上腕三頭筋は、鍛えることで主に二の腕の引き締めを期待できるため、女性にも鍛えて欲しい部位です。今回は女性向けの上腕三頭筋の筋トレ方法及びそのコツをご紹介します。
上腕三頭筋とは、上腕、つまり肘よりも片側についている腕の部分の裏側の筋肉です。「力コブ」と言われている上腕二頭筋の裏側にある筋肉のことを指します。
上腕三頭筋は、外側頭、長頭、内側頭からなります。外側頭は上腕三頭筋の外側の筋肉であり、長頭は上腕三頭筋の内側の筋肉であり、これらの内側に内側頭があります。内側頭と外側頭を合わせて短頭ということもあります。
上腕の筋肉というと、圧倒的に「力コブ」と言われている上腕二頭筋の知名度の方が高いですが、実は、上腕の筋肉で一番大きい筋肉は上腕三頭筋であり、腕のシェイプアップを狙うならば、上腕三頭筋を鍛えた方が圧倒的に効率的です。
上腕三頭筋は、腕の筋肉の大半を占めているため、鍛えることで二の腕をすっきりさせることが期待できます。同じく上腕を形成する主な筋肉として、上腕二頭筋がありますが、上腕二頭筋と上腕三頭筋の大きさを定量的に比較すると、人によってばらつきはありますが、上腕三頭筋の方が1.5倍から2倍程度大きいと言われています。このことから、二の腕をスッキリさせること、つまり二の腕の脂肪を燃焼させるためには、二の腕に効率的に筋肉をつける必要があり、そのためには上腕三頭筋を鍛える方が効率的であると言えます。
上腕三頭筋は、肩甲骨 (肩)及び尺骨 (肘)と接続していることから、上腕三頭筋を鍛えることで肩こりの解消を期待できます。上腕三頭筋に対する刺激が弱いと上腕三頭筋がこり固まってしまうことがあります。特に、肩こりに関与しているの上腕三頭筋の中の長頭、つまり、上腕三頭筋の内側であり、こり固まることで肩甲骨が外側に引っ張られるようになってしまいます。そうなった場合、肩甲骨は元の場所にいることを維持しようとするため、自然と肩甲骨が寄った状態になることで、常に肩甲骨周りに負荷がかかった状態になり、肩こりの原因となります。
上腕三頭筋を鍛えることで、上腕三頭筋に刺激を与え、柔軟性を改善することを期待できるため、これにより肩甲骨に自然と負荷が入ってしまうことを避けることができることから肩こり解消を期待できます。
上腕三頭筋は、単独の筋肉の大きさを比較した場合、上半身の筋肉では三角筋、大胸筋に次ぐ筋肉で非常に大きい筋肉であるため鍛えることで代謝の改善を期待できます。これにより、前述したように二の腕のシェイプアップはもちろんですが、身体全体のシェイプアップもある程度、期待することができます。
上腕三頭筋は、肩甲骨と接続していることから、上腕三頭筋を鍛えることで肩甲骨周りの柔軟性を改善し、これにより、姿勢の改善を期待できます.姿勢が悪い状態は、言い換えるならば、肩甲骨が引っ張られている状態をさします。上腕において、上腕三頭筋と上腕二頭筋のバランスが崩れると、肩甲骨が引っ張られる状態になり、これにより姿勢が悪化することがあります。このため、上腕三頭筋を鍛え、上腕二頭筋とのバランスを整えることで姿勢の改善を期待できます。
上腕三頭筋のトレーニングをやりこむと、腕が太くなってしまうことが考えられます。ただ、それはバーベルやダンベルを用いて、非常に高負荷で実施した場合の話であり、軽い重量や自重トレーニングで実施している場合には、その限りではありません。また、特に女性の場合には、筋肉を作るホルモンであるテストステロンが男性と比較して少ないことから、少しの上腕三頭筋のトレーニングで腕が太くなる可能性というのは非常に少ないと言えます。
自重トレーニングとは、ダンベル、バーベル、マシン、チューブなどのトレーニング道具を使わずに、自身の体重を負荷として実施するトレーニング方法です。自重トレーニングのメリットとして、トレーニングを実施するためにジムに行く必要がなく、気軽に実施できるということが挙げられます。
ベンチディップスは、12-15回を3セット実施します。
ベンチディップスは、「ディップス」という名前はついていますが、ディップスほど負荷の高いエクササイズではありません。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定である12-15回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
