スーパーマンは、主に背筋を鍛えるために有効なエクササイズであり、実施が容易であるというメリットがあります。今回は、スーパーマンのコツとやり方等をご紹介します。
スーパーマンとは、「スーパーマンバックエクステンション」と表現される種目を指すエクササイズの名称です(基本的に、スーパーマンバックエクステンションを実施する際には「スーパーマン」と表現し、「スーパーマンバックエクステンション」と表現することはほとんどありません)。
スーパーマンは、手脚を伸ばして実施します。その様子がスーパーマンが空を飛んでいる様な状態であることから、このようなネーミングになっています。
通常のバックエクステンションをまとめてスーパーマンと指すこともありますが、通常のバックエクステンション(一般的に「背筋」といわれる筋トレ)は手を頭の後ろの位置に配置するのに対して、スーパーマンでは手を真っ直ぐに伸ばして実施します。このことから、通常のバックエクステンションと比較して、スーパーマンの方がエクササイズ強度が高いことが特徴として挙げられます。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、腸肋筋、最長筋、棘筋からなり、背中の中央部を縦に背骨に沿うように走る背中の筋肉です。
脊柱起立筋は、背中の代表的な筋肉である広背筋や僧帽筋と比較すると小さい筋肉ですが、姿勢を維持するために大きな役割を担っています。そのため、脊柱起立筋は、身体が横になることで姿勢を維持する必要がなくなった状態を除いて、常に働いている筋肉であると言えます。
「姿勢が悪い」というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、または腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。
一方、反り腰は、猫背を治そうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生していることが多く、姿勢の改善を行うためには、まず猫背の改善を行う必要があります。
脊柱起立筋は、前述した通り、背中の中央部を上下に走るように付いており、姿勢を維持する役割があります。ここで、脊柱起立筋を鍛えておけば、脊柱起立筋の姿勢改善効果をより期待できます。特に、脊柱起立筋を鍛えておけば、前述した猫背のように背中が曲がってしまうことを防ぐことが期待でき、姿勢改善を期待できます。
腰痛が発生する原因は、いくつか理由がありますが、その理由の一つに、体幹を支える腹筋と背筋のバランスが崩れていることが挙げられます。
背中の筋肉において、体幹部を支えるのに重要な筋肉は脊柱起立筋であることから、スーパーマンを実施することで、脊柱起立筋を鍛えることで腰痛予防を期待できます。ただし、基本的に、脊柱起立筋は日常的に稼働しているケースが多く、腹筋に対してそこまで弱いという場合は少ないため、「腰痛を改善する」という目的ならば、脊柱起立筋よりも腹直筋を鍛えた方が有効な場合があることには留意しましょう。
また、すでに腰を痛めている人はスーパーマンの動作をすることで、症状が悪化する可能性があるので、その点も注意が必要です。
脊柱起立筋は、前述したように、姿勢を保つ働きがあり、これは言い換えると、「上半身を真っ直ぐに保つことに役割がある」ということです。基本的に、運動を行う際には「上半身を真っ直ぐに保つ」ケースは少ないため、脊柱起立筋を鍛えることと運動パフォーマンスが改善することを結びつけることが難しいかもしれません。しかし、「上半身を真っ直ぐに保つ」という動作は、特にトレーニングで実施するケースが多く、例えば、ショルダープレスやクリーン、ジャークなどで重要であり、脊柱起立筋が発達していると高重量を扱うようになることが期待できます。これらのエクササイズは、運動の補助として行われるケースもあるため、運動パフォーマンスの向上を期待できます。
広背筋は、脇の下から下背部にまで走る背中の筋肉です(よく似た部分の筋肉に大円筋がありますが、大円筋は肩甲骨の下側から上腕筋に走る非常に限定的な部分の筋肉です)。
広背筋は、背中の中で最も大きい筋肉であり、肩関節の動きに寄与しています。「肩関節の動き」は非常に漠然としていますが、具体的にいうと、「ものを引く動作」等を意味しており、このため、広背筋があるからこそ、「ものを引く動作」ができるということが言えます。ただし、この動作は日常生活の中ではあまり使われず、特にトレーニングを行っているときに良く使われる動作です。このことから、広背筋を鍛えるためには、日常的な動作だけでは不十分であり、自重トレーニングやウェイトトレーニングにより意識的に鍛える必要があります。
背中の筋肉は、脚の筋肉と並んで身体の中で締める割合が大きい部位です。背中の筋肉の中でも、広背筋は、その名の如く、背中の中で広い筋肉であり、背中の筋肉の中では最も大きい筋肉です。このため、広背筋を鍛えることで、効率的に代謝の改善を促すことが期待できます。例えば、体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。このため、広背筋を鍛えることで代謝を改善するということは、ダイエットの近道であるということが言えます。
