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ダンベルスクワットのやり方と効果|持ち方・重量・回数を解説

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ダンベルスクワットのやり方と効果|持ち方・重量・回数を解説

ダンベルスクワットは、ダンベルを用いて行うスクワットでありバーベルスクワットと比較して安全に実施可能です。今回は、ダンベルスクワットのやり方及びコツをご紹介します。

ダンベルスクワットとは

ダンベルスクワットは、「dumbbell squat」、つまり、ダンベルを用いて行うスクワットを指します。一般的に、スクワットというと、自重で行うスクワットか、ジムでバーベルを用いて行うスクワットの印象が非常に強いと思います。しかし、実際には、ダンベルを用いて行うスクワットも存在し、バーベルスクワットと比較してそこまで一般的ではありませんが、バーベルスクワットよりも安全に実施できるというメリットがあります。

一般的に、バーベルは重りを付けない状態でも20 kgあるため、トレーニング初心者や女性の方にとっては、バーベルを用いてスクワットをするのはそれだけでも負荷が高い場合があります。一方で、ダンベルスクワットの場合には、ダンベルはバーベルと比較して重量を細かく刻めるため、自分自身に合わせた重量の細かい設定を行うことが可能です。このため、ダンベルスクワットは、トレーニング初心者や女性にもおすすめできるエクササイズです。

ゴブレットスクワットとの違いは

ダンベルスクワットと非常によく似たエクササイズとして、ゴブレットスクワットという種目があります。

ゴブレットスクワットは、ダンベルもしくはケトルベル(丸い重量物に持ち手が付いたもの)を用いて行うエクササイズです。一般的に、ゴブレットスクワットを含めてダンベルスクワットを指すことが多いですが、厳密には両者は異なります。ゴブレットスクワットでは、ダンベルもしくはケトルベルを持ち上げて顎の前で支えながら実施します。これは、後述するダンベルスクワットのやり方とは異なり、より上半身を真っ直ぐにして実施しやすくなりますが、ダンベルスクワットと比較して重量を扱いにくいという特徴があります。

ダンベルスクワットで鍛えられる筋肉の部位

ダンベルスクワットで鍛えられる部位

大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前面についている筋肉であり、大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋から構成されています。大腿四頭筋は、筋群で比較した場合には身体の中で最も大きい筋肉です。このため、他の部位とは少々異なり、大腿四頭筋を構成するそれぞれの筋肉をメインターゲットとして鍛えることもあります。

大腿直筋は、股関節から膝関節までをつなぐ筋肉で、大腿四頭筋の中では一番長い筋肉です(太ももの中央部を縦に走るような筋肉です)。膝関節の伸展に寄与しており、大腿直筋を鍛えることで膝を安定させることを期待できます。

内側広筋は、大腿四頭筋の内側についている筋肉です(同じく太ももの内側についている筋肉として内転筋があり、内転筋の方がより内側についているイメージです)。大腿直筋と同様に膝関節の伸展に寄与しています。

中間広筋は、太ももの中央部を走る筋肉です(大腿直筋よりも深層にあるため大腿四頭筋を外から見ても中間広筋を判断するのは困難です)。大腿直筋と同様に膝関節の伸展に寄与しています。

外側広筋は、大腿四頭筋の内側に付いている筋肉です。大腿直筋と同様に膝関節の伸展に寄与しています。

ダンベルスクワットに代表されるスクワットは、大腿四頭筋を満遍なく鍛えることができるとされています(テクニックによっては、どの部位を集中的に鍛えるかを区別することが可能です)。だからこそ、大腿四頭筋を鍛えるためのエクササイズとしてスクワットが推奨されています。

以上の大腿四頭筋を鍛えることで、代謝の改善、冷え性、むくみの改善、ある程度までの太ももの引き締め効果を期待できます。

代謝の改善

大腿四頭筋は、筋群で比較した場合には身体での中で最も大きい筋肉群です。これにより、筋肉をつけやすく、それに伴って代謝の改善を期待できます。大腿四頭筋をつけることで改善できるのは基礎代謝であり、例えば、体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。このため、大腿四頭筋を鍛えることで代謝を改善するということは、ダイエットの近道であるということが言えます。