やや負荷が高いと感じた場合には、脚を完全に伸ばし切るのではなく、脚をやや曲げた状態で実施するようにして12-15回を目標に実施し、それができたら徐々に脚を伸ばしていきましょう。
トップポジションで肘をロックしない。
身体の動きをしっかりとコントロールする。
負荷が高すぎると感じた場合には、脚を少し曲げ、踵と身体の距離を短くする。
プランクプッシュアップは、プランク-ハイプランク-プランクを1回とカウントして、12〜15回を3セット実施します。
プランクプッシュアップは、エクササイズに必要な最低限の腕の筋肉や体幹をつけるために、非常に有効なエクササイズです。筋トレ初心者の方はまずはプランクだけを実施し、プランクで30-45秒3セット程度できるようになったら、プランクプッシュアップを5回3セット程度から始めて最終的には10-12回を3セット実施することを目標にしましょう。
動作中に身体を一直線に保つ。
身体を大きく揺らさない。
ハイプランクの状態になるときは腕でしっかり身体を支えることを意識する。
ナロープッシュアップは、8〜10回を3セット実施します。
プッシュアップは、腕の力を大きく必要とするため、非常に負荷の高いエクササイズです。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや回数の少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
トップポジションで肘を伸ばし切らない。
身体を下げるときはゆっくりにする。
上半身から下半身は常に一直線で実施する。
負荷が高すぎる場合には膝付きで実施する。
パイクプッシュアップは、8〜10回を3セット実施します。
プッシュアップは、腕の力を大きく必要とするため、非常に負荷の高いエクササイズです。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや回数の少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
実施中は常に肩甲骨を寄せたままにする。
トップポジションで肘を伸ばし切らない。
身体を下げるときはゆっくりにする。
上半身から下半身は常に一直線で実施する。
負荷が高すぎる場合には膝付きで実施する
膝付きで実施しても良い。
ダイヤモンドプッシュアップは、6〜8回を3セット実施します。
ダイヤモンドプッシュアップは、特に腕の力を大きく必要とするため、非常に負荷の高いエクササイズであり、エクササイズの強度としてはナロープッシュアップを上まります。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもかなり回数の少ない6〜8回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
トップポジションで肘を伸ばし切らない。
身体を下げるときはゆっくりにする。
上半身から下半身は常に一直線で実施する。
肘に痛みを感じたら実施をやめる。
負荷が高すぎる場合には膝付きで実施する。
ダンベルキックバックは、10〜12回を3セット実施します。
ダンベルキックバックは、片腕もしくは両腕で実施する方法があり、両腕で実施する方が負荷が高くなります。このため、片腕で実施する際には12-15回、両腕で実施する際には10〜12回を目標に実施しましょう。
テンポ重視で実施する。
ダンベルをトップポジションに持ってくるときは、ダンベルから腕までが真っ直ぐになるように手首を使う。
負荷が高すぎる場合には、片手をアジャスタブルベンチなどに手をかけて片手ずつ実施する。
ダンベルオーバーヘッドエクステンションは、10〜12回を3セット実施します。
ダンベルオーバーヘッドエクステンションは、上腕三頭筋を伸展させることで負荷を入れるエクササイズであり、エクササイズ強度は比較的高めです。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりもやや回数の少ない10〜12回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
重量をやや軽めで設定する。
ダンベルの動きを終始コントロールする。
下げているときに肘に違和感を感じたら無理をしない。
