨と上腕骨を結ぶ小円筋が十分に発達していないことで、負荷がかかってしまっている状態です。このことから、小円筋を鍛えることで肩関節の炎症を防ぎ、これにより、四十肩・五十肩の解消を期待できます。実際には、小円筋単独で四十肩・五十肩の解消を狙うのではなく、ローテーターカフ全体を鍛えることで解消を狙うようにしましょう。
前述したように、小円筋は、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋とともに、ローテーターカフを形成する筋肉です。このため、基本的には、小円筋を鍛えようとすると、これらの部位にも刺激が入ることがあります。また、後述するように、小円筋を鍛える種目は、小円筋以外の大きい筋肉をターゲットにしている種目が多いです。これらの種目で小円筋のみを狙うのは非常に効率が悪いため(というよりも、かなりトレーニングレベルが熟達していないと小円筋だけを分離して刺激を与えるということは不可能です)、小円筋だけを狙うのではなく、その他の部位も狙いながら鍛えることを意識しましょう。
前述したように、小円筋を鍛える方法は大きくわけて2つあり、一つは背中のトレーニングで副次的に鍛える方法、もう一つはローテーターカフを狙うことで直接的に鍛える方法です。注意しなければならないのが、後者の方法です。ローテーターカフは、基本的には肩関節の外転、外旋動作を行うことで鍛えることが期待できるのですが、肩関節のこれらの動きはそもそも高負荷を与えることを想定されていません。このため、高重量を扱ったり、動作が早くなってしまうと、肩関節に無理な負担がかかってしまい、これにより怪我をする原因となります。このため、小円筋を鍛える種目は怪我をするリスクが高いものもあるため、重量に拘らずダンベルを丁寧に動かすようにしましょう。
小円筋が一部であるローテーターカフは、前述したように肩関節の外転、外旋動作で働きます。これらの動作は、トレーニング中において不意に発生する可能性があります。トレーニングにおいて、このような動作が不意に発生する際、多くの場合において怪我をする原因となります。このため、「怪我を防ぐ」という意味で小円筋のエクササイズをウォーミングアップに実施することは有効です。
また、前述したように、小円筋は鍛えることでパフォーマンスアップ効果を期待できます。このことから、このため、「パフォーマンスアップ」という意味で小円筋のエクササイズをウォーミングアップに実施することは有効です。
特に、ウォーミングアップ時に実施するのが有効なのが、後述するエクスターナル/インターナルローテンションであり、肩関節が稼働する可能性があるエクササイズでは、これらの種目を実施することは大変オススメです。
小円筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。ここで、小円筋は、インナーマッスルに分類されるため、視覚的に動いていることを確認することが難しい部位です。このため、あらかじめ、インターネット等で小円筋の場所を把握し、エクササイズを行う際に、その部分を意識することが重要です。
小円筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
小円筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、小円筋が伸展するときに息を吸い、収縮するときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
脊柱起立筋により身体が曲がらないようにすることを意識する。
手幅を広めに設定する。
下半身はよれた状態。
体重をかけていない方の手は伸ばす。
目線は体重をかけていない方の手の方向に設定する。
下半身をできるだけ後方にもってくることで、自身の体重により大胸筋を伸展させることを意識する。
身体の動きをコントロールする。
肘を伸ばし切らない。
腕は身体に垂直。
ダンベルの重量設定を重すぎないようにする。
振り回さないで丁寧に動かす。
ボトムポジションでしっかりと三角筋後部が床と平行になるようにし、しっかりと伸展させる。
トップポジションで一瞬静止するとより負荷が高まる。
高重量で実施すると腰を痛め易いので注意が必要。
ダンベルの重量設定を重すぎないようにする。
振り回さないで丁寧に動かす。
背中が常に張った状態を作る。
目線は正面。
肘を引き切る。
ボトムポジションで僧帽筋の収縮感を意識できるとなお良い。
IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。
ダンベルの種類としては固定式です。
イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。
また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。
FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。
ダンベルの種類は可変式です。
本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。
1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。
PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。
ダンベルの種類は固定式です。
本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。
ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。
手首を掌屈させる。
手幅を広すぎず、狭すぎないように設定する。
高重量だと腰を痛める。
ボトムポジションで三角筋後部のストレッチを意識する。
背中が常に張った状態を作る。
重量設定を重すぎないようにする。
目線は正面。
肘を引き切る。
ボトムポジションで僧帽筋の収縮感を意識できるとなお良い。
チューブの負荷を高すぎないようにする。
肘を固定する。
上半身を固定する。
しっかり動かす。
肘を引き切る。
背中を張った状態を作る。
エクササイズのバリエーションとして手首を外旋するようにスピネイトしても良い。
おすすめのチューブに、アディダスのパワーチューブ トレーニングが挙げられます。
本製品の特徴は、チューブに対してハンドルがついている点です。基本的に、トレーニングチューブはハンドルがついているものと、ついていないものがあるのですが、本製品は前者です。ハンドルがついているため、チューブを引っ張った際にチューブを把持(しっかり握ること)するのに握力がいらないことから、張力が強い物を扱えます。
本製品は、レベル1、2、3とあり、レベルが上がるにつれて負荷が高くなるのですが、個人的には、レベル1、2で十分です(自分にはこれくらいかなと考えるものよりも、1つレベルが下の物を選ぶのがポイントです)。
本製品の特徴は、本製品を購入するだけで異なる負荷の複数のトレーニングチューブが同梱されている点、ハンドルが複数種類同梱されている点です。
トレーニングチューブは自分のレベルにあった製品を購入するのが難しいという問題があります。そのため、このように複数のトレーニングチューブが入っていれば自分のレベルに合うものがある確率が高く、トレーニングチューブ選びで失敗しにくいです。また、チューブトレーニングをしていく中で、負荷を上げようとしたときに別製品を購入する必要がないというのも大きなメリットです。
本製品の特徴ですが、ハンドルなしのトレーニングチューブで非常にシンプルであり、値段もお手頃であるという点が挙げられます。トレーニングチューブを使い慣れていて、ハンドルは必要ないと考えている方にはおすすめの商品です。
手首を掌屈させる。
小指と薬指で引くように意識する。
胸を張る。
できるだけ、上半身を煽らない。
アタッチメントをパラレルグリップのものにしても良い。
目線は下側に設定する。
上半身はやや下半身にかかるように設定する。
トップポジションで重さを受け切る。
重量設定を重すぎないようにする。
1回ずつ左右を変えない。
手首は掌屈。
肘を伸ばし切らない。
ドアノブのある扉の前に立ち、片手でドアノブを持った状態で前に重心をかけることで小円筋のストレッチを促します。両腕で10〜20秒、3セットずつ実施しましょう。
立った状態で肘をたたみ、それを身体の側面に設定します。たたんだ肘を前に内旋させるようにすることで小円筋のストレッチを促します。両腕で10〜20秒、3セットずつ実施しましょう。
立った状態で片腕が首の真後ろに来るように設定することで小円筋のストレッチを促します。両腕で10〜20秒、3セットずつ実施しましょう。
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