中臀筋は、お尻の横の筋肉であり、鍛えることでメリハリのあるお尻を実現できます。今回は、中臀筋を鍛えるメリット及びその方法についてご紹介します。
中臀筋(ちゅうでんきん)は、臀部(でんぶ)を形成する筋肉の一つで、お尻の側面に位置します。
臀部は正確には臀筋群と呼ばれていて、
小臀筋
梨状筋(りじょうきん)
上双子筋(じょうそうしきん)
下双子筋(かそうしきん)
内閉鎖筋(ないへいさきん)
大腿方形筋(だいたいほうけいきん)
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
中臀筋
大臀筋
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)
からなります。基本的には、一番外側にある大臀筋が最も大きく、その下側(内側)に中臀筋と小臀筋があり、その他の筋肉がインナーマッスルとして存在します。このため、中臀筋は、身体のやや内側にある筋肉といえます。
中臀筋は、股関節の外転動作を司ります。脚を浮かせた状態の場合において、脚を横や斜め後ろに動かすことに作用します。以上の股関節の外転動作は、実は歩行の際に、身体を安定させる働きがあります。このため、中臀筋が弱いと身体が横に揺れることで歩行のバランスが崩れ、これを「トレンデンブルグ跛行」と呼びます。身体のバランスが崩れながら歩くと、体幹が左右方向に振られることになり、腰痛の原因になることがあると言われています。
中臀筋は鍛えることで、股関節の可動域を広げたり、横に動く動作をスムーズにしたり、よりスムーズに片足立ちをできるようになることを期待できます。
日常生活を送る分だと、このような動作が必要になることはほとんどありません。一方で、野球や陸上競技などの競技では、このような動作を行うケースがあり、中臀筋を鍛えることで運動パフォーマンスの向上を期待できます。
お尻が垂れ下がった状態とは、お尻の筋肉がお尻全体の重さを支えきれなくなった状態を指します。まずはお尻の下部から垂れ下がり始め、徐々に上部も垂れ下がり、最終的に全体が垂れ下がってしまいます。中臀筋は、お尻の中でもやや上側に位置していることから、鍛えることでお尻の垂れ下がりの一部を改善し、これによりヒップアップ効果を期待できます。
ただし、根本的なヒップアップ効果を期待するならば、中臀筋に加えて、お尻の大部分を占める大臀筋も鍛えることが必要です。
中臀筋は、前述したように、股関節の外転運動を司る筋肉で、歩行する際に身体のバランスを保つ筋肉です。中臀筋が弱いと歩行時の身体のバランスが崩れ、これにより、歩くたびに上半身が左右に振れることになります。上半身は、腰で下半身と接続しているため、身体のバランスが崩れることで身体が左右に振れると腰に負荷がかかる状態になります。歩行は、多くの人が日常的に(しかも、比較的長い時間)実施する動作であることから、身体のバランスが崩れることによる腰への負担は小さくありません。
中臀筋を鍛えて歩行時のバランスを改善することができれば、腰痛の改善及び予防を期待できます。
また、重量を扱いすぎないことが大切です。
大臀筋は大きい筋肉なので、大臀筋を鍛えるエクササイズは重量を扱える種目が多いです。しかし重量を扱いすぎると可動域が狭くなり、大臀筋のエクササイズで最も重要なボトムポジション及びトップポジションで動きを意識し辛くなります。このため、ダンベル、バーベル、マシンを使って加重して大臀筋を鍛える場合には、やや軽い位の重量設定で実施するようにしましょう。
大臀筋を効果的に鍛えたいのであれば、ハムストリングも鍛えると良いでしょう。
特に女性の多くの方が、ヒップアップを期待して大臀筋を鍛えますが、ヒップアップを期待するならばハムストリングスも鍛えた方がより効果的です。両者を鍛えることで、臀部と大腿の境目がはっきりするようになり、よりヒップラインを改善することが可能です。
中臀筋に限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、中臀筋の動き (=臀部のサイドの動き)を鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での中臀筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。
これも中臀筋に限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
これも中臀筋に限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、中臀筋のトレーニングでは、中臀筋が伸展する際に息を吸い、中臀筋が収縮する際に息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは絶対に避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
トップポジションで膝をロックしない。
身体をゆっくり下げる。
身体を下げすぎない。
背中をできるだけ倒さない。
臀部の動きを意識する。
サイドプランクは、基本的にはハイサイドプランクと同様ですが、腕の突っ張りを使えなくなるためハイサイドプランクよりも負荷が高まります。サイドプランクは身体が身体を支えている方の腕に覆い被さってしまう傾向があるため、きちんと身体を真っ直ぐに設定することが重要です。
1分3セットをできるようになることが目標です。
動作中、土踏まずがお互いについていることを意識する。
可動域をフルに使う。
脚を高く上げすぎない。
踵がやや上を向くように意識する。
脚を高く上げすぎない。
踵がやや上を向くようにする(=お尻がやや上を向くようにする)。
骨盤の動きを意識する。
自重で臀部がしっかり伸展するようにする。
上半身は床に対して、できるだけ垂直に設定する。
しっかり前に踏み出す。
重量設定を重すぎないようにする。
膝はやや曲げた状態で実施する。
重量設定を重すぎないようにする。
ダンベルで実施する際には、片手で実施しても良い。
ルーマニアンデッドリフトと同じ要領で実施する
スクワットの可動域を維持できる位の重量設定で行う。
トップポジションで膝をロックしない (=真っ直ぐにしない)。
身体をゆっくり下げる。
身体を下げすぎない。
背中は床に対して垂直に設定する。
臀部の動きを意識する。
できるだけ深く下げる。
高重量を設定しすぎない。
トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。
バンドの抵抗が強すぎるものを選ばない。
出した脚の分だけ、脚を寄せる。
棒立ちで実施しない。
バンドの抵抗が強すぎるものを選ばない。
脚を高く上げすぎない。
踵がやや上を向くように意識する。
バンドの抵抗が強すぎるものを選ばない。
脚を高く上げすぎない。
踵がやや上を向くようにする(=お尻がやや上を向くようにする)。
バンドの抵抗が強すぎるものを選ばない。
動作中、土踏まずがお互いについていることを意識する。
可動域をしっかり取る。
重量設定を重すぎないようにする。
可動域をしっかり取る。
中臀筋に刺激を入れる場合には、骨盤を立てる。大臀筋に刺激を入れる場合には前傾になる。
重量設定を重すぎないようにする。
脚を高く上げすぎない。
踵がやや上を向くように意識する。
重量設定を重すぎないようにする。
できるだけ深く下げる。
トップポジジョンで前に出ている脚の膝を真っ直ぐに伸ばしきらない。
膝がやや外側を向くようにして脚の甲を乗せる。
仰向けになった状態で、脚を曲げた状態でクロスするようにし、クロスした方の脚の膝の横部分を床につけるようにすることで、中臀筋のストレッチを促します。10〜20秒3セット実施しましょう。2人1組みで実施しても効果的です。
座った状態で脚を組み、組んだ方の脚の膝を床につけるように押しながら、上半身は組んだ脚の方向とは逆に向けるようにすることで、中臀筋のストレッチを促します。10〜20秒3セット実施しましょう。
片膝立ちになり、その状態で上半身を前に倒し、前脚は膝が外に倒れるようにすることで中臀筋のストレッチを促します。両脚で10〜20秒3セット実施しましょう。
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