冷え性、むくみの改善

冷え性、むくみは身体の血流が悪くなっているからこそ発生します。大腿四頭筋は、前述したように、筋肉が大きいからこそ、鍛えることで血流を効率よく改善することができます。特に、現代人はデスクワークなどで座った状態で長時間の仕事をする人も多いことから、下半身がむくみやすく、かつ下半身の末端部で冷え性を感じている人も多いです。そのような方は、定期的に立ち上がって大腿四頭筋を軽く鍛えるだけで、冷え性、むくみの改善を期待できます。

ある程度までの太ももの引き締め効果

大腿四頭筋は、筋肉が大きいため、これにより、鍛えると比較的直ぐに筋肉の発達を感じることができます。これにより、太ももの前面を中心に付いている脂肪を燃焼させることを期待できます。その一方で、大腿四頭筋は負荷をかけてトレーニングをしすぎると、大腿四頭筋が肥大化してしまうという問題も発生する可能性があります。このため、太ももを太くしたくない方は節度を持ってトレーニングを行う必要があり、重量を扱うよりも、やや軽い重量で回数を多くしてトレーニングを行うようにしましょう。

腰痛の軽減

大腿四頭筋の中でも、大腿直筋は骨盤前面に付着している筋肉です。大腿直筋への刺激が少なくなり、凝り固まってしまうと、骨盤が身体の前方に引っ張られることで反り腰の状態になり、これにより、腰痛の原因となる可能性があります。以上は、大腿四頭筋を鍛え、大腿直筋に刺激を与えれば、腰痛の軽減を期待できるということにも言い換えることができます。

運動機能の向上

大きい筋肉ということもあり、下半身を稼働させる運動を行うと高確率で筋肉痛になるのが大腿四頭筋です。大腿四頭筋は、膝を伸展させる働きがあります。下半身を稼働させる多くの運動は、膝を伸展させる必要があることから、大腿四頭筋は幅広い運動で必要となる筋肉です。具体的には、空手、キックボクシングなどのキック動作を行う運動、短距離、バスケットボール、サッカー、野球などの走る動作を行う全般的な運動、自転車の漕ぐ動作を行う運動に関与しており、これらの運動を行う方は大腿四頭筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。

大臀筋

大臀筋は、お尻、すなわち臀部の筋肉です。臀部には、大臀筋の他に、中臀筋と小臀筋という筋肉があります。中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最もインナー部分に存在する筋肉です。ただ、両者ともに大臀筋と比較すると、筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。

以上の大臀筋を鍛えることで、お尻の引き締め、ヒップアップ効果、スタイル改善、代謝の改善、運動機能の向上、腰痛予防を期待できます。

お尻の引き締め、ヒップアップ効果

ヒップアップ効果とは逆に、お尻が垂れ下がった状態とは、お尻の筋肉がお尻全体の重さを支えきれなくなった状態を指します。お尻が垂れ下がると、まずはお尻の下部から垂れ下がり始め、徐々にお尻の上部も垂れ下がることで、最終的にはお尻全体が垂れ下がります。大臀筋は、単一の筋肉では身体の中で最も大きい筋肉であり、それに伴って、お尻周りの筋肉の中で最も大きい筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることでお尻を支える筋肉を強くすることで、お尻の引き締め効果及びヒップアップ効果を期待できます。

通常のスクワットでも大臀筋を鍛えることができますが、ダンベルスクワットではより大臀筋を鍛える意識を持ちやすいです。これは、ダンベルスクワットでは、ダンベルを身体の側面部で把持して行うことから、ボトムポジションでの動作が大臀筋を伸展させる種目であるルーマニアンデッドリフトのようになるためです。このため、通常のスクワットと比較して大臀筋を伸展させる意識をより持ちやすく、これにより、より効率的に大臀筋を鍛えることを期待できます。

スタイル改善

大臀筋を鍛えることで、前述した通りヒップアップ効果を期待できます。ヒップアップ効果を期待できるということは、太ももにお尻が垂れて乗っかっているような状態ではないということであり、これにより後ろ、横から見たときに脚が長く見えるようになることが期待できます。また、お尻の筋肉が発達することでアウトラインが改善されると、相対的に脚が細く見えるようになるという効果も期待できます。以上から、大臀筋を鍛えることで、お尻自体のアウトラインを改善することに加えて、お尻が接続している太ももの見栄えが改善することから、スタイル改善を期待できます。