小指の付け根でダンベルを把持するように意識する。
脇を開きすぎない。
ダンベルライイングエクステンションは、8〜10回を3セット実施します。
ダンベルライイングエクステンションは、ダンベルオーバーヘッドエクステンションと同様に上腕三頭筋を伸展させることで負荷を入れるエクササイズであり、エクササイズ強度は比較的高めです。ダンベルオーバーヘッドエクステンションとは異なり、片手でダンベルを支える分、負荷は高くなります。このため、一般的なトレーニングを実施する上での標準的な回数設定よりも回数の少ない8〜10回を3セット実施することを目標に実施しましょう。
重量をやや軽めで設定する。
ダンベルの動きを終始コントロールする。
ボトムポジションからトップポジションに移行する際には手首を外旋する。
トップポジションでのダンベルの位置は目線よりも頭寄りに設定する。
オススメのダンベルとして、イヴァンコのクロームダンベルが挙げられます。
ダンベルの種類は固定式になります。
イヴァンコは、プレートやダンベルのメーカーとして非常に有名であり、高品質の製品を販売しています。そのため、値段は少々張りますが、表面が錆びにくく長く使えることから長期的な投資と考えれば、そこまで高くはないかと思います。
また、表面にクロームがメッキされていることから外見も美しく、自宅に置いておいてもあまり不自然ではありません。
オススメのダンベルとして、PROIRONダンベル2個セットが挙げられます。
ダンベルの種類は固定式になります。
本製品の特徴ですが、ダンベルがラバーで覆われているため、フローリングの上にうっかり落としてしまっても床が傷つきにくいというメリットがあります。値段も上の2つの製品と比較して非常に良心的な料金設定であり、ダンベルを使ってみたいという方にオススメできる製品になります。
ただし、ラバー部分は使っていると切れてくるため、そうなった場合には新しい物を購入するようにしましょう。
上腕三頭筋のエクササイズを実施する際に、ダンベルやバーベルを扱い、かつ重量を扱ってトレーニングする際には、上腕三頭筋の収縮を意識してトレーニングをしましょう。この理由ですが、重量を扱って上腕三頭筋のトレーニングをする際に、上腕三頭筋の伸展を意識すると肘を高確率で怪我をする傾向があるためです。このため、ダンベルやバーベルを扱って負荷を高める際には、上腕三頭筋が収縮する部分、つまり、肘が伸び切るところを重点的に意識するようにしましょう。
上腕三頭筋のエクササイズを実施する際に、ダンベルやバーベルを扱い、かつ伸展の負荷を入れる場合には、重量を軽くしてトレーニングをしましょう。これは、前述したように伸展の負荷を入れる際には、肘を非常に怪我をしやすいためです、また、高負荷で上腕三頭筋が伸展するトレーニングを行うと、どうしても可動域が狭くなってしまうためです。筋肉を伸展させることで負荷を入れるエクササイズでは、可動域を大きく設定することが重要であるため、むしろ、負荷を小さくして可動域を大きく設定することが重要です。
自重トレーニングで上腕三頭筋のトレーニングを実施する場合には、自重は基本的には負荷が大きくないことを考慮して、フォームを厳密に守ることが重要となります。上腕三頭筋を鍛える自重トレーニングは、プッシュアップが基本となりますが、プッシュアップはフォームの規定が非常に厳密であり、フォームが崩れると十分に負荷が入り難くなります。このため、まずは正しいフォームを知ることが重要であり、実施する際には鏡の前で行うことでフォームを確認することはもちろんですが、ビデオで撮影したり、第三者にアドバイスをもらうことも重要です。
上腕三頭筋のエクササイズでも、他のエクササイズと同様にトレーニング中に上腕三頭筋の動きを意識することが非常に有効です。これは鍛えている部位を意識するマインドマッスルコネクションと関係し、鍛えているときに上腕三頭筋の動きを意識できるようになるとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、上腕三頭筋の動きを鏡でチェックしながら自身の実施している種目の中での上腕三頭筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
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