前述したように姿勢を改善する上で、猫背を改善することが重要です。猫背になってしまっているのは、背中を真っ直ぐに支える力が弱くなってしまっているためです。広背筋は、背中の非常に広い部分をカバーしており、これにより、鍛えることで背中を支える力を改善することが期待でき、姿勢改善を期待できます。
お腹が出ている状態というのは、いくつかの原因があり、その一つとして、「背中の筋肉が弱いことでお腹が出ている」ということが挙げられます。これは、猫背になっている状態を想像すると非常にわかりやすいですが、猫背になると自然と背中と逆側にあるお腹は出るようになります。つまり、姿勢が悪くなると腹筋をうまく使うことができず、これによりお腹が出やすい状態になります。この現象は、体脂肪率が低いのにも関わらず、お腹が出ている方に多く見られるものであり、身体が痩せ型にも関わらず、お腹が出てしまっている場合には姿勢を改善するようにしましょう。また、姿勢を改善することができれば、腹筋を使うことができるようになり、結果としてお腹周りの引き締め効果を期待できます。
大臀筋は、お尻の筋肉です。お尻の筋肉は、大臀筋、中臀筋、小臀筋から構成されますが、その名前の通り、大臀筋がお尻の筋肉の大部分を占めています。
また、大臀筋は身体全体の筋肉で見ても非常に大きく、単一の筋肉では身体の中で占める割合が最も大きい筋肉です。
大臀筋の他にお尻を形成する中臀筋と小臀筋について、中臀筋はお尻の外側についている筋肉、小臀筋はお尻の中で最も内側に存在する筋肉です。ただ、両者ともに大臀筋と比較すると、筋肉としては小さいため、お尻を効果的に鍛えたいならば大臀筋を鍛えると効率的です。
大臀筋は、お尻全体を支える作用があります。このため、大臀筋が衰えると、このお尻を支える作用が弱くなることでお尻が垂れたようになります。また、大臀筋が衰えると、お尻についた筋肉の脂肪燃焼作用が弱くなるため、このお尻についた脂肪によりお尻が垂れる原因となります。したがって、大臀筋を鍛えることでお尻を支える力を強くし、かつ、お尻についている脂肪燃焼作用を促進することでヒップアップ効果を期待できます。
大臀筋を鍛えると、お尻と太ももの境目がはっきりするようになります。これは、大臀筋を鍛えることでお尻が持ち上がるためであり、これにより、お尻が上がった分だけ脚が長く見え、これにより、太ももがスッキリしたように見えます。
また、大臀筋は、前述した様に、身体の中で非常に大きい筋肉であるため、大臀筋に刺激が入らないと全身の血流が悪くなり、これにより、下半身が浮腫んでしまう原因となります。このため、大臀筋を鍛えることで全身の血流を改善することで、下半身の浮腫を改善し、これにより太ももがスッキリ見えるようになることがあります。
大臀筋が衰えてしまうと、お尻を支える力が弱くなるため、少しでも力が加わってしまうとお尻が大きく動いてしまうことになります。つまり、例えば、歩いているときは、床からの反力がお尻に伝わりますが、その反力により、お尻が左右に振れてしまうという状態が発生します。こうなった場合、単に歩いているだけでもお尻が揺れることで重心がぶれてしまい、脚に無駄な負荷を加えることになります。したがって、大臀筋を鍛えることでお尻を支える力をしっかりと維持し、これにより、脚が疲れにくくなります。
大臀筋は、前述した通り、身体の中でも非常に大きい筋肉に分類されます。これにより、他の部位と比較して筋肉をつけやすく、基礎代謝の改善を期待できます。
腰痛の原因は、前述した腹筋と背筋のバランスに加えて、姿勢が非常に重要な役割を果たしています。大臀筋は、お尻の筋肉ではありますが、言い換えれば、背筋の根本にある筋肉であり、身体を真っ直ぐ立たせる役割がある筋肉です。そのため、臀筋が十分に発達していないと姿勢が崩れる原因になり、これが腰痛の原因となります。したがって、大臀筋を鍛えることで姿勢を改善し、これにより腰痛の予防を期待できます。
スーパーマンは、最終的には15〜18回を3セット実施できるようになることを目指しましょう。
バックエクステンションよりも負荷の高いエクササイズであるため、最初は10回3セットをしっかり実施できる様になることを目指します。10回3セットをしっかりできるようになったら、12回、15回と目指して、最終的に18回を3セット程度実施できるようになれば十分です。
スーパーマンは、自重トレーニングとしてはやや負荷の高いエクササイズであるため、毎日実施することは避けましょう。隔日で行い、毎日トレーニングを実施できる場合には、後述するようなスーパーマンと一緒にやると効果的なトレーニングを行ってみてください。
スーパーマンは、手脚が床から離れているからこそ、対象部位に刺激が入っている状態になっています。言い換えれば、手脚の何れかが床に付いてしまうと、スーパーマンの効果は大幅に減少します。スーパーマンは、静的なエクササイズであるため、「負荷が入った状態を維持する」というテクニックが特に重要となります。したがって、スーパーマン実施中に常に対象部位に刺激を入れるために、手脚を床につけないことが重要です。