代謝の改善

大臀筋は、単独の筋肉で比較した場合において、最も筋肉が大きい部位です。筋群で比較した場合には大腿四頭筋が最も大きい筋肉であり、これにより、大腿四頭筋を鍛えることで代謝の改善を期待することができましたが、これは大臀筋にも同様のことが言えます。筋肉の大きさについて、大腿四頭筋が非常に大きいということは有名ですが、大臀筋も大きい部位であるということは実は盲点であるケースが多く、だからこそ、大腿四頭筋に加えて大臀筋を鍛えることで効率的なダイエット効果を期待できます。

運動機能の向上

久しぶりに運動をすると実は筋肉痛になりやすいのが大臀筋です。大臀筋は下半身を使う動作で、力を発揮するのに必須の筋肉であるため、比較的幅広い運動で作用する筋肉です。このため、大臀筋を鍛えることで運動機能を向上することが期待できます。具体的には、短距離走で速く走ること、バスケットボールやバレーで高くジャンプすること、サッカーや野球で踏み込む動作などに大臀筋は関与しており、これらの運動を行う方は大臀筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。

腰痛予防

腰痛は、姿勢の乱れで発生することが非常に多いです。姿勢を正しく保持するために、腹筋及び背筋を鍛えることが有効であることは非常に一般的ですが、その体幹を下半身で支える働きがある大臀筋も身体を真っ直ぐ立たせる働きがある筋肉です。このため、大臀筋が十分に発達していないと姿勢が崩れる原因になり、これにより腰痛の原因となります。したがって、大臀筋を鍛えることで姿勢を改善し、これにより腰痛の予防を期待できます。

ハムストリングス

ハムストリングスは、太ももの裏面に付いている筋肉であり、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋3つの筋肉の総称です。太ももの前側にある大腿四頭筋と比較するとサイズは小さくなりますが、それでも筋肉の大きさとしては身体の中でも非常に大きい部類に分類できます。

大腿二頭筋は、同じく二頭筋である上腕二頭筋と同様に長頭と短頭の2つの筋肉からなる筋肉で、膝関節を曲げ、外側に捻る働き等があります。

半膜様筋は、ハムストリングスのやや内側にある筋肉で膝関節を曲げ、内側に捻る働き等があります。

半腱様筋は、大腿二頭筋長頭の隣で縦に走る筋肉で、膝関節を曲げ、内側に捻る動き、下半身のブレーキをかける等があります。

以上のハムストリングスを鍛えることで、特に太ももの引き締め効果、ヒップアップ効果を期待できます。

太ももの引き締め効果

太ももの引き締め効果というと、太ももの表側、すなわち、前述したような大腿四頭筋に代表される筋肉を鍛えることが真っ先に浮かびますが、太ももの裏側、すなわち、ハムストリングスを鍛えることも有効です。というのも、大腿四頭筋は意識していなくても日常的に使われていることが多く、このため、そこまで鍛えていなくても皮下脂肪が付いていることが気になることはそこまで多くありません。一方、ハムストリングスは大腿四頭筋と比較すると日常的に使用される機会が少なく、これにより、皮下脂肪が意外と目立つ部位です。このため、ハムストリングスを鍛え、太もも裏側の脂肪を燃焼させることで、太ももの引き締め効果を期待できます。

ヒップアップ効果

ヒップアップ効果というと、お尻の筋肉、すなわち、前述した通り大臀筋を鍛えることが真っ先に思い浮かびますが、実際に、それは間違っていません。ただし、ヒップアップ効果は、お尻側からアプローチする方法と、お尻の下側にある太ももの裏側からアプローチする方法があり、大臀筋を鍛えることは前者に相当します。一方で、ハムストリングスを鍛えることは後者に相当し、ハムストリングスを鍛えることで太ももとお尻の境目をよりはっきりさせることで、これにより、ヒップアップ効果を期待できます。

代謝の改善

ハムストリングスは、大臀筋や大腿四頭筋ほどではないものの、身体の中での筋肉の大きさとしては比較的大きい部類に入ります。これにより、前述した大腿四頭筋、大臀筋と同様に、ハムストリングスを鍛えることで代謝の改善を期待でき、これにより効率的なダイエット効果を期待できます。

冷え性、むくみの改善

冷え性やむくみの原因は、前述したように血流が悪くなっていることです。特に、ハムストリングスは大腿四頭筋と比較して、日常的にはそこまで意識して使われる頻度が高い筋肉ではないことから、凝り易く、これにより血流が悪くなっている可能性が高いです。そのためハムストリングスを鍛えることで血流が良くなり、冷え性やむくみの改善を期待できます。

運動機能の向上

走る種目を行っている人の中での代表的な怪我の一つとして肉離れがあります。肉離れの発生原因は様々ですが、その一つとして、急激に力を入れることで、その負荷に筋肉が耐えられず発生することがあります。ハムストリングスは、肉離れが発生する代表的な部位であり、このことからハムストリングスが運動機能に大きな役割があることは明確です。ハムストリングスは、股関節の動きに重要な役割を果たしています。ハムストリングスを鍛えることで強く地面を蹴ることができるようになり、これにより、ジャンプ力の向上、走力の向上などの運動パフォーマンスの向上を期待できます。

姿勢の改善

ハムストリングスは、骨盤と接続しています。ハムストリングスが凝ってしまうと、ハムストリングスが自然と骨盤を引っ張ってしまい、これにより、骨盤が後傾した状態、つまり、骨盤が正常時よりもズレた状態になり、姿勢が悪化します。このため、ハムストリングスを鍛えることで、凝りを解消し、これにより姿勢の改善を期待できます。

ダンベルスクワットのやり方

フォーム

  1. ダンベルを両手にもった状態で、身体の横に配置する。
  2. 臀部(=お尻)主導で上体が曲がらないように、太ももと床が平行もしくはそれよりも深い部分まで身体を下げる。
  3. 膝がロックしない(=真っ直ぐにならない)部分まで元に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

ダンベルスクワットは、基本的には12〜15回3セットを目安に実施します(女性の方で、脚をすっきりさせる用途で実施する場合にはこの限りではありません)。

ダンベルスクワットは、スクワットとデッドリフトを組み合わせたようなエクササイズであることから比較的、力を発揮しやすいエクササイズです。このため、トレーニング強度はやや高いですが、一般的なトレーニングでの推奨回数である12〜15回を3セットを目安に実施しましょう。

重さ

ダンベルスクワットを実施する場合には、女性ならば5 kg程度から扱い、男性ならば10 kg程度から扱うようにしましょう(片手で持つ重量です)。

ダンベルスクワットは、前述した通り、スクワットとデッドリフトを組み合わせた様なエクササイズであることから、重量を扱おうと思えば比較的高重量も扱うことができます。ただ、高重量にすると、怪我をしやすく、かつ可動域が狭くなりやすくなるという問題点があるため、基本的には女性ならば5 kg程度から扱い、男性ならば10 kgから扱うなど、12〜15回を実施できる重量を選択します。

特に、女性で太ももを太くしたくないという方は、重量を増やして負荷を高めるのではなく、回数を増やして(20〜30回程度)負荷を高めます。その際の重量設定ですが、重くても10 kg程度を限度にして、しっかりとフォームを設定してこなすことが重要です。

おすすめのダンベル3選

クロームダンベル(IVANKO)

IVANKO(イヴァンコ)のクロームダンベルは、トレーニングジムにも置いてある非常に本格的なダンベルです。

ダンベルの種類としては固定式です。

イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。

また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。ただし、本格的にトレーニングを行うためには複数種類のダンベルを揃える必要があるという点はデメリットです。

アジャスタダンベル(FLEXBELL)

FLEXBELL(フレックスベル)のアジャスタダンベルは、可変式のダンベルとしては非常に一般的な製品です。

ダンベルの種類は可変式です。

本製品はダンベル1つで重さをダンベルの使用範囲内なら即座に切り替えることができるというものです。可変式ダンベルのブランドの中で、FLEXBELLの製品は比較的有名であり、品質も安定しています。