基本のスーパーマンでは、手脚を床からしっかりと離すことが重要です。これに加えて、スーパーマンでは、手脚を上げることで、手脚の付け根となる背中とお尻に負荷を入れるため、付け根への負荷が高まるようにするために手脚は真っ直ぐにする必要があります。以上が基本のスーパーマンのテクニックですが、その応用として、「手脚を真っ直ぐにしたままやや開く」というやり方もあります。これは、手脚が左右でくっついた状態だと、それ同士が支え合う働きをするために負荷が小さくなるという問題点を解決するための方法です。手脚をやや開いた状態で実施することで、この釣り合いでバランスを取ろうとする働きがなくなり、広背筋及び大臀筋への刺激が高まります。ただし、ただ、その分だけ腰や肩関節にかかる負荷も高くなるため、怪我を抱えている方は無理をせず、やや肘、膝を曲げて実施しても問題ありません。
スーパーマンにおいて、手脚が床についた状態は、手脚を床が支えている状態であるため、全く負荷が入っていない状態です。この状態を基準として、手脚を高く上げるほど、筋肉が大きく仕事をする必要があるため、負荷が高まります。また、手脚を高く上げると、脊柱起立筋、広背筋、大臀筋の収縮が促されるため、負荷が高くなります。人の身体は、そもそも、スーパーマンのように、背中を収縮させるような動作を十分にできるような構造になっておらず、このため、漫然に実施するとスーパーマンの可動域は非常に限定的となります。だからこそ、できるだけ手脚を高くすることを意識することで、可動域を大きく設定するようにすることが重要です。
スーパーマンを実施する上で、顔は床に向けた方が自然です。これは言い換えると、顔を正面に向けてスーパーマンを実施するということは、スーパーマンを実施する上では不自然な動作となり、これにより、肩、首に余計な負担がかかることになります。首周りを鍛えることも目的としてスーパーマンを実施している場合を除いて、余計な部分に負荷が入ると、本来鍛えたい部位に対するマインドマッスルコネクション (後述)が疎かになるため、おすすめできません。そのため、本来のスーパーマンで鍛えたい部位をより効果的に刺激するために、顔は床に向けて実施するようにしましょう。
トレーニングにおける「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。反対に、身体が一番低い状態にあることを「ボトムポジション」と言います。その間を「ミッドレンジ」と言います。
スーパーマンで最も負荷がかかるのはトップポジションであり、トップポジションで意図的に静止することで負荷を高めることができます。スーパーマンの動作として、トップポジションで20〜30秒間静止するだけの動作も有効であり、また、1回ずつ5秒程度トップポジションで静止する動作も有効です。
スーパーマンに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。スーパーマンの場合には、筋肉が積極的に動くエクササイズではないため、「筋肉の動き」というよりは「自分自身がどこを鍛えているのか」を意識することが重要です。
スーパーマンに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
スーパーマンに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、上半身及び下半身を上げるときに筋肉が収縮されるため、その際に息を吐くことで収縮を促します。逆に上半身及び下半身を下げるときには息をしっかり吸います。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
スーパーマンの応用編に、スイミングがあります。スーパーマンの状態を作り、右腕と左脚、左腕と右脚というペアで交互に上下に動かすトレーニングです。
最初のうちは手脚を細かく動かすだけでも効果あり。
上半身及び下半身が落ちないようにする。
目線は下。
バックエクステンションは、スーパーマンの元になるトレーニングだからこそ、スーパーマンと一緒に実施すると効果的であり、スーパーマンを実施する前にウォーミングアップの意味合いで実施するようにしましょう。
上半身をしっかり上げ切る。
上半身及び下半身が落ちないようにする。
トップポジションで一瞬静止する。
バックエクステンション台で実施しても良い。
プランクは肘とつま先で身体を支え、上半身から下半身を一直線にした状態で行います。
スーパーマンで刺激する脊柱起立筋及び腰回りを刺激するため、スーパーマンを実施したときに腰を痛めるリスクを減らし、よりスーパーマンを実施しやすくするようになるために実施します。
上半身から下半身までを一直線にしてキープする。
臀部を"張る"(=外旋する)ようなイメージを持つ
スーパーマンプランクは、極めて負荷の高いプランクです。実施する際には、手脚の筋肉はもちろんですが、腰、背中にも大きく負担がかかるため、背中を効率的に刺激することができるスーパーマンをウォーミングアップとして実施するのがおすすめです。
目線は下。
負荷はかなり高い。
最初は5秒を目標に実施する。
インターバルをきちんと設定して実施する。
上半身から下半身まで一直線にする。
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