1つのダンベルで、複数の重さを設定できることからダンベルとしては値段が少々高めではありますが、複数のダンベルを何個も買うことと比較すればお得です。ただし、見た目は少々ゴツいため、自宅に置くのが少々憚られるというのはデメリットです。

ダンベル 2個セット(PROIRON)

PROIRONのダンベルはスポーツクラブでよく見る製品です。

ダンベルの種類は固定式です。

本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。

ただし、ラバー部分は使っていると切れて見栄えが悪くなるため、そこはデメリットです。そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。

ダンベルスクワットの効果を高める方法

適切な重量設定

ダンベルスクワットに限った話ではありませんが、ダンベル、バーベル、マシンを使ったトレーニングでは、特にフォームを維持することが重要です。フォームが崩れる最大の原因は負荷の大きさにあり、負荷の大きさは回数と重量で決定します。つまり、ダンベル、バーベル、マシンを使ったトレーニングでは重量設定が極めて重要であるということが言えます。基本の重量設定は、前述したダンベルスクワットでの目標回数である12〜15回3セットをぎりぎりこなすことができるように設定します。この「ぎりぎり」というのが非常に重要であり、楽々に12〜15回を実施できるとそもそも負荷が足りず、逆に12〜15回を実施できないと負荷が高すぎてフォームが崩れる原因となります。このため、ダンベルスクワットでは適切な重量設定が重要です。この「適切な重量設定」というのは、実は結構難しく、トレーニングを続けていく中で覚えていくようにしましょう。

胸を張る

スクワットで怪我をしやすい部位は、膝と腰です。両部位とも気を付ける必要がありますが、特に腰については細心の注意を払うべきです。スクワットという動作を考えると、「しゃがむ」という動作を行うことから、膝への負担は比較的大きいと考え、多くの人は膝の怪我には気を配ります。その一方で、動作に直接関係ない腰については比較的そこまで気を付けていない方が多いです。実際には、スクワットは腰も非常に怪我をしやすい部位であり、特に重量物を扱うダンベルスクワットでは気を付ける必要があります。スクワットの基本フォームを考えた場合、腰に負担がかからないようにするためには、背筋を張る必要があります。ただ、背筋というのは目視できるものではないことから、実際に目視できる部位である「胸」を「張る」というイメージを持つとより実施しやすくなります。

膝を伸ばし切らない

ダンベルスクワットが分類されるスクワットは非常に負荷の高いエクササイズですが、その一方で負荷が抜けやすいエクササイズでもあります。この理由の1つとしてトップポジションの設定にあります。スクワットでは、身体を上げる際に、大腿四頭筋を少しでも楽にするために膝を伸び切った状態を作りがちですが、このようにすると大腿四頭筋へ負荷が全く入っておらず、トレーニング的にはNGです。トレーニングの基本は、「動作中すべての可動域で筋肉に負荷を与え続ける」という点であるため、これに倣うならばスクワットにおけるトップポジションでも負荷が入るように設定する必要があります。すなわち、膝は伸ばし切るのではなくやや曲げた状態をトップポジションに設定し、その場所で切り返すことが重要です。

下げすぎない

スクワットが、負荷が抜けやすいエクササイズであるもう一つの理由として、ボトムポジションの設定があります。一般的なエクササイズではボトムポジションを深く設定するほど負荷が高まりますが、スクワットの場合、ボトムポジションを深く設定しすぎると負荷が抜けやすくなります。これは、股関節の可動域など個人差があり、膝を伸ばし切った場合におけるトップポジションほど負荷が抜ける訳ではありません。しかし、重さを大腿四頭筋で受けているような感覚が気薄になるため、あまりオススメできません。かと言って、ボトムポジションを上側に設定し過ぎるとハーフスクワットとなり、これはこれで負荷が小さいためオススメできません。つまり、スクワットにおけるボトムポジションの設定は、実はかなりシビアであり、下げ過ぎず、上げ過ぎず、太ももが床と並行よりもやや下側に設定して、その部分になったら切り返すようにしましょう。

膝が前に出ないことに神経質にならない

スクワットで最も良くある間違いが、過剰に膝がつま先よりも前に出ないことを意識することです。これは、膝を痛めないことを目的として推奨されている方法ですが、人間の骨格上、しゃがんだ時に膝が前に出ることは至極当然のことです。これを制限しようとすると、動きが非常にギクシャクするようになり、スクワットを実施しているのに中々重量が扱えないという問題も発生します。実際には、膝がつま先より前に出るか出ないかは、非常に些細な問題であり、これがエクササイズの強度及び怪我の予防につながる可能性は低いです。このことから、膝がつま先より前に出ないように意識することは重要ですが、そこまで神経質になる必要はなく、あくまでも自然の動作の中でスクワットを実施するように意識しましょう。

臀部主導で実施

ダンベルスクワットが分類されるスクワットは膝を支点にして実施するエクササイズです。一見すると、膝を意識して身体を動かしたくなりますが、これは前述したように膝をつま先よりも前に出さないように実施するようなやり方になりがちであり、動きが非常にギクシャクしやすいです。このため、スクワットでは、基本的には臀部を主導にして身体を動かして、臀部を動かすからこそそれに付随して周りの筋肉が動くということを意識することがオススメです。これにより、スクワットを実施しているときのギクシャク感が少なくなるのと同時に、臀部に意識がいくようになるためより臀部を刺激しやすくなることが期待できます。

ターゲットとなる部位を意識

ダンベルスクワットに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングスの動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大胸筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作のスピード

ダンベルスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

ダンベルスクワットに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、ダンベルスクワットでは、身体を下ろすときに息を吸い、身体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

ダンベルスクワットと一緒にやるのがおすすめの筋トレ

スクワット

やり方

  1. 脚幅を腰幅位に設定し、つま先はやや外側に設定する。
  2. 太ももと床が平行よりも少し深くなる位までゆっくり身体を下げる。
  3. 膝をロックしない(=真っ直ぐに伸ばしきらない)ところまで身体を戻す。
  4. 2から3をくり返す。

回数

スクワットは12〜15回3セットを目安に実施します。

スワットというエクササイズ自体は比較的負荷の高いエクササイズですが、自重で実施するスクワットはバーベルなどを用いて行うスクワットと比較して負荷をかなり低減することが期待できます。このため、一般的なトレーニングで推奨とされている回数である12〜15回を目安に実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 身体をゆっくり下げる。

  • 膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。

  • 背中を張ったまま実施する。

  • 初動は臀部から動かすことを意識する。

ランジ

やり方

  1. 常に上半身を床に対して垂直に設定する。
  2. 足を真っ直ぐ前に出す。
  3. 前に出した足を戻して元に戻る。

回数

ランジは、12〜15回3セットを目安に実施します。

ランジは、ステップアップと非常に似ているトレーニングです。ステップアップ台が低い場合には、ステップアップの方が負荷が小さいですが、ある程度の高さになるとランジもステップアップもほぼ同様の負荷のエクササイズとなります。このため、基本的には、ステップアップでの実施回数と同様の12〜15回3セットを目安に実施します。

効果を高めるポイント

  • 上半身を曲げない。

  • 足を前に出し過ぎない。

  • ボトムポジションで体重を受け切る。

ダンベルルーマニアンデッドリフト

やり方

  1. 両手にタンベルを把持する。
  2. 脚幅を腰幅程度に設定する。
  3. 臀部主導で、お尻を後ろに突き出すことで上半身が曲がっていくことを意識し、これ以上、お尻を突き出せない部分まで上半身を曲げる。
  4. 膝をロックしない ところまで身体を戻す。
  5. 3から4をくり返す。

回数

ダンベルルーマニアンデッドリフトは、10〜12回を3セットを目安に実施します。

ダンベルルーマニアンデッドリフトは、臀部、ハムストリングスを鍛えるエクササイズの中でも比較的負荷の高いエクササイズです。また、「デッドリフト」と名前が付くエクササイズであることからわかる通り、重量を扱えるエクササイズでもあります。しかし、重量を扱うとフォームが崩れやすいエクササイズであることから、10〜12回を実施できる重量を設定して実施することがオススメです。

効果を高めるポイント

  • お尻の動きを意識する。

  • ダンベルの重量設定を重すぎないようにする。

  • 背中を張ったまま実施する。

  • トップポジションで膝をロックしない(=真っ直ぐにしない)。

  • 上半身をゆっくり下げる。